新崎人生と藤波辰爾が弟子を語る ノア12・2横浜メインでタッグ戦出撃
年明けGHCヘビー戦を前に「拳王&新崎人生vs.藤波辰爾&征矢学」師弟対決が12・2横浜武道館大会で実現となった。公式から届いたインタビューをお届けする。
「ポテンシャルは五輪金メダル級。どこの世界で戦っても通用する」師匠・新崎人生が愛弟子・拳王を語る!!
——改めて、拳王選手との出会いをお聞きしてもよろしいでしょうか?
新崎人生「もう30年近く前から毎年3月に徳島でみちのくプロレスの大会をやっているんですけど、その大会の準備で毎年1月、2月くらいに帰っているんです。で、今から何年前ですかね?拳王が中学生の時だったのでかなり前になると思うんですけど、日本拳法の道場の方がいろいろ(徳島大会を)お手伝いをして下さっていたので、そこの道場にあいさつに行ったときに中学生だった拳王がいました。そこが初めての出会いの場所ですね。“コイツ強いんだ”っていう話を聞いて。身体が大きかったのですごく印象に残っていました」
——その後、拳王選手はみちのくプロレスに入団することになりました。
新崎人生「最初に紹介してもらったのも徳島のフクタレコードっていうところの福田さんという方なんですけれど、その方から電話があって。拳王はその当時、明治大学で日本一、世界一になっていた時なんです。そして卒業して“みちプロに入りたいって言っているんだけど”と言われまして。拳王がもしレスラーになるとすれば、みちのくプロレスじゃなくて新日本とか、その当時は全日本だったのかNOAHだったのかちょっと忘れましたけど、メジャー団体の方がいいんじゃないかと。日本拳法の世界一ですから。オリンピックの金メダリストみたいなものですから、そういうところ(メジャー団体)で実力を発揮した方がいいんじゃないかと言ってください、とその時はこちらから一回お断り…お断りというか断ったわけではないですけど、拳王が進むとしたらそっちの方がチャンスがあるんじゃないかと思って。(その後)どうしてもみちのくで、というような話であったので、そうであれば“まずはみちのくで”と思い自分は引き受けました」
——新崎選手は“拳王”の名付け親でもありますが、その名前にこめられた想いをお聞かせください。
新崎人生「本当に日本拳法の王者という意味で“拳王”という名前に。何かで読んだんですけど、本人から直接言われてはいないんですが、“最初は凄く嫌だった、恥ずかしかった”って言っていましたね」
——新崎選手から見て、プロレスラー“拳王”とはどのように見えていますか?
新崎人生「レスラーとしてというか格闘者としてサイズも小さい中で、日本拳法は無差別なのでその中で、大学生の時に社会人を抑えて日本チャンピオンになっていますし、世界でもそのままチャンピオンになっていますから。格闘者としてのポテンシャルというのは本当にオリンピックの金メダル級なので。レスラーとしてという事ではなくてどこの世界で戦っても通用するだろうというのは感じていましたね」
——拳王選手は新崎選手の“ライバルを作れ”という言葉を非常に強く受け止めておられました。
新崎人生「やっぱりしのぎを削る相手がいないと成長しないですし。かつていろいろな、日本の中でも世界の中でも戦ってきた人たちはみんな同時期にそういうライバルがいてこそのスターになっていっているので。その当時(拳王のみちのくプロレス時代)はみちのくプロレスの中ではフジタ“Jr”ハヤトというような存在。そこでまずしっかりとライバルとして戦え、というようなことで言ったんだと思います」
——拳王選手がNOAHに移籍した時のことについて教えて頂けますでしょうか?
新崎人生「もう最初から拳王は外に出すつもりでいたので。そのタイミングがちょうどその時だったという事ですね。ちょうどチャンピオンに拳王がなって、みちのくのエースとして戦っていて。タッグマッチですけど私も拳王に負けて。そういうタイミングで外に出て行ってもらいたいと。最初ジュニアでNOAHにまず上がってしばらくジュニアで戦っていたんですけど、もっと早く活躍できると思っていたんですね。色んな社会情勢とか日本のプロレス界での情勢とかもあったと思うんですが。でもまぁ結果的にそこ(NOAHに参戦してすぐ)じゃなく、(現在より)数年前の段階でトップに躍り出たという事でいえば、タイミングはよかったんじゃないかと思いますね。うれしい限りです」
——12.2横浜では師弟同士のタッグ対決になります。
新崎人生「お祭り的なカードなのかな、という風に一瞬思ってはいたんですけど、ただそれがタイトルマッチの前哨戦にちょうどなるという風に聞いて。まぁお祭りのカードではなくなるとは思いましたね。藤波さんと征矢選手のストーリーが、リアルタイムで観ていなかったのでそれほど知らなかったので。おそらく征矢選手もまだそんなに有名な時ではないと思うんですね、その当時って。なのでそのお話はあまりピンとは来ていないんですけど、征矢選手と当たるのは初めてですし。藤波さんとは何度も対戦はした事がありますけども、やはりNOAHのリングで藤波さんがどう戦うのかっていう。あとはやはり前哨戦ですから、拳王と征矢選手が輝かないと。藤波さんと自分が前面に出る戦いをしているようではあまり意味がないかなと思っています」
——拳王選手からは“ドラゴンスープレックス”で勝利すると宣言がありました。
新崎人生「そういうビジョンがあるのが拳王らしいなと。本当にプロレスラーっていうのは、プロレス頭という風に言われているそこの回転が良くないとなかなかトップは取れない。拳王は本当にそういう部分が長けているので、面白い試合になるんじゃないかなっていう感じはしますね」
——では最後にファンの皆様へメッセージをお願いいたします。
新崎人生「12月2日(横浜武道館大会)の拳王と組んで藤波さんと征矢選手との試合、もちろん私も拳王、他選手に負けないように頑張りますが、とにかく拳王と征矢選手の次のタイトルに向けての戦いに注目してもらいたいと思います。ご来場、お待ちしております」
「楽しみだね、久々に会うのが」かつての弟子・征矢との16年ぶりの邂逅に藤波は何を想うのか!?
