3・31両国予定の新日が会場と協議へ 問われる自粛要請後初1万人興行
そんな中、プロレス界はあくまで独自路線を貫く構えだ。20日に東京・後楽園ホール大会を開催するDDTの高木三四郎社長(50)は、専門家会議の新見解に「具体的な数字が出ていないので何をもって大規模イベントになるのか判断が難しいところですね。ただ我々は注意事項に示されたものは守って興行をやる予定です。これ以上中止にすることも難しいですし。もし国から大規模イベントに関する(中止)要請があれば考えます」と語った。
21日にはノアが群馬・YAMADAグリーンドーム前橋で、23日には全日本プロレスが後楽園でそれぞれ興行を再開予定。24日には、プロレス界でいち早く興行を中止にした女子プロレス「スターダム」も後楽園大会を開催する方向だ。また31日には業界の盟主・新日本プロレスが東京・両国国技館大会を予定している。同団体関係者によると、20日以降に社内、会場と協議する方針だという。
ある団体幹部は「今回の新見解も具体性に欠ける。例えばどこの地域だとか、会場の人数というものが明確に示されていない」と困惑し、別の関係者は「どこの団体も感染者が出たら怖い部分はある。だけど、中止にしたらまわらない団体が大半。イベントを継続しているのはプロレスだけだけど、このまま興行を続けるだろう」と内情を打ち明けた。
大規模イベントは集団感染のリスクが高いほか、遠方から参加する人もおり、感染者が各地に広がって新たなクラスター(感染者の集団)を生む恐れもある。慎重な姿勢のプロスポーツ界と強行路線のプロレス界の決断は果たして――。
3/1~3/21という期間の自粛から待望されている新日本プロレスの闘い。この期間、無観客大会さえも行われていない。さりとて両国大会は満員ならば、自粛要請後初の1万人規模のプロレス興行となる。東スポが記載しているように、集団感染のリスクは指摘されるだろう。
「注意事項を守りつつ、慎重に開催を判断」したプロレス界、東スポ報道とは入れ違うかのように、20日夕方の報道では「大規模イベントは引き続き慎重対応を」とのニュアンスがかぶせられた。
・ “大規模イベントは引き続き慎重対応を”首相 政府対策本部で NHKニュース
新型コロナウイルスをめぐる政府の専門家会議が、19日夜に対策の徹底を求める提言をまとめたことを受け、20日夕方、総理大臣官邸で、対策本部が開かれました。
この中で、安倍総理大臣は専門家会議の見解を紹介し、大規模イベントの自粛や学校の休校など、国民の適切な行動で新規の感染者数に若干の減少が見られた一方、これまでの努力を続けなければ、「オーバーシュート」と呼ばれる爆発的な感染拡大が起こりかねないと指摘しました。
そして国民に対し、換気が悪く、多くの人が密集し、近距離での会話などが行われる3条件が重なる場所を避けるよう呼びかけました。
また、安倍総理大臣は、大規模イベントの自粛要請について「専門家会議から『主催者がリスクを判断して慎重な対応が求められる』という見解が示されたことから、今後は主催者がこれを踏まえて判断を行う場合には、感染対策の在り方の例も参考にしてもらいたい」と述べ、引き続き主催者側に慎重な対応を求める考えを示しました。
注意事項を守れば開催できるという考え方もある一方で、「大規模イベントは引き続き」「これまでの努力を続けなければ」との指摘をそのまま受け止めれば開催は見送らざるを得ない。おりしも大相撲が無観客のまま22日に大阪府立体育会館で千秋楽を迎える。
国技館で体温を測ろうとするなら、1万人規模の検温は前代未聞ともなる。チケット発売済みだったことから着席を間引くことはできないし、特に1桝4人掛けは密集が避けられない。
新日本プロレスは20日以降に社内、会場と協議する方針とされるが、“有観客”実施判断は難しいのではなかろうか。ボクもチケットを買って楽しみにしている一人なのだが、新日本および関係者の決断タイミングが迫ってきた。