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前田日明

2000年代も妥協しないぜ!! 前田日明の来歴をまとめて振り返ってみる

前田日明

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 唐突なタイトルをつけてしまったが、Wikipediaの前田日明が2000年代はほとんどログなし。というわけで詳細が記されている現役時代についてはダイジェストを、記載がほとんどない2000年代については歩みをまとめてみる。

 あなたは世の中に足りない前田日明をどこまで追えてる!? 近年のトーク記事リンクつき。

少年時代~新日本プロレス

▼1959年1月24日、大阪府大阪市大正区出身。 元在日韓国人(在日3世)で韓国名は高日明(コ・イルミョン)。中学から始めた空手で無想館拳心道二段を習得した。

▼1977年7月、新日本プロレスにスカウトされ入門した。空手やボクシングに興味はあるもののプロレスへの憧れはなかった。「まずは新日本プロレスで体づくりを」「モハメド・アリのジムと提携してるのでボクシングも目指せる」と新間寿氏に言われたのが発端となる。新間氏の詭弁がよくネタになるが、前田は後に次のようにも語っている。「入門のキッカケになった『裏方のトップの新間寿さんに会いに行かないか』って言われたときに、ぜんぜん当時のプロレスに興味はなかったんですけど『新間さんに会いたいなぁ』と思って。そういうこと(猪木vs.アリ異種格闘技戦)を実現する人ってどんな人なんだろうと思って」。

▼1978年8月、新潟・長岡市厚生会館での山本小鉄戦でデビュー。1982年2月からの英国武者修行ではカール・ゴッチの特訓を受けつつ「クイック・キック・リー」の名前で活躍した。3年程度の修行を意図していたが、猪木の体調不良により1年で帰国を強いられる。

▼1983年4月21日の凱旋帰国試合では「1分で料理しろ」カール・ゴッチと「15分やって盛り上げろ」新間寿氏との間に挟まれ、3分の風車固めでポール・オーンドーフを仕留める。「七色のスープレックスを持つ男」としての多彩なスープレックス、フライング・ニール・キックで人気を爆発させる。5月開幕のIWGP決勝リーグ戦には「欧州代表」としてエントリーされた。

第1次UWF~1.4 新日本プロレス提携時代

▼1983年、24歳で帰化申請、翌年受理される。1984年4月旗揚げの第1次UWFに移籍して、エースの立場を担う。猪木(新日本)と同じスタイルをやっていても勝てないとの判断から格闘技スタイルを確立する。1985年12月6日の新日本プロレス両国国技館大会にて、藤原喜明、木戸修、高田伸彦、山崎一夫らと共に業務提携という形で新日本プロレスに復帰。あえてスーツ姿でマイクを握り「1年半UWFとしてやってきたことが何であるか確かめに来ました」と挨拶した。

▼1986年10月9日、両国国技館でのドン・ナカヤ・ニールセンとの異種格闘技戦が絶賛され、「格闘王」の称号を得る。1986年の東スポプロレス大賞にて藤波辰巳vs.前田日明(6月12日・大阪城ホール)が年間ベストバウトに選出された。

▼1987年11月19日、6人タッグマッチでのカットプレーで前田が長州力の顔面に蹴りを入れ、長州が右前頭洞底骨折となる。新日本からの無期限出場停止処分、解雇(1988年3月1日)へとつながったこの試合は顔面蹴撃事件と呼ばれるようになる。

第2次UWF~リングス

▼1988年4月8日に赤坂東急ホテルにて記者会見を行い、前田は第2次UWFの旗揚げを発表する。山崎一夫、高田延彦、中野龍雄、安生洋二、宮戸成夫の5選手とともに出発した。5月12日・後楽園ホール大会での旗揚げ戦では、前田は「選ばれし者の恍惚と不安、ふたつ我にあり」とマイク。1989年11月、東京ドーム大会を開催するなど日本マット界にUWFブームを到来させた。

▼1991年1月に第2次UWFは解散して三派に分裂する。所属日本人が1人となる中で前田は5月にリングスを旗揚げした。「最強はリングスが決める」のキャッチフレーズ、オランダ、ロシア、グルジアはじめとする支部設立による世界ネットワークが構築となる。

▼新日本・UWFを通じての後輩・高田延彦が1997年『PRIDE.1』にてヒクソン・グレイシーに敗北した。この動きを受けて前田・リングス側もヒクソン側と交渉するも、ヒクソンは高田との再戦を選択する。前田によるヒクソン戦は実現しなかった。

▼1999年2月、前田は「人類最強の男」と称されるアレキサンダー・カレリン戦で現役を引退した。リングス代表に就任し、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ、エメリヤーエンコ・ヒョードルといった有力選手を総合格闘技界に送り出した。

