ジャニに続きAKBが大声除く声出し解禁 ドーム迫る新日本も調整急ピッチ
コロナ禍というパンデミックが集客エンターテインメントに与えたマイナスは計り知れないが、感染状況をウォッチしながらの業界ぐるみの調整と規制緩和が目立ってきた。100%収容、コンテンツ満足、感染防止をすべて満たすための攻防。現時点のまとめ。
8日の夜間、Twitterトレンドに「声出し解禁」
8日の夜間、Twitterトレンドに「声出し解禁」との文字が躍った。なのに、このタイトルのニュース記事は見当たらない。さぐっていくと、AKB48春コンサート告知内での“声出し制限の緩和”をファンがたくましく拾ったことが話題化したようだ。
<音楽コンサートにおける声出し制限の緩和について>
1.はじめに
⼀昨年春に新型コロナウイルスの感染が広がり始めて以来、お客さまが安全かつ安⼼してご来場いただけますようにコンサートにおける感染予防対策を実施させていただいたところ、ご来場いただきましたお客さまには、お願いさせていただいた様々な感染予防対策にご協⼒いただきましたこと、改めて感謝を申し上げます。
この度、音楽コンサートにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインが改定されたことに伴い、声出し制限に関しての緩和措置を実施いたします。
なお、ウイルスは変異を繰り返し、感染者数が再び増加する局⾯も想定されます。今後とも感染状況を慎重に⾒極め、場合によっては、再び厳しいお願いすることもあろうかと思いますので、何卒ご理解ください。
2.声出し制限の緩和の内容
声出しに関する制限を、以下のとおり緩和させていただきます。
不織布マスクを着⽤していただくことを前提に、
(1) 隣の席の⽅と会話される程度の声量での歌唱、及びタレントへご声援いただくこと
(2) 出演者の登場時の呼びかけ、演出効果に対して、⼀時的に大きな声を出されること
については問題ありません。※「大声」の定義は、政府方針によれば「観客等が、通常よりも大きな声量で、反復・継続的に声を発すること」とされています。 周辺のお客様の鑑賞を妨げない範囲でお楽しみください。
(AKB48公式サイト | ニュース AKB48春コンサート2023inぴあアリーナMM/チケットFC会員先行のご案内)
この緩和が即時なのか春コンサート以降なのかは記載なし。
緩和は11月中旬のジャニーズへの追随ともなった。
「不織布マスクを着用していただくことを前提に、隣の席の方と会話される程度の声量での歌唱、夕レントへご声援いただいても結構です」と声出しを解禁した。
さらに、出演者の登場時の呼びかけ、演出効果に対して「一時的に大きな声を出されることも結構です」と、声が出せなかった状況からすると、大幅に制限を緩和している。
一方で、「周囲のお客様のご迷惑となるような大声で継続的に歌唱されること、ご声援されることはご遠慮いただきますようお願いいたします」と呼びかけた。
(2022.11.15 ジャニーズ、コンサートで声出し解禁 ガイドライン緩和「一時的な大きな声」もOK – KAI-YOU.net)
政府方針による大声の定義「観客等が、通常よりも大きな声量で、反復・継続的に声を発すること」をガイドラインに落とし込んだものとなっている。
格闘技振興議員連盟。新日本からは質問が一つ、要望が二つ
6日、参議院会館にて行われた『超党派 格闘技振興議員連盟 第二回総会』にはプロレス・格闘技業界が参加した。
新日本プロレスからは大張高己代表取締役社長、菅林直樹取締役会長、永田裕志選手が出席した。
プロレス界からは、株式会社 Cyber Fight(DDT)の高木三四郎取締役、高橋晃執行役員、東京女子プロレスの甲田哲也事業部長、プロレスリング HEAT-UPからは兼平大輔選手、酒井博生選手。
