中野たむが宇宙旅行をアテンド 強いとカワイイの両方に貪欲という面白さ
14日、スターダムが後楽園ホール大会を行い、新型コロナ不安が冷めないままの事態にもかかわらず埋まった観客席に“満員”マークをつけた。
大会結果 スターダム KORAKUEN NEW LANDSCAPE 2020
セミ、メインに“タッグ王座戦”がラインナップ。
■ スターダム KORAKUEN NEW LANDSCAPE 2020
日時:11月14日(土)後楽園ホール 11:30
会場:東京・後楽園ホール 観衆563人(満員/コロナ対策限定人数/主催者発表)<レディ・Cデビュー戦>
〇飯田沙耶
(7分23秒 逆エビ固め)
●レディ・C<タッグマッチ>
小波&○吏南
(7分36秒 変形スープレックス・ホールド)
里歩&●妃南<ハンデキャップマッチ>
〇ひめか
(4分26秒 ダブル・アルゼンチン・バックブリーカー)
●羽南&●ルアカ<6人タッグマッチ>
○中野たむ&白川未奈& ZZ=ウナギ・サヤカ
(12分32秒 タイガー・スープレックス・ホールド)
岩谷麻優&スターライト・キッド&●ゴキゲンです☆<アーティスト・オブ・スターダム選手権試合>
〈挑戦チーム〉
○ビー・プレストリー&刀羅ナツコ&鹿島沙希
(18分27秒 クイーンズ・ランディング)
ジュリア&●朱里&舞華
〈王者チーム〉
※王者組が3度目の防衛に失敗、大江戸隊が第24代王者組となる<ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合>
〈王者チーム〉
○林下詩美&上谷沙弥
(23分6秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド)
渡辺桃&●AZM
〈挑戦者チーム〉
※王者組が2度目の防衛に成功
特にここ2年に言えること。初見のファンにも“スターダムの試合は面白い”は折り紙つき。
ブシロードグループ入りによる新日本プロレスとの技術交流の成果もあるのだろう。加えて、見るからに明らかなジュリアの肉体改造など、こういう環境だからこそ自分たちを磨く姿勢も止まらない。少し前までの女子プロレスには“売店でのサイン会を重視”という見方をしていたファンもいたかもしれないが、新型コロナでファン交流が断たれている。よりリング上でのパフォーマンスとドラマで勝負する女子プロレスが求められている。
中野「岩谷麻優のイチバンになりたかった中野たむは死にました」
そんなスターダムも新型コロナ影響で“オッと思うカード”がないと観客席が埋まらないのも確か。14日は満員となったわけだが、メイン・セミのタイトルマッチラインナップのほかに、セミ前のタッグマッチが果たした役割は大きかったに違いない。
中野たむ&白川未奈のタッグチーム『DREAM☆H』は新たな仲間“ZZ”の登場を予告していた。ZZはうなぎひまわりことウナギ・サヤカだった。
宇宙一の天使たちがキメポーズつきで降臨。
初参戦のウナギにSTARSからの洗礼が浴びせられるが、、、
3人での初戦からいきなり宇宙旅行の合体攻撃。
<リング上のマイク>
中野「中野たむ率いる宇宙一の天使たち、1戦目勝利を飾りましたー。ありがとうございます」
白川「レディース・アンド・ジェントルメン。アテンション・プリーズ。私達はもっともっともっともっと、大きな夢を掴みに宇宙旅行に出掛けます。キャビンアテンダントの白川未奈です」
ウナギ「ウナギサヤカです。これからてっぺんめざして頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします」
中野「みなさん、私たちと一緒に最高の宇宙旅行を味わいましょう。私たちもアナタたちも、デリシャス、ウ〜ンマ!」
<バックステージ>
中野「宇宙一かわいいアイドルレスラー中野たむ率いる宇宙一の天使たち」
ウナギ「プヨプヨプヨ~」
中野「赤ちゃん天使が生まれました」
白川「たむさんの愛の結晶」
中野「これから3人で宇宙旅行に行きたいと思うんですけど、みなさん私たちと一緒に最高の夢を探しに、宇宙旅行ついてきてくれますか?」
白川「ウェルカム・アボード。アワー・エンジェルズ・フライト」
中野「これからウナとミナとタムで、そしてみなさんにおいしい夢を味わいに行きましょう」
3人「デリシャース。ウ~ン、マ!!」
(スターダム公式)
マイク締めとともにデリシャスポーズの新しさと、、、
何より彼女たちが“解放”されたかのような表情が胸を打った。
試合後にもキメポーズ。
あなたたちも私たちも、、、
デリシャス~ウ~ン、マッ!!
こうして“宇宙一の天使たち”は誕生した。
DREAM☆HのZZはうなぎひまわり(右端)!! リングネームは #うなぎさやか でアナウンス。#スターダム #stardom #DREAMH #ドリームH #うなぎひまわり pic.twitter.com/WjFKFTQ3d3
— カクトウログ📶プロレス/格闘技 (@kakutolog) November 14, 2020
決着がついた後には、中野と岩谷麻優が言葉を交わし合うシーンがあった。2人は距離を置くことになり、中野はミナ・ウナと一緒に宇宙旅行をアテンドしていく。
まゆさん。
たむを救ってくれたまゆさんには、本当に感謝しかないです。
これまでもこれからも、大好きです。でも、いつまでも、岩谷麻優の後ろを走っている訳にはいかないんです。 https://t.co/sVMVRYWM8P
— 中野たむ Tam Nakano (@tmtmtmx) November 11, 2020
岩谷麻優のイチバンになりたかった中野たむは死にました。
スターダムのイチバンをとります。 pic.twitter.com/9jruYBwvjU
— 中野たむ Tam Nakano (@tmtmtmx) November 14, 2020
🔹中野たむ率いる"宇宙の天使"は初戦に快勝しての勝利コメント。 pic.twitter.com/u3d0y7Upvx
— スターダム✪STARDOM (@wwr_stardom) November 14, 2020
うな、いくよ!
