星を包み込む宇宙であれ コズミックエンジェルズが勝ってスターズから独立
20日、スターダムが『10周年記念イヤー夢の祭典プロローグ OSAKA DREAM CINDERELLA』エディオンアリーナ大阪第一競技場大会を開催した。
大会結果 10周年記念イヤー夢の祭典プロローグ OSAKA DREAM CINDERELLA
■ スターダム10周年記念イヤー夢の祭典プロローグ OSAKA DREAM CINDERELLA
日時:12月20日(日)16:00
会場:エディオンアリーナ大阪第一競技場 観衆1,027人(コロナ対策限定人数=主催者発表)
<第1試合/フューチャー・オブ・スターダム選手権試合>
〈挑戦者〉〇飯田沙耶
(8分19秒 垂直落下式ブレーン・バスター→片エビ固め)
〈挑戦者〉●上谷沙弥
※もう1人は<王者>舞華
※第3代王者の舞華が3度目の防衛に失敗、飯田が第4代王者に
<第2試合/タッグマッチ>
○小波&刀羅ナツコ
(7分5秒 トライアングル・ランサー)
里歩&●ルアカ
<第3試合/DDM vs 大江戸隊 タッグマッチ>
○ひめか&なつぽい
(11分5秒 ランニング・パワーボム→エビ固め)
ビー・プレストリー&●鹿島沙希
<第4試合/ハイスピード選手権試合>
〈王者〉〇AZM
(10分31秒 横入り式エビ固め)
〈挑戦者〉●星月芽依
※AZMが3度目の防衛に成功
<第5試合/アーティスト・オブ・スターダム選手権試合イリミネーションマッチ>
〈王者チーム〉中野たむ&白川未奈&ウナギ・サヤカ
(3-2)
〈挑戦者チーム〉岩谷麻優&スターライト・キッド&ゴキゲンです☆
●ウナギ(7分22秒 回転エビ固め)〇ゴキゲン
●中野(10分24秒 タイガー・スープレックス・ホールド)〇キッド
〇白川(11分42秒 オーバー・ザ・トップロープ)●岩谷
〇白川(12分54秒 オーバー・ザ・トップロープ)●キッド
〇白川(15分22秒 GSS→片エビ固め)●ゴキゲン
※COSMIC ANGELSが初防衛に成功
<発表事項>
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<第6試合/ワンダー・オブ・スターダム&SWA世界二冠選手権試合>
〈ワンダー王者〉△ジュリア
(30分時間切れ引き分け)
〈SWA王者〉△朱里
※ジュリアが4度目の防衛に成功/朱里が初防衛に成功
<第7試合/ワールド・オブ・スターダム選手権試合>
〈王者〉〇林下詩美
(24分26秒 BTボム→片エビ固め)
〈挑戦者〉●渡辺桃
※林下詩美が初防衛に成功
※舞華が次期挑戦者に名乗りを上げる
第5試合 コズミックエンジェルズは“残る”のか“独立する”のか
当サイトとしてスポットを当てていたCOSMIC ANGELSとSTARSの抗争の行方という点で、第5試合を取り上げさせていただく。
結成1か月で6人タッグ王座を獲得して波に乗る中野たむ&白川未奈&ウナギ・サヤカのCOSMIC ANGELS。中野の「岩谷麻優の後ろを走っている訳にはいかない」という決起を発端として、COSMIC ANGELSが本隊STARSに残るか独立するかの「答え合わせ」が問われた大阪大会となった。
COSMIC ANGELSの勢いはあるが、今のところ大将同士である中野と岩谷の一騎打ちの方にビッグカード感がある。まだまだエンジェル中野とスター岩谷なのだ。とはいえ岩谷には“メンバーの面倒を見る”十分な構えがあり、対する中野の方も“メンバーの面倒を見る”構えに本格的に踏み出せるかどうか。一連の独立騒動の本質はここにある。
先発こそ中野と岩谷がシングルを思わせる緊張感だったが、岩谷は連係からのチーム力でCOSMIC ANGELSに圧をかけにいく。中野の真っ向勝負を避けたようでもあるが、ボクには岩谷組の連係が「私の方がちゃんと面倒を見る」という主張に感じた。するとどうだ。STARSのメンバーであるゴキゲン&キッドがウナギ&中野を次々と料理して、COSMIC ANGELSは白川の1人残り。1対3での数的不利に陥ってしまう。
COSMIC ANGELSの独立が遠のいたように思えたが、ここからが“アイドル・グラドル経験組スピリット”としての「泥臭い闘い方」。白川が奇跡を起こす。イリミネーションマッチで許された手段としてのオーバー・ザ・トップロープにより岩谷・キッドを連続離脱させたのだ。自分を取り戻した白川が変形フェイスバスター(GlamorousStrongStyle)でゴキゲンまでをも仕留めた。COSMIC ANGELSは“志”での連係で逆転してしまったのだ。
中野「宣言します。STARSを脱退して新しいユニットとしてスタートします」
白川 (涙をこぼしつつ)なかなかつらいイリミネーションマッチでしたけど、チャンピオンとして年を越せます。3人でベルトを持ってまた大阪に来ます。どうぞよろしくお願いします。
中野 コズミックエンジェルズは・・・今日勝ったことで(涙をこらえながら)宣言します。STARSを脱退して(語気を強めて)新しいユニットとしてスタートします。
岩谷 (中野を睨んで)中野たむ!! 今日は2人(岩谷&キッド)ともあんなの(オーバー・ザ・トップロープ)で失格。やり足りない・・・そう決めたら潰すだけ。来年1月のエディオンアリーナ、完・全・決・着というか完全に潰したいと思います(と中野を突き飛ばす)。今までこちらこそ・・・ありがとうございましたッ。せいぜいベルトを大切にしててね。スグ奪うから、また。
キッド どうぞご勝手に。イリミネーションマッチでタイトルマッチなんてふざけるな。納得できるか!! 飯田含めた3人で挑戦する権利あるだろッ。
ウナギ 私たちがチャンピオンです。でもやり足りない。ウルさいSTARSの挑戦を受けて黙らせましょう。
中野 いつ何時でも挑戦を受けます。STARS、またやりましょう。
COSMIC ANGELS デリャ~ス、う~ん、マッ!!