——プロレスリング・ノアのリングには約6年ぶりの参戦となります。
藤波辰爾「僕の世代はどうしても当時のNOAHの、他団体というのがものすごく構えてしまうというか。今の選手というのは割とどこの団体、どこのリングに上がってもニュートラルに、自然に動くよね。我々はどうしても前の思いがあるから違う意識が働いちゃうね」
——征矢学選手との出会いについてお聞かせください。
藤波辰爾「最初は誰もそうなんだけど、やっぱり素直というか真っすぐだよね。彼がプロレス入りした時ちょっと接点があるけど、それから僕は全く何も彼にプロレスらしきプロレス何も教えていないんでね。もうあれよあれよとか思った中で、彼の風貌も変わっちゃったし身体的にも変わって。反対に楽しみだね、久々に会うのがね」
——征矢選手は自分が“不義理”をしてしまったとおっしゃっていました。
藤波辰爾「不義理?別に僕自身は全くアレは無いけどね、彼自身に関してはね。彼もやっぱり成長の発展途上の時にね、1試合でもリングに上がりたいでしょうからね。(征矢選手のことを)やっぱり気にはしていますよ。プロレスに入った時の姿を僕は覚えているからね。レスラーっていうものの成長を見て、反対によくぞここまで一人でやってきたと思ってね、感心しています」
——藤波選手にも師匠へ反旗を翻したこともありました。
藤波辰爾「やっぱりレスラーの成長段階になる時には、ひとつふたつは師匠に対しての何らかの自分の成長を見てほしいというのがあるからね。あの時(注:1988年新日本プロレス那覇大会で藤波が起こした“飛龍革命”)もこの左手が猪木さんの頬を張った時、猪木さんがグラついた時のね。あれは自分の中で燃える。あの時はちょうど自分もなんていうのか、新日本プロレスの体制であったりとかいろいろな部分で、それが1988年の8.8横浜に繋がったんでね。今思えばあの行動というのは自分の中の1ページとしてすごく忘れられない」
——対戦相手の一人の拳王選手とは初対決になります。
藤波辰爾「映像はまだ見ていないんだけど、紙面では何度か見ています。実際当たったらどんな感じなんだろうと。自分も新たな選手と当たるという事で面白い緊張感がありますよ」
——その拳王選手は藤波選手と征矢選手を“訳あり親子”と揶揄していました。
藤波辰爾「訳あり親子?(笑)かえってリングに上がったらいいチームワークを見せるかもしれないよ?」
——さらにドラゴンスープレックスで勝利する、とも宣言していました。
藤波辰爾「おぉ~、面白いじゃないですか。やっぱりそうじゃないと。それぐらい意地をね、ハッタリをかまさないと。僕の今の腰のそういう状況をからしてね、僕ができないドラゴンスープレックスを誰かやって欲しいね」
——師弟タッグ同士の対戦となりますが、その部分についてはどうお考えでしょうか?
藤波辰爾「新崎人生と僕が拳王と征矢の間に立つわけだけど、拳王と征矢がどんな関係かわからないけどとにかく自分たちの持っているものを思い切りぶつけて。今後、誰が上に立つかという大きなものがあるでしょうけど、それを我々は横でサポートしてやりたいね」
——では最後にファンの皆様にメッセージをお願いいたします。
藤波辰爾「12月2日、横浜武道館で久々にNOAHのリングに立ちます。また自分のパートナーが征矢っていう事なので、自分自身も意識するでしょうし、相手が新崎人生と拳王っていう、まぁ僕自身も初めて拳王と肌をあわせるわけだけどそういう意味では久々にまた緊張を持った試合に臨めるかなという感じで。どうぞ、楽しみに期待してください」
(全対戦カード)ノア NOAH the BEST 2023 12月2日(土)横浜武道館
12月2日(土)、横浜武道館大会の全対戦カードが決定しましたのでお知らせいたします。
■ノア NOAH the BEST 2023
日時:12月2日(土) 16:00
会場:横浜武道館
<配信情報>
ABEMAにて生配信
https://abema.tv/now-on-air/fighting-sports
【全対戦カード】
<第8試合 メインイベント・スペシャルタッグマッチ>
拳王 新崎人生 VS 征矢学 藤波辰爾
<第7試合・10人タッグマッチ>
ジェイク・リー アンソニー・グリーン LJ・クリアリー YO-HEY タダスケ VS 丸藤正道 杉浦貴 潮崎豪 近藤修司 宮脇純太
<第6試合・GHCナショナル選手権>
(王者)ジャック・モリス VS 大原はじめ(挑戦者)
※第10代王者の初防衛戦となります。
<第5試合・6人タッグマッチ>
イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr. 清宮海斗 大岩陵平 VS サクソン・ハックスリー ティモシー・サッチャー 谷口周平
<第4試合・タッグマッチ>
HAYATA Eita VS 小峠篤司 Hi69
<第3試合・タッグマッチ>
マサ北宮 稲葉大樹 VS ヴィニー・マッサーロ スタリオン・ロジャース
<第2試合・6人タッグマッチ>
ニンジャ・マック アレハンドロ エクストリーム・タイガー VS スペル・クレイジー TERRY YAKI アルファ・ゾー
<第1試合・タッグマッチ>
LEONA 藤村加偉 VS 小澤大嗣 大和田侑