3年ぶりドームメイン「帰って来れないかと思ってました」棚橋弘至の使命感と危機感とは/1・4ドーム観戦記&大会まとめ
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4日、新日本プロレス東京ドーム大会。“イデオロギー闘争”と謳われたメイン、ケニー・オメガvs.棚橋弘至の一戦は棚橋がベルト奪取に成功した。4年ぶり8度目のIWGP王座戴冠。棚橋からは闘志を、観客からは声援を。五感を通して会場で受け止めた興奮がまだ消えない。
■ベルト奪取で柴田と本間の名を出す! 棚橋が言及した「大事なものが壊されていくという危機感」
棚橋のマイク、バックステージコメントからは何が飛び出したのか。
・ バンドリ! ガールズバンドパーティ! presents WRESTLE KINGDOM 13 in 東京ドーム 1月4日(金)17:00 東京・東京ドーム
【リング上】
棚橋「(※しばらく目をつぶり)今日は、たくさんのご来場、本当にありがとうございました!(※大歓声&大拍手) 正直言うと、もうこの舞台には帰って来れないかと思ってました(※大拍手)。けど、柴田選手!!(※場内驚き) 本間選手!! 多くの仲間が! エネルギーをくれました!(※大拍手) そして何より! 僕をここまで押し上げてくれたファンの皆さん! ありがとうございました!!(※大歓声&大拍手) また、このIWGPのベルトと新しい風景を! 作って行きます。今日は本当にありがとうございました!(※大拍手)」【バックステージ】
棚橋「リング上でも言いましたけども、自分一人では戻って来れなかったなと思いますね。他のレスラーからいい刺激を受けたり、本当に『がんばってくれ、がんばってほしい』、なんだろう? 祈りに近いというか、みんなの声援が背中を押してくれました」──リング上でもおっしゃっていましたけど、名前を上げるとどの選手になるでしょう。
棚橋「いやあ、本当に『G1 CLIMAX』優勝できたのもセコンドで柴田選手が僕にエールを送ってくれたので感謝しています」
──今回の試合というのはご自身も表現されていましたイデオロギー闘争だと、そういったお話もありましたけど、どういったお気持ちで試合に臨んだのでしょうか?
棚橋「うん………ケニーに対する怒りっていうのは最初から抱いていたものではなくてね。そのケニーが新日本を侵攻していく中で大事なものが壊されていくんじゃないかっていう危機感なんだけど、これで長岡で負けて、ドームで勝って、ケニーとは1勝1敗なんで、『さあ次いつやりますか?』という感じです」
(中略)
──先程の質問の続きですけど、机使ったことについて。
棚橋「明確なイデオロギーの境目をボヤッとさせる。ただ勝つだけじゃない。ただ叩き潰して焼け野原で終わるんじゃない。試合後に救いを見出す。それが僕が理想とする、理想に近いプロレスなんです」
“仲間”の中で柴田勝頼と本間朋晃の名を出したことが強く印象に残る。両者とも2017年の試合きっかけで長期欠場となり、柴田はリハビリ継続のまま、本間は2018年に復帰するもタッグリーグ参戦から漏れた。「大事なものが壊されていくんじゃないかっていう危機感」という棚橋の言葉もある。
ケニーとの一戦はイデオロギー闘争と呼ばれるとともに、棚橋は残酷なまでにエスカレートする試合内容に継承を鳴らしていた。背景として、それが全てではもちろんないが、柴田と本間の欠場は大きかったのではなかろうか(そして2018年の高橋ヒロム欠場も)。自身のヒジ・ヒザのコンディションは、確かに万全には戻らない。だけれども、試合が思うようにできない2人に比べたら、自分が最前線に立つことをあきらめるのはおかしい。闘いと発言でさらなる“破壊”を止める方向に作用できる立場にあるのに、何もしないのかという自身への問いかけ。
使命感に駆られたような棚橋のドームメイン。これはもう堂々とした闘いぶりだった。
復調は明らかな棚橋だったが、何しろドームメインは3年ぶり。ふさわしい闘いができるのか。どの程度できるのか。疑心を持ちながらの観戦となったファンも多かっただろう。それでも棚橋は、ケニーの技を食らいまくり、切り返し、ポイントで逆転していった。
新日本復興のベースとなったプロレススタイルは、棚橋と中邑真輔がつくったものだ。隙あらばお互いのウイークポイントにダメージを与えようとする中で攻防のラリーが生まれ、一撃必殺で仕留める。過激化しすぎた一部プロレスの否定であり、目先の派手さによる“足し算”ではなくフィニッシュに向けた流れで説得力を生むプロレス。
「嫌い」「ここは新日本だから」という言葉がクローズアップされたが、棚橋には実は明確な基準があったのではと推察する。オカダ・カズチカと内藤哲也はおおむね新日本復興スタイルの延長にあるが、ケニーは延長線上から外れているという見方。派手な技の多発が目的化したような試合運びを否定したかったのだろう。
棚橋はケニーの猛攻に耐える姿をとことん見せる。ケニーの必殺技をスリングブレイドやフランケンで切り返す。それでいて、相手のアスリートプロレスに乗っかる度量もみせる。ケニーの方も棚橋のプロレスに乗っかる引き出しを見せ、少なくとも単調な同一技の連発は最小限だった。
この試合勘とコンディションが担保できれば、棚橋のIWGP戦線は十分に面白い! 強い棚橋が帰ってきたのだ。
■「21年東京ドームで引退プラン」を17年に決意していた棚橋。18年5月福岡大会のファンの声で撤回していた!
