Sareeeが奈七永突破で詩美と1・3決戦 女子プロ大賞対決を経て熱狂継承
13日、マリーゴールドが『Winter Wonderful Fight 2024』新宿FACE大会を行った。
高橋奈七永(2010年受賞)が引退表明、Sareee(2024年)と林下詩美(2021年)が年明け王座戦
<第6試合/マリーゴールド・ワールド選手権試合>
(王者)Sareee (21分23秒、スリーパーホールド→レフェリーストップ)(挑戦者)高橋奈七永
※Sareeeは2度目の防衛に成功
Sareeeが噛みつけば、奈七永もやり返す。
マリーゴールド式タイマン。今宵は場外ではなくリング上で。
なんと奈七永がダイビングフットスタンプ捕獲式のアンクルホールド。
食らえ足4の字。奈七永の表情。
全身全霊でSareeeを張っていく。
裏投げの構えこそ見せたが、Sareeeは最後まで裏投げを出すことなくスリーパーで勝利。
(マイク)
Sareee「今、女子プロ界で最も熱い女。2024年女子プロ大賞を獲得したSareeeです。おい、林下詩美ーッ!! 1・3大田区(に向けて)ちょっと上がってこいよ」
林下詩美「2021年、すでに私が受賞した女子プロレス大賞おめでとう。これで 1・3、私の挑戦する相手はSareee、あなたに決まった。私は絶対にそのベルトを獲るし、あなたにはめちゃくちゃ全力でいきます。2025のマリーゴールドをつくっていくのはこの林下詩美にしかいないでしょ」
Sareee「お前の言葉に説得力のかけらもねえんだよ。お前さ、いつも眠たくなるような試合やりやがってよ。新年一発目、テメェのこと目覚めさせてあげるよ。でもね、悪いけどマリーゴールドのエースはお前、林下詩美には務まらない。これは間違いない。だから、2026年(2025年の言い間違い)も私が新年一発目、この深紅のベルトを防衛して、マリーゴールドを私が引っ張ってってやるよ!!」
(視線をぶつけ合う両者。Sareeeは「そろそろ下がれよ」というジェスチャー。林下が下がる)
Sareee「で、高橋奈七永、お前大丈夫か。おい生きてるか(観客はナナエコール)。高橋奈七永とはいろいろあったけど、今日しっかり私は決着つけたと思ってる。だから私は次に進ませていただきます。さようなら」
(観客「ナナエ、いい試合だった!!」)
奈七永「ちょっと待ってください。私がレスラーでいる以上、いい試合だったっていう言葉は勝ったときに言ってほしい。勝つために試合をしてる、リングに上がってる。自分自身に勝って勝って勝ってリングに上がってる。Sareee、私に勝って嬉しくもないのか。当たり前なのか。おい、お前の中にはパッションないのか。おい」
Sareee「私は今、この女子プロレス界を背負ってんだよ。そんなな、先輩のお前がパッションパッション言って、それについていくと思ってるのか。私が今、女子プロ界のトップなんだよ。そんなんでさ何、パッションパッション言ってほしいわけ。私はそうじゃないと思う。お前とは一緒じゃない。嬉しくだって勝ったって喜べばそれでいいのか。そんなもんじゃねえんだよ、このプロレス界背負っていくって。わかってるか、お前に。私はそれぐらいの覚悟なんだよ」
奈七永「わからない!! …なんて言わねえよ!! 私だってばそうやって、ずっとずっと突っ走ってきた。そして喜んだり悲しかったり辛かったりいろんないろんないろんないろんな感情でこのプロレスと向き合ってきた。そんなプロレスが大好きで、だからこうやってSareeeの持つベルトに挑戦した。だけど、負けた。勝っても負けても皆さんにお伝えしたいことがありました。高橋奈七永、マリーゴールド1周年の来年5月にプロレス界を引退することを決めました(観客「えー!!」)。大好きだから大好きだから、引退を見据えて、どんな覚悟でこのリングに来たかわかる人もいればわかんない人もいると思うで、わかんなくてもらっていい。だけど、最後まで私は最後まで、私は大好きなプロレスを思いっきり、このマリーゴールドから届けていきますので、最後まで目を離さないでいただけると嬉しいです。今日はありがとうございました!!(パッション合唱) 気持ちが交わなくても、私は今日、Sareeeと試合ができてよかったよ。最後まで追っかけるわ、ありがとう」
(握手して視線をぶつけ合う)
Sareee「高橋奈七永、5月で引退。じゃあ、今日が私と最後のシングルだったんじゃないのかなと思います。私は、あなたとプロレス界でこうやって出会えてよかったと思ってる。本当にありがとうございました(拍手)。最後までパッションパッションパッション、うるせーババアでリングを降りろよ!!」
奈七永「(Sareeeと抱き合いながら笑顔で)ババア…ババアってなんだよ(あらためて抱き合う。観客拍手)」
