里村明衣子3年ぶり日本試合の衝撃 橋本千紘「目力だったり圧だったり」
12日、小橋建太プロデュース『Fortune Dream 9』後楽園ホール大会が行われた。
「Inheritance Dream – 長与千種を継ぐ者達 -」で何が起きたのか。リングサイド連写で迫る
第5試合「Inheritance Dream – 長与千種を継ぐ者達 -」で何が起きたのか。どこまで伝わるかはわからないが、リングサイドからの連写で迫ってみたい。
<第5試合/Inheritance Dream – 長与千種を継ぐ者達 ->
橋本千紘 & ●優宇
16分7秒、フライング・ニールキック→片エビ固め
○彩羽匠 & 里村明衣子
海外を拠点にしていた里村明衣子が3年ぶり日本での試合となる。
長与千種が里村と彩羽匠を育て、里村が橋本千紘を育てる。優宇は橋本とチーム200キロを組む。
序盤の腕の取り合いからピーンと張り詰めた空気。
彩羽が右ローを優宇、水面蹴りを橋本に続けざま。このあとチーム200キロが揃って崩れる。
里村がオーバーヘッドキック。頭部を的確にとらえる。
相手のマットへの落下インパクトをマックスにするかのような橋本のスピアー。
スピードを緩めることなく、かつ相手に逃げ場のない優宇のキャノンボール。
里村のサトムラ・スペシャル(側転式ニー・ドロップ)は美しさと切れ味の両立の代表技。
彩羽のスワントーンボムには、いつもギリギリまで相手から目をそらさないところに驚かされる。
長与ばりの彩羽のフライング・ニールキックで決着した。
“長与千種を継ぐ者達”かく語りき。彩羽匠「本物がさらに帰ってきた」
(バックステージコメント)
橋本千紘「里村さんと4年ぶりに闘って、本当にどんだけ闘ってないとか関係なくて、里村明衣子とリングで向き合う。本当に何一つ、自分の中で存在は変わらなくて。やっぱり私の中の、ずっと越えなきゃいけない存在は、里村明衣子が残ってるので。しばらく私もこうやって勝ってないですし、『Fortune Dream』でも今日出させてもらって、本当にたくさんのチャンスもらってるのに、やっぱ勝つ姿が見せれないっていうのは、もう一つ何か変わらなきゃいけないものがチームにあるので。なんか前向きに、闘えて前向きになれたので、悔しいですけど、次いつ闘うかわかんないんですけど、チーム200キロ、『Fortune Dream』のリングでも女子プロレスのリングでも一番になります」
優宇「勝つ姿を里村明衣子に見せつけたかったっていうのが正直な本音です。壁を用意してくれるこの『Fortune Dream』にはすごく感謝していて。でも、期待の、それは自分たちに対しての期待だと私はポジティブに捉えているので。『Fortune Dream』を見に来たお客さんに自分たちが勝つ姿を、次は見せたいです。見せます」
橋本「見せます」
(久しぶりに闘って里村選手の強さというのは今改めて感じたものは)
橋本「やっぱり今の女子プロレスにない強さがあるというか、やっぱこの強さだよなと思って。もう向かい合ったときからの目力だったり圧だったり」
橋本「もうやっぱり久々にそういうのを感じたので、そういう存在に私がもっとなって下に伝えていかなきゃいけないと思ってるので。今日負けはしましたけど、この負けを必ず女子プロレス界に生かしていきます。ありがとうございました」
彩羽匠「長与さんの見てる中で『長与千種を継ぐ者達』というテーマの中で、里村さんの日本復帰だったりとかいろんなプレッシャーが混じってたんですけど、最後、このメンバーの中で勝つことができてよかったと思います。あのー、今回(里村とは)対角(線)には立てなかったんですけど、すごくピリピリとしたものを、コーナーでずっと見てました。やっぱり里村明衣子は里村明衣子だった。逆にパワーアップしたような蹴りを見て、自分も本当に気合いが入りましたね。もうちょっと自分もタイに行って蹴りを勉強しようかなって思いました(笑)。ありがとうございます」
里村明衣子「小橋さんと長与さんが見ていると思うと全然違うよね。気持ちが本当に。今日は小橋さんの『Fortune Dream』の興行に3年ぶりに出場できて感無量です。この興行を一発目に選んでよかったなと思います。小橋さんも長与さんも立会人としてこの試合に迎えてくださって、すごく大きな意味があると思います。チームメイト(彩羽)もチーム200キロも3年前から本当にビッグになりました。センダイガールズは今が一番。チーム200キロも一番いい。彩羽匠も一番いい。私も最高潮。この状態で試合ができたことが本当に嬉しいです。ありがとうございました」