翌日発売の東スポが秘話を明かしている。
・ 【新日1・4ドーム】棚橋の完全復活V秘話 引退決意を翻した日(東スポWeb) – Yahoo!ニュース
2016年大会を最後にかつての「定位置」だった東京ドームのメインから遠ざかった。IWGPインターコンチネンタル(ⅠC)王座を獲得した17年も、6月には右腕、12月に右ヒザの負傷でシリーズを欠場し精彩を欠いた。
実は同年末、棚橋は本紙に引退について具体的に言及したことがある。それは20年1・4東京ドーム大会で引退を発表し、ラストイヤーとして1年間を戦った末に、翌21年の1・4ドームで引退試合を行うというもの。引退後は経営側として団体を支えるため、フロントに転身する方向性まで見据えていた。
棚橋は「オカダ(カズチカ)、内藤(哲也)、ケニーで屋台骨がしっかりしてきていて、僕がいることがプラスじゃないんじゃないかと。(自分は)ケガもあって本来の動きができずに、上を目指せないんじゃないかっていう…半分諦めだったりとか。今思うとマイナスの選択肢だったのかもしれないですね」と当時を振り返る。
胸の内に秘めた決意が覆ったのが昨年5月の福岡国際センター大会。当時のIWGP王者オカダに挑んだ棚橋はレインメーカーに沈み、自身の保持していたIWGPの連続防衛記録を更新される「V12」を許した。
しかしその日の会場は、棚橋の復活を望む声で埋め尽くされていた。「連続防衛を超えられたっていう悔しさと、そこにあぐらをかいていた恥ずかしい気持ちと。判官びいきだったのもあったんでしょうが、あそこまで一方的な声援をもらったのも初めてだったし。負けはしたんですが『まだやっていいんだ』『もう少し頑張ろう』と。レスラー、求められているうちが華じゃないですか」
映画出演には棚橋のセカンドキャリア計画という背景もあったと何かの記事に出ていたが、明確な引退プランがあったことに驚く。18年5月福岡大会にはボクも足を運んでいた。大きなタナハシコールは発生していたが、他試合と大きく違うほど“一方的な声援”だったかどうかの確信はない。
何しろボク自身が声援を送るのに必死で、手に汗を握っていたからだ。“大舞台メインでのオカダ戦”に棚橋が戻って来ただけで嬉しかった。みんなこのシチュエーションを長く待っていたのだ! こういう思いで声援を送るファンが多かったとしたら、棚橋が感じた“一方的な声援”にも頷ける。
そして福岡大会後には、「棚橋のIWGP路線まだまだいけるって!」という確信があった。そのまま夏のG1制覇、ドームでの戴冠を見届けられて感無量だ。
ドームの他の試合にも触れると、やはりメイン含むラスト3試合が出色。テーマ曲を戻し、ショートタイツに戻したオカダへの現地応援は絶大で、結果は敗戦なれど間違いなく“オカダ復活祭”だった。試合内容に波がある内藤も、ジェリコ相手にらしさ爆発。大味な試合ではあったが、内藤ファンは溜飲を下げたことだろう。オカダ・内藤を“引き出した”ジェイ・ホワイトとジェリコの技量も光った。
■WRESTLE KINGDOM 13 in 東京ドーム大会まとめ
・ バンドリ! ガールズバンドパーティ! presents WRESTLE KINGDOM 13 in 東京ドーム 1月4日(金)17:00 東京・東京ドーム
■新日本プロレス WRESTLE KINGDOM 13 in 東京ドーム
日時:1月4日(金)17:00 ※第0試合は16:00開始
会場:東京・東京ドーム 観衆:38,162人(満員=主催者発表)
<第0試合 NEVER無差別級6人タッグ王座 ナンバーワン・コンテンダー・ガントレットマッチ>
田口隆祐 〇矢野通 真壁刀義
(8分09秒 横入り式エビ固め)
●デイビーボーイ・スミスJr. ランス・アーチャー 鈴木みのる
※真壁組が1・5後楽園大会での同王座挑戦権獲得
※他のチームは「デビッド・フィンレー ジェフ・コブ 永田裕志」「チャッキーT バレッタ 後藤洋央紀」「マーティー・スカル 高橋裕二郎 ハングマン・ペイジ」
【以下、試合順】
1.永田組vsペイジ組 〇フィンレー(4分39秒 横入り式エビ固め)裕二郎●
2.永田組vs後藤組 〇フィンレー(7分30秒 横入り式エビ固め )チャッキーT●
3.永田組vs鈴木組 〇ランス(2分44秒 キラーボム→片エビ固め)フィンレー●
[みのる「おい、おい、おい、新日本よ。棚橋よ、ケニーよ。オカダよ、ジェイよ。全方位、俺たち以外全員に告ぐ! 鈴木軍の逆襲、この第0試合から始まる」]
<第1試合 60分1本勝負 NEVER無差別級選手権試合>
