ルーキーがさらけ出した等身大 山岡聖怜デビュー5戦目でタッグ王座奪取
19日、マリーゴールドが『MARIGOLD New Years Golden Garden 2025』後楽園ホール大会を開催した。スーパールーキーとして3日にデビューした山岡聖怜が、デビュー5戦目にしてツインスター王座に挑戦した。
[関連:2025-01-10 9:15 am 高橋奈七永「対戦相手と“同じ目線”にいくんです」 パッションとは何か]
(ツインスター王座戦)MARIGOLD New Years Golden Garden 2025
■マリーゴールド MARIGOLD New Years Golden Garden 2025
日時:1月19日(日)11:30
会場:東京・後楽園ホール 観衆785人(主催者発表)
<メインイベント/ツインスター選手権試合>
[第3代王者組]ボジラ&●タンク
19分32秒、ジャーマン・スープレックス→エビ固め
[挑戦者組]高橋奈七永&〇山岡聖怜
※ボジラ&タンクが初防衛に失敗。奈七永&山岡が第4代王者組となる
(試合経過)
リング内外で標的となった山岡が苦悶する。丸め込みなどに活路を見出そうとするも、リーチの長さに阻まれる。それでも王者組の2度の同士討ちをきっかけに挑戦者組はスリーパー二重奏などで対抗。奈七永がボジラを足攻めから崩していくが、王者組の復活は早い。ボジラがブレーンバスターなら奈七永はバックドロップ。再び山岡が入るが王者組は子供扱いだ。奈七永との連係攻撃も長続きせず、ピンチ相次ぐ山岡にセリコール。山岡がタンクに水車落とし。ここでボジラのラリアットがタンクに決まってしまう3度目の同士討ち。ボジラを奈七永がラリアットで排除すると、山岡がタンクにスピアー。タンクにさらに奈七永が冷蔵庫爆弾を見舞うと、山岡がジャーマンから押さえ込んだ。
敗戦後、ボジラはベルトを手にすると、そのままタンクを襲撃。乱闘となり仲間割れとなる。メガトンは呆然と立ちすくんだ。
(マイク)
山岡「奈七永さん、私は奈七永さんが引退する前に、どうしてもどうしてもベルトを巻いてほしくて。“親孝行”できてよかったです(笑い、拍手)ありがとうございます!!」
奈七永「よっしゃじゃあ、みんなで“お母さん”コールしていただけますかー!!」
(後楽園はオッカアサンコール)
奈七永「聖怜、お前!! デビューしてたった5試合目でチャンピオンになるのはたいしたもんだー!!(拍手) パッション親子タッグ、確実にこのマリーゴールドの今までの景色を変えたと思うんで、まだまだこれから(5月に奈七永引退という)最後なんて関係ない、突っ走っていこう、一緒に。ありがとうー!!」
山岡が「したいことがある。ちょっと来てください」と提案して奈七永を肩車。奈七永が日の丸を掲げた。観客はパッションコールだ。
奈七永「これからパッション親子として誰の挑戦で儲けたいと思います」
山岡が音頭を取り、シャインフォーエバー、マリーゴールド、パッションで大会は締められた。
(バックステージ)
奈七永&山岡「ありがとうございましたー!!」
奈七永「聖怜がベルトを巻かせてくれました」
山岡「ありがとうございます」
奈七永「ありがとうございます」
山岡「奈七永さんがこんな機会を設けてくれなかったら、こういう機会はまったくなかったなと思います。本当に感謝してます」
奈七永「とんでもないです、とんでもないです、これはもう、2人でつかんだ勝利だから。これは、お互い導かれてマリーゴールドでこうして出会って、デビューして5戦目ですけど…関係ないよね!!」
山岡「はい」
奈七永「関係ないし。何戦目とかも関係ないし、『年齢もただの数字』知ってる、この言葉?」
山岡「はい」
奈七永「そう、年齢はただの数字なので、関係なく」
山岡「関係ない」
奈七永「どんどんどんどん突き進んでいけたら嬉しいです。本当に3カウント、完璧な3カウントだったんじゃないですか? あんなにやられてもしっかり受けて、気持ちが折れなかった。すごい聖怜のパッションをめちゃくちゃ感じました。こんな聖怜がいる、山岡聖怜がいるマリーゴールド、みなさん注目しないでどうすんの!? 見りゃわかるよ、パッション!!」
山岡「パッション!!」
(質疑応答)
初めて巻いたベルトの巻き心地は。
山岡「なんか実感わかなくて、本当に私でいいのかなと思っちゃうんですけど、このベルト巻いたからには、このベルトの価値を上げます。頑張ります!!」
奈七永「やろうぜ、やろうやろう。失敗を恐れず、突き進んでいきましょう」
山岡「はい、突き進んでいきます」
奈七永さんとしては現役終わるまで巻き続ける。
奈七永「もちろん、もちろん。うーん、引退しても巻いててもいいかな」
山岡「いいです」会見場笑い。
