中邑真輔「自分で見つけろ…それが優しさ」 佐々木憂流迦を千尋の谷へ
1日、ノアが『NOAH “THE NEW YEAR” 2025』日本武道館大会を開催した。
(ダブルメイン2のレポートはこちら:OZAWAショックが現実に 悪ふざけと身体能力のギャップという強烈初夢)
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憂流迦「プロレスの強さ、凄さ、身にしみて…もう死に物狂いで行きますよ」
<第9試合 ダブルメインイベント①・スペシャルシングルマッチ NEW YEAR FIRST DREAM>
○中邑真輔(WWE)
14分57秒 キンシャサ → 体固め
●佐々木憂流迦
【🔴LIVE】#あけまして日本武道館
ABEMA PPVで完全生中継!🎍Wメインイベント①・NEW YEAR FIRST DREAM#中邑真輔 vs #佐々木憂流迦
白装束の中邑が
赤髪の憂流迦の腹部へ強烈な膝!
"夢の一騎打ち"は一体どうなる?!#noah_ghc #WWE— ABEMAプロレス (@Abema_wrestling) January 1, 2025
憂流迦が総合格闘技での引き出し全開を予告していたが、全開を黒い毒霧で中邑が遮断する。バックステージでの「まあ、十分恥かいたでしょう。木っ端みじんに砕け散った自分自身をどうやってかき集めて、なりたい自分に形作るか。まあ、憂流迦本人なんで知ったこっちゃないです」という言葉通り、中邑の子落としにより憂流迦は千尋の谷へと一直線だ。
醸し出された決戦ムードと、突きつけられた現実。最高潮なれど、明暗が分かれていく。向き合った両者から再認識させられたが、188センチの中邑、177センチの憂流迦の差は大きかった。体格だけの差ではなく、それを埋めるはずだった「憂流迦の総合経験」の歯が立たない。もちろん中邑も総合の経験があり、かつプロレスでのリングのあらゆる面を使った組み立てによって試合を支配していった。救いを求めるかのように一部の記者から憂流迦へのアドバイスが中邑に問われたが、中邑は「自分で見つけろ…それが優しさ」と一蹴だ。
憂流迦は「プロレスの強さ、凄さ、身にしみて…もう死に物狂いで行きますよ」とした。ここまで順風に近いプロレス街道だったが、とんでもない“外圧”が発生する。特に会見での“直接対決”以降に滾ったプロセスを自身のプロレスラー像に昇華できるのか。このように“突き破る”前からのプロレスラーの葛藤と立ち会える…プロレスというのは恐ろしいジャンルである。
【試合展開】
体格差・経験差をもって中邑が憂流迦に圧勝した。総合格闘技ベースの憂流迦の攻めも、総合の心得がある中邑には断片的にとどまる。憂流迦がミドルキックを繰り出しても、中邑は受け流しからの倍返しだ。逆転を狙う憂流迦だが、リングを縦横無尽に使う中邑はペースを渡さない。ついに憂流迦が、ダイヤモンドカッター、ジャーマン、シャインニングトライアングルで攻勢。中邑の蹴りに阻まれるが、憂流迦はスリーパー合戦を制して“ランドスライド潰し”からの三角絞めへ。「寝技王子」ぶり全開かと思いきや、中邑は技をかけられたままレフェリーを突き飛ばして黒い毒霧。悶絶する憂流迦は中邑からスタイルズクラッシュ、後ろから前からキンシャサを食らう。14分57秒、US王者・中邑が貫録を見せた。
(バックステージ=中邑分は公式)
中邑「何にもねえよ。何もございません。よろしいですか?」
――憂流迦と戦っての印象は?
中邑「まあ、十分恥かいたでしょう。木っ端みじんに砕け散った自分自身をどうやってかき集めて、なりたい自分に形作るか。まあ、憂流迦本人なんで知ったこっちゃないです」
――会見時は気持ちが見えたと言っていたが?
中邑「いや、皮肉じゃないですか。とらわれすぎ。とらわれすぎですよ。こうじゃなきゃ、ああじゃなきゃ、こうやったほうがいいとか。素の自分で来いって言っただろ? 裸で来いってことですよ。外側だけガチガチに固めて。見透かされてんだって。外側が見たいわけじゃないんだって。特に俺は。まあ、まあ、まあ、かわいい後輩…なんて言うわけもねえし、あとはあいつ次第。そういうことです」
――2年前の武道館でムタの毒霧を浴びた中邑選手が、その試合を見た憂流迦選手に毒霧を浴びせるドラマがあったが?
中邑「そう。そんなおいしい物語があるにもかかわらず、見てくればっかり。持ってんだろうよ。UFCの経験、死ぬ思いして減量の苦しみから、それこそ地獄の淵から帰ってきて、それでお前は戦い続ける。お前、そういうとこあるんじゃなかったっけ? なんだよ? 今の。中邑、なんやかんや言って優しい後輩にアドバイス送るんじゃねえのって? 甘いわ。甘い。自分で見つけろ。それが優しさです」
――憂流迦の感情は見えた?
中邑「ないですね。一瞬見えるか見えないかぐらいですかね。まあ、さっきも言ったように、あいつのためになることは一言も発するつもりはございません。粉々の恥ずかしい自分のかけらをかき集めて、作ってみろよっつうんですよ。だからプロレス界入ってきたんでしょうよ」
――あえて一つだけアドバイスするとすれば?
