名古屋・大阪を席巻した噛みごたえ UDONプロレス5周年は3・12新木場
香川県高松市を本拠地とするUDONプロレス。社会人プロレスでありマットプロレス中心とはなるが、その枠組みの限界に挑み続けている。
UDON入門序章として、この4人を覚えておくべし。
UDON入門序章・・・ツクダ監督
ツクダ監督はUDONプロレスのプロデューサーである。
日頃は香川県高松市でプロレスバー『ジャッジメント』を切り盛りしており、その名が彷彿させるようにレフェリーである。DDT高木三四郎のデビュー戦を裁き、レフェリング会場としては東京ドーム、両国国技館、横浜アリーナを含む。
UDONプロレスの世界観はツクダ監督がリードして形成されている。どのような試合展開で、どういう観客の反応を得るか。その計算の元に、監督によりマッチメイクがなされる。と同時に、レフェリング中のレスラーいじりにより会場の雰囲気をつくるアドリブも監督の役割である。
自身のストーリーを押しつけるのではなく「どうしたらええか本気で考えろや」がクチグセ。プロレスにおいていかにレフェリーやプロデューサーが大切かを思い起こさせる。UDONプロレスには指揮者としてのツクダ監督がいる。
最近になって脱毛、資格試験取得。自分磨きも欠かさない。
新日本プロレスの真壁刀義とは大学での同期。
https://twitter.com/tsuku_kantoku/status/1163821502078128128
UDON入門序章・・・銭形“ダラス”平次
銭形“ダラス”平次は石坂鉄平の化身である。
真壁氏…
否‼️
真壁さん…サラッととんでもない事を書いておる…
そうぢゃ‼️
元 石坂鉄平 とはわしの事ッ‼️
ぢゃが…
今のわしは、
銭形“ダラス”平次…
それ以上でもそれ以下でもないゾィ。金曜は…
学び多き会になり…
感謝しかないですゾィ‼️
アスッ〇┓ペコッ#UDONプロレス#真壁刀義 https://t.co/8XXKvlenSk— 銭形“ダラス”平次(UDONプロレス) (@zdh_udonpw) September 24, 2022
KAIENTAI DOJOでプロレスデビュー。2005年には新日本プロレスの「WRESTLE LAND」にレギュラー参戦を果たす。2008年にヒザの怪我で引退し、レギュラーの座を獲得。
引退後は香川県に移住し、会社勤務しながらUDONプロレスでの技術指導コーチを務める。ツクダ監督からはたびたび「うちはコーチがきちんと教えてますから」という言葉が出るように、全幅の信頼が置かれている。
監督が大胆な野望を口にできるのも、平次がいてこそ。単に社会人のプロレス好きが集まっているということではなく、UDONプロレスには本業経験のあるプロデューサーと指導者がいるということなのだ。
試合技術のみならずSNS使いにも長けた平次は、指導のみならず意欲の発信も欠かさない。
夢とは…
叶える為にある。監督もわしも…
それなりに成功体験がある…ぢゃからこそ‼️
夢の一歩目の為に…
がむしゃらになり…
そして退路を断つ‼️必ずや新木場大会楽しませてやるゾィ‼️#UDONプロレス#UDON旗揚げ記念日#ウドキュメンタル#カクトウログ https://t.co/dQx4SWE5BX
— 銭形“ダラス”平次(UDONプロレス) (@zdh_udonpw) October 24, 2022
UDON入門序章・・・UDON次郎
UDON次郎は初代KOS無差別級王者であり、ベビーフェイス側のエースである。
うどんイメージのマスクヘアー、試合での「こねる→延ばす→切る」の見せ場。UDONプロレスのアイコンとも言える存在だ。そしてUDONプロレス勢としては貴重、きっちり上半身を晒し、鍛え続けることで肉体美を維持している。現代プロレスにおいて欠かせないエッセンスを次郎が受け持つ。高校時代は名門校で野球に打ち込んだ根性の持ち主。
イベントなどへの参加も積極的で、最近はサ活好きとしても活動中だ。プロレス以外のことにも関われるレスラーを標榜している点では、棚橋弘至ポジションとしてUDONプロレスを広める使命を背負ってもいるのだ。
本日はロックンロウリュ🔥♨️
サ室でロックミュージックが爆音で流れながら熱波を浴びる最高の空間を体感出来ます❗️🔥♨️
わたくしUDON次郎も熱波隊として参戦します❗️
月曜日からバチバチにととのいましょう❗️☺️#ロックンロウリュ#ゴールデンタイム高松#高松MONSTER#UDONプロレス https://t.co/pdIag1j9YW
— UDON次郎【UDONプロレス】 (@JIRO_UDONPW) October 24, 2022
UDON入門序章・・・マ・ルヨシ
マ・ルヨシはワイルドコブラ会を率いるヒール側のエースである。
パワフルな破壊力はUDON随一であり、格闘技路線とヒール殺法をミックスする。2022年3月の旗揚げ記念日では葛西純のパイプ椅子投げを正面で受け、鼻骨骨折。血をボタボタと落としたが、本人はキックでの経験もありケロッとしていた。こうした根本的な強さがUDONプロレスの軸になっている。
社会人プロレスであったりマットプロレスであることには色眼鏡で見られることもある。それでいてプロミネンス藤田あかねからは「次郎やルヨシはプロレスができますからね」という言葉が出るほどだ。
かつての百貨店広告に「うそみたいな、ほんとが、ほしい」というものがあった。冷静に考えたときのロジックとしてはおかしいかもしれない。社会人プロレス、マットプロレスに熱狂がつくり出せるのか。UDONプロレスは「ほんと」のものを生み出そうともがき続けている。そして、4人を紹介したように、もがく環境が整ってもいる。
大阪大会を生観戦してアドレナリンが出た。前半は熱狂からはほど遠いお笑いだったりウォーミングアップなのだが、後半2試合で噛みごたえのスイッチが入る。試合展開には意味があり、結果には腑に落ちるものがある。
その一端が伝わればいいなぁと思いながら綴っているわけだが、この「うそみたいな、ほんと」はなかなか言葉では伝えにくい。ぜひとも新木場では観戦していただきたいと思うばかりだ。
「5周年は新木場。10周年は後楽園(マットを敷いて解散)」。
前半は実現したかもしれないが、観客数苦戦は間違いない。何かがブレイクした上で乗り込むわけではない。来場したファンにはUDONワールドが約束されるが、動員で中途半端な興行となって10周年を迎えられない事態もあり得る。
そのプロセスこそが、これからあなたとの間に起こるウドキュメンタルなのだ。