ジュリア「所属のあいつらは何を思う?」 限られた残り時間とマリゴ愛
13日、マリーゴールドが『 MARIGOLD Summer Destiny 2024』両国国技館大会を開催した。
(大会ベストバウト投票は7月17日(水)24時まで受付)
「ジュリアvs.Sareee」マリーゴールド・ワールド選手権初代王座決定戦熱闘GRAPH
■マリーゴールド MARIGOLD Summer Destiny2024
日時:7月13日(土)14:30 ※第1試合は14:10
会場:東京・両国国技館 観衆3058人(主催者発表)
<第8試合/The DESTINY~マリーゴールド・ワールド選手権初代王座決定戦>
●ジュリア
25分48秒、フィンガー・ブリーカー→レフェリーストップ
〇Sareee
※Sareeeがマリーゴールド・ワールド選手権初代王者になる
ブリッジを駆使した足攻め。ジュリアが自身のバリエーションをもってSareeeを料理にかかる。
右手首骨折からの復帰となったジュリアにSareeeがアームブリーカー。それでもジュリアは腕パンチ。
ジュリアがビッグマッチで見せるテーブルクラッシュ式のパイルドライバー。自身のペースに持ち込もうとする。
しかし、あまりにガッチリとリストクラッチされた裏投げ。ジュリアは脳天からマットに突き刺さる。思わず声が出る観客。
Sareeeは試合途中でジュリアの右腕の装具を剥ぎ取る。指も腕も極めたSareee。レフェリーがストップ。
敗れつつも大会締め「誰よりも、いつでもどこにいたって、この団体のことを心から思ってる」
(リング上でのマイク)
Sareee「私はジュリアとずっと闘いたかった。また必ず、必ず試合しようよ。完全な状態で試合しようよ。今日はありがとう」
ここでジュリアコール。
ジュリア「ありがとうなんてそんな言葉、聞きたくなかったよ。Sareee…私は、あんたを止めなきゃいけなかった!! マリーゴールドで、どんな思いでいつもいつも(私が欠場中となって)観客席から眺めてたか。ああ、私は、だから、マリーゴールドの誰よりも誰よりも思ってるからこそ、今日お前を止めなきゃいけなかったんだよッ!! でもな、お前がいるから私は、まだまだ追い越さなきゃという気持ちになれてる。だって、他にジュリアにかなうやついなくない?(拍手) すんだこと言ってもしょうがない。人生で初めて嫉妬した相手だよ。こんなに悔しい気持ちも、ああ人生で初めてだよ。言いたきゃねぇけどSareee、お前マリーゴールドに立ってくれてありがとな(拍手)。けどよ、私もマリーゴールドの選手も、もっともっと強くなってお前の前に立ってやるから。おいSareee、お前ももっともっと強くなってろよ、次は倒してやるからな(ジュリアはSareee残しのベルトに手をやる)」
リングアナの試合結果アナウンスを挟んで。
ジュリア「(Sareeeに)締めるか? ハァ? マリーゴールドのチャンピオンだぞ。(ジュリアが引き受けて)まずは、今日はマリーゴールド初の両国大会にお越しいただき皆様ありがとうございました(拍手)。ああ、勝って喜んでいるやつもいるが、負けて泣いてるやつもいるよ。でもそれがプロレス。また立ち上がっていけばいい…立ちます(拍手)。この人生が、人生が、人生のドラマが見れるのがプロレス、いやマリーゴールド。だから今日はみなさんと、そして今日闘った全選手の人生の一瞬の間をここでともに過ごしたということで、一緒に締めましょう。今日参戦した諸君、リングに上がってこい!! 全員だ。LLPWの諸君はどこだオイ。おーい、NORI、井上貴子、神取忍~。おいみんな!! そうだそうだ、イヨ・スカイもLLPWも上がれ。(神取に)いつも道場借りてます。先日は汚してすみません。これからもよろしくお願いします。じゃあ、今日はチャンピオンになった所属の、なつみ、青野。2人で締めてくれ」
青野「両国国技館大会、みなさんのおかげで最高に盛り上がりました。みなさん、どうでしたか~? 私は今日、最高の夢を見させていただきました。これからもマリーゴールド、切磋琢磨していきます。よろしくお願いします」
翔月「私も、11年ぶりに両国国技館でベルト獲ったぞ~!! 私たちはこのまま突っ走っていくんで、止まることがないので、これからそのまま応援してください」
青野「ついてきてくださいッ」
青野・翔月「シャインフォーエバー!!」
観客「マリーゴールド!!」
(バックステージ)
Sareee「私がマリーゴールドの初代ワールドチャンピオン、Sareeeです。今日のジュリアとの闘いは、闘った者同士にしかわからないものがあると思います。でも、私は今日全てを出し切った、間違いなく。それでもジュリアのあの右腕を狙うしかなかったぐらい、私は全力で闘いました。誰が何と言おうが、私が今日勝ったんです。私はだから、今日から胸を張って、マリーゴールドのワールドチャンピオンとしてプロレス界で生きていきたいと思います。ジュリアとはもっともっともっとすっごい試合ができると思うので、次ね、いつ闘えるかわかりませんが、お互いもっと強くなって、またリングで再会できることを願ってます。今日はね、このベルトに挑戦してきそうなやつは現れなかったけど、私は誰が来ようが受けて立つよ。しっかりとこれからチャンピオンとして、このマリーゴールドだけではなく、プロレス界全体で胸張っていきたいと思ってます。以上です」
