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不満爆発という恒例行事がなくなった!? 東スポプロレス大賞2021総括

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1992

 13日の選考会により『東スポプロレス大賞2021』受賞者が決定した。追って14日朝6時にネット上のニュースとして情報が解禁されている。

昨年発表への「不当」評は4割だったが・・・一転して激減1割にとどまる

 選考結果の振り返り(功労賞は除く)。

▼受賞結果 東スポプロレス大賞(2年分)

2020年 2021年
MVP 内藤哲也(新日) 鷹木信悟(新日)
ベストバウト オカダvs内藤(1・5東京D/新日) 潮崎vs.武藤(2・12武道館/ノア)
最優秀タッグ 杉浦&桜庭(ノア) タイチ&ザック(新日)
殊勲賞 潮崎豪(ノア) ジェイク・リー(全日)
敢闘賞 高橋ヒロム(新日) 竹下幸之介(DDT)
技能賞 遠藤哲哉(DDT) グレート-O-カーン(新日)
新人賞 選出なし 荒井優希(東京女子)
女子プロレス大賞 ジュリア(STARDOM) 林下詩美(STARDOM)

 今回の結果のポイント。

★ コロナ禍でも「プロレスを止めなかった」この2年間のノア、ついに山をも動かす。無観客試合となっても大会を多数配信し、有観客試合で2月には11年ぶり日本武道館大会(潮崎vs.武藤含む)を開催した。長きに渡って続く「MVPとベストバウトは新日プロ」との図式がついに途絶えた。

★ブシロード系(新日プロ・スターダム)が受賞4、サイバーエージェント系(ノア・DDT・東京女子)が受賞3となった。ブシロード4、サイバー3という各合計数は昨年と同じ。

★新日プロ選手「MVP」は11年連続。一方で、2020年まで「6年連続だった新日プロ試合ベストバウト」と「11年連続だった新日本選手出場試合のベストバウト」がついに2021年になって途絶えた。オカダ・カズチカによる連続ベストバウト獲得も2020年までの7年連続をもって途絶えた。

(2021.12.14 6:00 am プロレス大賞ベストバウトは潮崎vs.武藤 新日プロ以外試合は6年ぶり | プロレス・格闘技・ボクシングの情報配信|カクトウログ

 100人台ではありますが、2年間の選考へのファンの評価は!?

▼2020年分

▼2021年分

 昨年発表への「不当」評は4割だったが・・・今回は一転して激減1割にとどまった。

 「ネット上で不満が爆発するまでがプロレス大賞」だったのに、実際にSNSを見ていてもそういう感じがしなかった今回のプロレス大賞ではありました。

今年もやってみましょう「たぶんこうだったんじゃないか劇場」式検証

 冒頭文として、昨年と同じことを書きます。

 そもそもスポーツながら、プロ野球のタイトル争いなどとは違うというのがプロレスというジャンルの面白いところなんですよ。打者であれば打率・本塁打・打点、投手であれば勝利数・防御率・奪三振・・・そういった野球における記録じゃない。記録より記憶であるし、クオリティとともに動員数も問われる。プロレス大賞はプロレスというジャンルの裏返しではあるんです。

 このような難しい賞を毎年運営し、これだけ騒がれるほどのある種の“権威化”をさせている東スポは本当は恐ろしい存在。そうですよねぇ、昨年にMVP・ベストバウト含む3部門獲得の新日本プロレスがもしも今年2部門になったとしたら、東スポの団体バランスの総括として受け取られます。新日本からすれば「あれあれ、東スポさん!? 何か私たちのグレードが下がりましたか」となる。

 “会社”が“取引先の会社”を評価することになるのですから。東スポのデスクとしては細心の注意を払うべき問題でしょう。どこまで会話されているかはわからないですが、「新日本は昨年同様に3部門になるように考えないと・・・」という意識はあってもおかしくない。ましてや2020年までのトップ2大賞を新日本目線で表現すると、“新日本選手MVP”が10年連続、“新日本選手出場試合のベストバウト”が11年連続だったわけですから。

