棚橋弘至「プロレス人気が下がった」 V字回復請負人がコロナ禍で“再登板”
年内最終戦から一夜明けの23日、新日本プロレスが社長交代を電撃発表した。就任するのはレスラーと兼ねることとなる棚橋弘至。その思いに迫る。
臨時株主総会及び取締役会において代表取締役の異動と役員人事が決定
新日本プロレスからは「本日2023年12月23日に行なわれました臨時株主総会及び取締役会において、代表取締役の異動と役員人事について決定」と伝えられた。選手兼任社長はアントニオ猪木、坂口征二、藤波辰爾に次ぐ史上4人目となる。
新社長就任についてのお知らせhttps://t.co/UXwptI0iyX#新日本プロレス #njpw pic.twitter.com/SPzRfPovxB
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) December 23, 2023
これを受けての役員構成は次の通りとなる。
役員
取締役会長 菅林 直樹
代表取締役社長 棚橋 弘至
取締役 松本 仁司((株)テレビ朝日 ビジネスプロデュース局担当局長)
取締役 山内 梢子((株)ブシロード)
取締役 三雲 薫((株)テレビ朝日 役員待遇)*
取締役 木谷 高明((株)ブシロード 代表取締役)*
取締役 岡田 太郎((株)ブシロードファイト 代表取締役)*
監査役 森瀬 教文((株)ブシロード監査役)*
監査役 小林 直治((株)テレビ朝日 経理局長)**は非常勤
異動の理由は「経営体制の変更のため」とされ、前任者については「取締役 大張高己、取締役 西澤道昭は12月23日をもって退任」と補足されている。
タイミングとしては、新日本プロレスワールドでの11月9日リニューアル直後からの不具合、あるいは11月18日のウィル・オスプレイAEW移籍発表、11月以降報道のオカダ・カズチカ移籍可能性などが重なっているところとなる。これらと人事との関連は明らかになっていない。
【落胆と応援の声が半ばして「オカダさん」トレンド入り】
オカダ・カズチカ、ジュリアの去就は 海外移籍の可能性が報じられる#njpw #stardom
ワールド不具合・団体運営改善に揺れるブシロード系。主力海外離脱が続けばそれ以上の衝撃 pic.twitter.com/n7JkkztVu5
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プロレス人間交差点 棚橋弘至☓木村光一 逸材と闘魂作家による対談という名のシングルマッチ
新社長就任の2か月前となるが、棚橋が対談記事にて「僕が新日本の社長になったら」なるフレーズも使いながら思いを語っている。
【逸材と闘魂作家による対談という名のシングルマッチ】
プロレス人間交差点 棚橋弘至☓木村光一
前編「逸材VS闘魂作家」
後編「神の悪戯」
対談 #アントニオ猪木 をめぐって「#棚橋弘至 vs. #木村光一」司会 #ジャスト日本https://t.co/ksEYZ9Gn0I
「なんでプロレスを助けてくれない…じゃあ僕が猪木さんに負けない影響力を持つレスラーに」
この思考は猪木と棚橋を結ぶ「至」の導きか。
パネル外しのくだりには印象を覆すものがある。
— KAKUTOLOG📶プロレス/ボクシング/MMA/格闘技カクトウログ (@kakutolog) November 10, 2023
公約は「イノキアリーナ」。猪木寛“至”に由来する棚橋弘“至”を名に持つ男のモチベーションとは
対談内、棚橋は公約として常設会場「イノキアリーナ」を口にした。(アントニオ猪木本名の)猪木寛“至”に由来する棚橋弘“至”を名に持つ男のモチベーションとは? 対談司会、記事構成を担ったジャスト日本さんにご承諾をいただき引用紹介とする。
木村さん 実は、私が猪木事務所のブレーンをやっていた頃、格闘技アリーナ(猪木記念館)を作ろうというプランがあって、その企画書を作成したことがありました。結局、実現には至らなかったんですけど、そこにはプロレスや格闘技の専用会場のほか、あらゆる格闘技や団体において貢献のあった選手たちのパネルや記念品を飾る記念館も併設し、後世にその功績を伝えていこうという夢のあるプランでした。
──それはプロレス界や格闘技界のために今後も挑んでほしい素晴らしいプランです。
棚橋選手 新日本にはずっと温めているアイデアがあるんです。東京都内に2000~4000人くらいのキャパの後楽園ホールに代わるような常設会場を作りたいという夢があるんですよ。もし実現したら、僕はその施設を「イノキアリーナ」と名付けますよ。そうすれば大きな話題になりますし、世代を超えてプロレスファンが集える場にもなる。そしてプロレスが未来永劫、続いていくのならこんなにいいことはないですよ。
──その「イノキアリーナ」に猪木さんの資料や記念品なども収蔵して公開すれば、猪木さんの多岐にわたる功績もきちんと後世に伝えることができますね。
棚橋選手 いいですね!僕が新日本の社長になったら「イノキアリーナ」を作ります。
木村さん それは公約ですね。その言葉、忘れませんよ(笑)。
(中略)
棚橋選手 僕が新日本のエースだった時に、団体がV字回復と言われて、みんなに「ありがとう」と言われましたけど、実は僕のレスラー人生は一度、そこで終結していたんです。「もうやり切ったな」という想いがありました。でもコロナ禍があって、せっかくみんなで盛り上げてきたプロレス人気が下がってしまったので、幸いまだ身体を動くので、もう一回コロナ前以上にみんながプロレスを楽しめる状況を作って役目を終えたいというのが今、僕にとって一番のモチベーションです。
──プロレス界で成し遂げたいことは?
棚橋選手 先ほどちょっと触れましたけど常設会場を作ることですね。そういう突飛なことをやって、最後に僕なりに猪木イズムと決着をつけて終わりたい。僕は猪木さんから一字もらっています。名付けというのは一種の呪いですから。(棚橋弘至選手の至という字はアントニオ猪木さんの本名である猪木寛至が由来だと言われている)
偽らざる心境なのだろう。「暗黒時代」とも言われた2000年代。ストーリーがファンにハマらず、選手離脱や総合格闘技ブームが重なる。観客動員数が落ち込んだが、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカを中心とした抗争と新規ファン開拓で立て直した。特に中心にいた棚橋はV字回復の担い手とされたが、このほど「僕のレスラー人生は一度、そこで終結していた」と明かした。
[「21年東京ドームで引退プラン」を17年に決意していた棚橋。18年5月福岡大会のファンの声で撤回していた! ]
「21年東京ドームで引退プラン」を17年に決意していた棚橋。18年5月福岡大会のファンの声で撤回していた!
☆大会翌日発売の東スポに秘話。1・4ドーム総括をアップ!
⇒https://t.co/us67kLCxa2 #njwk13 #njpw pic.twitter.com/5z9SEOQaAI— KAKUTOLOG📶プロレス/ボクシング/MMA/格闘技カクトウログ (@kakutolog) January 7, 2019
[プロレス会場から声援が消えてずいぶん経ちました。皆さんから本当にたくさんのエネルギーをもらっていたんですね。もう一度、聞きたい「タナハシ」コール。だから、その日まで、できることは全部やります。]
終結させていたものを再始動させなければいけないということ。「コロナ禍があって、せっかくみんなで盛り上げてきたプロレス人気が下がってしまったので、幸いまだ身体を動くので、もう一回コロナ前以上にみんながプロレスを楽しめる状況を作って役目を終えたい」それが棚橋の思いとなる。
V字回復請負人がコロナ禍で“再登板”。棚橋弘至いざ、ACE IS BACK!!