柴田勝頼「自分にしかできないことですよ、やっていきたいことは」 LA道場に密着、ゴッチ式トランプトレーニングも!?
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柴田情報が限られる中での好企画。自身の長期欠場中リハビリを兼ねてロサンゼルス道場ヘッドコーチを務めている柴田勝頼。密着したドキュメンタリー映像番組「CALIFORNIA DREAMIN’ 」の第1回(#1)が6日、YouTubeなどで公開となった。
新日本プロレスではサンフランシスコ7・7カウパレス大会を行った。この大会のリングはロサンゼルス道場から実に8時間かけてトラックで運搬したものだという。番組では“ロスとシスコの往来の旅”と“ヘッドコーチという人生の旅”の二つにスポットが当たった。
柴田の口から、ヘッドコーチへの意思が改めて語られる。
「自分にしかできないことですよ、とにかくやっていきたいことは。他の選手に務まることだったら俺はここはすぐ降りてもいい。俺にしかできないことをやる」
「一刻も早く次の行動に移したかったんですよ。ずっと“怪我人”でいるのが嫌だった。“怪我人”でいると見られるのがすごく嫌で。手も動くし、足も動く。そんなかで俺、何ができるんだろう? ちょうどLA道場の話が出て、すぐ行動に移した。(症状を)聞かれるのも嫌で、それがあってこっち来ているっていうのもある。ハハハッ。でも、こっち来たらこっち来たで、今まで見えてなかった世界が見えてきて、それこそ“生きてるな”っていうのは実感してますね」
2017年4月9日のオカダ・カズチカvs.柴田。あの試合が柴田の口から語られることは限られるが、今回の映像では、このような振り返りがあった。
「あの試合に限らずですけど、自分の試合は、後悔したくない…1試合も無駄にしたくないっていうのはあったんで。その日に持てる力を全て注いで今までやって来たんで、それはいつもと変わらないと言えば変わらないんですけど。あの日っていうのは特別な力が湧いてきたような気がしますね」
「(試合中の)意識はありましたね、途中までは…わかんないですけど、だいたいありました。振り返りたくないんですよ、自分自身こうして生きて、いまできることを、何ができるんだろうと思ったときにアメリカに渡ってたというのが一つの答えでもあって。あれはあれで何も後悔することはないんで」
本人も、まわりも。そしてファンも。直面する現実をみんなで乗り越えていくのがプロレスだ。
・ 【新日1・4ドーム】オカダV9苦悩の軌跡「プロレス界の顔」としての責任と覚悟
また昨年4月9日の両国大会では対戦相手の柴田勝頼(38)が試合後に硬膜下血腫の重傷を負った。「どうしたらいいんだろう、と。周囲からは『気にするな』と言ってもらってましたが、あのころは本当に、プロレスが怖かった」とオカダは当時を振り返る。その苦悩を救ったのは、病床の柴田からのメッセージだった。
昨年4月末に菅野洋介トレーナーを通じて「ケガのことは気にするな。常にそういうものだと思って試合をしているから。何も後悔していない。ちゃんと生きているから大丈夫。お前も頑張れ」と伝えられた。柴田がレスラーと連絡を取るのは負傷後初めてのことだったが、その言葉はオカダを気遣う男気にあふれていた。
「柴田さん本人に言われて本当救われたし、いろいろ考えました。言葉にはしづらいんですけど、プロレスとの向き合い方も変わりましたね。レスラー人生のターニングポイントになっていると思います」
以後のオカダは自ら団体と交渉し、移動方法やイベント出演報酬に至るまで、所属レスラーの待遇改善にも努めるようになった。その強さの奥底には、業界の未来もライバルの思いもすべて背負うという、プロレス界の顔としての責任感と覚悟があった。
柴田はヘッドコーチ就任という運命について改めて噛みしめる。一方で“リングに近づいていきたい”という思いも。
「けっこうハードなことやって2~3時間練習させてるんですけど、まぁ、自分自身の練習も兼ねて、それ以外の時間も含めていい時間の使い方をしなきゃなと」
「怪我してなかったら発見してなかったかもしれないですねこの感覚は。環境が自分の体に合っているんですよね、カリフォルニアが。(タイガー)服部さんにも言われました。『ユー、顔色いいよ』って言われて。怪我してよかったっていうのは絶対ないんですけど、なんかこううまくタイミング的にこうなったのかなっていうのは思いますね」
「(新日本の海外進出を見て)いいんじゃないですか。やっぱり、スポットライトは魅力的で『あの中に行きたい』という気持ちにはなりますね。この前のカウパレスも、遠くから見ていて、あの中心がいいなぁと(ニヤリ)」
映像には棚橋弘至とKUSHIDAのコメントも挿入された。
棚橋「(新日本プロレスとして海外に)攻め込みたいじゃないですか。となると、拠点がいる。いちばん新日本プロレスらしい柴田選手がコーチをやるってところにすげえ意味があると思うし、実際めちゃくちゃ厳しい(笑)練習をやってるらしくて、竹刀もってぶん回して(笑)それでアメリカ通用するんだと思って」
KUSHIDA「プロレスって教えるの難しいですよね、正解がないから。ボクも参加していて学ぶというか。ロス道場はまだ物体として定まっていないだけに、柴田さんがつくっていく自由度が高いと思います。ボクも協力させていただけることがあるなら日本からいつでも行きたい」
柴田と道場生の会話からは、練習にカール・ゴッチ式トランプトレーニングが取り入れられていることもわかった。めくられたトランプによりトレーニング種目と回数が決まる。練習に新鮮さが生まれ、レスラーとしての臨機応変さが備えられる方式。オールドファンならばニンマリしてしまう。道場での竹刀使用というスタイルと言い、ストロングスタイルの系譜が確かに柴田によるロス道場にはある。
次回は、道場での練習にカメラ密着との予告。楽しみに待ちたい。