女子プロレスはネバーエンド スターダム横浜武道館に総集編的な重厚さ
9日、スターダムが『CINDERELLA TOURNAMENT 2024〜開幕戦〜』横浜武道館大会を開催した。コメント言い回しは公式に合わせてあります。
(大会結果)スターダム CINDERELLA TOURNAMENT 2024〜開幕戦〜3月9日(土)横浜武道館
■スターダム CINDERELLA TOURNAMENT 2024〜開幕戦〜
日時:3月9日(土)17:00 ※第0試合は16:30
会場:神奈川・横浜武道館 観衆1555人(主催者発表)
【シンデレラトーナメント:ルール】
・1回戦は10分1本勝負、2回戦〜準々決勝は15分1本勝負、準決勝は20分1本勝負、決勝は時間無制限1本勝負とする。
・準決勝まで、勝敗は通常のプロレス・ルールに加えてオーバー・ザ・トップロープを採用。あらゆる引き分けの場合は両者失格とする。
・決勝は通常のプロレスルールになります。
・優勝者にはシンデレラ・ドレスが進呈されます。
<第0試合/8WAYバトル>
MIRAI(God’s Eye)vs ●桜井まい(ー)vs 壮麗亜美(God’s Eye)vs 月山和香(E neXus V)vs 〇鈴季すず(ー)vs 星来芽依(ー)vs 葉月(STARS)vs AZM(Queen’s Quest)
※7分44秒 グランマエストロデテキーラ
【意表を突く顔合わせでの合体攻撃まで飛び出すにぎやかな一戦に。スクラム合体ブレーンバスター合戦を桜井が貴婦人ウォークでお楽しみになられるが、その桜井が敗退となった】
<第1試合/フューチャー・オブ・スターダム選手権試合>
〇[第10代王者]吏南(大江戸隊)
11分26秒 Pink♥Devil→片エビ固め
●[挑戦者]美蘭(ディアナ)
※吏南が7度目の防衛に成功
【美蘭が丸め込みとボディアタックのバリエーションであわやの場面をつくり、会場どよめく】
<第2試合/シンデレラトーナメント2024 一回戦>
●弓月(STARS)
8分21秒 ムーンサルトプレス→片エビ固め
〇スターライト・キッド(大江戸隊)
【キッドがえぐい逆エビなどで終始攻勢。弓月もギブアップしない姿勢をみせた】
<第3試合/シンデレラトーナメント2024 一回戦>
〇玖麗さやか(COSMIC ANGELS)
3分52秒 反則勝ち
●刀羅ナツコ(大江戸隊)
【刀羅が玖麗の入場を襲撃して試合開始となる。ミスト&レフェリー暴行で反則負け】
<第4試合/シンデレラトーナメント2024 一回戦>
〇水森由菜(COSMIC ANGELS)
5分4秒 TPサンシャイン→エビ固め
●レディ・C(Queen’s Quest)
【ジャイアント殺法でレディが攻勢だったが、水森にマットに突き刺され敗退】
<第5試合/シンデレラトーナメント2024 一回戦>
●向後桃(STARS)
3分39秒 サンダーストラック→体固め
〇ジーナ(E neXus V)
【決意を込めた表情でリングインのコモモは青い新コスチューム。しかしジーナに両脚を突き刺されフォールを奪われる】
<第6試合/シンデレラトーナメント2024 一回戦>
〇天咲光由(Queen’s Quest)
4分30秒 天聖→片エビ固め
●八神蘭奈(God’s Eye)
【試合冒頭から気迫十分の天咲が天聖で八神を仕留める】
<第7試合/シンデレラトーナメント2024 一回戦>
●コグマ(STARS)
5分16秒 OTR
〇琉悪夏(大江戸隊)
【刀羅の介入絡みでOTR決着】
<第8試合/シンデレラトーナメント2024 一回戦>
〇飯田沙耶(STARS)
4分47秒 飯田橋
●鹿島沙希(God’s Eye)
【飯田が鹿島に惑わされることなく一気に飯田橋】
<第9試合/シンデレラトーナメント2024 一回戦>
〇羽南(STARS)
6分30秒 ダンデライオン
●HANAKO(E neXus V)
【HANAKOがエプロン攻撃やブレーンバスターで羽南を切り崩しにいくが、羽南が複合技でHANAKOを仕留めた】
<第10試合/STRONG女子王座前哨戦 6人タッグマッチ>
ジュリア(ー)&〇朱里&小波 (God’s Eye)
11分19秒 白虎
ステファニー・バッケル(CMLL)&渡辺桃&●フキゲンです★(大江戸隊)
