伊藤貴則「強くなったフジタ“Jr”ハヤトを待つ」 佐藤光留を破り奪還宣言
17日、『LIDET UWF Ver.4』新宿FACE大会が開催された。7月に引退試合となるカズ・ハヤシはセミでLIDET UWFラストバウトとなる。メインでは「伊藤貴則vs.佐藤光留」というLIDET UWFvs.ハードヒット大将対決が組まれた。
鈴木みのる「お前らの常識で俺を測るな」 UWF無視でカズ・ハヤシ送別
<《セミファイナル》LIDET UWF【ダブルバウト】20分1本勝負/カズ・ハヤシLIDET UWFラストバウト>
○鈴木みのる&ケンドー・カシン(10分59秒、逆片エビ固め)<反則1,E3,D0>カズ・ハヤシ●&藤原喜明
UWFルールにあるまじき2人がかり攻撃に入る藤原。LIDET UWFラストバウトのカズ・ハヤシは唖然としながらキックを放つ。
これを受けてみのるはパンツから紐を取り出しハヤシの首を絞める。両チームに和田良覚レフェリーがイエローカード。
みのるは組長に対してアキレス腱固めを仕掛けるが、組長に切り返され悶絶。それでもハヤシをスタンドでのアキレス腱固めで仕留めた。
LIDET UWFラストバウトを闘ったハヤシを称える…と思いきや、このあとにみのるとカシンはハヤシにダブルでアキレス腱固め。ハヤシ悶絶。
(鈴木みのるバックステージ)
なんじゃ? もう帰るんだよ、俺。(藤原喜明との対戦)あのクソジジイが。あれもプロレスだし、これもプロレス。で、そのひとつ前にやったね、船木(誠勝)とあいつの試合もプロレスだし。メインでやったあいつと佐藤の試合もプロレスだし。(凶器として)紐持ってきてね「反則だ」ってレフェリーに怒られながらやるのもプロレスだし。
ひと通り、やっぱり自分のこのプロレスの人生の中で経験してきて、ガッチガチのルールの中でもやってきたし、自由なルールもやってきたし。今、今日、俺がやったのは、これが鈴木みのるの今日のプロレスのスタイル。明日になったらまた違うぞ。それが同じ会場、同じ団体であったり…俺もわかんない。気分でやってるから。そもそもよ、昨日の夕方(海外から)帰ってきたから眠いんだよ。
(カズ・ハヤシLIDET UWFラストバウトだったが)なめてるな。UWFを自分のとこで掲げて、ちょっと練習してレガースつけてやるって。もうとっくに、俺もそうだけど、藤原さんもそうだけど、ケンドー・カシンもそうだし、とっくにやってきた場所なんで。それは遊ばれるよな。
あのキャリアで新しいこと? それはお前たちの考え方がちっちゃい枠でしか物事考えてないだけ。日本人はとにかく、年齢がいくつだからキャリアがいくつだからこういうのを背負ってるから…やりもしねえやつらが、年齢の、50歳だから? へー、負けたくせに。そんなこと言ったら10代でやってるやつがすごいじゃん。若いやつ可能性がある、ジジイは可能性ない? ふざけんな。
お前らちっちゃい枠の中でプロレス見過ぎだよ。今俺が見てるのは文字通り世界だから。自分の足で、ありとあらゆるところを自分の足で行って、自分でそこにいる選手と闘って、時には数万人のスタジアムで生中継があって、時には誰が見てんだこの会場っていうとこで 100 人ぐらいのところで、なあ。アメリカのどのレスラーに聞いても、こんなとこでプロレスやるのかよって言われるようなとこ行って。楽しいぞ、今。前より忙しいから。本当に忙しいから。お前らみんなあれだろ。俺が新日本出なくなったから都落ちぐらいに思ってたろ。あんなちっちゃい枠にもう俺は収まんねえんだよ。
世界でよ、この上の方に行く、山の上に行くのがみんな世界だと思ってるだろ。違うんだよ、世界ってもっと広いんだよ。ありとあらゆる人間がいる。ありとあらゆる国にもプロレスがあるしな。そこで鈴木みのるを、世界中の人間が「風になれ」を叫びたくて待ってる。やってることは一緒な、椅子持って、ひっぱたいて、ゲラゲラ笑って、殴って。やってることは一緒だよ。みんなが見たいのはその姿。
