たむロードとコズエン1周年が一体化 ウナギに続く白ベルト挑戦者は白川
刀を振り抜いて舞うウナギにゾクッ。
新コスチューム、新ヘアスタイルで傾く。
天を仰いでコズエン対決が待つリングへ。
迎え撃つのはコズエンのリーダーである中野たむ。
リングイン直前のショットにコズエンフルメンバー5人が写り込む。
タイトルマッチセレモニーならびにベルト返還。
経験してきた絶望から立ち上がり続ける中野か、、、
乗り越えるたび直面する挫折に向き合うウナギか、、、
あえてのグラウンドモードからスタートする中野はビッグマッチムード。
愛があるからこそなのか。序盤から突き落とすような中野の感情が炸裂する。
背中にサッカーボールキック。そしてカカト落とし。
立ち向かおうとするウナギだが、受け止めてから跳ね返す中野劇場。
しかし、、、前回ウナギ勝利のリーグ戦でも炸裂したロープ利用ノド輪攻撃が中野に決まる。中野にとっては悪夢の再現か!?
「松風と共にあらん!」をウナギが決める。プロレスにおいては“美しく決まった技こそ威力がある”と言われるが、中野に対して切れ味鋭く発射された。
「拙者、蒲焼き者で候。」も例外にあらず。
今度はウナギがカカト落とし。
気持ちを確かめ合うようにコーナー上で対峙した両者。
張り手だけじゃなかった。お互いの頭突きがゴツン、ゴツン。観客から声が漏れたシーン。
中野の宇宙ロケット発射。
彩羽匠戦、岩谷麻優戦でみせた感情のままの“グラウンド状態での蹴り”攻撃は中野の代名詞になるか。
スピンキックで中野が畳み掛けるが、、、
ウナギの新技「城門突破」がリング中央で決まる。
さらにウナギが前回勝利技「大儀であった」でダメ押し。中野がギリギリで返すと、ウナギがこの表情。
立ち上がれない中野。引きずり上げようとするウナギ。
それでも立て直した中野がキックのバリエーションからバイオレットシューティング、計2発のタイガースープレックスとつないでトワイライト・ドリーム。
こちらもまた“美しく決まった技こそ威力がある”。
中野ムーブの“フィニッシュ後も続くブリッジ”は、勝利の余韻を分かち合うファンとの架け橋。
2人のダメージを心配して、セコンドの白川と月山が飛び込む。
セコンドが介抱、ドクターもチェック。異常がないことを確認する。
中野「ウナギ、どうだった、白いベルトの味は? もっともっと辛い思いして、もっと泣いて、もっと自分自身と向き合って、もっと強くなれ! でないと、この白いベルトにも中野たむにもまだまだ追いつけないよ。でも、ウナギのこの1年の飛躍は、たむもすっごくビックリしてる。コズエンに入ってくれて本当にありがとう」
握手を求める中野。握り返さず抱き返すウナギ。
中野「さあ、次のこの聖なる白いベルトの挑戦者は誰だーー!」
ウナギを介抱していた白川がマイクを取る。
白川「次の挑戦者はー、白川未奈、です。どうでしょ?」
中野「えーーっ、ちゃんみな?」
白川「いや、今日の私の試合見てくれました? 見てない? あっ、そう…。いや、今日みんな見てくれましたね。シンデレラ・トーナメント覇者の上谷沙弥からスリー取りましたよ」
中野「マジ?」
白川「マジで。スターダムに来てからアナタの隣で強くなると、私、約束しましたよね? でも、いまはアナタの対角でもやりあえると、そう思っています。I want to be the next challenger, white belt」
中野「うん…いいよ! たむもちゃんみなと闘いたいと思ってた。その挑戦、受けて立ちましょう。ただし、元の中野たむと白川未奈にはもう戻れない。その覚悟はある?」
白川「中野たむと白いベルトの歴史、私が一番近くで見てきました。そんなの当たり前でしょ?」
カメラマンに「かわいいですか」と問いながらのコーナー上でポーズのショットタイムを提供した中野。
いちばん高いところから、さらに天井を見上げてみせた。
(バックステージ)