(本当に久しぶりの日本での試合)
里村「つながりましたね。こいつらもう一回やりたいなと思って。もちろん隣にいる彩羽選手ともまた試合したいし、今日はなんかすごくその先が見えました」
彩羽「(試合前の様子込みで里村選手の動きを見て)本当に今女子プロレスいっぱいいる中で『本物がさらに帰ってきた』っていう感じを、すごい皆さんが見てない場所でも自分感じたんですね。なので、自分ももっとピリッとした、リングでバチバチやっていきたいし。なんか楽しみです、これから。里村選手と試合できるかどうかわかんないですけど、できるチャンスがあるんだったらやりたいし、チーム200キロともまだまだやりたいし。楽しみがいっぱい増えました。本当に嬉しいです。ありがとうございます」
橋本が「やっぱこの強さだよなと思って。もう向かい合ったときからの目力だったり圧だったり、もうやっぱり久々にそういうのを感じた」とすれば、優宇は「壁を用意してくれる」とする。2人は闘いながら、里村の強大さを実感した。
組んだ彩羽は里村を「すごくピリピリとしたものを、コーナーでずっと見てました」「今女子プロレスいっぱいいる中で『本物がさらに帰ってきた』っていう感じ」と評す。
前段の試合写真のように、派手というよりも基本が問われるような技が多く駆使された。だけれども、その正確さ、威力、説得力の高さが何拍子も揃ったとき「強さ」「緊張感」「本物」を感じるのだ。試合でのリズム感やシーソーゲームであることもプロレスの面白さだが、“長与千種を継ぐ者達”には前提とする技術を外さない姿勢がある。
さらにその強さを表情によって倍増させられるのが里村の真骨頂であり。世界に通用する理由だろう。里村は「この興行を一発目に選んでよかったなと思います」とした。一夜限りなのか、何かにつながっていくのか。
プロレスのどこに惹かれるかはファンで様々だろうが、技術・試合内容、仕掛け・ストーリー、ビジュアル・キャラクターが総合的に人気を押し上げている要素だ。そんな中で、第5試合は“技術・試合内容”寄りでの投げかけがあったように思う。
(大会結果)Fortune Dream 9 6月12日(水)後楽園ホール
大会ダイジェストは別エントリーをご参照ください。
【 #fd9 後楽園まとめ】小橋建太「必ず来年10回目を」プロデュース大会は9度目も大成功/里村明衣子が日本で3年ぶり試合!! 彩羽匠と“長与千種遺伝子タッグ”を結成、チーム200キロとの壮絶マッチ勝利
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■Fortune Dream 9
日時:6月12日(水)18:20
会場:東京・後楽園ホール 1324人(主催者発表)
<第1試合/Vivid Dream>
●世羅りさ & 土井成樹
9分23秒、スライディングD→片エビ固め
ウナギ・サヤカ & ○田中将斗
“スライディンクD継承”の間柄であるウナギ・サヤカと田中将斗は合体版を披露した。
<第2試合/Rampage Dream>
納谷幸男 & 関本大介 & ○丸藤正道
11分31秒、不知火→片エビ固め
●KANON & 火野裕士 & 鈴木みのる
主催者のゴキゲンをとる? 鈴木みのるが小橋建太とグータッチ。しかし、試合後には制裁チョップを食らうハメに。
<第3試合/Special Talk Battle>
△小橋建太
30分00秒、時間切れ引き分け
△井浦新
<第4試合/Bravery Dream>
●大門寺崇
13分38秒、豪腕ラリアット→片エビ固め
○潮崎豪
<第5試合/Inheritance Dream – 長与千種を継ぐ者達 ->
橋本千紘 & ●優宇
16分7秒、フライング・ニールキック→片エビ固め
○彩羽匠 & 里村明衣子
<第6試合/Fortune Dream>
タイタスアレクサンダー & ○青柳優馬 & 田村ハヤト
14分23秒、ザ・フール→片エビ固め
●佐藤嗣崇 & エル・リンダマン & 安齊勇馬