生みの苦しみの中で清宮海斗 ノア2年半ぶり声出し興行で聞こえたもの
30日、ノアが有明に“凱旋”、コロナ禍以降規制されてきた声出しが2年半ぶりに解禁された有明アリーナ大会を開催した。
大会結果 ノア ABEMA presents 有明凱旋-THE RETURN- PRO-WRESTLING LOVE FOREVER.3 ~TRIUMPH~ 10月30日(日)有明アリーナ
■ ノア ABEMA presents 有明凱旋-THE RETURN- PRO-WRESTLING LOVE FOREVER.3 ~TRIUMPH~
日時:10月30日(日)16:00
会場:東京・有明アリーナ 観衆3739人(主催者発表)
<ダークマッチ> ※15:40開始
●小澤大嗣
6分08秒 ミサイルキック → 片エビ固め
〇藤村加偉
<試合前>
この段階でウルッときた。いきなり万雷の潮崎コール!
アイアムノア、ウィアー(潮崎)
ノア!!(観客)
✖4回でスタート🔥#noah_ghc #MutoFinal pic.twitter.com/Hrl08NbhqH
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<第1試合>
大原はじめ
〇近藤修司
征矢学
9分08秒 キングコングラリアット → 片エビ固め
エクストリーム・タイガー
●アレハンドロ
谷口周平
<第2試合>
〇ダンテ・レオン
ジャック・モリス
11分04秒 インフェルノ → 片エビ固め
●YO-HEY
稲葉大樹
<第3試合>
スペル・クレイジー
●Eita
NOSAWA論外
13分15秒 NOSAWA論外の凶器攻撃 → 反則勝ち
矢野安崇
クリス・リッジウェイ
〇小川良成
<第4試合>
●マサ北宮
田中将斗
11分54秒 ワグナードライバー → 片エビ固め
〇イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.
鈴木秀樹
ハッピ〜ハロウィン。
ハッピ〜ワグナ〜です🎃#noah_ghc #MutoFinal pic.twitter.com/NZSo1B8XY5
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<第5試合/GHCジュニアヘビー級タッグ選手権試合>
[挑戦者]
●Hi69
タダスケ
13分08秒 コウモリ吊り落とし → 片エビ固め
吉岡世起
〇小峠篤司
[第51代王者]
※小峠&吉岡が初防衛に成功
<第6試合/GHCジュニアヘビー級選手権試合>
[挑戦者]
〇ニンジャ・マック
11分23秒 HAYATAが肘を負傷 → レフェリーストップ
●HAYATA
[第49代王者]
※HAYATAが7度目の防衛に失敗、ニンジャ・マックが第50代王者に
<第6試合後>
元日・日本武道館でのグレート・ムタvs.中邑真輔が発表に。
元日・日本武道館!!#noah_ghc #MutoFinal #byebyeMUTA pic.twitter.com/lOMk0xo0Rn
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<第7試合/GHCナショナル選手権試合/NOAHマーシャルアーツルール>
[挑戦者]
●桜庭和志
3分19秒 ニンジャチョーク → レフェリーストップ
〇船木誠勝
[第8代王者]
※船木が6度目の防衛に成功
2人が織りなす闘い、有明アリーナに響く。
3分19秒、船木がフロントチョーク。島田レフェリーがストップ。#noah_ghc #MutoFinal pic.twitter.com/4jTD2sBHOZ
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<第8試合/GHCタッグ選手権試合>
[挑戦者]
●中嶋勝彦
拳王
21分23秒 ウエスタン・ラリアット → 片エビ固め
〇小島聡
杉浦貴
[第62代王者]
※杉浦&小島が初防衛に成功
うおー、これだよ、これ。
甦った声援。プロレス会場だ〜!!
小島「言っちゃうぞ、バ、、、(観客合唱)」拳王が途中阻止。
観客「ブ〜〜〜」#noah_ghc #MutoFinal pic.twitter.com/d8dJ3Y5YSx
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行っちゃうぞ、バカヤロ〜!!#noah_ghc #MutoFinal pic.twitter.com/pG3y3V2dNB
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<第9試合/PRO-WRESTLING LOVE FOREVER.3 ?TRIUMPH?
●本間朋晃
真壁刀義
棚橋弘至
20分32秒 不知火 → エビ固め
稲村愛輝
〇丸藤正道
武藤敬司
テーマ曲はトライアンフ(から切り替わりの)ホールドアウト。
これぞプロレス絵巻。両者先発で武藤敬司と棚橋弘至、、、
交わる!!!#noah_ghc #MutoFinal pic.twitter.com/YOsCHt4gv3
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武藤バックステージ。
(ムーサルト未遂は)真壁もプロだから、止めてくれると思ってたよ!
ムタ? 何も言わないでくれって言われてるから本人に。オーカーンのこともあるし。#noah_ghc #MutoFinal pic.twitter.com/o5tpWMHVag
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<第10試合/GHCヘビー級選手権試合>
[挑戦者]
●藤田和之
24分06秒 フランケンシュタイナー → 体固め
〇清宮海斗
[第41代王者]
※清宮が初防衛に成功
【大会ベストバウト&満足度投票アンケートは11/2(水)24時まで】
清宮海斗ベルト防衛メインに賛否。「ムタvs.中邑」決定にも複雑胸中?