野暮すぎるくらいに補足することをお許し願いたい。中野は“岩谷に面倒を見てもらう”から“自身がメンバーの面倒を見る”立場を改めて決意した。マイクに乗っていく文字は抗争本格化を意味するのだから、ウェットであってはならない。なのに中野は涙目で、岩谷は澄んだ目にみえた。COSMIC ANGELSとしても、どこかでいつもの笑顔が足りない(だけれども、これはこれで“いい表情”ではある)。勝敗とは裏腹に、岩谷が懐の大きさを見せつけた。
ただ、違う目をしていても、視点は同じ。中野は独立によって真の恩返しを果たすわけであって、岩谷は独立を許すことで後輩育成を完結に近づける。
エンジェル中野からコズミックエンジェル「ズ」になるために。対するスター岩谷サイドはスター「ズ」になるために。大阪大会は星を包み込む宇宙のスケールを思わせるCOSMIC ANGELSの勝利となったが、もちろんトゥビーコンティニュー。メンバーからの“簡単に大将同士のシングルを組ませてなるものか”という台頭を、これから大いに楽しませてほしい。そのうえで、タイトルマッチうんぬんでなくとも意味合いを増した“大将同士のシングル”をいつか見てみたいと思うのだ。
【12/21 10:35追記】バックステージコメント コズエンがコズエンであるために
ボクにとっての大阪大会は、現地観戦ではなくPPV視聴となりました(カメラは特派員にお願いしました)。一夜明けでバックステージコメントがUPされたので確認しておきたい。
本日の『スターダム10周年記念イヤー夢の祭典~プロローグ~OSAKA DREAM CINDERELLA』エディオンアリーナ大阪第1競技場(観衆1027人=札止め/コロナ対策限定人数)
全試合結果と、コメントを公式サイトにアップしました⭐️こちらからチェック💫https://t.co/Aa2o93Jl47#stardom
— スターダム✪STARDOM (@wwr_stardom) December 20, 2020
(バックステージコメント)
たむ「ごめんね。もう、ビックリしたよ。まさかキッドがタイガーを出してくると思わなかったら、びっくりしちゃった。全部任しちゃった感じになっちゃった。本当にごめんね」
白川「私もそのあと、2人がいるのって心強いんだなってことがすごくわかって。一人になった瞬間、むちゃくちゃ心細くて、そのあと、麻優さん、キッドさんをトップロープ越えさせて、無理矢理ドロップキックで落とすっていう、もう私にはその術しかなかったことがすごく悔しかったです」
たむ「いやでも、イリミネーションマッチというルールがまた」
白川「そうですね。味方してくれた部分はあるので。でも、やっぱりキッチリとした3人で力を合わせて3カウント取って、STARSにはまた勝ちたいと思いました。また新しい目標できたんで」
ウナギ「飯田さんがフューチャーのベルトを3年に伸ばしてくれて」
白川「ああ、そうなんだ。私たちは挑戦する権利が」
ウナギ「2年ぐらいなんで」
たむ「え、私たち?」
ウナギ「違います、違います。たむさんはとっくに終わってるんですけど(笑)。なので、対決できるのがめちゃくちゃ楽しみです」
白川「なら私はこのベルト、STARS相手にまた防衛戦するのであれば、絶対防衛して、そして飯田沙耶からフューチャーのベルト取って2本ベルト、絶対に巻きたいと思います」
ウナギ「ちょっと待った! それに関してはウナギも食いついていきたいと思うので」
たむ「ちょっと待った! それに関しては私も食いついていきたい」
ウナギ「それはもう(苦笑)。でも、3人で力を合わせて、大阪の地で防衛しましょう」
たむ「コズミックエンジェルズ、きょう新しく生まれた新しいユニット。これからおいしい、おいしい旅を皆さんと一緒に楽しんでいきたいと思うので準備はいいですか? 私たちもあなたたちも」
3人「デリシャース、ウーンマ!」
――このチームの強さはどこにある?