中邑「だからやんねえっつってんだろ。まあ、憂流迦だけじゃねえ。プロレスラーだけでもねえ。プロレスっていう不思議な世界はいろんなところに自由が詰まってるんですよ。自分のなりたい自分にもなれる。だけど今すぐじゃない。そこに必要なものがたくさんある。まあね、一筋縄ではいかないでしょうけど。時間もかかる。だけど憂流迦35なんで時間が進む。ダメなものはダメ。そういうことでしょうよ」
――相手は誰でもいいと言っていたが、元日の武道館のリングはどうだった?
中邑「誰でもいい。言いましたけど、誰一人、声上げてないでしょうよ。『憂流迦ばっかリズルくねえ?』ってヤツ一人もいないでしょう。そういうとこだよ。憂流迦も俺と決まって周りに気を使ってる場合じゃねえよ。元日・日本武道館で試合をするということは、中邑真輔、日本男児として誉れ高いことであります。本日は山口の太鼓奏者の方、最高の演出をお手伝いいただき、本当に感謝しております。日本で試合をすること、日本武道館で試合をすること、それも元日に。今アメリカで孤軍奮闘、どうにかこうにかもがき苦しみ、生きながらえてる自分にとっては、このうえない誉れ、救いでございます。以上です」
憂流迦「プロレスの、いや、SHINSUKE NAKAMURAの強さ、全身で感じました。悔しいですね。でもこの歳になってね、この感覚がもらえるのありがたいことですよ。プロレスの強さ、凄さ、身にしみて感じました。まだまだですね。もう死に物狂いで行きますよ。何も信じてもらえないかもしれないですけど、俺はSHINSUKE追い越しますよ、追いつきますよ、追い越しますよ、越しますよ。今日本当に決心しました」
(大会結果)ノア ABEMA presents NOAH “THE NEW YEAR” 2025 1月1日(水祝)日本武道館
■ノア ABEMA presents NOAH “THE NEW YEAR” 2025
日時:1月1日(水祝)16:00
会場:東京・日本武道館 観衆5088人(主催者発表)
<ダークマッチ・NOAH THE RUMBLE>※15:15〜試合開始
※2名の選手の対戦から開始、60秒ごとに選手が入場し対戦に加わっていく全13選手によるランブル戦となります。
※勝敗は、フォール、ギブアップの他にトップロープ越しに場外に落ちると失格となる「オーバー・ザ・トップロープ」形式を採用いたします。
※優勝者にはどのGHCタイトルにも挑戦できる権利が与えられます。
◾️出場選手
・大和田侑
・晴斗希
・谷口周平
・タダスケ
・菊池悠斗
ほか全13選手が出場いたします。
※23分54秒 オーバーザトップロープ⇒タダスケが優勝
<第1試合・GHCジュニアヘビー級タッグ選手権試合/3WAYマッチ>
(王者組)○HAYATA YO-HEY(RATEL’S)
VS
(挑戦者組)AMAKUSA 宮脇純太
VS
(挑戦者組)●アレハンドロ カイ・フジムラ(ALL REBELLION)
※8分20秒 403インパクト → 体固め
※第61代王者組が5度目の防衛に成功。
<第2試合・8人タッグマッチ NEW YEAR LIMIT BREAK>
○潮崎豪 モハメド ヨネ 小峠篤司 大原はじめ(TEAM NOAH)
8分25秒 豪腕ラリアット → 体固め
藤田和之 石川修司 遠藤哲哉 ●ブラックめんそーれ
<第3試合・シングルマッチ Defeat the Beast>※
△藤田和之
1分00秒 時間切れ引き分け
△小田嶋大樹
<第4試合・シングルマッチ Brother vs Brother>
●イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.
9分52秒 ガレノスペシャル → エビ固め
○ガレノ・デル・マル
<第5試合・NOAH 25th ANNIVERSARY SPECIAL>
●拳王(ALL REBELLION)
15分24秒 go 2 sleep → エビ固め
○KENTA(新日本プロレス)
<第6試合・GHCジュニアヘビー級選手権試合>
(王者)●ダガ(TEAM 2000 X)
1-2でEitaが勝利
(挑戦者)○Eita
1本目:〇ダガ(1分52秒 ディアブロウイングス → エビ固め)Eita×
2本目:〇Eita(3分37秒 ジャックナイフ式エビ固め)ダガ×
3本目:〇Eita(7分07秒 サラマンダー)ダガ×
※1-2でEitaが勝利し、第57代王者となる。
<第7試合・GHCナショナル選手権試合>
(王者)○征矢学
12分51秒 情熱DDT → 片エビ固め
(挑戦者)●マサ北宮
※第13代王者が4度目の防衛に成功。
<第8試合・GHCタッグ選手権試合>
(王者組)●丸藤正道 杉浦貴
10分48秒 ダブルチョークスラム → 体固め
(挑戦者組)ジャック・モリス ○オモス(WWE)(TEAM 2000 X)
※第67代王者組が5度目の防衛に失敗。ジャック・モリス、オモス組が第68代王者組となる。
<第9試合 ダブルメインイベント①・スペシャルシングルマッチ NEW YEAR FIRST DREAM>
○中邑真輔(WWE)
14分57秒 キンシャサ → 体固め
●佐々木憂流迦
<第10試合 ダブルメインイベント②・GHCヘビー級選手権試合>
(王者)●清宮海斗(ALL REBELLION)
29分34秒 Real Rebel → 片エビ固め
(挑戦者)○OZAWA(TEAM 2000 X)
※第45代王者が8度目の防衛に失敗。OZAWAが第46代王者となる。