リンダマン「パスポートは必要ない」コロナ明け願うプロレス界に国境なし
24日、新日本プロレスが『BEST OF THE SUPER Jr.29』後楽園ホール大会を開催した。写真は観戦仲間より。
大会結果 新日本プロレス BEST OF THE SUPER Jr.29 5月24日(火)後楽園ホール
■ 新日本プロレス BEST OF THE SUPER Jr.29
日時:5月24日(火)18:30
会場:東京・後楽園ホール 観衆1,215人(主催者発表)
<第1試合/「BEST OF THE SUPER Jr.29」Aブロック公式戦>
●フランシスコ・アキラ
10分54秒 TACOドライバー→エビ固め
〇アレックス・ゼイン
<第2試合/「BEST OF THE SUPER Jr.29」Bブロック公式戦>
●TJP
13分53秒 ダイビングフットスタンプ→片エビ固め
〇ティタン
<第3試合/「BEST OF THE SUPER Jr.29」Aブロック公式戦>
●クラーク・コナーズ
8分25秒 トロフィーキル→エビ固め
〇田口隆祐
<第4試合/「BEST OF THE SUPER Jr.29」Bブロック公式戦>
〇ウィーラー・ユウタ
8分05秒 シートベルトクラッチ
●BUSHI
<第5試合/「BEST OF THE SUPER Jr.29」Aブロック公式戦>
〇エース・オースティン
7分20秒 THE FOLD→片エビ固め
●YOH
<第6試合/「BEST OF THE SUPER Jr.29」Bブロック公式戦>
●エル・ファンタズモ
6分52秒 首固め
〇DOUKI
<第7試合/「BEST OF THE SUPER Jr.29」Bブロック公式戦>
●ロビー・イーグルス
11分39秒 ラ・カレテラ
〇マスター・ワト
<第8試合/「BEST OF THE SUPER Jr.29」Aブロック公式戦>
〇金丸義信
6分47秒 足4の字固め
●高橋ヒロム
<第9試合/「BEST OF THE SUPER Jr.29」Aブロック公式戦>
●SHO
11分33秒 (レフェリーの目を盗み)ベルトで殴打→片エビ固め
〇石森太二
<第10試合/「BEST OF THE SUPER Jr.29」Bブロック公式戦>
〇エル・リンダマン
15分08秒 タイガースープレックスホールド
●エル・デスペラード
デスペラード「GLEATするのは俺」約束果たせず リンダマン「GLEATしようぜ」締め
実に公式戦10試合、随所に見どころがあったが、やはりメインが熱かった。
マフラーホールドからのヌメロ・ドスという勝利モードのデスペラードだったが、フィニッシャーであるピンチェ・ロコは阻止したリンダマン。ここからリンダマンのドラゴンスープレックス、タイガースープレックスという連続の叩きつけが炸裂する。
大会前にはデスペラードが「GLEATするのは俺」宣言していたが、リンダマンがひっくり返した。
リンダマンのマイクアピール
「リンダマンが勝ったぞーッ!(場内拍手)。1月4日、東京ドームから随分と長い間が経ったな。オーイ、デスペラード! とっとと帰れ、バカ野郎!(場内拍手)。いいか、オイ! プロレスのリング上はメインで勝った奴が締めるって相場は決まってるよな? あいつの役割はこの俺の名前を出して、『SUPER Jr』に呼んだ時点でもう終わりだ。あいつは用なしだ(場内拍手)。(退場するデスペラードの姿を確認しながら)もう下降りたか? いないか、オイ? 目の前で言うのは恥ずかしかったから言わなかったけど、デスペラードが呼んでくれたおかげで、今ここにいるよ。本当にありがとう(観客は大拍手)。
いやあ、なんか小っ恥ずかしいだろう。目の前でイチャイチャすんのは。まあ、そんなことはさておいて、今日もいっぱいのお客さん、嬉しいね(場内拍手)。それに今日はニュージャパンワールドはどのカメラだ?(と言って、ニュージャパンワールドのカメラを見つけると、カメラ目線)。OK! ニュージャパンワールドは今日は『SUPER Jr』、東京・後楽園ホール初戦、無料配信らしいじゃねえか、オイ。ってことはよ、いつもの新日本ファン以外のプロレスファンも、これニュージャパンワールドを見ているってことだよな? 無料配信は初日だけだぞ。『SUPER Jr』、面白いだろ? こんなに面白いんだから、今すぐ会員登録しやがれ、バカ野郎!(場内拍手)。
別にGLEATのファンが新日本を見に来たって構わないし、新日本のファンが他の団体に行ったっていいわけだろ? 他の団体のファンがニュージャパンワールドに加入したっていいだろう。別によ、国と国の間みたいにパスポートが必要じゃないし、プロレスファンにはシェンゲン協定なんて必要ないだろう、オイ! シェンゲン協定が分からねえか、おめえらはバカだから、オイ! フハハハハ!