ちっちゃい枠で見過ぎ。自分の生まれ育った環境? 小学校入って中学行って高校行って大学行って会社入って。で次のステージを見て、でこういう枠を見て、その枠。「僕じゃわかんない」「考えられないな」何言ってんだよ。レスラーはもっとすごい世界でみんな闘ってるんだから。そもそも殴り合いして金稼ぎてんだから。今日出た全員がそうだろ。こんな商売はない。お前らの仕事にはない。だから自分たちの常識で、俺たちレスラーを見ないでほしい。これ街中でやったら捕まっちゃうけどな、人前でカネ取ってお客集めたから商売になるんだよ。誰が強いかみんな知りたいから。幸せな商売やってるんだから邪魔しないでほしい。お前らの常識で俺を測るんじゃね。お前の常識なんかよ、俺がピシャッてやったら潰れちまうような常識だろ。
な? しびれるぜ~。誰も知らない、誰も知り合いのいない、わけのわからない初めての国。生きてるって感じするよ。今すごく充実してる。まあGLEAT、今日はLIDET UWFではあったけど、まだGLEATにもね、若い生きのいいのいっぱいいるから。殴られたきゃ、また俺のことを呼べ。ぶん殴る。
鈴木みのるや藤原喜明が「UWF」と絡むという味わいが期待されたかもしれないが、みのるも組長もルールを無視しまくりで沸かせる。「カズ・ハヤシのLIDET UWFラストバウト」というテーマをひっくり返してみせた。「これが鈴木みのるの今日のプロレスのスタイル」「気分でやってるから」というのはその通りだし、対応幅の広さそのものだろう。
それでいて、こっちをやるのが一番オイシイという臭覚のようなものも感じずにはいられない。みのるの師匠格である組長による、先行しての鉄柱ヘッドバットもサスガだった。組長に感化されたところ、あるいは流れに乗っかりに行ったところもあったかもしれない。
みのるは大演説。「ちっちゃい枠(新日本)に俺は収まんねえ」「お前らの常識で俺を測るな」「殴り合いして金稼ぎてんだ」などなど。さらには「山の上に行くのがみんな世界だと思ってるだろ。違うんだよ」との言葉が深い。見せる側と見る側が同じステージにいるかのような錯覚を起こしがちなSNS。まるでネット上の論客を一喝するかのようでもあった。もちろん、とことん暴れているから出せる言葉であって、みのるは引き続きライブでわれわれを楽しませ続ける。
“大将戦”制した伊藤「佐藤選手とハードヒットの選手がいてくれたから」と感謝
<《メインイベント》LIDET UWF【シングルバウト】30分1本勝負>
○伊藤貴則(12分57秒、レフェリーストップ)佐藤光留●
※グランド状態での掌底連打
グラウンドで佐藤にコントロールされる場面が多かった伊藤。連続でロストポイントを重ねてしまう。
一気呵成にいくしかない伊藤はジャーマンを連続して放つ
そのままグラウンドで掌底ラッシュ。すると佐藤は動けなくなり、レフェリーが試合を止めた。
タンカで運び出される佐藤に伊藤は感謝の座礼。
(伊藤マイク)
ありがとうございました。UWFというこのルール、プロレス。ウチのLIDET UWFとハードヒットではまた方向性が違うかもしれない。でも、ウチもLIDET UWF、そしてハードヒットさんも、現在進行形のU。UWFを名乗ってる以上、これからもお互いがUWFという名を、もっともっとプロレスファンの皆様に広げていけるように頑張っていきたいと思います。
自分個人としては、やっぱりこのUWFをもっともっと広めていくためには、僕が逃してしまったあのベルト。フジタ“Jr”ハヤトさん、この配信見てるかわからないけどな、俺はもっともっと、こないだ7月、あんたに負けた時よりももっともっと強い伊藤貴則となって、あんたよりもっともっと強くなったフジタ“Jr”ハヤトを、俺は待ってますよ。
まあ獲られたやつが何言うてねんと思うかもしれんけどな、佐藤光留にも勝ったんや。あんたたち、リデットの仲間やけど、俺がまた挑戦するの気に食わんって言うんやったらな、今日の飯塚もそして井土もや、納得せんのやったら俺がしっかり叩き潰して、あのベルトに挑戦しますよ。伝えたいことは以上や。今日はな、GLEATのGPROのやんずファミリーの『ノリやん』じゃアカンから、今日は伊藤貴則として締めさせてもらっていいですか? GLEATしようぜ!!