「清宮海斗vs.藤田和之」GHCヘビー戦。グラウンドでもスタンドでも強さを発揮してくる藤田はやはりバケモノ。ただ、バケモノぶりがあった反面には、耐えしのぐ清宮の姿もあったことになる。
武藤ばりのフランケンシュタイナーで清宮が藤田を丸め込んで勝利。ただ、清宮は両足で藤田の頭部をきちんと挟めず“丸め込み”でのフィニッシュにとどまったことで消化不良感が出た(大会ベストバウト投票でも劣勢)。藤田もダメージ少なく、試合後に悔しがった。
一夜明け、拳王が生配信で大会を振り返る。
「(昨日のメインについて)うーん、負けてこういうことを言うのも好きじゃないんだけど。ちょっ~と、やはり、清宮をね、『担ぐな、担ぐな』ってノアに言ってたじゃん。3~4年前? 海外修行から帰って来たときから言ってる。いろいろ考えちゃうよね。ただ、昨日のタッグマッチにも清宮にも藤田にも負けてるんで・・・何も言えねぇよな。結果を出してから発言力は増すから」
「(東スポ一面、ムタvs.中邑について)あったね、こういう発表も。どう思うって・・・俺的に言えば、プロレスリング・ノアじゃないよね。そこだよね。(見出しも)『猪木さんの奇跡』って。日本でシングルする、そこ来たか、抜群の選択、裏の裏をかいてる、すげぇ。でも、プロレスリング・ノアじゃない。その悔しさ。もう確実に順位付けられたなって。新日本一強で。30年くらい前はね、ノアと新日本って2強だったじゃん。でも格付けされたなと。俺は、いろいろ仕掛けていかないといけないと思ってる。この図式を変えていかないと」
コメント欄や聞き手が誘導したところも多分にあったが、清宮ベルト防衛メインへの賛否、「ムタvs.中邑」決定への複雑胸中というファンの実感を受け止めたものともなった。
選手コールだけではない。会場で聞こえた“本気”の声とは?
重みを受け止め、関係者もファンも声をかけ合い、集結した大会だった。
コロナ突入のときの絶望感。TVマッチ連発で業界牽引したノアをけっして忘れない。2年半ぶり声出し大会という重み。
コロナ以降初の(最後かもしれない)ムトーコール、棚橋との対峙。
配信視聴時に「なぜ会場に行かなかった!?」と後悔することなきよう・・・ぜひ観戦計画を。#MutoFinal #noah_ghc pic.twitter.com/BgHfjBRmJW
— KAKUTOLOG📶プロレス/ボクシング/MMA/格闘技カクトウログ (@kakutolog) October 28, 2022
観衆は3739人。
日本国内の“コロナ禍以降声出し大会”
最高動員である
新日本プロレス 2022年10月16日 新潟・アオーレ長岡 観衆1545人
を大幅超!! さらに
ノア 2021年02月12日 日本武道館 4196人
ノア 2022年01月01日 日本武道館 3181人
ノア 2022年07月16日 日本武道館 3215人2022年の武道館大会動員を大幅超(2021年の武道館大会は超えられず)
声を出すことへの躊躇があってもしかるべきだが、スタートでの潮崎豪登場で冒頭から声援へとつながっていく。熱戦続きが拍車をかけ、GHCタッグ戦でのシーソーゲームで通常時の声出しに戻った感覚が味わえた。
そうだよ、プロレスってこうだったよなァ!!
メイン。レスラーとしてのポテンシャルを感じさせるのが清宮だからこそ、うまくいかなかったときの落胆も誘ってしまう。それこそ昭和プロレスでは攻防もシンプルだったし、微妙なフィニッシュも山ほどあった。
時代が違えば、今回の清宮勝利は大歓声で迎えられるものだった。肥えた目で評価される若い選手というのは本当に大変だ。アントニオ猪木とて、百発百中だったわけではないのだが。
ともすれば、攻防度と作品度で見る目を肥えさせたのが武藤だった。そしてメイン挑戦者の藤田和之は、師匠であるアントニオ猪木の永眠月に凄まじい試合をみせた。ノア参戦時にはファンに「プロレスできるのか」「ノアに来るな」と言われていた男である。弔問では「出来の悪い弟子ですから」と語っていたが、天国の師匠は「お前、成長したじゃないか」と笑っているに違いない。
こうした場で闘う清宮を支えているものがある。
考えれば当たり前だが、耳にしたときは「オッ」と新鮮に感じた。声出し解禁は、奇麗なコール(選手名の合唱)だけを復活させるものではない。試合が佳境に差し掛かったところではっきりと聞こえた。
「しっかりしろ、清宮ッ!!」
「清宮ッ、お前がひっくり返さなきゃダメだろ!!」
それは気持ちが入った“本気”の声だったし、ここから支持者・アンチどちらにも転がりそうなリアルがあった。プロレスにおける声援そのものだった。
大会終了後、たまたまトレーナー室で療治されてる清宮選手をお見かけしました。その姿は筆舌に尽くし難く…。
野獣の攻めを真正面から受ける、というのは誇張ではなく本当に命懸けなんだと思いました。清宮海斗が“野獣”藤田和之を制してGHCヘビー級王座防衛! https://t.co/j0xJjtLSKi
— プロレスリング加藤 (@q3jQd9xK0aZSvEL) October 31, 2022
ノアはとことん“闘うべきもの”を自らに突きつける。“格付け”された事態から団体とファンが一体となって立ち上がろうとする。生みの苦しみの中でのアイコンが清宮海斗であることがはっきりわかったことが、有明凱旋の答えだったように思う。