要望書はプロレス五輪への機運! 木谷氏の先見性と馳浩議員の返し技
新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノア、DDT、スターダム、ディアナ、東京女子。
要望は「簡易検査キットの早期普及」と「年間契約している選手の休業補償」の2点
五輪がないならプロレス五輪だ。そう言い出してもいいほどの錚々たる複数団体が集結したことに、プロレスファンが胸を躍らせた15日。
みんなで乗り越えましょう!プロレスは絶対に負けない!
新日本・全日本・DDTら7団体が自民党・馳浩衆議院議員に要望書を提出!「年間契約選手の休業補償を」 | バトル・ニュース https://t.co/2MdlgOth6T pic.twitter.com/yibgSmYAOl
— 高木三四郎 SanshiroTakagi (@t346fire) 2020年4月15日
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、大会の中止・無観客開催などの対応を迫られているプロレス界各団体の首脳陣が15日、馳浩衆議院議員にレスラーの休業補償などの内容を盛り込んだ要望書を提出した。
衆議院議員会館を訪れたのはブシロードの木谷高明取締役、新日本プロレスの菅林直樹会長、棚橋弘至、ブシロードファイトの原田克彦社長、岩谷麻優、全日本プロレスの福田剛紀社長、諏訪魔、プロレスリングノアの丸藤正道副社長、DDTプロレスリングのHARASHIMA、東京女子プロレスの甲田哲也事業部長、坂崎ユカ、ワールド女子プロレス・ディアナの井上京子ら計7団体の首脳陣やレスラーたち。「簡易検査キットの早期普及」と「年間契約している選手の休業補償」の2点が要望された。
(東京スポーツ)
要望は2点だが、複数メディアが話題ワードとしての「休業補償」の方を見出しに持ってきた。
もちろん現実的な課題だ。気にするなとは言わない。だけれども、決して安定を求めてプロレスをやっているわけではないだろう。SNSで補償を求めるような声を出していたレスラーには、そういう構えを外に出しちゃうのかぁなんて思っていた。
社会へのカウンターであるエンターテイメントの雄であるプロレスが、こういうときに社会にすり寄ってしまっては複雑な心境になる。ましてや“お金で困ったときしか集結しない”では幻滅だ。プロレス団体、プロレスラー。やることはすべて主張であり、ブランド形成であるべき。
なので、“それだけ”ではないことにホッとした。ひとつめの要望、「簡易検査キットの早期普及」にはどういう意図が!?
木谷氏「(簡易検査キットが普及すれば)無観客試合も非常にやりやすくなる」
木谷取締役は「新日本プロレスリング、スターダムのみならず業界全体が危機的な状態に瀕しております。今の状況ではレスラー同士の接触が生じるプロレスにおいて、無観客試合ですら開催が危ぶまれ、半世紀続いてきたプロレス業界の灯を絶やしかねません」と陳述。簡易検査キットに関しては医療機関への提供を最優先としつつも「(普及すれば)無観客試合も非常にやりやすくなりますし、少人数のお客さんを集めての大会も理論的には可能になる」と説明した。
(東京スポーツ)
なるほど。
この見解を解釈するには、ここまでの新型コロナ状況と無観客試合をめぐっての“オカダ・カズチカの変心”およびWWE近況を振り返る必要がある。
イベント中止2週間「無理に無観客でやる必要はない」
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イベント中止1か月「そろそろ無観客でやるべき」
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そもそも外出自粛の事態「どこで感染者が増えるかわからない(無観客試合に否定的)」
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海の向こうで・・・感染した関係者の回復、フロリダ知事の許可を経て米国WWEがプロレス中継を再開
プロレスは必要不可欠であるという強烈なメッセージを放ったWWE。プロレスのニュースは陸続きだが、日本では感染への不安が頭をもたげる。慎重に考えるならば、無観客試合であっても再開は難しい。
だからこその「簡易検査キットの早期普及」。闘う選手たちの不安をせいいっぱい取り除くべし。ファンに安心して無観客試合を視聴していただくために!!
オカダの葛藤とともに繰り広げられてきたファンの関心とも合致する木谷氏の先見性はサスガではないか。3・3大田区の無観客試合開催案に「性急に開催する必要なし」が大勢だった中で、木谷氏には「ここでやれなかったら感染拡大で当面できない可能性がある」と思っていた眼力もあった。
「簡易検査キット」からは、今のコロナ禍を解決するのはプロレス界しかないという使命感とポジティブさをビンビンに感じた。
それをプロレスラー議員、馳浩はどう受け止めたのか。