(伊藤バックステージ)
LIDET UWFとハードヒットの大将戦が決着したと。正直、試合内容。試合には勝ったけど、内容ではまだまだ負けてたと。今日一番迎えたい相手でもあったし、一番迎えたくない相手だった。正直、本当にこんなに試合前から怖い思いした相手は佐藤選手だけです。LIDET UWFが注目されたのは、まぎれもなく佐藤選手と、そしてハードヒットの選手がいてくれたからです。ありがとうございました。
リング上で言った通り、ハードヒットさんは現在進行形のUWF。LIDET UWFはLIDET UWFというプロレスブランド。もっともっと広めていきたいし、お互いがUWFと名乗っている以上、もっともっとプロレスファンの皆様に、あのころに熱狂したような。また形は違うかもしれない。でもUWFという名前を名乗ってる以上、この令和でも、もっともっと盛り上げていきたいと俺は思ってます。本当に、今日伝えたいことは、佐藤選手、ありがとうございました。
個人としてあと一つ言いたいのは、LIDET UWFを広めていく上では、あのLIDET UWF世界王座のあのベルトが、俺には必要なんや。俺が獲られて、フジタ“Jr”ハヤト選手に、俺自身が獲られて言うのもなんやけど、こうやってまたイチから積み上げて、佐藤選手にも勝って、これで納得できへんやつがいるならどんどん言ってくれ。ウチのリデットの中でも納得できないなら1人ひとつり潰してでもフジタ選手に挑戦するから。
そしてフジタ選手も、闘病から、しっかりもっともっと強いフジタ“Jr”ハヤトとなって戻ってきてください。俺も伊藤貴則として、もっともっと強くなってあなたの前に立ちます。そして、あのときやった試合より、もっと面白い試合しましょうや。待ってますよ。
伊藤が“ハードヒット大将”佐藤を破って「強くなったフジタ“Jr”ハヤトを待つ」宣言だ。2023年7月にフジタに敗れ、LIDET UWF世界王座を奪われた伊藤。リベンジへの足がかりとしては、これまたあまりに強い佐藤がこの日の相手となる。この状況を試合後に「今日一番迎えたい相手でもあったし、一番迎えたくない相手だった」と表現した伊藤は、まさに薄氷の勝利となった。
試合後には「LIDET UWFが注目されたのは、まぎれもなく佐藤選手と、そしてハードヒットの選手がいてくれたから」と感謝。そのうえでフジタからの奪還を誓った。無論のこと、単なる自身の返り咲きのみならず、ハヤトのリング復帰を祈念しての発言に他ならない。
GLEATならびにLIDET UWFを背負うために、まるで心身での全方位的な強さを追い求めるかのような伊藤。いわばフジタはそうした伊藤にとっての同志でもある。伊藤の前のめり姿勢があってこそのGLEATであるが、メイン敗退した佐藤ももちろん黙ってはいないだろう。
プロレスラーが倒れても「どうせプロレスでしょ?」って言うアホのSNS見ると、意外とプロレス考察系ブログとかやってる奴が多い。
お前らエロビ見て「この女優、本気でイッたな」って思ってる童貞と同じだからな気持ち悪い。#というね#川村みてぇな奴だな— 佐藤光留 (@hikaru310paipan) April 18, 2024
まずは、こうしたところで口を開いていた。みのるとの師弟関係を感じさせるような“ネット上の論客を一喝”展開。