Sareee「ということで2026年もSareeeが…ごめんなさい、すいません2025年もSareeeがマリーゴールドワールド王者として女子プロレス界を引っ搔き回していきたいと思います。皆さん12月26日、マリーゴールド後楽園も必ず観に来てください。私が必ず熱くさせます。本日はありがとうございました!!」
(バックステージ)
Sareee「2度目の防衛、成功しました。2024年度女子プロ大賞を獲得したSareeeです。今日の高橋奈七永戦、正直いろんな思いがありましたが、でもやっぱりリングに立ったもの同士しかわからないことがあるんだなと今日改めて思いました。その中で、私は怖い高橋奈七永を引っ張り出せたんじゃないかなって思ってます。私の作戦通りです、これが。その上で今日、高橋奈七永との決着をしっかりつけることができて、私はまたこれで自信持って前に進めるなって思います。私が2025年もこの女子プロレス界、熱く熱く盛り上げていきたいと思います。今日はありがとうございました」
1月3日の防衛戦に向けてあらためて。
Sareee「私がマリーゴールドに旗揚げ戦から上がって、こうやって林下詩美とリング上で向き合うのって初めてなんですよ。その…それって遅くない?って、遅すぎだろうって正直思うし。ね、なんか今日もマイクで熱いんだか熱くないんだかわかんない、眠たそうなマイクしやがって。そんなんでね、マリーゴールドを引っ張っていけるのかよって、私はそう思いますよ。お客さんはどう思いますか。しっかりと私が林下詩美の目を覚ましてあげたいと思います。それでもあいつは私を超えることはできないと。だから私は遠慮なく、1月3日も3度目の防衛をして、マリーゴールドの幕開けを熱く熱くしたいと思ってます」
終盤戦、封印宣言をしていた裏投げを狙ったように見えたが。
Sareee「いや、もともと出すつもりはもちろんないですよ。またそんな、怪我でもして欠場なられても私困るんで。出すつもりは全くなかったですけど、最後、まぁ出さない…出さなくて勝つ方法って何だろうと思ったときにとっさに裏投げを(選択肢として)取ってましたね。でもなんか私、(奈七永から)裏投げを食らいましたよね。なんかあんま覚えてないんですよ。高橋奈七永が裏投げを出してきた。どんな意味があったんだろうって思います」
奈七永選手が引退宣言のようなことをおっしゃってました。
Sareee「5月に引退するってマイクで言ってましたよね。私にとって高橋奈七永は、まあ若手の頃は本当に憧れの存在でしたしね。早く追いつきたいって、毎日毎日必死でした。でも今は違います。私はこうして女子プロ界のトップに今立ってるんで、そんなね、パッションパッション言ってられないですよ。高橋奈七永についていこうなんて思わないし。引退、本人が決めたことだから、しょうがないんじゃないですかね。受け入れるも受け入れないも、高橋奈七永が決めたことだから。ありがとうございました」
奈七永「ありがとうございました。クソーッ、負けました。Sareee…今の2024年12月13日現時点でのマリーゴールドのチャンピオンはSareeeだし、女子プロレス大賞を獲ったSareeeが女子プロレス界のトップに間違いないんですね。間違いないよ!! 高橋奈七永を倒したんだし。自分はずっとずっと勝ちを譲るつもりではリングに立ってないし、負けて当たり前なんてサラサラ思ってない。でも、28年という月日はなかなか私にとってヘビーでもあったし、本当にたくさんのものを与えてくれました。だから、ここでそろそろ自分の中で区切りをつけて、高橋奈七永の人生の第2章を始めていきたい。そんな気持ち、なんか…プロレスラーとして引退します。けれども、高橋奈七永の人生はずっと続いていくので、その姿を見せていきたいっていう気持ちもある。だから、そのためには五体満足でリングを降りないといけないと思います。なので、最後まで、マリーゴールド1周年の5月まで、必ずパッションし続けて、進化し続けて、高橋奈七永の最高の位置で辞める。それを目標に掲げて、この先あと5か月ですが、進んできますので、どうか私に今まで関わってきた人たち、観に来てくれたら嬉しいし、選手のみんなも手抜くんじゃねえぞこら!! 絶対に絶対に手抜くんじゃねぇ。私をぶっ倒してくれ。ぶっ倒してくれ。そしたら私もぶっ倒しにいくんで。そんな感じ。パッションは燃え尽きないよ。燃え尽きない。まだまだパッションしていくぞ。パッション~!! おっしゃ~!! オラオラオラオラオラ!!」
Sareeeが高橋奈七永を突破して、林下詩美と1・3大田区決戦を迎えることとなった。奈七永(2010年受賞)とSareee(2024年)の女子プロレス大賞対決は実に熱く、それのみのらず次期挑戦者・林下詩美(2021年)とのもうひとつの女子大賞対決へとつながった。