 ここからの「解説部分」はあくまでフィクションですので誤解なきように。

 14日の配信でも喋った内容となりますが、「たぶんこうだったんじゃないか劇場」式検証です。

 選考過程は「2021年度「プロレス大賞」選考過程を大公開! 蝶野正洋、小橋建太ら19人が厳正審査 | 東スポ」より。

●最優秀選手賞(MVP)選考

 鷹木信悟 14票
 武藤敬司 5票
※鷹木信悟が過半数を獲得し受賞

●年間最高試合賞(ベストバウト)選考

・1回目

 潮崎豪VS武藤敬司(ノア2月12日、日本武道館) 7票
 鷹木信悟VS棚橋弘至(新日本7月25日、東京ドーム) 7票
 ジュリアVS中野たむ(スターダム3月3日、日本武道館) 2票
 林下詩美VS朱里(スターダム6月12日、大田区総合体育館) 2票
 中嶋勝彦VS拳王(ノア11月28日、代々木競技場第二体育館) 1票

・2回目

 潮崎豪VS武藤敬司(ノア2月12日、日本武道館) 11票
 鷹木信悟VS棚橋弘至(新日本7月25日、東京ドーム) 8票
※決選投票の結果、潮崎豪VS武藤敬司が過半数を獲得し受賞

 オカダが2020年まで7年連続ベストバウト獲得でしたから、ボクは12日の記事にも残したように下記のように予想。

▽最優秀選手賞(MVP) 武藤敬司【対抗:鷹木信悟】
▽年間最高試合(ベストバウト) 鷹木vs.オカダ(6・7大阪城)【対抗:潮崎vs.武藤(2・12武道館)】

 この組み合わせでMVPがノアならベストバウトが新日、MVPが新日ならベストバウトがノアと考えた。ロジックはその通りだったと思いますが、新日支持陣営は「潮崎vs.武藤」への対抗として「鷹木vs.棚橋」を持ってきたわけです。より大舞台での試合であり、かつ鷹木と棚橋というと“コロナ禍で奮闘した2人”という色合いが強くなる。オカダ8年連続ベストバウトを最初から捨ててまで勝ちにいった決意の「鷹木vs.棚橋」案でしたが、3票差で涙。

 つまりは多くの選考委員にとっても落としどころ自体は「トップ2大賞が新日本」ではなく「MVPがノアならベストバウトが新日、MVPが新日ならベストバウトがノア」だったかと(申し合わせたわけではないと思うが)。その証拠に1回目投票で同数だったものが2回目投票で3票差(落としどころに向かってノアの得票が伸びる)となるわけです。

 「トップ2大賞が新日本」がついに崩れる。それほどまでにノアの追い上げと武藤の鮮烈さがあったというのがボクの見立て。

●最優秀タッグ賞選考

 タイチ&ザック・セイバーJr. 11票
 宮原健斗&青柳優馬 4票
 金剛(ノアユニット) 2票
 ジュリア&朱里 1票
 該当チームなし 1票
※タイチ&ザック・セイバーJr.が過半数を獲得し受賞

 「トップ2大賞が新日本」が崩れたわけですから、仮に新日本への気遣いが出てきたとしても自然です。全日本プロレスでは「プロレス大賞タッグ部門間違いなし」宣言が宮原&青柳から出ていましたが、タイチ&ザックは11票、宮原&青柳は4票という大差となりました。

