武道館&後楽園2連戦 オールタイム全日ファンによる多幸空間ここにあり
全日本プロレスがかつての聖地に18年ぶりに帰ってきた。18日、『楽天チケット Presents 全日本プロレス50周年大会』日本武道館大会が開催となり、翌日には後楽園ホール大会も行われた。
大会結果 全日本プロレス 楽天チケット Presents 全日本プロレス50周年大会 9月18日(日)日本武道館
■ 全日本プロレス 楽天チケット Presents 全日本プロレス50周年大会
日時:9月18日(日)16:30
会場:東京・日本武道館 観衆4780人(主催者発表)
<大会前>
石川修司がプロデューサー、女子プロレス「Evolution(エボリューション)」に入団した5人の練習生が紹介された。
<第1試合>
●椎葉おうじ
児玉裕輔
4分18秒 しまなみドライバー→片エビ固め
井上凌
〇ライジングHAYATO
<第2試合>
ATM
〇長井満也
TAJIRI
ヨシタツ
6分04秒 ストレッチプラム
アンディ・ウー
●SUSHI
ブラックめんそーれ
イザナギ
カネの雨を降らせる!? 新キャラATM。
<第3試合/斉藤兄弟凱旋試合>
サイラス
〇斉藤レイ
斉藤ジュン
7分38秒 ダイビングボディプレス→体固め
納谷幸男
佐藤耕平
●石川修司
“斉藤兄弟”から“斉藤ブラザーズ”へ。双子である斉藤ジュン&斉藤レイは日本人とアメリカ人のハーフ(宮城県出身)。学生時代をアメリカで過ごし、大相撲で8年間力士を経て全日本プロレスに入門。2021年6月に同時にデビューし、今年1月より無期限アメリカ遠征へ出発していた。髭をたくわえたくましく凱旋。なんと石川修司をフォール。
<第4試合/アジアタッグ選手権試合>
[挑戦者]
〇田村男児
佐藤光留
14分22秒 デスバレーボム→片エビ固め
●歳三
稔
[第113代王者]
※稔&歳三が3度目の防衛に失敗、光留&田村が第114代王者となる
<第5試合/スペシャルシングルマッチ>
〇鈴木みのる
12分04秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め
●大森北斗
新日本の50周年武道館でオカダ・カズチカを相手にスリリングなメインタッグ対決を繰り広げたみのる。全日本50周年でもらしさ全開だったが、大森北斗もまた実にいい味と反骨心を見せた。
<第6試合/安齊勇馬デビュー戦>
●安齊勇馬
9分09秒 ナガタロックII
〇永田裕志
体格に恵まれ、早くも動きがサマになっていた。全日本の未来を背負う安齊勇馬がデビュー。
<第7試合/スペシャルシングルマッチ>
●クリストファー・ダニエルズ
11分31秒 THE FOOL→片エビ固め
〇青柳優馬
<第8試合/全日本プロレス創立50周年記念スペシャル6人タッグマッチ>
●井上雅央
谷津嘉章
グレート小鹿
11分55秒 バックドロップ→体固め
越中詩郎
大仁田厚
〇渕正信
聞くとアガるヤンキー・ステーション。ザ・グレート・カブキがヌンチャクと毒霧で50周年の舞い。
全日本プロレス創立50周年記念スペシャル6人タッグマッチとして試合前に記念のショット。
ラストはこの2人が50周年の感慨に浸っていた。
渕「日本武道館、帰ってきました。雨の中、この日本武道館に誠にご来場いただきましてありがとうございます」。
大仁田「僕と渕さんは48年の付き合いです。全日本は50年です。今日はありがとよ!」。
<第9試合/世界タッグ選手権試合>
[挑戦者]
征矢学
●大森隆男
16分22秒 ファイナルベント→片エビ固め
〇本田竜輝
芦野祥太郎
[第91代王者]
※芦野&本田が2度目の防衛に成功
大森&征矢が「GET WILD」を感動の再結成。お揃いガウンで登場だ。
パワフルな打撃、連係技を見せるも、あと一歩届かず。
世界タッグ立会人の田上明、川田利明が王者組のショットに加わった。
ジュンが「本田さん、芦野さん。アンタたちそのベルトあんまり似合ってないな」と、斉藤ブラザーズとして挑戦表明。芦野が「アメリカにかぶれ過ぎなんだよ」とイジる。
<第10試合/世界ジュニアヘビー級選手権試合>
[挑戦者]
〇青柳亮生
13分23秒 ファイヤーバードスプラッシュ→片エビ固め
●タイガーマスク
[第62代王者]
※タイガーマスクが4度目の防衛に失敗、亮生が第63代王者となる
青柳亮生の突き上げとタイガーマスクの引き出しで好勝負となったジュニア戦。武道館のうしろから3つ目の試合は責任重大だったが、赤髪の青柳がファイヤーバードで至宝奪還!!
<第11試合/三冠ヘビー級王座次期挑戦者決定戦>
〇野村直矢
0分43秒 スピアー→ジャックナイフ式エビ固め
●ジェイク・リー
セミの三冠ヘビー級王座次期挑戦者決定戦は野村直矢がジェイク・リーになんと秒殺勝利。興行終了時間の都合も意識した!?
<第12試合/三冠ヘビー級選手権試合>
[挑戦者/第9回王道トーナメント優勝者]
〇宮原健斗
16分35秒 シャットダウンスープレックスホールド
●諏訪魔
[第67代王者]
※諏訪魔が初防衛に失敗、宮原健斗が第68代王者となる
メインの主役たちが入ってくる。挑戦者・宮原健斗!!
特別立会人、小橋建太!!