ジュリア「勝てなくてごめんなさい…。こんな悔しいことありますか? あー、なんて言ったらいいかわかんないよ。今日はもう勝つことだけに集中していた。私は怪我を言い訳にするつもりもないし、今日はSareeeの方が強かった。私がSareeeに、旗揚げ戦そして今日もやられて、マリーゴールドの所属のあいつらは何を思う? 何を思う? 今のままじゃダメなんだよ。上には上がいっぱいいるんだよ。それは私も実感してる。私が倒せないんだもん。申し訳が立たないよ、所属選手のみんなに、私は申し訳が立たないよ今日。悔しくてたまんねえよ。Sareee!! こんなことお前に言ってもねって言われるだろうけど、お前絶対うかうかしてしてんなよ。なあ。すぐに誰かが獲りにいく。それが私かもしれない。またお前の前に絶対立ってやるよ。お前がそのベルトを落とすとき、その相手がこの私だよ。また気持ち入れ替えて、今日から私は裏方でも怪我人でも何でもねえんだよ。おい前説の姉ちゃんでもねえんだよ!! 選手としてまた今日から私は上を目指す。絶対てめえのこと倒す。そのためには、まだまだやることがいっぱいあるな。どこに行ったって、いつでもどこでもお前を倒すことに、ああ集中してやる。スキ見せたらお前、すぐ倒してやるからな。
初のマリーゴールド両国大会。旗揚げしてから2か月経たずに、それでも今日こんなにたくさんのお客さんにお集まりいただき本当にありがとうございました。ここからがまたマリーゴールド、スタートだと思ってます、はい。一生懸命頑張ります。この団体を大きくするために、私は誰よりもこの団体のことを思ってる。誰よりも、いつでもどこにいたって、この団体のことを心から思ってる。今日来てくれた皆さん本当にありがとうございます。これからもマリーゴールドの応援よろしくお願いします。本当にありがとうございました」
まずはホッとした。右手首骨折(5月の旗揚げ戦)からの復帰戦を、ジュリアは無事に闘い抜く。メインでの敗戦とはなったが、事実上の大会締めを務めてみせた。
そして試合も、日本の女子プロレス界の頂上決戦にふさわしいダイナミックさに満ちていた。決着をつけるには、Sareeeはジュリアの腕を狙うしかない。この非情さが、マリーゴールド初のビッグマッチの記憶を鮮烈なものにした。
ジュリアのバックステージは他選手とは違って、意識の高ぶりが突出していた。その口調には、そうとうの悔しさがあったことは明らか。Sareeeへのリベンジロードの始まりとともに、自身とSareeeとの間のワールド王座路線に所属選手が誰も絡んでこないことへのイライラも見てとれた。
一方で、世界最大団体WWEへの移籍が噂され、ジュリアもまた「自分はマリーゴールドにいれる時間も残り短い」とたびたび口にしている。その気持ちは以前のインタビューにて「自分で描き切りたいわけではないです。覚悟を持ってやって来た選手たちに、道をつくりたい、道を示してやりたい」としていた。
あらかじめ用意したセリフではなく、そのときの感情を口にする。ジュリアならではの姿勢が、両国大会での「誰よりも、いつでもどこにいたって、この団体のことを心から思ってる」というナチュラルな言葉を生んだ。
マリーゴールド初のビッグマッチはジュリアの前のめりさがあって成り立った面が多分にある。メディア露出、会見のコメント、各大会の煽り…全方位でジュリアが積極的だった。ここから他の顔ぶれが食らいつかなければならない。自分こそが咲き誇るという鬩ぎ合い(せめぎあい)こそ、マリーゴールドにあれ。
(全試合結果)マリーゴールド MARIGOLD Summer Destiny2024 7月13日(土)両国国技館
■マリーゴールド MARIGOLD Summer Destiny2024
日時:7月13日(土)14:30 ※第1試合は14:10
会場:東京・両国国技館 観衆3058人(主催者発表)
<第0試合/シングルマッチ> ※14:10開始
●南小桃
8分23秒、ドロップキック→強引な押さえ込み→体固め
〇瀬戸レア
<第1試合/タッグマッチ>
△天麗皇希&後藤智香
10分時間切れ引き分け
ビクトリア弓月&△田中きずな
<大向美智子の長女「大向心希」がマリーゴールドに入団>
<第2試合/タッグマッチ>
〇CHIAKI&野崎渚
8分40秒、アルゼンチン・バスター→片エビ固め
マイラ・グレース&●ゼイダ・スティール
<第3試合/初代スーパーフライ選手権王座決定戦>
〇翔月なつみ
14分51秒、丸め込みの応酬→エビ固め
●松井珠紗
※松月が初代スーパーフライ選手権王者になる
<第4試合/マリーゴールドvs.LLPW-X>
高橋奈七永&桜井麻衣&●石川奈青
15分33秒、ローリング・キック→片エビ固め
神取忍&井上貴子&〇NORI
<第5試合/初代ユナイテッド・ナショナル選手権王座決定戦決勝進出マッチ>
●MIRAI
24分14秒、スタイルズ・クラッシュ→エビ固め
〇青野未来
※青野が王座決定戦に進出
<第6試合/初代ユナイテッド・ナショナル選手権王座決定戦>
●ボジラ
10分13秒、回転エビ固め
〇青野未来
※青野が初代ユナイテッド・ナショナル選手権王者になる
<第7試合/Queen of Queen~誰を信じるかは自分で決めろ!~>
●林下詩美
23分1秒、ムーンサルト・プレス→エビ固め
〇イヨ・スカイ
<第8試合/The DESTINY~マリーゴールド・ワールド選手権初代王座決定戦>
●ジュリア
25分48秒、フィンガー・ブリーカー→レフェリーストップ
〇Sareee
※Sareeeがマリーゴールド・ワールド選手権初代王者になる