飯伏幸太「全面対抗戦をしたい」 新日本とAEWの間に何が起きてる!?
29日、飯伏幸太が「全面対抗戦をしたい」とツイート。盟友ケニー・オメガらが牽引する米AEWとの日米決戦が浮上した。
飯伏がツイート「立場は逆転した。でも今やっとチャンスが巡ってきた」
2008年に飯伏とケニーは初対決。ケニーは自らDDTにアピールすることで日本マットに上がった。
2008年…忘れてない。あの時の事、YouTubeで対戦を求めてきた時の事を
。その時自分はプロレスを広めたいと必死だった立場は逆転した。でも今やっとチャンスが巡ってきた
全面対抗戦をしたい。
これはプロレス界もファンも間違いなく上がると思っている。
今、プロレスにはもっと刺激が必要だ!
— 飯伏 幸太 (@ibushi_kota) January 29, 2021
2008年…忘れてない。あの時の事、YouTubeで対戦を求めてきた時の事を。その時自分はプロレスを広めたいと必死だった
立場は逆転した。でも今やっとチャンスが巡ってきた
全面対抗戦をしたい。
これはプロレス界もファンも間違いなく上がると思っている。
今、プロレスにはもっと刺激が必要だ!
飯伏のツイートはケニーとの関係性を想起させる。新日本マットから2019年頭に離れたケニー、Cody、ヤング・バックスらは同年に新団体AEWを設立する。大富豪トニー・カーンの出資がありつつ定期放送もあることで世界ナンバー2プロレス団体とも目され、飯伏の「立場は逆転した」につながっているのではなかろうか。
「でも今やっとチャンスが巡ってきた 全面対抗戦をしたい」との言い回しは、一定以上に具体化していることを感じさせるものだ。
AEWと接近したインパクト キャリス副社長は元新日英語解説者でありケニーの古くからの友人
名タッグだったゴールデン☆ラヴァーズの飯伏とケニーは、ここにきて新日本とAEWのトップ王者となっている。周辺情報も含めて、両団体の本格的な接近が聞こえてきた最中ではあった。
[1/19(火) 日米のリングで頂点に立ったゴールデン☆ラヴァーズ。飯伏対オメガの頂上決戦は実現するか?(三尾圭)]
新日の試合はアメリカでは「AXS」というテレビ局で2015年から週1回放送されていたが、2019年9月にアンセム・スポーツ&エンターテインメント社がAXSを買収すると、19年の年末で新日の放送が打ち切られた。
これはアンセム社が傘下にプロレス団体の「インパクト・レスリング」を抱えているため。AXSは新日の放送を止め、代わりにインパクトの試合を放映するようになった。
AXSから新日を追い出したインパクトとAEWがここに来て手を結び始めた。
オメガがモクスリーからAEWヘビー級のベルトを奪った試合で、オメガの古くからの友人で現在はインパクト・レスリングの副社長を務めているドン・キャリスが特別ゲスト解説に呼ばれた。AEWの大会はAXSではなく、AXSよりも規模が大きいTNTで放映されており、キャリスがTNTで解説を務めるのは異例のことである。
試合の山場になると放送席に座っていたキャリスがリングサイドに近づき、オメガの勝利をアシストした。
AEWヘビー級王者になった翌週、オメガはAXSで放映されたインパクトの大会に登場。昨年春にWWEを解雇され、夏にインパクトへ移籍した元BCのカール・アンダーソンとドク・ギャローズと合体。オメガが予告登場した週のインパクト放送は前週と比べて40%近く視聴者を増やして、オメガの注目度の高さを証明した。
そして、1月16日に開催されたインパクトのPPV大会「ハード・トゥ・キル」でオメガはアンダーソン、ギャローズと組んでの6人タッグマッチでインパクト・デビューを果たした。
(中略)
AEWとインパクトが接近したが、その中に新日本も加わるとするならば、インパクトのキャリス副社長がキーマンとなる。
キャリスは2017年から19年まで新日本プロレスの月額視聴サービス「NJPWワールド」の英語解説を務めており、新日との関係は深い。
2018年1月4日の東京ドーム大会のセミでオメガ対クリス・ジェリコのIWGP USヘビー級戦が組まれたが、この試合を実現させたのがキャリスだった。
オメガ、ジェリコ、キャリスの3人はウィニペグの出身。キャリスをNJPWワールドの解説者に推薦したのはオメガで、キャリスをインパクトの副社長に推したのはジェリコだと言う。(ちなみに、アンセム社のレオナルド・アスパー社長もウィニペグ出身)