[王者]
●飯伏幸太
(18分13秒 ストームブレイカー→片エビ固め)
〇ウィル・オスプレイ
[挑戦者]
※飯伏が初防衛に失敗、オスプレイが第23代王者となる
[試合後、敗れた飯伏が担架で運ばれ退場]
[オスプレイ「何が証明できたかといえば、もちろん、ジュニアヘビー級の俺がヘビー級の相手と戦えるということだ。俺こそが世界で戦える男なんだ」]
[飯伏幸太選手の容態に関して]
<第2試合 60分1本勝負 IWGPジュニアタッグ選手権試合 3WAYマッチ>
[挑戦者組/SJTL2018優勝]
SHO ●YOH
(6分50秒 ラスト・オブ・ザ・ドラゴン→片エビ固め)
[挑戦者組]
〇鷹木信悟 BUSHI
※もう1組は「[王者組]金丸義信 エル・デスペラード」
※デスペラード組が5度目の防衛に失敗、BUSHI組が新王者となる
[鷹木「ザ・ドラゴン、昇り龍のごとく、俺はもっと高みを望んでるから。高いところを見てるから。鷹木信悟の野心は終わらねぇぞ!」]
<第3試合 60分1本勝負 ブリティッシュヘビー級選手権試合>
[王者]
●石井智宏
(11分35秒 変型卍固め)
〇ザック・セイバーJr.
[挑戦者]
※石井が防衛に失敗、ザックが新王者となる
[石井「イシイチャン! もしもう一度タイトルに挑戦したいなら、オマエがイギリスに来るべきだ。10時間のフライトを越えてやってこい」]
<第4試合 60分1本勝負 IWGPタッグ選手権試合 3WAYマッチ>
[挑戦者組/WTL2018優勝]
〇SANADA “キング・オブ・ダークネス”EVIL
(10分15秒 ラウンディング・ボディプレス→体固め)
ニック・ジャクソン ●マット・ジャクソン
[挑戦者組]
※もう1組は「[王者組]タンガ・ロア タマ・トンガ」
※王者組が初防衛戦に失敗、EVIL組が第82代王者となる
[EVIL「このベルトを大阪城、あるいはドームのメインカードまで俺らがチャンピオンとして持っていくからな。よく憶えておけ」]
<第5試合 60分1本勝負 IWGP USヘビー級選手権試合>
[王者]
●Cody
(9分02秒 パルプフリクション→体固め)
〇ジュース・ロビンソン
[挑戦者]
※Codyが初防衛に失敗、ジュースが第5代王者となる
[バックステージでUS新王者・ジュースに、バレッタが挑戦表明]
[ジュース「このベルトは、ずっと日本で戦い続けられる選手が持っているべきだと、俺はずっと思っていた。年間150試合をしっかりと日本で戦い続けられるヤツが持つ」]
<第6試合 60分1本勝負 IWGPジュニアヘビー級選手権試合>
[王者]
●KUSHIDA
(11分17秒 ブラディークロス→片エビ固め)
〇石森太二
※KUSHIDAが初防衛に失敗。石森が第83代王者となる
[石森「この新日本ジュニアのベルトの価値を高めてリボーンしてやるよ。でも、カワウソは結構賢くて手強い生き物だったよ」]
<第7試合 60分1本勝負 スペシャルシングルマッチ>
●オカダ・カズチカ
(14分18秒 ブレードランナー→片エビ固め)
〇ジェイ・ホワイト
[ジェイ「俺は棚橋にもケニーにも勝っているし、ちょうど今、俺の腰には何のベルトも巻かれていない。IWGPヘビー級の王者がどっちになるか、それをしっかり見届けて、挑戦したい」]
<第8試合 60分1本勝負 ダブルメインイベントⅠ IWGPインターコンチネンタル選手権試合 ノーDQマッチ>
[王者]
●クリス・ジェリコ
(22分35秒 デスティーノ→片エビ固め)
〇内藤哲也
[挑戦者]
※ジェリコが2度目の防衛に失敗、内藤が第20代新王者となる
[ジェリコ「俺はIWGPヘビー級のベルトに挑戦させてほしいと思っている。東京スポーツも、週刊プロレスも、ゴングも、ニューヨーク・タイムスも、しっかりと記事にしろよ!」]
<第9試合 60分1本勝負 ダブルメインイベントⅡ IWGPヘビー級選手権試合>
[王者]
●ケニー・オメガ
(39分13秒 ハイフライフロー→片エビ固め)
〇棚橋弘至
[挑戦者/G1 CLIMAX 28覇者]
※ケニが4度目の防衛に失敗、棚橋が第67代王者となる
[試合経過&バックステージコメント]
[「IWGPのベルトとともに新しい風景をつくっていきます!」新チャンピオンとなった棚橋がファンに約束! ]
[バックステージでジェイが“新IWGPヘビー級王者”棚橋に挑戦表明]
ドーム翌日、イッテンゴの結果。
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