奈七永「許可が出ました。18歳の許可が出たんでもう怖いものないです」
山岡選手はどんなチャンピオンに。
山岡「パッションの気持ちを持ちながら、マリーゴールドをもっともっと大きくできるような選手。そしてプロレスを広められるような選手になりたいと思ってます」
奈七永選手にとって、このキャリアのパートナーはいなかったと思うが、獲得につながったのは。
奈七永「やっぱりアマレスの経験があったりする中で、それをただの経験値で置いとくだけじゃなくて、それをプロレスにしっかりつなげようっていう意識がまずあることによって、ちゃんとつながってきてるんですよ。だからプロレスの試合は5試合目かもしれないし、キャリアはまだ半月だけど、彼女の人生の中でのキャリアのまんまプロレスが始まってる感じがするので。だからただの新人じゃないっていう部分がそこなのかなと、今日も試合してみて今改めて思いました。だから『志』が高いので、その気持ちに、筋力だったり技術だったりがついてこないと差ができちゃうんですけど、それがだいたいの新人さん。気持ちがいくらでっかくてもついてこないです体が。それが今、体もついてこれるようなレベルにあるから、こういうふうな結果が出せたと思うので、文句言わせないんじゃないですか。有無を言わせないものを彼女は持ってると思うし…でもでもまだまだいけるよね!!」
山岡「はい!!」
奈七永「パッションもっといけると私は思ってるんで」
山岡「いけます」
奈七永「いけるよね?」
山岡「はい」
奈七永「行きましょう」
山岡「はい、パッションの気持ちを持って」
奈七永「行きましょう」
「プロレスを広められるような選手になりたい」痛みにもアクシデントにも屈せずセリコール自然発生
無傷で迎えられたわけではなかったのかもしれない。テープで固められた右膝でリングに立った山岡は、デビュー5戦目にて大怪獣&大恐竜に挑んでいく。「スーパールーキー」という呼称もあり、MIRAIを相手にした3日・大田区大会のデビュー戦の印象もあった。レスリング仕込みのテクニックで彩られることを想定したファンもいただろう。しかし体格差という現実、そして王者組のラフ殺法が阻む。
それでも挑戦者組はあらゆるアプローチでこじ開けていった。耐えに耐え、同士討ちさせ、助け合う。奈七永のリードはそのまま「こうやって闘うんだ」というメッセージにも思えた。そして決まった山岡のスピアーにより会場は最高潮となるが、直後に押さえたのは左肩だ。試合中に再三攻撃されていた箇所が、スピアーの衝撃で悲鳴をあげた。それでも奈七永の冷蔵庫爆弾を挟むと、山岡はジャーマンでフィニッシュする。
最後まで痛みにもアクシデントにも屈せず。ハラハラ感は試合中に絶大なセリコールを自然発生させた。奈七永は「気持ちに、筋力だったり技術だったりがついてこない(のがだいたいの新人だが山岡は)体もついてこれるようなレベルにあるから、こういうふうな結果が出せた」と振り返った。
気持ち、筋力、技術。本当にプロレスというのはいろんなエッセンスがあって勝敗の行方が変わるんだと実感できた王座戦だった。シーソーゲームに持ち込んだ挑戦者組、そして等身大をさらけ出したルーキーが観る者の胸を打った。
おそるべき18歳は試合後に「プロレスを広められるような選手になりたい」と口にした。デビュー5戦目にして自力初勝利かつ王座奪取となった山岡は、コスチュームの胸に刻んだ「Chase Dreams」を現実化していく。
マリーゴールド 1月25日(土)横浜、1月26日(日)新木場対戦カード
両大会に山岡が出場。25日には奈七永vs.松井珠紗のパッション・カウントダウン、26日にはボジラvs.タンクなどが組まれた。
New Years Golden Garden 2025
1月25日(土)横浜ラジアントホール 1:00PM
〈決定カード〉
◆タッグマッチ
桜井麻衣&MIRAI vsボジラ&メガトン
◆パッション・カウントダウン
高橋奈七永vs 松井珠紗
◆タッグマッチ
林下詩美&ビクトリア弓月vs 青野未来&山岡聖怜
◆タッグマッチ
翔月なつみ&後藤智香vs 野崎渚&CHIAKI
◆シングルマッチ
勇気みなみvs タンク
◆タッグマッチ
石川奈青&真白優希vs 瀬戸レア&山田奈保
◆シングルマッチ
咲村良子vs リアラ
New Years Golden Garden 2025
1月26日(日)新木場1stRING 12:00PM
〈決定カード〉
◆シングルマッチ
ボジラvs タンク
◆6人タッグマッチ
林下詩美&山岡聖怜&松井珠紗vs 桜井麻衣&MIRAI&ビクトリア弓月
◆タッグマッチ
青野未来&翔月なつみvs 後藤智香&勇気みなみ
◆タッグマッチ
石川奈青&リアラvs 野崎渚&CHIAKI
◆3WAYマッチ
瀬戸レアvs 山田奈保vs 咲村良子