前田日明もエムズアライアンス 丸藤正道「ギャラがお支払いできるように」
ダレた試合をやると、(アントニオ)猪木さんに『いいかげんにしろよ』と怒鳴られて、縄でシバかれましたよ。そして、大会が終わるまでスクワット。坂田(坂田亘への前田の暴行映像の件)はカワイイもんだよ。(振り上げた)椅子のカドは(脅しの意味だから)床を叩いてるし。
そんな前田もUWFについて振り返る際には「いま考えたら失敗。『殴っちゃいかん』でやってたんだけど殴ればよかった」。殴る本気を出すことで伝わることがあったということなのだろうか。新日本からUWFへと時代を進めようとしたことにも良し悪しがあったとの思いが垣間見えた。
イベントのファイナルでは、前田と丸藤から抱負が語られる。
前田「コロナきっかけでまた本を読み始めた(保田與重郎の本を揃える)。好奇心をもって答えを出していきい」
丸藤「好奇心という言葉がありましたが…ボクらも負けてられない。プロレスもいろんな世界も大きくしていけたら」#丸藤正道 #前田日明 #noah_ghc #Msalliance #ringsjp pic.twitter.com/iIqX7KeH4X
— カクトウログ📶プロレス/格闘技 (@kakutolog) August 23, 2020
前田からは「休止中のアウトサイダーを復活させるのと、ヘビー級選手を1人くらい育てたいですね」。
コロナ禍で前田は何を考えているのか。
コロナで自分たちのプロ業界、業態がどうなってしまうのか。飲食(業界)が大変なんだけど、選手にも飲食で収入を得つつ試合に出ているという人もいる。政治にしっかり援助してもらいたいけど、これを機会に(誰しもが)自分の業態を確立することも考えないと。
しばらく読んでなかった本を読み始めていて、保田與重郎の45巻を揃えて読んだり・・・いろいろイチから好奇心の赴くままに。好奇心を持つことが大事で、(持ったことを)積極的にやることで(コロナ禍でもどう生きていくかの個々人の)答えが出ると思います」。
前田が節目節目で口にする「太く生きたからと言って短いとは限らない。失敗しても教訓になり、経験になる」との考えは、コロナ禍においても健在だ。安直に答えを出すな、自分の生き方に問いかけろと言われた気がした。
コロナの解決策は生まれてくるとは思いますが、まだまだの中でのご来場に感謝します。好奇心という言葉が出ましたが…ボクらも負けてられない。プロレスもいろんな世界も大きくしていけたらと。
プロレスと格闘技をやってきたことで、前田には格闘技観・プロレス観がある。前田の闘いへの憧れがあったからこそ、丸藤も周りに流されることなく自身のプロレスの在り方を確立しようとしている。それでいて、前田はさらなる知識をインプットしつつ、社会とのかかわりや生き様もメンテナンスを欠かさない。丸藤もこの点は、ノアをさらに確固たる団体としてプロデュースする手腕が求められていく。
意外なトーク顔合わせながら両者は通底したものを見せつけた、そんなイベントだったのだ。