ビッグマウス~HERO’S~THE OUTSIDER~参院選出馬中止

▼リングス解散後は沈黙状態だったが、2005年1月、ビッグマウス(プロレス)スーパーバイザー、HERO’S(総合格闘技)スーパーバイザーに就任したことが発表された。しかし2006年2月、「スーパーUWF」という方向性を飲まなかったビッグマウス(上井文彦氏)と訣別。総合格闘技に専念する方向となった。

▼2006年12月、フリーカメラマンの藤原佐知子さん(35歳)と入籍した。2007年5月14日、長男・武慶(たけちか)君が3880グラムのビッグサイズで誕生する。のちに下の子(2021年時点で5歳)の存在も明かしている。

▼2007年10月5日、「HERO’S KOREA 2007」の開催発表記者会見に出席した。前日10月4日にPRIDE事務所が閉鎖され活動停止されたことに関して「PRIDE? ざまあみろだね」と発言。谷川貞治氏が「不適切な発言」とHERO’S公式サイトに謝罪文を掲載した。

▼2007年12月31日、「K-1 PREMIUM 2007 Dynamite!!」で田村潔司vs.所英男の試合後のリング上にプレゼンターとして登場。勝利者賞のトロフィーを田村に投げつけ、口論となるトラブルを起こした。

▼2008年1月21日、RINGS公式サイトで3月30日にディファ有明において開催される、いわゆる「不良少年」を対象とした格闘技大会「THE OUTSIDER」の開催を発表する。3月30日にディファ有明で開催された第1回大会の観衆は1,521人(超満員札止め)。

▼2008年2月15日、「THE OUTSIDER」の記者会見を開き、HERO’Sの発展的解消に伴い同イベントのスーパーバイザーを降板したことが発表された。新たにスタートすることとなった旧PRIDEとHERO’Sとの連立イベント『DREAM』については「めでたいこと」とコメントするにとどまった。

▼2008年4月5日発売分のプロレス専門誌『Gリング』にて、「だからいま、土台から順番に作っているんですよ。格闘ログとか何かをチラッと見たら、前田リングス断念とか、お前勝手に決めんなよって(笑)」と、カクトウログ記事に反応した。

▼2009年1月17日、六本木のホテルで結婚式・披露宴を執り行う。

▼2009年3月15日、「THE OUTSIDER」が映画とのコラボイベント「クローズZEROⅡ公開記念 THE OUTSIDER SPECIAL」として大会場に初進出を果たした。

▼2009年12月29日、民主党が来夏・参院比例選の公認内定者11人を発表。前田日明が名を連ねる。

▼2010年3月3日の民主党1次公認発表に前田日明は名を連ねず。資金等の準備について民主党と食い違いがあり、民主党からの出馬を辞退していたことが後に明らかになる。2010年3月下旬、亀井静香氏と会談して、国民新党からの擁立について大筋合意。しかし、4月27日に再び会談、「少年を対象とした格闘技大会の運営に専念したい」として断念する意向を伝えた。

▼2010年4月3日、「THE OUTSIDER」ディファ有明大会で「(10月11日の)横浜文体っていうのは、彼らがプロになるための大きなステップ。で、プロとしてやっていくならやっぱりリングスが責任を持ってやっていくんで、そういった意味でリングス復活の第1弾ですよね。ZSTや米軍との対抗戦はOUTSIDERじゃなくてリングスでやっていくよ」と発言。

▼2010年9月3日、師匠のひとりである新日本プロレス顧問の山本小鉄さん(8月28日逝去)の告別式で弔辞を読み、個人の功績を偲ぶ。

▼2010年10月11日、アウトサイダー初の単独ビッグマッチ「THE OUTSIDER 第13戦 in 横浜文化体育館」は4854人(超満員)の観衆を集めて大盛況で開催される。

リングス再開

▼2011年6月20日、都内のリングス事務所でTHE OUTSIDER・ZSTの合同記者会見。この席上、前田がリングス復活について言及。「リングスネットワークから『いつリングスの活動を再開するんだ?』という問い合わせがありました。また業界そのものが地盤沈下している状況もあり、少し早い気もしますが、ここで来年の春にリングスとして再始動することを発表します。完全にプロだけの大会としてやることになりました(3月頃に後楽園ホールくらいの会場から、まずは軽量級を中心に始める計画を立てている)」と発表する。

▼2011年10月6日、リングス事務所にて前田日明らが記者会見を行い、アウトサイダーとリングスの今後に関する発表を行う。2012年3月9日、リングス復活大会が後楽園ホールにて行われることが発表される。

▼2012年3月9日、リングス復活大会「reincarnation 再臨」が後楽園ホールにて開催される。

▼2013年9月8日、アウトサイダー大阪大会で前田日明が暴行されるという事件が勃発。かつて大阪で“不良による格闘技大会”を行っていた集団が前田サイドに“挨拶がない”と因縁をつける。