格闘技界からはRIZINの榊原信行CEO、笹原圭一広報局長、日本修斗協会の坂本一弘 副会長兼代表代行、One Championship の池本昌煇プロデューサー、DEEPの佐伯繁代表、RISEクリエーションの小野誠司代表、一般社団法人全日本フルコンタクト空手コミッション広報の吉岡恒夫氏らが顔を揃えた。
(約2年ぶりに「超党派 格闘技振興議員連盟」が開催! 大張社長からの質問は「『1、2、3、ダー!』や単発の声援は、定義上の“大声”に該当するのか?」「100%収容の全面的声出し応援」等の要望も提出!! | 新日本プロレスリング)
代表して新日本からは質問が一つ、要望が二つ出されている。
記事のタイトルや要約だけでなく…
この公式記事は会場にいた担当者が私の主張を正確に描写しており、是非、皆様にお読み頂きたいものです。
今のルールがどうなのか、新日本は何を主張しているのか、何がそれを妨げているのか、正確にご認識頂ければと切に願います。
プロレス界全体の課題です。
— 大張高己/Takami Ohbari (@TAKAMIOHBARI) December 6, 2022
選手反復コールはNGでも一時的な「1、2、3、ダー!」は大声に当たらない!? このあたりが大張高己社長から問われた。担当者の回答は「先ほど、言われた個々の事例に関しては、後ほど相談をさせて頂いて、『どういった場合に(大声に)当たらないのか?』ということを一緒に検討できればと考えている」となっている。
1・4東京ドーム大会、あるいは今後の興行をやりやすくするためのガイドライン確立につながることを祈りたいところだ。
自治体・会場に浸透せず!? すでに来場者連絡先把握は不要に
大張社長の要望の中には、自治体・会場へのルール浸透も含まれた。
「自治体、会場への“制限緩和”の浸透をお願いしたい」と語った大張社長。
その一つ目の例として「収容率の制限は大声無しなら、100パーセント収容というルールがありますが、そういった政府が定めたルールを改めて浸透させて頂きたい。新ルールである大声アリのエリアは50パーセント収容、大声無しの場合は100パーセント収容、コレは併存できますよ、というルールも認めて頂けない会場や自治体がある」と現状を訴えた。二つ目の例として挙げたのは「会場における個人の連絡先の把握」に関して。
「公的機関による濃厚接触者の追跡は、もはや行われていない」にも関わらず、「いまだに多くの会場で連絡先の把握が求められている。個人情報を扱うのは非常にセンシティブなため、負担もかかる」とコメント。「事業者並びに個人の自由を制限するときは、みなさん強くおっしゃると思いますが、“制限を緩和”するときも、それが浸透するように各自治体、会場に働きかけをぜひしてほしい」と要望した。(担当者の回答)
「ご指摘の通り、(来場者の連絡先の把握)を求めることは現在はしていません。厚労省の運用で、濃厚接触者の特定を現在は求めていませんので、こういったイベント開催において、来場者の連絡先を求めていることは必要ない、ということで(各自治体に)通知をしています」と語り、また「自治体で運用方法が違っているのではないか?」という指摘に関しては、「我々、基本的対処方針の事務連絡の内容に関しては、詳細に都道府県に対して説明会などを行って理解を深めるように努めているが、もしそういった県において運用の違いがあれば、ぜひコロナ室、スポーツ庁にご連絡ください。我々は県とも連絡ができますので。そういた事例がありましたら、相談に乗って対応させていただきたいと考えています」とコメントした。(約2年ぶりに「超党派 格闘技振興議員連盟」が開催! 大張社長からの質問は「『1、2、3、ダー!』や単発の声援は、定義上の“大声”に該当するのか?」「100%収容の全面的声出し応援」等の要望も提出!! | 新日本プロレスリング)
すでに来場者連絡先把握は不要になっていることが改めて確認された。にもかかわらず自治体・会場に求められるのだろう。確かに一部の団体・大会では記載が残されている。大会を行っていくうえでのハードルはいくつもあるのが現状だ。