中野「ワンダー・オブ・スターダム、5回目の防衛に成功しました。人は挫折や苦しみ、悲しみ、いろんな悔しさ、たくさん涙を流したら流した分だけ強くなれる。ウナギはこの1年でホントに成長したけど、まだまだもっともっと悔しい思いをして、もっともっと強くなってまたこのベルトに挑戦しに来てほしいです。これからもヤツの情念を背負ったこのベルト、白いベルトをスターダムの象徴にするべき命を燃やして闘っていきます。白川未奈、このベルトになにをささげてくれるんでしょうか? たむロード、まだまだ信じてついてきてください」
ウナギのコメントは公式では文字化されず。一端はこちらに残させていただいた。
中野「たむロードについて来てください」
ウナギ「情念、、、まだ私の知らない感情があるとわかった。必ずまた白ベルトに挑戦する」
次期挑戦者には白川未奈が名乗り。#中野たむ #ウナギ・サヤカ #川崎超女大戦 #stardom #スターダム pic.twitter.com/sDjdtLpgOw
— カクトウログ📶プロレス/格闘技 (@kakutolog) November 3, 2021
聞いていた数人の記者にボクも含まれたが、中野を好きになれないところ、でも乗り越えられないところ。両方への言及があった。この“つかず離れず”もまた2人の物語である。
中野vs.ウナギが牽引。11・3川崎は新日・全日・ノアもひっくるめた年間評価ナンバーワン大会に
冒頭でもリンクを出したが、大会ベストバウト投票結果。
【🎉ファン投票結果発表🎉】
11・3川崎ベストバウトは中野vs.ウナギ 赤に匹敵する白の存在感#中野たむ #ウナギ・サヤカ #川崎超女大戦 #stardom #スターダム #大会ベストバウト #大会評価
白ベルト戦が“3大会連続”で獲得。女子プロ大賞は中野が林下を猛追!? pic.twitter.com/VSyPcMkZKg
— カクトウログ📶プロレス/格闘技 (@kakutolog) November 7, 2021
満足度スコアについては29人という限られた投票ながら「4.5」となった。これは他団体含めて年間最高であり、年末4大決戦のスタートにしてスターダムの勢いを感じさせている。
単なる相対的な順位という話ではなく、赤白ベルト戦を中心とした川崎超女決戦のラインナップが大会評価を引き上げているのだ。この点は、中野、ウナギ、林下、葉月をはじめとする選手勢にしっかりと胸を張っていただければと思います。
関係者とも話をしているが、タイトル戦の相手を決めるというのは簡単なようで難しい。長期王者化しつつありかつビッグマッチが多いということは、主要選手からの挑戦者選びが一巡してしまうということ。もちろんウナギにはリーグ戦勝利という論拠があったが、この日の「同ユニット対決」白ベルト戦、「挑戦者は現役復帰わずか1か月」赤ベルト戦は他団体では敬遠されがちである。
なのにマイク舌戦やバチバチSNSで闘いの機運をつくりあげ、試合内容で満足させるスターダム。今大会のように「新日・全日・ノアもひっくるめた年間評価ナンバーワン大会」をやってのけるのだ。
ボクなどは様々なプロレス団体の発信に携わっているが、リツイートやイイネをいただくアカウント名はバラエティに富む。そこからは新規ファンのみならず、かつての昭和・平成プロレスファンも多くスターダムに興味を持っていることが受け取れる。これこそプロレス革命ではないか。ここのところのスターダムにそんなことを感じる。
コズエン通信としてはちょっと脱線したかもしれないが、コズエンと向き合うことはスターダムと向き合う、そしてプロレスに向き合うこと。ウナギ・白川の連続挑戦濃厚で、たむロードとコズエン1周年が一体化した。「コズエンに入ってくれて本当にありがとう」とマイクした中野も、今だからこその苦しさと楽しさを噛みしめているだろう。
本日もコズエン通信へのご来場、誠にありがとうございました。