インパクトはTNAと名乗っていた2008年から11年まで新日と提携していたが、TNAへ海外武者修行に来ていたオカダ・カズチカを粗末に扱ったりして、新日に不信感を与えてしまった。
アンセム社体制になってから、インパクトの幹部は新日のオフィスを訪れてオカダの件を謝罪しているが、新日との関係は修復できていない。アンセム社がキャリスを副社長として迎え入れた理由の1つが、新日との関係を修復して、再び提携を結ぶためだと言われている。
1.4のオメガ対ジェリコはNJPWワールドの海外加入者を大幅に増やすのに貢献したが、それだけではなくAEW設立にも影響を与えたとキャリスは言う。
「俺のアイデアでジェリコ VS オメガの試合を実現させた。そして、トニー・カーン(AEW社長)は、あの試合がなければAEWは生まれなかったと言っている」
キャリスだけでなく、インパクトはアンダーソンとギャローズにも新日本との関係修復を頼んでいる。
昨年12月に行われたスーパーJカップには、インパクト所属のクリス・ベイがサプライズ参戦したが、これは新日とインパクトの距離が縮まっている証でもある。
オメガにAEWヘビー級のベルトを奪われたモクスリーだが、まだIWGP USヘビーのベルトは保持している。
2020年の1・4でランス・アーチャーに勝ってIWGP USヘビー級王者となったモクスリーだが、2月に鈴木みのる相手に2度目の防衛を果たしてから1年近く新日のリングに上がっていない。
新型コロナウイルスで海を渡っての移動が難しくなったことが大きな原因だが、2月末にジェリコに勝って第2代AEWヘビー級王者となり、AEWのリングから離れられなくなったという理由もある。
AEWヘビー級のベルトをオメガに奪われたモクスリーは、今年の1.4で大型スクリーンを通して、新日への復帰を表明。
AEWとの契約では新日本のリングで試合をすることは許可されているが、それは日本国内のリングでという条件付きだ。
その契約内容がここに来て見直されたという話もあり、モクスリーが新日のロサンゼルス道場で挑戦権を持つKENTAを相手にIWGP USヘビー級の防衛戦を行うのではという期待が高まっている。
この一戦がアメリカ国内で実現すれば、AEWと新日の距離も縮まってくるはずだ。
AEWと接近したインパクト。ドン・キャリス副社長は元新日英語解説者でありケニーの古くからの友人であり、新日本とAEWの接近を後押ししそうだ。
ケニー「俺と飯伏は今は離れ離れになっているけど、俺達のストーリーは大きく膨らんでいる」
前述記事にはこのようなくだりもあった。
オメガは飯伏への思いをこう告白している。
「俺と飯伏は今は離れ離れになっているけど、俺達のストーリーは大きく膨らんでいる。離れているからこそ、逆に大きなストーリーを生んでいるんだ」
2020年11月のレスリング・オブザーバーでのインタビューでのもの。
ケニーの願望なのか、具体的に進んでいる話なのか。表に出た時点では何ともつかみどころがなかったものが、ここにきての飯伏発言で現実味を帯びてきたように感じられる。もちろんジョン・モクスリーやジェイ・ホワイトを巻き込んでのストーリーも射程距離だろう。
先行する動きなのか。旧バレットクラブが今年に入って集結。
新日本プロレスのヒール集団「バレットクラブ」に在籍していたケニー・オメガ、カール・アンダーソン、ルーク・ギャローズ、ヤングバックス(マット・ジャクソン、ニック・ジャクソン)の5人がAEWマットに集結した。
メインイベントでAEWヘビー級王者オメガがレイ・フェニックスを撃破した後、有刺鉄線バットを持った前王者ジョン・モクスリーの襲撃に見舞われた。
するとインパクト・レスリングに所属するアンダーソン、ギャローズが救出に登場し「AEWデビュー」を果たすと、有刺鉄線バットを強奪。3人でモクスリーを痛めつけた。最後にAEWに在籍するヤングバックスもリングに姿をみせ、5人そろって「TOO SWEET」のウルフパックポーズを高々と掲げた。新日本プロレスのバレットクラブでは、オメガが14年から19年1月までリーダーを務め、アンダーソン、ギャローズは13年から16年までユニット在籍。ヤングバックスもオメガとともに19年1月まで所属していた。この5人がリングでそろうのは約5年ぶりとなった。
(2021年1月7日 オメガら元バレットクラブ5人5年ぶりAEWで集結 – プロレス : 日刊スポーツ)
あきらめかけていた。国境を超えてのダイナミックな展開はコロナで無理なのではないかと。正式な開戦の合図が待たれる。