まあ要はそういうことだ。リンダマンが『BEST OF THE SUPER Jr』の主役になるってことがみんな今日分かったよな?(場内拍手)。さっき言ったとおり、勝者にはこのリングを締める権利がある。だからよ、みんな知らないかもしらないけど、我が団体・GLEATの締めやってもいいか?(場内拍手)。
一応、分からない人のために説明しておきますけど、超簡単です。拳を皆さん、用意していただいて、僕が『GLEATしようぜ!』と言いますので、『GLEAT』のタイミングで下げて、『しようぜ!』でドーンでございます。簡単ですね? 皆さん、分かりましたか? 皆さん、右拳準備してーッ! いいですか? GLEATする準備、出来てますかーッ?(観客は大拍手)。画面の向こうからも頼むぞ。『BEST OF THE SUPER Jr』、楽しかったですかーッ?(観客は大拍手)。OK! OK! 今からやる『GLEATしようぜ!』は練習だ。本番は日本武道館。6月3日の決勝に残しといてやるからな。みんな、いいかーッ!? (観客の大きな拍手を聞きながら)もっともっともっとーッ! 準備してー、行くぞー! みんなでGLEAT、しようぜ!(と、観客と共に拳を突き上げる)」
(新日本公式)
リンダマン「今からやるのは練習だ、本番は日本武道館、6月3日の決勝に残しといてやるからな。みんなでGLEAT、しようぜ」5.24 #BOSJ Backstage comments:10th match – YouTube
面白かったなあ。スカッとした。年始ドームからデスペラードがラブコールを送り、ついにはリンダマン参戦。デスペラードがJr.前王者であり、リンダマンがGLEAT現王者という“立場”もある。それでも真っ向からやり合い、決着がついた。
コロナ禍以降は制限がかかる中、プロレス界ならば率先して夢の対決でコロナ明けをもっともっと見せることができたはずだ。それが部分的にとどまり、“大会場を押さえ過ぎた”以上の空席を見続けることになったのは、多分に大人の事情が作用した。なんとかしなければとデスペラードが立ち上がり、リンダマンが呼応した。
リンダマンはマイクでファンに「パスポートは必要ない」と声をかける。いや本当は、プロレス団体同士に国境はいらないと主張したかったのではないのか。コロナ明けを願う気持ちはひとつのはずなのに、多くの団体がうまくいかなかった。
新日本プロレスと全日本プロレスが50周年を迎え、いくつもの壁が突破されつつある。もちろん、交流戦・対抗戦が“正解”ではないけれども「もうちょっとやり方があるだろう」と悶々としたストレスの一部が後楽園大会で解けた気がした。リンダマンのマイクアピール、GLEATだったぜ!!
熱狂は3年ぶりBOSJ単独開催とともに・・・観衆1215人はコロナ期間最多。盛り上がりの続きは・・・!?
観衆1215人。間引き期間が長かったこともあるが、新日本プロレスにおける後楽園ホール大会ではコロナ期間最多動員となった。
3年ぶりBOSJ単独開催とともに熱狂が戻りつつある。この勢いのまま、日本武道館での6・3決勝、6・12大阪ドミニオン、夏祭典G1と突き進みたいところだろう。これだけジュニアで雪解けしているわけであるから、G1への期待はいやおうなく高まる。
この記事を書いている最中に、DDTが試験的に声援解禁大会を開催すると発表した。
7・7新宿(入場料無料)で試験的に「声出し応援」解禁。
規定では会場側がOKで、50%以内客数であれば、主催者判断で声出しが可能となるという。高木社長「今後は会場ごとに声出しを判断することになりそうだ。早く全会場が解禁になれば」#ddtpro #プロレス #声出しhttps://t.co/BXhydiyRir
— KAKUTOLOG📶プロレス/ボクシング/MMA/格闘技カクトウログ (@kakutolog) May 25, 2022
七夕に願いが叶う、その突破口となるのか。一歩一歩着実に・・・コロナ明けよ、やって来い。