本隊主力不在でリアル反骨興行 第1弾集客を超えてみせたノア金剛の意地
24日、ノアの反骨ユニット『金剛』興行・後楽園ホール大会に385人の観客が駆け付けた。
潮崎・中嶋・清宮らの姿なし シングル5番勝負で真っ向勝負『金剛』興行
第1弾となった2019年12月14日・新木場大会のようなノア主力勢の参戦はなし。潮崎豪、中嶋勝彦、清宮海斗らが不在であり、まさにリアル反骨興行となった。
■プロレスリング・ノア 金剛興行 DIAMOND2
日時:7月24日(金祝)11:30
会場:東京・後楽園ホール 観衆385人(主催者発表)<第1試合>
〇獅龍
(15分31秒 首固め)
●仁王<第2試合>
〇望月成晃
(13分14秒 顔面へのランニングローキック→片エビ固め)
●稲村愛輝<第3試合>
〇谷口周平
(26分09秒 顔面蹴り→片エビ固め)
●征矢学<第4試合>
●稲葉大樹
(14分11秒 サイトースープレックス→エビ固め)
〇マサ北宮<第5試合>
●覇王
(20分00秒 ドラゴンスープレックスホールド)
〇拳王
それでも第1弾時の新木場350人を集客で上回る。
②の続き
お客様やマスコミの皆様にはたくさんのルールをご協力下さいという形でお願いさせて頂いております。チケットをお買い上げ頂き取材頂き更にたくさんのルールのご協力お願い本当に心苦しいです。安心と同じく楽しく観戦できるように引き続きスタッフ一同尽力して参ります。#noah_ghc
— 武田有弘 / Narihiro Takeda (@Ntakeda1113) July 24, 2020
小池百合子都知事からの4連休外出自粛要請、加えて18・19日にノア後楽園が開催されたばかりという状況でもある。そんな中での385人は価値ある数字で間違いない。
シングル5番勝負の意図は明かされず!? ユニット外も反骨魂で占められた興行
本隊でありながらメイン路線とは一線を引く谷口周平。他団体からのノア参戦組である獅龍、望月成晃、稲葉大樹。改めてカードを眺めれば、ユニット外も反骨魂で占められた興行であることに気づく。
金剛興行終了。
結果は…、2勝4敗。
"実力"と"絆"だけではなく、
結果を証明していかないと。意識を変えて。
強い信念をもって、
突き進む。#noah_ghc#金剛興行#クソヤローども#感謝 pic.twitter.com/EpMVPhewIz
— 拳王 (@kenoh_prowres) July 24, 2020
シングル5番勝負の意図は、拳王から明確には明かされることがなかった。
金剛のメンバーは貴重なシングルマッチを担って、長尺を闘い抜く。メインで拳王が覇王に「テメーの覚悟はそんなもんか!!」と問いかけたが、実は全メンバーへと向けたものではなかったか。それぞれの試合は沸点をドッカンドッカン越えてくるというよりも、一人ひとりが自身の持てる力と生き様をとことんさらけ出すアプローチでファンに問いかけた。
試合ぶりでいえば、拳王のメインでの引き出しが他選手を圧倒していた。変幻自在さ、スピーディーさ。プロレスを追究することにおいて、やはり拳王はリーダー足りえたことも実感できた興行だった。ユニット外に反骨である前に、リーダーに対して反骨であれ。追いつき、追い越せもまた必要なこと。メインの同門対決には、それが感じられた。
拳王による言葉にならないメッセージ!? それを美談にする必要もない
ノア当時オーナー会社のリデットエンターテインメントへの反発から生まれた反骨集団『金剛』。この日は「潰れかけていたノアをこの状態にもってきてくれた」と、リデット社への感謝を拳王が口にした(今年に入ってサイバーエージェントがノア親会社に)。
ビジネス上で盤石なものに関わるのではなく、ノアに関わることをチョイスしたリデット社にも反骨魂を感じてこその感謝ではなかったか。“顔出し”をしてこなかった鈴木裕之社長は、マスク越しではあったが金剛とノアファンの前にお目見えとなった。
拳王による言葉にならないメッセージが込められた興行だったのだろう。だけれども、それを美談にする必要もない。ノアの日本武道館興行を復活させると拳王は口にしているのだ。
あえて記したい。拳王も「絆だけではなく結果を」と記した。こだわりは百も承知だが、後楽園を満杯にしてほしかった。
「田村潔司」にこだわり過ぎる拳王とリデット社は、観客と一緒に走り切れていない。だけれども、金剛は気になるユニットであり、何かを起こしてくれるのではないかと期待させられる。花を咲かせるのか、迷走でフェードアウトするのか。金剛はいつもギリギリのところを突いてくる存在なんである。