佐藤光留「そっからねじ曲がった」飯伏幸太「お願いしました」26時の交差点
14日(13日深夜)、ニコプロpresents佐藤光留自主興行『変態は26時に蠢きだす』新宿FACE大会が開催された。
その内容が『飯伏幸太が佐藤光留と試合がしたいと言っている』そういうものです
当サイトは光栄なことに複数回、佐藤光留にインタビューを行う機会に恵まれたが、光留との距離感はファンにとって様々だろう。
【1⃣8⃣0⃣0⃣0⃣字インタビュー公開】
佐藤光留「飯伏を引き出す? 味わわせてくれよ」 変態は26時に蠢きだす#佐藤光留 #変態は26時に蠢きだす 12・13新宿 #というね
光留「いやね…こんな時間に見に来るやつらにね。普通のを見せたってしょうがないでしょう」 pic.twitter.com/s78V7A6IkE
— KAKUTOLOG📶プロレス/ボクシング/MMA/格闘技カクトウログ (@kakutolog) December 9, 2024
だとすれば、この大会の前説マイクからメイン後のやりとりまでは、光留をいっそう理解するためのテキストになりそうだ。PPVを購入した人もそうでない人も、改めて文字で光留の生き様を実感してほしい。
なかなか他興行ではないぞ、この長い前説。時計の針が26時を回り、光留がマイクを持つ。
(前説)
光留「本日は佐藤光留自主興行『変態は26時に蠢きだす』たくさんのご来場、誠にありがとうございます(拍手)。ちょうど1年前、今頃、『2024年は12か月自主興行を目指します』と宣言し、8月の川崎ぐらいまでは何とか行ったんですが、そのあと何をしていいかわからない時期があり、それでも話を持ちかけた米山香織が大会さえ忘れていた11月の名古屋大会や、途中謎のPPV売り上げ記録を更新した実家プロレスなど、いろいろなアイデアを駆使して11か月、興行を続けてきました。少し安易に12月は集大成のような興行すればいいかなと思っていたんですが、11月の初めの頃に、とある人から連絡がありまして、その内容が『飯伏幸太が佐藤光留と試合がしたいと言っている』そういうものです(拍手)。期間(12月上旬)が決まっていまして、会場を探すところが難航しまして、最悪無人島でもいいかなと思ったんですが。いや本当にあの1回、横須賀の無人島を探したんですけども。飯伏さんの方からどうしてもリングがある場所で試合がしたいと言われまして、紆余曲折いろいろありまして、今日12月14日午前2時から新宿FACEで興行することになりました(拍手)。
もちろん自分でいろいろ努力はしました。もちろん人にはできない我慢もしました。でも、佐藤光留のプロレス人生は、いつも必ず誰かに、そして何かに助けられて24年が経過し、来年になって25周年を迎えます(拍手)。
【2000年2月27日、パンクラスでデビュー戦。渡辺大介と対戦して判定負け】
まさか、この目の前にして、透明人間がいるリングに立ってるとは夢にも思いませんでしたが、せっかく一度しかない人生だったら思いもよらなかったことがある人生で、僕は死ぬまでプロレスをやって過ごしたいと思います(拍手)。第1試合に出場します鈴木みのる選手が、開場中の様子を見ながら『やるやつも見るやつも変態ばっかりだな』(拍手)。お褒めの言葉をいただきました。メインのルールは現時点でまだ固まっておりませんが(観客「おー!!」)そんなもんは深夜の新宿が何とかしてくれるはずです(拍手)。なんとかメインまでには話をまとめてきますので、ぜひそれまでいろんなプロレスをお楽しみください(拍手)。
本大会はPPVで生中継をしております関係で、こんな時間に見てるやつがどれだけいるかわかりませんが、できるだけ放送禁止用語は避けたいと思いますが、自信はありません。5時まで会場は借りておりますが、試合が終わっても始発が出るまでは売店スペース広く開けておりますので、ゆっくり買い物していってください。選手が皆様の財布を狙っておりますが、それは外に出ても同じですので、ゆっくりしていってください。それでは第1試合のXがめちゃめちゃ緊張しておりますが、お前ら深夜に蠢く準備はできてるか!!(歓声) 今日の昼のことは今日の昼考える準備はできてるか!!(歓声) そろそろ透明人間の試合見飽きたか!!(歓声) 試合開始です。よろしくお願いします(拍手)」
この時間まで見てた変態と〇チガイと頭おかしい野郎ども…飯伏幸太の蠢きが聞きてえか!!