<第11試合/なつぽい復帰戦スペシャルタッグマッチ>
●なつぽい&安納サオリ (COSMIC ANGELS)
18分59秒 リストクラッチ式変形裏投げ→片エビ固め
〇Sareee(ー)&橋本千紘 (センダイガールズプロレスリング)
<第12試合/スペシャル3WAYタッグマッチ>
〇舞華&白川未奈(E neXus V)
vs ●AZM&上谷沙弥(Queen’s Quest)
vs 岩谷麻優(STARS)&中野たむ(COSMIC ANGE)
※14分25秒 みちのくドライバーⅡ→片エビ固め
3・20名古屋「舞華vs.林下」ワールド戦、4・27横浜「岩谷vs.Sareee」IWGP戦
<第10試合/STRONG女子王座前哨戦 6人タッグマッチ>
ジュリア(ー)&〇朱里&小波 (God’s Eye)
11分19秒 白虎
ステファニー・バッケル(CMLL)&渡辺桃&●フキゲンです★(大江戸隊)
10日のSTRONG戦への前哨戦と謳われた6人タッグ。バッケルが堂々とした試合運びを披露するが、ジュリアも反撃。
合体攻撃が決まる。前哨戦というよりも「ジュリア&朱里&小波」という再会を楽しむ色合いが強く感じられた。
朱里「今日、3人でスペシャルタッグ、勝利しました。この3人で組むのは最強、最高に決まってるでしょう。今日、ジュリア、一緒に組めて最高だった。ありがとう」
小波「いやあ超気持ちよかった。なんかね、こうやって私がプロレスを続けるきっかけになってくれてるこの2人とこうやって仲間として初めてリングに立つことができて、メッチャうれしかったし、こうやってね、ふだんはあり得ないタッグができるっていうのは、プロレスをやってれば生きていればずっとリングの上はつながっているんだなと、今日あらためて実感しました。この先もずっとネバーエンド」
ジュリア「いい言葉だな、ネバーエンドは。いやあ、しかし、そうだな、小波とはもともとは敵対してて、イジメられたりもされたけどさ、オマエにはさあ(笑)。でもさあ、なんだろう、DDMをなくして一匹狼になるって言ったけど、スターダムきた当初は私も一人だったけど、なんかここで仲間ができたんだなって今日すごい…まあ、まあ、この先なにが起きるかわからない。でも、だからこそ、今日この3人で組めて、いまメッチャハッピーです。プロレスでハッピーですよ(笑)。ハッピーですよ。で、バッケルと今日前哨戦。今日やったちょっと手を合わせた感じだと、まだいろいろ未知だし、やった感じは今日は無く、かみ合わない相手だなっていうのが正直な感想。本番は明日なので、いままでジュリアが倒してきたクソでけえヤツも、小っちゃくて速いヤツもいっぱいいるけど、ルチャドーラは初めてだよな。しっかり防衛してまだまだコイツと冒険の途中だから。楽しみにしててください、じゃあ、アリベデルチ」
<第11試合/なつぽい復帰戦スペシャルタッグマッチ>
●なつぽい&安納サオリ (COSMIC ANGELS)
18分59秒 リストクラッチ式変形裏投げ→片エビ固め
〇Sareee(ー)&橋本千紘 (センダイガールズプロレスリング)
5か月ぶりになつぽいがリング復帰。
スターダム生え抜きのいないセミファイナル。破天荒な攻防には観客から「スゲー」の声が漏れる。
Sareee「なつ! 生きてるか? 大丈夫? なつ、大丈夫? 今日は対戦相手に選んでくれて本当にありがとう。本当にうれしかった。これからもずっとずっとよろしくね。ありがとう」
なつぽい「やっぽ~い、やっぽ~い、やっぽ~い。ありがとう…。まずこれだけは先に言わせてください。みんな、ただいま! なつぽい復帰戦、みんなワクワクしましたか? このみんなの顔がすっごく見たかった! ありがとう。Sareee、チチさん、今日はスターダムのリングに来てくれて本当にありがとうございました! チチさん、つや姫米おいしかったです。つや姫米?」
橋本「農姫米」
なつぽい「農姫米…? 農姫米、欠場中たくさん食べて強くなって戻って来ました。どうでした?」
橋本「なつぽい、ぎゅん、ぽい!」
なつぽい「ぎゅん、ぽい! サオリ、サオリ~(安納とハグ)Sareee、やっぱりSareeeと一緒に駆け回るリングは何年になっても、何歳になっても青春だなって思った。Sareeeが勝ったからSareeeが締めていいよ」