中野「このチームの強さですか? 弱いです(笑)。このチームは弱いんですよ。みんなまだキャリアも浅いし、アイドル上がりでちゃらちゃらしてます。かわいいだけです。でも、アイドルってどんなプロレスラーよりも泥臭いんですよ。その負けない気持ちじゃないですかね」
――白川選手がグラビアで泥水すすってきたそうだが、みんなそう?
中野「けっこう地獄見てきたよね?」
ウナギ「そうですね」
白川「たぶん私たちカッコイイ人生を送ってないんですよ。本当にダッサイ人生ばっかり送ってきてる。でも、そのダサイ3人でどんどんどんどん明るい未来を作っていく」
ウナギ「めちゃくちゃ夢あると思うんで、もっともっと突き進んでいきたいと思います」
――どのへんに夢がある?
ウナギ「正直まあまあ年もいっていて、正直キャリアも浅い。それでも自分の夢を持ってあきらめずに進めばどこまでいけるのかっていう夢は無限にあるし、絶対に何を始めるにも遅くないっていう夢を見せたいです」
白川「私も最近、インタビューとかされて一個新しい夢ができて。いままでガムシャラに自分のために頑張ってた感じなんですけど、年を重ねて、プロレスをやり始めるの遅いとかめちゃくちゃ言われたんですけど、始めなかったら絶対もっと後悔してたし、始めたからには夢を持ち続ける限り、いつだってなんだってできるっていうのを、同世代の女性に見せていきたいなっていう夢があります」
――この2人をパートナーとしてどう思う?
中野「頼りにしてますよ(笑)。私には持ってないものを持っている2人なので、その点に関しては。ちゃんみなは頭のいいところ、ウナは…元気なところ。明るいところ。私のことをこんなに信じてくれる人はほかにいないと思うので、私も2人を信じてます」
エディオン第1ありがとうございました。
防衛できました。
でも不甲斐ない。
大きな壁しかないけど
私自身も分厚く高くなって超えていきたいです。
応援ありがとうございました。
もっともっと。#STARDOM pic.twitter.com/C6aZcsoY2W— ウナギ・サヤカ🐯🦊 (@unapi0902) December 20, 2020
これだけは言っておくけど
ジジイだのババアだの夢持って前に進むのをバカにしてる愚民共。
やりたいこと好きなことやらない方がくだらない。
自分の正解は自分にしかない。
自分の人生身をもって正解を証明するしかない。
始まったばかりウナギの身をもって証明シていくので🙏🏻
候。 pic.twitter.com/9aBJnSyV5v— ウナギ・サヤカ🐯🦊 (@unapi0902) December 20, 2020
3対1になった時、目の前が真っ暗になった。
苦しくて正直心折れかけたけど、
勝ちたいって気持ちだけで動いてた。絶対諦めたくなかった。
私達は難しい道を選んだかもしれないけど、信じて進むしかないから。何としてでも、ベルトを守り抜いて、1mmでも1cmでも前に進みたかった。#STARDOM pic.twitter.com/JEvhlkkvyC
— 白川未奈 Mina Shirakawa (@MinaShirakawa) December 20, 2020
あの瞬間正直終わったと思った
100%信じきれなかった自分を
恥じました
みなちゃんありがとう。
COSMICANGELSとして
自分自身もっと成長します。
これからもよろしくお願いします🙇🏼♀️
今日は素直にかっこよくて頼もしくて誇らしかった。
真の白川未奈を見せつけられた気がした。
たくさん防衛しよう共に https://t.co/lLYIdUd5ZV— ウナギ・サヤカ🐯🦊 (@unapi0902) December 20, 2020
2人の、「大丈夫だ!大丈夫だ!返せ!」て声がずっと聞こえてて。だから勝てた。絶対まけられないって。
応援してくれる人みんなの声が早くききたいね。
そんな世の中に戻るのを、願いつつ。防衛しつづけよう! https://t.co/unQJtlTQSg
— 白川未奈 Mina Shirakawa (@MinaShirakawa) December 20, 2020
バックステージコメント後半が“コズエンがコズエンであるためのテキスト”となっている。16日の後楽園でビー・プレストリーから「コズミック・オールド・レディース!!」なる言葉でチクリとやられていたが、百も承知の開き直りで前を向く。
先行して前のめり姿勢で急成長を遂げてきたのが中野であり、団体メイン戦線への食い込みを見せている。岩谷への最大の感謝を抱きつつ、今度は「数年前の自分」である2人(白川とウナギ)を引き上げていく。
最初はチヤホヤされるわけで、初戴冠からが本当の勝負だ。独立による苦悩はあって当然で、笑顔以上に涙も多く流すことだろう。独立談義はいったん答えが出たわけで、これからはリング上で真価が問われていく。裏切る・裏切られたではなく、この大阪大会での“掟破りの逆タイガー”キッドや“3人抜き”白川のような試合ぶりでのファンの語り合いも増していくに違いない。