●殊勲賞選考

・1回目

 武藤敬司 7票
 ジェイク・リー 6票
 中嶋勝彦 3票
 鷹木信悟 1票
 竹下幸之介 1票
 ザック・セイバーJr. 1票
・2回目

 ジェイク・リー 14票
 武藤敬司 5票
※決選投票の結果、ジェイク・リーが過半数を獲得し受賞

 武藤のメジャー団体単複王座グランドスラム、ジェイクの快進撃。この決戦となるわけだが、「新日トップ2大賞の図式を崩してまで武藤はベストバウトに入ったので複数受賞じゃなくていいかな」「全日本は昨年は1部門も取れなかったよな」という心理が働いても仕方がない局面です。2回目投票ではなんと1回目に武藤に投票した2名までジェイクにまわってしまい、ジェイク圧勝。

 残りはみなさんの頭で「たぶんこうだったんじゃないか劇場」式検証をどうぞ。

●敢闘賞選考

 竹下幸之介 10票
 ジェイク・リー 5票
 エル・デスペラード 2票
 YAMATO 1票
 棚橋弘至 1票
※竹下幸之介が過半数を獲得し受賞

●技能賞選考

・1回目

 グレート―O―カーン 7票
 YAMATO 4票
 ザック・セイバーJr. 2票
 KENTA 2票
 拳王 2票
 野村卓矢 1票
 青木真也 1票

・2回目

 グレート―O―カーン 11票
 YAMATO 8票
※決選投票の結果、グレート―O―カーンが過半数を獲得し受賞

●女子プロレス大賞選考

 林下詩美 18票
 橋本千紘 1票
※林下詩美が過半数を獲得し受賞

●新人賞選考

・1回目

 荒井優希 9票
 稲村愛輝 5票
 上谷沙弥 2票
 大森北斗 1票
 箕浦康太 1票
 該当者なし 1票

・2回目

 荒井優希 11票
 稲村愛輝 8票
※決選投票の結果、荒井優希が過半数を獲得し受賞

 敢闘賞までのところでブシロード2、サイバー1(昨年はブシロード4、サイバー3)。不足分のブシロード2、サイバー2がそれぞれ補充されました。オーカーンは東スポ記事での岡本記者との掛け合いも楽しませてくれた2021年です。

 選考委員は東スポの委員が9人、特別選考委員が2人。他マスコミが8人。

◇選考委員会 (※2021年度プロレス大賞)
【選考委員長】
初山潤一(東京スポーツ新聞社運動二部部長)
【特別選考委員】
蝶野正洋
小橋建太
【選考委員】
平塚雅人(東京スポーツ新聞社取締役編集局長)
下田知仁(東京スポーツ新聞社写真映像部副部長)
中村亜希子(東京スポーツ新聞社運動二部次長)
小坂健一郎(東京スポーツ新聞社運動二部次長)
前田 聡(東京スポーツ新聞社運動二部主任)
岡本佑介(東京スポーツ新聞社運動二部主任)
桂川智広(東京スポーツ新聞社運動二部部員)
岩田大補(東京スポーツ新聞社写真映像部部員)

洪 経人(デイリースポーツ)
大西洋和(東京中日スポーツ)
松熊洋介(日刊スポーツ)
湯沢直哉(週刊プロレス編集長)
小佐野景浩(プロレスライター)
元井美貴(プロレスキャスター)
今野利明(サムライTVプロデューサー)
門馬忠雄(プロレス評論家)
※順不同

 選考結果が評判よく、委員のみなさんも胸をなでおろしているかと。おつかれさまでした。

 最後に、今回がなぜ不満少となったのか。

 当サイトでは結果第1報時点から『コロナ禍でも「プロレスを止めなかった」この2年間のノア、ついに山をも動かす』と表現。言うまでもなく鷹木についても、ウィル・オスプレイ突然の帰国、飯伏幸太のドーム出場可否などに翻弄されまくりました(自らもコロナ罹患)。それでも熱い闘いを止めず、2020年のNEVER戦線からの好評価が継続していた感があります。

 2021年の東スポプロレス大賞には、コロナ禍における実に2年分に渡ってのファン評価が反映され、それが新日トップ2大賞の図式までも突き動かしたのです。これほど心地よく納得のいくものはないでしょう。

 おしまい。


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