白の聖典(中野たむ著)/宇宙一カワイイレスラーはどこから来たのか
スターダムのトップレスラーであり、ユニット「コズミック・エンジェルズ」のリーダーである中野たむが初の著書を発刊した。
本書を読めば、中野たむのすべてが分かる。ファン必携の一冊!
(白の聖典【Amazon限定トレーディングカード付き】)
[2022年1月17発売! プロレス入り前は、もともとアイドルだったという中野たむ。なぜ、彼女はアイドルからプロレスという真逆の世界に足を踏み入れたのか。そこに至るまでにはどのような葛藤があったのか。その真意が初めて綴られる]
両国国技館、日本武道館、大阪城ホール……、大規模な会場で大会を連発するなど、いま、日本でもっとも勢いに乗っているプロレス団体〝スターダム〟。その人気を牽引しているのが、白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム王座)のチャンピオン、中野たむ選手である。
入場では人懐っこい明るい笑顔で会場を魅了したかと思うと、試合では一転、情念に満ちた感情的なファイトを見せつける。そのギャップの虜になったというファンは多い。
プロレス入り前は、もともとアイドルだったという中野選手。なぜ、彼女はアイドルからプロレスという真逆の世界に足を踏み入れたのか。そこに至るまでにはどのような葛藤があったのか。その真意が初めて綴られる。
また、本書のために草津温泉でロケを敢行。永久保存版ともいえる袋綴じ「限界温泉グラビア」も収録。本書を読めば、中野たむのすべてが分かる。ファン必携の一冊!
※数量限定! Amazon専用特典、特製トレーディングカード付き!
絶望と希望の青春時代(第一章)から中野たむの現在と未来(第六章)まで
〈『白の聖典』巻頭グラビア〉
〈はじめに〉
【第一章】絶望と希望の青春時代
【第二章】地下アイドル残酷物語
【第三章】まさか私がプロレスラーに…
〈対談1〉安納サオリ(女子プロレスラー/フリー)
届いた。
久しぶりにお話してもあなたは宇宙一カワイイアイドルレスラーだったなぁ
またいつかどこかできっと pic.twitter.com/9saEwRYiIq— 安納サオリ (@anou_saori) January 18, 2022
【第四章】〝本物〟を目指してスターダムに入団!
【第五章】中野たむのプロレス観
〈特別対談2〉木谷高明(株式会社ブシロード代表取締役会長)
【第六章】中野たむの現在と未来
〈あとがきにかえて〉
〈おわりに〉
〈紙上妄想グラビア〉中野たむと初めての温泉デート
〈特別付録〉限界温泉グラビア ※袋とじ
何度も何度も乗り越えるたくましさ。そして、表現されている内容について気づいたこと
縁があってスターダムを観戦・取材するようになり、約2年となった。当初スタンスはフラットに「面白いものを追いかける」だったのだが、あるとき知り合いカメラマンから「すっかり“たむ番”だな」と言われた。
そこまでの記事は当然書けてはいないが、中野たむ寄り、コズエン(中野が率いるコズミック・エンジェルズ)寄りに記事を書くようになっていたのは事実だ。それを自身も読者も楽しむようになり、後追いで「コズエン通信」というカテゴリーにしたというのが実際のところ。
2021年3月3日、中野がスターダム10周年・日本武道館メインで勝利、白ベルト王者としてセンターに立つ。ウォッチしているこちらが驚くほどの大旋風をもって、中野そしてコズエンは突き進んでいる。
スターダム入りの挨拶をしたのが2017年ということだから、中野がどういう“見られ方”で迎え入れられたのかをボクは知らない。ただ、本書でも触れられているが、どうしてもアイドル出身というのはアスリートからは対極ととらえられ、反発もあったことは想像に難くない。
先入観があるファンほど引っかかるということかもしれないが、実際には対極ではない。何十分も笑顔で歌って踊り続ける現代アイドルは、体力・表現力・根性でプロレスラーを超えている面がある。
本書では中野の挫折の連続が描かれている。何度も何度も乗り越えようとする姿勢がたくましい。それでいて、本書で表現されている内容について気づいたことがある。
(中野たむの地元大会にみんなで乗り込むッ コズエンが秘密の作戦会議)
自伝であっても気取るところがない。他を論評するのではなく、あくまで自身の状況や感情が掘り下げられている。何度もマネージャーの計画が頓挫したし、裏切りもあった。そのせいにするのが普通だと思うが、せいいっぱい自身で食らいついて解決しようとする。
「こう思った」という結論を書き、ふんだんに用いられる倒置法で「なぜなら」と読者を鷲掴みにする。それを緩和するようでもあり、照れを隠すようでもあるのか、付記で女の子らしく結んでみせる。
いちいち引用はしないが、このアプローチとジェットコースターばりの表現が中野たむなのではないかと思う。ときには自身を呪うかのように掘り下げてしまう感受性から、「もう辞める!」とスターダムを飛び出しそうになったこともあった。
弱さと向き合い続け、まわりにも助けられ、中野のプロレスラー人生は継続する。コズエンという“アイドルというルーツ”強調のユニットをあえて背負うことで開花した。それは、何かを乗り越えたということではないかとボクは思っている。
中野よ、スターダムの10周年に間に合ってくれてありがとう。そして、ボクのプロレスファン人生を、この流れに触れさせてくれてありがとうなんである。
いやいや、まだまだこれからだ。
中野は「たむは歳をとるごとに衰えるどころか可愛くなってるので、年齢をディスられても全然気にならない。もっとたくさん生きて、どんどん可愛くなって行くから、覚悟しておいてほしい」としている。当サイトも今まで以上にコズエンを、そしてプロレス界でコズエンばりにキラキラしたものを追いかけたいぞ。
「すっかり“たむ番”だな」と言ってくれたカメラマンは、実は当時こうも言ってくれた。「いや、たむを追いかけるのはかなりいいと思うよ。たむは“まっすぐ”だから」。
まっすぐなレスラーの呪われるほどに強い情念、そして可愛らしさを本書でご堪能あれ。そういえばなぜ「静岡辺り」なんだろう。