<メインイベント 新太平洋運輸株式会社presentsシングルマッチ 3分無制限ラウンド(奇数ラウンド:ハードヒットルール、偶数ラウンド:シュートボクシングルール)>
− 佐藤光留(パンクラスMISSION)
4R 1分49秒 試合不成立
− 飯伏幸太(AEW/飯伏プロレス研究所)
※ルール変更により再開
<エニウェアフォールルール 時間無制限1本勝負>
● 佐藤光留(パンクラスMISSION)
12分6秒 カミゴェ→片エビ固め
○ 飯伏幸太(AEW/飯伏プロレス研究所)
飯伏が本当にやって来た。光留が待つリングへ。
変則ルール「奇数ラウンド:ハードヒットルール、偶数ラウンド:シュートボクシングルール」。飯伏は丁寧にも、シュートボクシングになるたびパンツを履く。
両軍を巻き込んでの乱闘になり、光留がFACEの真ん中で叫ぶ。「途中でルール変えたって、文句は全部俺に来るんだ。関係ねえよ、そんなもん。おい、飯伏幸太、夜中の4時、ちょうどいいじゃねえか。初めて会った頃のエニウェアルールで勝負しようぜ。レフェリー呼んで来い」このあと和田京平レフェリーが現れた。
飯伏と光留が新宿FACEを横断する。いや、その闘いはFACEから飛び出した。
🔴#nicopro presents佐藤光留自主興行「#変態は26時に蠢きだす」新宿FACE大会ZAIKOでのPPV見逃し配信中!https://t.co/ll5E2CsVF8
メインの光留vs飯伏戦で残念ながら、生中継のカメラでは追えない部分があったのですが、その部分は来年早々放送予定の会員向け放送の中に組み込む予定です! pic.twitter.com/nVkrh08pEX
— ニコニコプロレスチャンネル #nicopro (@nicoprowres) December 13, 2024
戦場がリングに戻ると、飯伏が必殺カミゴェを発射。
両者の通算戦績は飯伏の2勝1敗となる。
通じ合った2人が、手と手を取り合った。
さらに座礼。
マイクを持った光留「そもそもパンクラスミッションに入ってプロレスやるっていうのは、ハードヒットで飯伏さんとやるのが最初の目的だったんですよ。あの試合(ハードヒットでの2008年7・20新木場大会で敗戦)俺、忘れないっす。たった15分の試合だったけど、パンクラスの道場で鈴木みのるから2時間ダメ出しされたんで(観客笑い)。飯伏さんにDDTで勝ってタイトル獲ったとき(DDTでの2010年10・24後楽園大会で勝利)も、みんなが飯伏飯伏って言ってて、そっから俺、どんどんどんどんねじ曲がって。でも飯伏さんが空へ空へ飛んでいくから、俺、その場でじっとしてなかったよ。地の果てまで誰も見てない暗いとこ掘っていったら、まさか飯伏さんと会うとは思わなかったよ。今日は本当にありがとう!!(拍手)
カブ(歌舞伎町での乱闘時に巻き込まれたフードをかぶった外国人)お前は誰なんだ、いったい(会場笑い)。いや本当のリアルトー横キッズじゃないかお前は。でも君も俺たちのプロレスだ。今この瞬間から友達だ、フレンズ(拍手)。いろいろ大人の話はあるんだけど、飯伏さん、俺、飯伏さんが佐藤光留とやりたいって言ったら、もちろんどんな時でも何があっても、無人島だろうが実家だろうが絶対用意するから。もし今日出た選手、これから出てきたプロレスラーでこいつとやったら頭おかしいなっていうやつがいたら、どんどんリクエストちょうだい。そいつの実家に俺、頭下げに行くから(会場笑い)。もしその時、俺が死んでたら世界初『葬式プロレス』は俺の葬式でやってくれ。俺の身内には言っとくから。棺桶、絶対破壊してくれよな(会場笑い、拍手)。おい、この時間まで見てた変態と〇チガイと頭おかしい野郎ども!! 飯伏幸太の蠢きが聞きてえか!!(大歓声、イブシコール)」
飯伏「佐藤さん、佐藤光留さん、今日僕が何でここに今いるか、わかりますか。わかりますよね」