特別立会人、スタン・ハンセン!!
王者・諏訪魔!!
全日、武道館、三冠戦の三拍子がここに揃う。
オーとバックドロップと手四つと。50周年で改めて鶴田化した諏訪魔が歴史の重みで立ちはだかった。武道館は王者・諏訪魔で“正解”だったと思う。
諏訪魔は都合4発のバックドロップを繰り出すも、5発目は宮原が阻止。この日重ねたシャットダウンが完全に決まり、宮原が21時前ギリギリで仕留めた。
宮原のベルト奪回を見届けた野村が「おい、宮原!」と凄むが、視界にハンセン。マイク持ったままペコリとした野村に観客ドッ!! 野村「明日の三冠戦、俺がお前を1分以内で倒してやる。俺が新しい全日本の顔になる」。
宮原が新王者に。小橋とハンセンが脇を固めて3ショットに収まる。
宮原「(初めて全日本プロレスを観た視聴者に)俺が宮原だ、カッコいいだろ。今日で全日本プロレスは50周年だ。全日本プロレスは歴史があって今がある。その歴史があってこの先もこの俺が引っ張っていく。サイコーですかぁ?」。
50周年の特設ステージをバックに宮原が大会を締めた。
大会結果 全日本プロレス #ajpw MANIAx in 後楽園ホール 9月19日(月祝)後楽園ホール
■ 全日本プロレス #ajpw MANIAx in 後楽園ホール
日時:9月19日(月祝)11:30
会場:東京・後楽園ホール 観衆919人(主催者発表)
<第1試合>
〇羆嵐
土肥こうじ
2分52秒 ダイビングセントーン→体固め
●ブラックめんそーれ
イザナギ
<第2試合>
サイラス
〇クリストファー・ダニエルズ
青柳亮生
11分44秒 BME→片エビ固め
ライジングHAYATO
●TAJIRI
ヨシタツ
ダニエルズが「ムーンサルト!!」と叫ぶたびに味方が邪魔するフィニッシュシーンがサイコーだった。千両役者だなぁ。
8月にセクシー(!?)にイメチェンしたライジングHAYATO。このまま突き進んでほしい。「一番そのベルトが似合うのはこの俺、ライジングHAYATOだ。そのベルトを奪い取らないと、そのベルトがかわいそうだ」と挑戦表明。
<第3試合>
●ブラック・タイガー
7分13秒 羽根折り腕固め
〇タイガーマスク
<第4試合>
〇田村男児
永田裕志
6分19秒 デスバレーボム→片エビ固め
●井上凌
大森隆男
<第5試合>
●安齊勇馬
5分37秒 逆片エビ固め
〇鈴木みのる
安齊はデビュー1戦目が永田、2戦目がみのる。破格の英才教育となる。
<第6試合>
大森北斗
青柳優馬
〇石川修司
ジェイク・リー
11分00秒 空中胴締め落とし→体固め
歳三
稔
TARU
●諏訪魔
連続串刺し攻撃に行くときの本隊が実に楽しそう。
諏訪魔とTARUの間で不協和音か?
<第7試合/世界タッグ選手権試合>
[挑戦者]
●斉藤レイ
斉藤ジュン
12分08秒 アンクルロック
本田竜輝
〇芦野祥太郎
[第91代王者]
※芦野&本田が3度目の防衛に成功
前夜に挑戦をとりつけた斉藤ブラザーズが登場。
相撲殺法とプロレス伝統合体技で追い詰めたが、、、
王者組についにつかまりギブアップ。土肥&羆嵐が挑戦表明で元W-1対決が決定した。
<第8試合/三冠ヘビー級選手権試合>
[挑戦者]
●野村直矢
20分24秒 シャットダウンスープレックスホールド
〇宮原健斗
[第68代王者]
※宮原が初防衛に成功
宮原のブラックアウトを寸前にかわした野村がフットスタンプ。“MANIAx”メインはスリリングな一戦に。
持てる技のバリエーションを出し尽くした野村、アワヤのシーンも続出だったが、、、
ついに宮原がシャットダウンでフィニッシュ。
宮原と野村は健闘を称えあうグータッチ。次期挑戦表明は大森隆男、場所は“馬場さん故郷”の10・22新潟・三条大会。
斉藤兄弟が“80年代外国人レスラー”風貌で衝撃凱旋、大型日本人・安齊勇馬デビュー
思わず「えっ、あの斉藤兄弟!?」と目が点になった。芦野が「アメリカにかぶれ過ぎ」としたが(もともとハーフだが)、少しクラシカルで“80年代外国人レスラー”風なのがドハマリではないか。翌・後楽園でのタイトル奪取はならず「レインメーカー」とはいかなかったが、かつて外国人天下でワクワクしていたときの全日本が重なった。
そこに日本人主力が立ち向かってきたわけだが、未来もまたそうなりそうな逸材がデビューだ。安齊勇馬はレスラーとしての身のこなしも十分だった。
オールタイム全日ファンによる多幸空間がここにあり。レジェンド多数来場、名勝負上映もあった全日本プロレス50周年記念大会は、実に4780人を動員。歴史とリアルタイム抗争を同居させたうえで、さらに大きな未来を見せる衝撃だった。
この日に向けて計画を立ててきたんだなぁと実感できたし、長くプロレスを見続けているほどにジーンと来る興行でもあった。翌・後楽園ホール大会にも919人が駆けつけていた。もちろんこれを機に順風とは単純にはいかず、コロナという状況ものしかかる。10・2後楽園大会に新日本プロレス勢のさらなる参戦も発表されたが、ファンと一緒に出航した51年目以降の全日本丸に期待だ。