Sareee「今日はなつぽいの復帰戦、みんな楽しみにしてくれてたんだよ? アンタがしめてよ」
なつぽい「ありがとう、Sareee。このカード、この一戦で終わりだと思ってないです。まだ過去、現在、そして未来につながってる! 私はそう信じてます。みなさん、これからもどんなことがあっても付いて来てください。みんな、ばいぽーい!」
<第12試合/スペシャル3WAYタッグマッチ>
〇舞華&白川未奈(E neXus V)
vs ●AZM&上谷沙弥(Queen’s Quest)
vs 岩谷麻優(STARS)&中野たむ(COSMIC ANGE)
※14分25秒 みちのくドライバーⅡ→片エビ固め
3WAY戦で唯一のユニット越境となった岩谷麻優&中野たむ。
揃ってのドロップキック。息の合ったところを見せる。
Sareee「親友のために今日、スターダムに初参戦させていただきました。親友がくれたチャンスを逃がすわけにはいかないですよ。前(2020年2月にSareeeの体調不良で中止)のケジメを付けたいと、いまリングに上がっています。岩谷麻優! そのIWGP(女子)のベルト懸けて私と闘わない?(やりとりで4月27日、横浜BUNTAIでの対戦が決定的に)」
舞華「そこ私みたいな雰囲気だして来てんじゃねーよ」
(中略)
舞華「林下詩美、オマエなんで今日休んでるんだよ。AZMパイセン2試合やってたよ、今日。まあ今日、私は詩美、オマエに勝って言いたいことがあったんだよねー。次の赤いベルト挑戦者、林下詩美、オマエだ。まあね、みんなも知ってると思うけど、詩美とはこの赤いベルトを懸けて闘わないといけない理由がたくさんある。受ける、受けないのその問題じゃない。オマエに選択肢は…ない。3月20日名古屋で、この赤いベルトを懸けて私と闘え、コノヤロー!」
全員「E neXus Vイズ・ヒアー!」
ジュリアがタイトル前哨戦で盟友と合体、なつぽいが復帰戦で盟友とタッグ戦、岩谷麻優と中野たむが合体。これらが大会ではラスト3試合となり、「シンデレラトーナメント2024 一回戦」のうしろに組まれた。
トーナメントは「この域に踏み入れるための切符をつかむ」ものとも言えるだろう。詰めかけた1555人の一定割合はラスト3試合への期待が観戦の後押しになっただろうし、横浜武道館には総集編的な重厚さが感じられた。
中でもインパクトはセミ(なつぽい復帰戦)が持っていく。Sareee&橋本千紘という外敵がいてのクオリティという見方もあるだろう。ただ、なつぽいと安納の潜在能力まで発揮されたように感じられた。女子プロレスの力を感じたのは記者だけではないだろう。
ここに上がっている一部選手がロッシー小川氏の新団体に行くのだろうし、ゲスト参戦した外部選手たちが中期的にどちらに上がっていくかはわからない。一緒に闘っていた仲間にボタンの掛け違いが生じれば、別々の歩みをたどっていくことともなる。それでいて小波の言う「プロレスをやってれば生きていればずっとリングの上はつながっているんだなと、今日あらためて実感しました。この先もずっとネバーエンド」もまた真なり。
“過渡期”に差し掛かったが、女子プロレスはネバーエンドである。
北海道ビッグマッチ正式決定/『5★STAR GP』は8月10日開幕、8月31日優勝決定戦の“短期開催”
北海道ビッグマッチが正式決定。また、『5★STAR GP』は8月10日開幕、8月31日優勝決定戦で行われる。長期ツアー(昨年は7月23日~9月30日)での負担が課題となっていたが、今年は“短期開催”で仕切り直しとなった。
スターダムからのお知らせは以下の通り。
スターダム初となる、北海道でのビッグマッチが正式決定!
なんと、7.27(土)&7.28(日)の2DAYSにて開催!
会場は北海道・シャトレーゼ ガトーキングダム サッポロ!
スターダムが北の大地を熱くします!
さらに!
真夏の最強女子決定戦『5★STAR GP』が今年も開催決定しました!
(昨年発表時より会場を変更し、2DAYSにて開催決定いたしました)
開幕戦は8.10(土)神奈川・横浜武道館!
優勝決定戦は8.31(土)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナにて開催決定!
スターダム夏の栄冠を手にするのは果たして誰なのか――。
続報にご期待ください!