光留「LINEしててもマジで何かわからなかった(会場笑い)」
飯伏「そう、LINEで僕が佐藤さんに、ある人をツテにつないでもらいました。そして今日やっと、久々に、ここの試合が組まれました。僕は少しでも、少しでも、今、プロレスが好きになれない。どうしても好きになれない。その(好きになれる)部分を佐藤光留なら引き出してくれると思って、今日お願いしました。そして本当に実現しました(拍手)。
今日は本当にありがとうございます。そして今日来ていただいた皆さんも本当にありがとうございます(拍手)。佐藤さんの興行なのに、僕がこうやってマイクを持ってるのもちょっとおかしいと思うので、最後はやっぱり佐藤さんに締めてもらいたいと思います。よろしくお願いします(拍手)」
光留「(選手に)全員上がって来いよ。1年間、一緒に走り切ってきたんだろう。上がってこいよ。もちろんカブもだよ。1年間、追いかけてくれた人も、途中から佐藤光留を知ってくれた人も、ひとことだけみんなに言うよ、本当にありがとうな!!(拍手) 俺は死ぬまでプロレスやるって言ったけど、第1回葬式プロレスが決まった今、死んでもプロレスやることが決まりました(拍手)。お前ら参加させてやる。必ず5500円取るからな。でも本当みんな1年間ありがとう。来年いつ興行やるかわかんないけど、もし、もし、楽しいことがしてみたいなら。他じゃ見れないものが見てみたいなら、佐藤光留の興行観に来てくれ。もちろん他のプロレスも観に来てくれ、もしかしたらXは全員安齊優馬かもしれない!!(笑い) 違っても俺に責任はない。とにかくプロレスを観に来てくれてありがとう。本当にありがとうございました!!(拍手)」
(バックステージ)
大会総括をお願いします。
光留「週刊○○○○はクソだということがわかりました。それだけです」
飯伏幸太選手と対戦してみて。
光留「もう見たものが全てです。言葉で補うのも…あそこで感じたものが全部だし、それが僕らの本意と違ってもそれがプロレスなんで」
今年12か月連続興行やってみて。
光留「死んだ。はい。でも、この佐藤光留興行から生まれたやつがいるし、佐藤光留興行に帰ってこれるということがわかった人もいるし、もし誰かの何かのためになるんだったら、それが佐藤光留のプロレスだなと思うし、それを見に来ない週刊○○○○は改めてクソだなと思います」
光留がDDTでの飯伏戦勝利を「そっからねじ曲がった」と振り返れば、飯伏は「今、プロレスが好きになれない。(好きになれる)部分を佐藤光留なら引き出してくれると思って」と告白した。かつて感じたものかもしれないし、今感じたものかもしれないコンプレックスが人生におけるモチベーションに転化する。向き合うことこそが「生きる」ことに他ならない。
12か月連続の光留自主興行なのだ。ワンオブゼムであっても不思議ではないが、ぶち込まれたのは光留と飯伏にとってのキーパーソンとの闘いだった。こういう背景を頭に入れることで、プロレスファンは何倍もゴハンをおかわりできるというやつである。
ドッカンドッカンできる。あるいは楽しめる。プロレスにはいくらでもバリエーションがある。それでいて、この大会のような、プロレスラー人生での紆余曲折からの葛藤が感じられるとき、プロレスファンは答え合わせをしようとする衝動に駆られる。
間違いなく眠いのにハイテンション。自分を追い込んでまで観るプロレスは快感だ。大好きな光留と飯伏に出会えたのは真夜中だった。会場に足を運んだファンは、26時の交差点を一生忘れないだろう。
(大会結果)ニコプロpresents佐藤光留自主興行「変態は26時に蠢きだす」12月14日(土)新宿FACE
■ニコプロpresents佐藤光留自主興行「変態は26時に蠢きだす」
日時:2024年12月14日
開場:午前1時00分
開始:午前2時00分
会場:新宿FACE
