スターダムが過去最高利益 新日本は黒字転換するも対コロナ前観衆65%
ブシロードが14日にFY23(2022年6月通期/22年7月~22年6月)の連結決算を発表し、プロレスファンの間でも話題となっている。ブシロードはゲーム開発などを手掛けるとともに、新日本プロレスとスターダムの親会社である。
ブシロード全体はFY24減益(4割減)予想で一時ストップ安
ブシロードのFY23連結決算は売上高419億6600万円、営業利益33億9000万円、経常利益51億1300万円、最終利益35億0800万円となった。売上、利益とも過去最高となった。
一方で、同時に示されたFY24純利益予想が40%減の12億円(新規ゲームの研究開発費や人件費などの増加が重荷とされる)となり、連日でストップ安ともなった。言うまでもなく株価は予想に対して動くため、ブシロードにとっては厳しい事態となっている。
2年前にスターダムのスターライト・キッドが木谷高明オーナーにビンタを見舞う一幕があった。再現される日も近い!? ブシロードには打開策が期待される。
2021/09/28【🅱ブシロード株主総会】スターライト・キッド選手が木谷オーナーに気合の一発‼【STARDOM】
ブシロードが新日本プロレスの売上と来場者推移をグラフで説明
同タイミングの資料にて、ブシロードは新日本プロレスの売上と来場者推移をグラフなどで説明している。
・新日本プロレスは売上・来場者数ともFY19をピークに、コロナ禍の影響を大きく受けて落ち込んだ。
・FY21が底となり、緩やかな回復傾向にあるが、FY23の来場者数はFY19の65%に留まっている。
・一方、売上はコロナ前とほぼ同水準にまで回復してきている。要因はコンテンツ売上であり、配信サービス「新日本プロレスワ
ールド」の会員数並びにPPV(ペイ・パー・ビュー)が好調に推移している。
新日本は黒字転換はしたが、来場者数では対コロナ前で65%にとどまっている。回復には安心するが、これが100%になったときが真のコロナ明けと言えるだろう。
FY23グループ各社実績での営業利益 新日本2.3億円、スターダム2.5億円
グループ各社実績の2か年分を確認しておきたい。
前述のように新日本は黒字化となった。最新の営業利益は新日本が2.3億円、スターダムが2.5億円となっている。
別途、FY23の通期決算説明資料での業績ハイライトには下記のように記された。
スポーツ&ヘルスケアユニット
・「新日本プロレス」 観客動員数が回復傾向、コンテンツ売上が好調
・「スターダム」 運営の㈱ブシロードファイトが過去最高営業利益を達成
・ヘルスケア事業 「新日本プロテイン」を発売(2023年1月)
・運営コスト増加等の影響で減益となったフィットネスクラブ事業から撤退
発表上のトピックスとしても、新日本の「観客動員数が回復傾向、コンテンツ売上が好調」、スターダムの「過去最高営業利益を達成」が取り扱いとなった。
フィットネスクラブ事業について。2020年2月にフィットネスクラブを展開するソプラティコを連結子会社化、棚橋弘至と中野たむの広告が目印とされたスポーツクラブ『ブシロードウェルビー東松原』を2022年5月にスタートしていたが、減益により撤退(コロナ禍で会員数減少、さらにエネルギー価格の高騰による運営コスト増加)。こちらは残念な結果となっている。