メイ社長「思えばちょうど一年前の今頃は…、色々ありました(涙)」 エリート勢&KUSHIDA離脱からダブルドームまでを振り返る
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ダブルドームを盛況で終えた新日本プロレスだが、14日、ハロルド・ジョージ・メイ社長が“一年前”を振り返るコラムをUPした。
思えばちょうど一年前の今頃は…、色々ありました(涙)。ここでちょっとふり返ってみますと、昨年年始の私の最初のコラムは、1月7日更新の、タイトル『新年のご挨拶』でした。わりと普通な感じで、言わば通常運転のメッセージです。しかしその2日後の1月9日にコラムをまたまた更新、『第36回 今の心境を申し上げますと…』という文章を緊急発表しています。
当時、主要選手数名が離脱するというニュースに加え、一年後には新日本プロレスの東京ドーム2連戦という、かつて経験したことのない大きな挑戦が発表になったばかりでした。ツイッターを見ていると、この状況下で東京ドーム2日間なんて、ちょっと無理なんじゃないのと多くの方が不安に思っているようでした。昨年1月9日の緊急コラムの中で、私は「もっと大変なことをいくつもくぐり抜けて業績を上げてきました。大丈夫。自分で言うのもなんですが、百戦錬磨です。」と述べ、新日本プロレスは大丈夫だという声明を出しました。その回は、今までの私のコラムの中で、最も多く拡散・閲覧されています。
2日間の東京ドームを成功させるために、2019年、選手たちは素晴らしい試合を次々と連発し、社内でもできることは何でもやろうと、東京ドームに向けて新規のプロモーションや販売ルート戦略を数多く立てて、みんなで1mmの後悔も残らないように準備をしてきました。例えばレディースシートの特典として用意した2種類のブランケットは、本当に女性が欲しいと思うものでなければならないと、発表ギリギリまで何度もデザインや素材を調整しました。レディースシートはほんの一例ですが、お一人さま観戦の女性や外国人客の誘致、ホテルと高速バスがパックになった東京ドーム観戦ツアーなど、今まで会場に来たことがなかった方にも今回は足を運んでいただけるよう、あらゆる工夫をしました。もし東京ドーム2日間が失敗に終われば、今の人気の勢いにブレーキがかかってしまう、それは絶対に許されないと思っていたからです。
「何かを望むなら、その事柄を寝ても覚めてもひたすら想い続けよ。そうすれば、たとえよこしまな思いでも叶えられる(道元)」
「一人で見る夢は、それは夢にしかすぎない。しかし、みんなで見る夢は現実となる(エドアルド・ガレアーノ)」
これらの言葉を合図に、関係者全員が心をひとつにして頑張りました。一年経ってふたを開けてみると、1月4日と5日の2日間で、計70,071人の方々が日本全国、そして世界各国から東京ドームに集結してくださいました。4日は長年届かなかった外野席まで開放し、大盛況の満員に終わることができました。
会場まで足を運んでくださった皆さま、また配信や放送で大会をご覧いただいたすべての皆さまに深く感謝しています。東京ドームの2階の端までびっしりとうまった観客席を見て、胸がいっぱいになりました。2日間にわたる『バンドリ!Presents WRESTLE KINGDOM 14 in東京ドーム』の成功は、選手や社員、関係者だけでなく、プロレスを思いきり楽しもう、プロレス界をもっと盛り上げたいというファンの皆さま全員の力が加わって、実現することができたと思います。本当にありがとうございました。人生変えるイッテンヨン、伝説創るイッテンゴ。新日本プロレスの夢はこれからも、まだまだ続きます。
2019年の年始の新日本プロレスは揺れに揺れた。2020年ダブルドームが発表された半面、ケニー・オメガ、ヤングバックスらエリート勢、KUSHIDAが離脱。特に、ケニーとKUSHIDAはドーム開催時の王者でもあった。「新日本、大丈夫か」という不安の声が集中した。
4月のニューヨークMSG満員が成功とされるが、ケニーらの離脱発表前にチケット完売となっていたのだ。ピークアウトするのではという危機感を抱いたのは、ファンだけではなく関係者もだろう。
そんな中で蓋を開けたダブルドーム。4日、開放された1階外野スタンドこそ限定的な入りだったが、2階スタンドの端までギッシリ詰まった観客席は壮観だった。この時点でボクも「ああ、新日本は乗り切ったんじゃないかな」と噛みしめた。
ある意味、目玉カードが2日間に分割されるわけなのだが、1日目の動員が2019年をしっかり上回って実数4万人となったのは大きな到達点に違いない。2日目は3万人と“落ち込む”わけだが、これも両国国技館3日間分だと考えると“2日目”とは思えない凄まじい数字である。忘れてはいけないが、ダブルドーム明けの大田区総合体育館も札止めだ。
メイ社長がダブルドームに向けての施策を並べている。こういうのは社員にとっても励みになるんじゃないかな! アイディアを出し合った姿勢を称えたい。これらはほんの一部だろう。前例がない連戦だったり、大箱というのはやるだけでも大変に違いない。
機会があれば、メイ社長によるドームの試合への感想も聞いてみたい。
ロスインゴ入りしての凱旋帰国から実に4年半、トランキーロと言い始めた内藤哲也が実に5度目のドーム。2度のプロレス大賞MVP、Number誌のプロレス総選挙2連覇を挟む。事実上の人気ナンバーワン男がオカダ・カズチカを相手に躍動した。ついにプロレス人生初のドームメイン勝利を内藤が掴む。これだけの活躍をしても届かなかった「ドームメイン勝利」は、特別なものであり続けた。
内藤のプロレス人生は紆余曲折。プロレス界の頂点を掴むために、焦っても、焦っても、ブレイクしない。ロスインゴ入りすることで「自分のやりたいように」動くようになる。自身が焦ることをやめ、周りを焦らせて「あっせんなよ」と挑発する。多くのファンを共鳴させながら、ダブルドームにたどり着いた。
夢は簡単には叶わないものであり、それでいて叶えることは絶対にできる。それを、歴の長短を問わないファンに刻んだドームではなかったか。ぜひダブルドームへの過程でファンになったビギナーの方も、プロレスラーの生き様をどんどん味わっていただければと思う。
そして、もうひとつ。よく言われることだが、プロレスというのものは“観る側”に想像力で追いつかれたら終わり。ずーっと内藤が「2冠達成して大合唱」を公約してきた。さすがにここで達成するだろうと思ったし、それでいてファンが望む結果にはならないのも新日本の常だ。かくして内藤悲願の2冠達成がダブルドームのエンディングとなり、大合唱・・・と思いきやKENTAが乱入。「2冠と大合唱」はセットであり表裏一体とさんざん刷り込まれてきたわけで、そっちが叶わないことにビックリした。KENTAが入ってきた以上に、新日本がファンとの関係性で“追いつかせないぞ”と言っているかのようにも感じたダブルドーム。
もう10日が経ちましたか。まだまだダブルロームロスの感あるが・・・2020年もプロレス界に幸運あれ!!