マリーゴールドの名勝負請負人は、ジュリアを例外とすれば、Sareeeと高橋奈七永だ。2人がぶつかるのだから面白くならないわけがないし、新宿FACEの観衆は至高の時間を過ごした。パワー一辺倒でもテクニック一辺倒でもない。ハードヒットといえばそうだが、パッションも伝わってくる。
ここにあったのは「熱狂」であり、意地の張り合い。それは前もっての裏投げ封印に始まり、マイク交換にまで貫かれていた。引退を前にした奈七永の主張に決して引かなかったSareee。こんなに聞きごたえのあるマイクはそうそうない。この強い強いSareeeは、林下にとって大きすぎる脅威だ。
その脅威に向き合うことでマリーゴールドが団体としての方向性というか、団体化を感じさせてくれた大会ともなった。奈七永の総セコンド状態となったマリゴ勢が「奈七永さん!!」とリングサイドで声をかけ続ける。一緒にもがき、苦しみ、泣く。
Sareeeのおかげでも、奈七永頼みでもなく、“自分たち”で熱狂を生まなければならない。マリーゴールドにとって、これ以上のテーマはないだろう。女子プロ大賞対決の当事者たちだけではなく、熱狂を継承すべきはマリーゴールド自身。仮に来年ビッグマッチにイヨ・スカイが出たとしても、次に向き合う選手がピンと来ないのだ。
だからつまらないのか、だから楽しいのかは賛否両論でいい。マリーゴールドはひた走りながらも発展途上で年を越す。
(大会結果)マリーゴールド Winter Wonderful Fight 2024 12月13日(金)新宿FACE
■マリーゴールド Winter Wonderful Fight 2024
日時:12月13日(金)18:30
会場:新宿FACE 観衆464人(主催者発表)
マリーゴールドの未来だ。大会冒頭で3人が挨拶。1・3大田区大会での山岡聖怜(相手はMIRAI)デビュー決定につづき、12・26後楽園大会における橘渚(田中きずな戦を希望)、咲村良子(高橋奈七永戦を希望)のデビューが決定した。
<第1試合/3WAYマッチ>
瀬戸レア(5分16秒、変形チキンウイング・ホールド)勇気みなみ
※もう一人は南小桃
<第2試合/タッグマッチ>
○ボジラ&松井珠紗(8分46秒、ハイアングル・パワーボム→エビ固め)石川奈青&ハミングバード●
<第3試合/6人タッグマッチ>
林下詩美&天麗皇希&○ビクトリア弓月(13分7秒、ビクトリアクラッチ)青野未来&後藤智香&山田奈保●
<第4試合/スーパーフライ級選手権試合>
(王者)翔月なつみ(8分41秒、変形回転エビ固め)(挑戦)マイラ・グレース
※翔月は4度目の防衛に成功。
次期挑戦者にビクトリア弓月が現れる。「1・3は新しい時代の幕開けだ」2度目の挑戦となり、負けられない。
翔月の防衛ロードもまたマリーゴールドの物語のひとつでもある。
<第5試合/ツインスター選手権試合>
(挑戦者チーム)○野崎渚&CHIAKI(15分28秒、ノアールランサー→片エビ固め)
(王者チーム)MIRAI&桜井麻衣●
※野崎渚&CHIAKIが第2代王者チームとなる。
※セコンドのボジラに椅子が誤爆し、怒りのボジラはパートナーを連れて挑戦を表明
桜井のSTF。今年の集大成となるような試合運びには防衛を予感させたが、ボジラの介入、凶器に阻まれる。
ミライサクがタイトル陥落。
<第6試合/マリーゴールド・ワールド選手権試合>
(王者)Sareee (21分23秒、スリーパーホールド→レフェリーストップ)(挑戦者)高橋奈七永
※Sareeeは2度目の防衛に成功。
※高橋奈七永が突如、来春の引退を表明。
(カード更新)マリーゴールド MARIGOLD FIRST DREAM2025 初夢 1月3日(金)大田区総合体育館
■マリーゴールド MARIGOLD FIRST DREAM2025〜初夢〜
日時:2025年1月3日(金)14:30
会場:大田区総合体育館
〈追加/更新カード〉
◆マリーゴールド・ワールド選手権試合
(王者)Sareee vs (挑戦者)林下詩美
※Sareeeは3度目の防衛戦
◆スーパーフライ級選手権試合
(王者)翔月なつみvs (挑戦者)ビクトリア弓月
※翔月は5度目の防衛戦
◆ツインスター選手権試合 30分1本勝負
(王者チーム)野崎渚&CHIAKI vs (挑戦者チーム)ボジラ&X
※野崎&CHIAKIは初防衛戦
〈既報カード〉
◆山岡聖怜デビュー戦
MIRAI vs 山岡聖怜
◆新春ドリーム・ランブル
他団体からの参戦もあります
◆GHC女子選手権試合
(王者)天麗皇希 vs (挑戦者)後藤智香
※天麗は初防衛戦
◆ユナイテッド・ナショナル選手権試合
(王者)青野未来 vs (挑戦者)桜井麻衣
※青野は4度目の防衛戦