▼2014年12月31日、前田日明の格闘技人生45周年を記念したライブイベント『MEGA BATTLE LEGEND 2014大晦日~前田日明に触れてみよ。 ZERO』がディファ有明にて開催される。

▼2015年6月10日、『UWF戦史』著者・塩澤幸登氏による前田の評伝、ノンフィクション、伝記『格闘者1』が発売に。500頁級×全3巻の第1巻。

▼2016年2月5日、「合同会社ガン・ガン・ガン」代表として「サバゲーショップ&フィールドMEGA G3」を立川にオープンする(しばらくして代表を退き、同組織との関係は解消された)。オープンイベント時にカクトウログ観戦仲間が「今日はカクトウログの人も来ますんで」と談話すると前田は「あの人はいつ寝てるの?」と反応する。イベント時間が進んだ際には前田から「けっきょくカクトウログの人は来たの!?」との言葉が出て、「カクトウログと申します。いつも勝手なことを書かせていただいてましてすみません」とサイト管理人が初めて挨拶する一幕も。

▼カール・ゴッチ(2007年7月28日、82歳没)の墓が荒川区の回向院に建立され、2017年7月28日に納骨式が行われた。アントニオ猪木、藤原喜明、木戸修、前田日明、ジョー・マレンコ、西村修、鈴木秀樹、鈴川真一、ノブ・ハヤシ、桜井隆多、タイガー服部レフェリー、ブル中野が参列した。

『1984年のUWF』反証~新団体構想

▼格闘技スタイルで社会現象を起こした「UWF」、その背景を描いた柳澤健著『1984年のUWF』(Number連載記事を編集して2017年1月発売)が話題となった。一方で、UWFの長である前田あるいは業界に対してのネガティブな記載、事実関係への疑問も読者からは相次いだ。この流れの中で、前田からの反論に相当する『前田日明が語るUWF全史』上下巻が2017年12月に発売された。

▼2017年末、前田が新団体旗揚げと2018年1月の全貌発表を予告する。1月に会見は行われず、前田による準備は続いた。

▼2018年6月29日に前田が会見を行い、アメリカのラスベガスで開催されている格闘技イベント「Final Fight Championship(FFC)」との提携を発表した。前田は「他の大会や団体とも協力関係を築いて、THE OUTSIDERの選手はもちろんのこと、他のリングの選手も含め、アメリカでプロ選手としての道を希望する者へチャンスを与えていきたい」とした。この動きは具体的には、7・21川崎市とどろきアリーナ大会への選手招聘につながった。

▼元パンクラスの渡部謙吾が前田のマネージャーについたことが2018年11月発売の『KAMINOGE』vol.83にて明かされる。オリンピック前の会場不足により首都圏での開催ができなくなっている「THE OUTSIDER」については、前田は地方継続に向けて仕切り直し中であるとした。

▼2018年11月17日放映のBSフジ『脳トレ生合戦!!』番組中に前田vs.長州力の「叩いてかぶってじゃんけんぽん」対決が実現する。長州が2勝1敗で「この恨みここで晴らせるとは」との名言を残した。

▼2018年12月29日、日テレで放送された『有吉反省会』に前田が出演した。「トイレに隠れて携帯ゲーム、ハマりすぎて課金は数百万」を反省した。

▼2019年2月15日の武藤敬司プロデュース『PRO-WRESTLING MASTERS』大会に前田がセコンドとして登場した。試合後にマイクを握ると、長州がロープに走ってリキラリアットにいくムーブ。この茶目っ気に前田は笑顔で応えた。

▼2019年4月27日、新宿区のリーガロイヤルホテルにおいて藤原の古希を祝う「古希祝フルスイングトーク」にファン320人が参加。猪木、前田、船木、山崎一夫が一堂に会した。

▼2020年に入って61歳を迎えた前田は1~3月にイベント出演を展開したが、4月以降はコロナ禍で中止・延期が相次いだ。「THE OUTSIDER」大会も、再開に向けての調整に取り組む日々となった。

▼2020年3月、前田が朝倉海との対談を皮切りにYouTubeチャンネル『前田日明チャンネル』を開設した。

▼2021年に入り家族から「痩せろ痩せろ」と言われるほどウエートアップした前田。発表体重では145.3キロに到達した。和田良覚氏によるパーソナルトレーニングをスタートさせるも、「THE OUTSIDER」調整に伴う会食もあって思うように進まぬ日々となった。

▼2021年11月7日、闘道館でのトークイベントで新間寿氏と再会。自身の格闘技人生における猪木、新間氏との縁に感謝した。高田延彦との和解についての質問が参加者から出ると「30年前に親しかった後輩と、第三者に『和解したらどうですか』と言われても…というレベルなんですよ。どっかで会ったら『元気でやってるか?』とは言いますけど」と返答した。


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