観衆:飯伏幸太ありがとう(主催者発表)
<ダークマッチ 当たり前田のニールキックpresentsタッグマッチ 時間無制限1本勝負>※25:00開始
− 大和ヒロシ(裏切り者)
− 塚本竜馬(フリー)
4時間4分34秒 勝敗なし
− 透明人間
− エル・イホ・デル・透明人間
※会場完全撤収時間となったため(光留の挨拶中のみならず、第1試合開始後も続行した)
<第1試合 RYSKパートナーズpresentsタッグマッチ 30分1本勝負>
○ 鈴木みのる(フリー)
X=安齊勇馬(全日本プロレス)
14分14秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め
岩崎永遠(BURST)
● 田村男児(全日本プロレス)
【安齊はプロレスラーになる前の学生時代の憧れレスラー1位に鈴木みのるを挙げている。安齊と同じレスリング出身。安齊のプロデビュー2戦目はみのる】
大会開始前には公表されていなかった鈴木みのるのパートナーは…安齊優馬。カクトウログ速報ツイートへの反応が多かった案件その1となった。
<第2試合 デッドリフ太郎presents「俺たちのALL NIGHT NIPPON PRO-WRESTLING」リトルトゥース3wayマッチ 2時間1本勝負>
○ 神谷英慶(大日本プロレス)
7分4秒 チョークスラム→片エビ固め
● 下村大樹(BASARA)
※もう1人は拳剛(フリー)
<第3試合 株式会社りくつなpresentsタッグマッチ 30分1本勝負>
松本浩代(フリー)
○ VENY(フリー)
10分9秒 ムーンサルト・プレス→片エビ固め
山下りな(フリー)
● 櫻井裕子(COLOR’S)
真夜中の歌舞伎町に、この人の妖艶さが際立った。VENYサマはカクトウログ速報ツイートへの反応が多かった案件その2となった。
<第4試合 松本幼稚園presents2024年何かしらランブル 時間無制限勝負>
○ 松本浩代(フリー)
17分13秒 オーバー・ザ・トップロープ
● 土肥こうじ(フリー)
● 宮本裕向(666)
● 阿部史典(格闘探偵団)
①○福士”赤天狗”直也〈5〉○マリーハナ〈6〉(7分10秒 腕ひしぎ逆十字固め)田馬場貴裕〈4〉●
②○中野貴人〈7〉○「2」〈2〉○井上彪流〈1〉(7分15秒 体固め)福士”赤天狗”直也●マリーハナ●
③○松本浩代〈10〉(13分52秒 OTR)井上彪流●
④○松本浩代(13分57秒 OTR)岡田剛史〈8〉●
⑤○松本浩代(14分00秒 OTR)中野貴人●
⑥○松本浩代(14分53秒 逆エビ固め)佐野直〈3〉●
⑦○土肥こうじ〈12〉○宮本裕向〈11〉○阿部史典〈9〉(16分13秒 松本のロックドロップ→体固め)「2」●
⑧○松本浩代(17分13秒 OTR)土肥こうじ●宮本裕向●阿部史典●
※松本が優勝。〈〉の中の数字は登場順。
<セミファイナル 有限会社宮崎板金工業presentsジュニアタッグ4wayマッチ 60分1本勝負>
政岡純(フリー)
○ ガイア・ホックス(フリー)
8分2秒 BUTTERFLY EFFECT→片エビ固め
橋之介(TTT)
● 斉藤拓海(花鳥風月)
※あと2組は高橋幸光(飯伏プロレス研究所)&前口太尊(飯伏プロレス研究所)と若松大樹(2AW)&関札晧太(大日本プロレス)
<メインイベント 新太平洋運輸株式会社presentsシングルマッチ 3分無制限ラウンド(奇数ラウンド:ハードヒットルール、偶数ラウンド:シュートボクシングルール)>
− 佐藤光留(パンクラスMISSION)
4R 1分49秒 試合不成立
− 飯伏幸太(AEW/飯伏プロレス研究所)
<エニウェアフォールルール 時間無制限1本勝負>
● 佐藤光留(パンクラスMISSION)
12分6秒 カミゴェ→片エビ固め
○ 飯伏幸太(AEW/飯伏プロレス研究所)