酸いか甘いかストレッチプラム 川田推薦ウナギと小橋推薦KAIRI交わる
14日、『小橋建太プロデュース興行 Fortune Dream8』後楽園ホール大会が開催され、満員観衆1355人が詰めかけた。
小橋興行に“悔しさ”の連鎖・・・里村に9年前敗れたKAIRIがウナギに勝利
<第4試合/シングルマッチ 30分1本勝負>
○KAIRI(フリー)
14分54秒 インセイン・エルボー→片エビ固め
●ウナギ・サヤカ(フリー)
スターダムにおいてタッグ対決はあったが、シングルで注目顔合わせ。このカードが目当てで足を運んだファンも多かったことだろう。アウトラインとしては、ウナギが川田利明推薦、KAIRIが小橋建太推薦となった。
リング内外でのダイビングエルボーアタック、そしてグラウンドで試合をコントロールしていくKAIRI。
ウナギもまたレパートリーを、いつも以上にKAIRIに的確に見舞っていく。
それだけではなく、KAIRIの技を引きつけておいてからかわす頭脳で立ち回り・・・
川田利明譲りのストレッチプラムがリング中央で決まる。KAIRIは悶絶。
それでもKAIRIのダイビングフットスタンプ、インセイン・エルボーが決まって決着がついた。
KAIRI「9年前のFortune Dreamで里村明衣子と闘わせていただきましたが、到底及ばずにすごく悔しい思いをして、9年間その悔しさを忘れずに今日まで闘ってきました。そして今日、相手はウナギ・サヤカ。彼女が強いとか弱いとか、そういうのを判断するために試合をしたんじゃなくて、やっぱり一番は小橋さんがオープニングでも言われていた、熱い気持ちがあるかどうか。今日初めてシングルマッチをして、熱い気持ちを、彼女から私は感じました。またすぐに彼女もこれに参戦して、今度はぶっちぎりで勝利してください。ありがとうございました」
ウナギ「世界のKAIRI、さすがですね。でも、私はKAIRIと世界の中心で、必ずまたシングルをします。そのときは私がKAIRIから勝ちます。そしたら川田さんに報告にいこうと思います。これはきっと、近い将来ですよ。KAIRI、必ずまた査定してやるよ」
大会エンディングでは常に隣にいた2人。ウナギがデンジャラスキャップをKAIRIにかぶせる。
小橋プロデュース興行には“悔しさ”の連鎖があった。里村に9年前敗れたKAIRIがウナギに勝利。KAIRIの歩みには、そのときの悔しさがあるのだという。そこから立ち上がって世界のトップレスラーとなったわけであり、ウナギの未来もまた無限の可能性がある。
実際に試合運びではギャン期での成長を伺わせる動きが感じられた。敗戦の味は酸っぱいものがあっただろうが、包み込むKAIRIの甘さもあり、2人はまるでわかりあった姉妹のようでもあった。ウナギにとって一生忘れられない試合になったに違いない。
小橋とハンセンがレジェンド過ぎた ヒドいことリストで熱き時代回顧
<第3試合/スペシャルトークバトル 30分1本勝負>
△小橋建太
30分00秒 時間切れ引き分け
△スタン・ハンセン
「ヒドいことリスト」と称された映像をふり返り、司会&小橋から「どうしてこんなことを」とハンセンに詰め寄るトーク編成。
ハンセン「若い時から『絶対負けないぞ』という気持ちで小橋は頑張ってきた。それを見て『コイツは叩きのめさなきゃ』と思って僕もいろいろやりました」
小橋「プロレスラーとしてのプライドと『タフじゃないとこの世界は生き残れない』ということを、試合を通じて教えてもらった。アメリカの先生だと思うんです」
小橋「(ハンセンから呼び出された際のエピソード)『お前がラリアットを使うのはわかった。でも、1発で倒すのが本当のラリアットだ。何発もやって倒すのはラリアットじゃない』って教えてくれて。その時の教えをずっと僕は引退するまで守って、フォールを取れないときもありましたけど、1発でぶっ倒すっていうのは最後まで約束を守れたのかなと思います」
<第5試合/タッグマッチ 30分1本勝負>
○鈴木みのる(パンクラスMISSION) 秋山準(DDT)
19分25秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め
●橋本千紘(仙女) 優宇(EVE)
鈴木みのるが橋本千紘を羽交い締めにし、みのるが小橋にチョップを要求。橋本が体勢を入れ替えるとみのるがチョップを食らうことに。観客は喝采だ。
小橋がいた時代に思いを馳せ、リアルタイムのプロレスも味わう。大会は大成功。
映像での振り返りは破天荒なものばかりで、解説トークの行間からプロレスラーとしての志が溢れる。プロレス界の技術は向上する一方だが、小橋・ハンセン世代のシンプルなぶつかり合いにはなかなか勝てない一面もある。現役レスラーとの集合写真でも小橋とハンセンの身長は抜きん出ており、レジェンド過ぎる2人との時間はファンにとってかけがえのないものともなった。
(大会結果)小橋建太プロデュース興行 Fortune Dream8 6月14日(水)後楽園ホール
■ 小橋建太プロデュース興行 Fortune Dream8
日時:6月14日(水)18:30
会場:東京・後楽園ホール 観衆1355人(満員/主催者発表)
<第1試合/シングルマッチ 15分1本勝負>
△永尾颯樹 (ZERO1)
15分00秒 時間切れ引き分け
△高鹿佑也(DDT)
<第2試合/タッグマッチ 20分1本勝負>
火野裕士(フリー) ●クワイエット・ストーム(フリー)
11分6秒 ゴーレム・スプラッシュ→体固め
○岡林裕二(大日本) 大門寺崇(ランズエンド)
<第3試合/スペシャルトークバトル 30分1本勝負>
△小橋建太
30分00秒 時間切れ引き分け
△スタン・ハンセン
<第4試合/シングルマッチ 30分1本勝負>
○KAIRI(フリー)
14分54秒 インセイン・エルボー→片エビ固め
●ウナギ・サヤカ(フリー)
<第5試合/タッグマッチ 30分1本勝負>
○鈴木みのる(パンクラスMISSION) 秋山準(DDT)
19分25秒 ゴッチ式パイルドライバー→体固め
●橋本千紘(仙女) 優宇(EVE)
<第6試合/6人タッグマッチ 30分1本勝負>
T-Hawk(GLEAT) △青柳優馬(全日本) 野村卓矢(大日本)
30分00秒 時間切れ引き分け
△遠藤哲哉(DDT) 田村ハヤト(GLEAT) 吉田綾斗(2AW)