宇宙の果てまで、最高に楽しいこと探しに行くんだよ!
航空整備士頼んだよ! https://t.co/sQUGPnCFza— 中野たむ Tam Nakano (@tmtmtmx) November 14, 2020
ちゃんみな、たむを信じてくれてありがとう。
手、離さないでね!いっくよ~!TAKE OFF!🚀💫 https://t.co/do9kfJ97PT
— 中野たむ Tam Nakano (@tmtmtmx) November 14, 2020
かつて棚橋弘至が新たなる価値観を提示したように
2019年に定期的にスターダムを観戦するようになってから、ボクにとっての中野の印象は奇行(?)だった。
カクトウログさまいつも楽しく拝見しています。現在タッグリーグを星輝ありさ選手と参戦中ですが以前白ベルト戦で敗れた相手であり奪回を誓ってます。そんな複雑な心境を表現しています。中野たむの戦場はリングだけでなく花道やSNS、売店も含みます。365日言葉で発信し続ける寄り添うプロレスです。 pic.twitter.com/lz6GM2TdCR
— katsumi (@takekatsu1031) November 11, 2019
奇行に見えるシーンは“もがいている”姿だとスターダムファンに教えていただいた。新しい仲間を得て、中野は前に進もうとしている。
もともとスターダムはHカップグラレスラーとしての愛川ゆず季の存在から出発している。それがここに来て“女子ファンの獲得”も謳われるようになった。ミナがHカップ、ウナがGカップ。スターダム創業精神への回帰とも捉えられるし、“あからさまな男子ファン目当てはいかがなものか”という反応もあるだろう。
新しい観客がプロレスには入ってこない中、レスラーたちは創業者の思想にしがみついた。
新日本プロレスに新たなる価値観を提示したのは棚橋弘至ただひとりだった。
ストロングスタイルは時代遅れだ。
キャッチーでポップな、会場の全員が盛り上がれるようなわかりやすいプロレスを展開しよう。
だが、そんな棚橋に、古いイデオロギーを忘れられない昭和のプロレスファンは大ブーイングを送った。
棚橋は、彼らが嫌がることをすることに決めた。寡黙でストイックなレスラーではなく、自己陶酔型のチャラいナルシストを演じることにしたのだ。
(棚橋弘至と2011年――。この年、新日本プロレスに何が起きた? – プロレス – Number Web – ナンバー)
そもそもスターダムには「強いとカワイイの両方に貪欲であれ」スピリットが感じられるが、宇宙一の天使たちはアイドル路線強めで突っ走る。自己陶酔型のチャラいナルシストを演じた棚橋弘至ばりの新たなる価値観を提示すればいい。振り切ってしまって全然オッケーなのだ。
注目される流れにあることを嫉妬されるくらいがいい。余分な力が入った攻撃を受け続けるくらいがいい。宇宙一の天使たちにとってはまるで毎試合が査定試合の様相となっていく。イメージだけで語っているファンは試合を見てみるといいだろう。どんな気迫と技でタム・ミナ・ウナが闘っているかを。
中野はこの日、マット界随一のブリッジによるタイガー・スープレックス・ホールドで試合をフィニッシュした。
仙台にて15日ゴング スターダム STARDOM SENDAI CINDERELLA 2020
5大タイトルマッチをはじめとした“全部乗せ”状態となった仙台大会は15日ゴング。PPV配信もあり。
【本日 #仙台 ビッグマッチ👑】
仙台の空は雲ひとつない青空です✨#スターダム 究極&至高の5大タイトル戦含む全8試合🔥👗『#STARDOM SENDAI CINDERELLA 2020』
🎫当日券は13時より発売
🔻大会情報https://t.co/dONB319Cru…
📺PPV配信あり‼️
🔻本日18時まで購入🆗https://t.co/8ylfnYWfdN… pic.twitter.com/bgBk83iTZf— スターダム✪STARDOM (@wwr_stardom) November 15, 2020
■ スターダム STARDOM SENDAI CINDERELLA 2020
日時:11月15日(日)15:00
会場:宮城・仙台サンプラザ第8試合:ワールド・オブ・スターダム選手権試合/30分一本勝負
<王者>岩谷麻優(STARS)
vs.
<挑戦者>林下詩美(Queen’s Quest)第7試合:ワンダー・オブ・スターダム選手権/30分一本勝負
<王者>ジュリア(Donna Del Mondo)
vs.
<挑戦者>小波(大江戸隊)第6試合:SWA選手権試合/30分一本勝負
<王者>ビー・プレストリー(大江戸隊)
vs.
<挑戦者>朱里(Donna Del Mondo)第5試合:シングルマッチ/15分一本勝負
ひめか(Donna Del Mondo)
vs.
渡辺桃(Queen’s Quest)第4試合:ハイスピード選手権試合/15分一本勝負
<王者> AZM(Queen’s Quest)
vs.
<挑戦者>ゴキゲンです☆(STARS)第3試合:6人タッグマッチ/15分一本勝負
中野たむ&白川未奈&ZZ(STARS)
vs.
刀羅ナツコ&鹿島沙希&吏南(大江戸隊)第2試合:6人タッグマッチ/15分一本勝負
里歩(AEW)&キッド&羽南(STARS)
vs.
上谷沙弥&妃南(Queen‘s Quest)&レディ・C第1試合:フューチャー・オブ・スターダム選手権試合/15分一本勝負
<王者>舞華(Donna Del Mondo)
vs.
<挑戦者>飯田沙耶(STARS)