岩谷「中野たむは強くなったよ」両者王座戦2夜明け、独立後3度目ドロー
15日、スターダムが『5★STAR GP 2023』後楽園ホール大会を開催した。コメント公式サイト公開分については言い回しを合わせてあります。
渡辺桃に敗れるも魔性のエンジェル 安納サオリ「心折れてるわけないやろ」
<第4試合/BLUE STARS公式戦>
●安納サオリ(COSMIC ANGELS)
9分20秒 ピーチサンライズ
〇渡辺桃(大江戸隊)
桃が入場時の安納をいきなり襲撃。観客席の椅子にホイップしていく。
まるで好敵手を得たとばかりに蹴り込む桃。威力に観客も息を飲む。
通常なら「華やかさ」の印象が強い技も、この日は「殺しにいく」意気込みでドラゴンスクリュー、ブリッジをして固める変形4の字が決まる。
バットを奪った場面でエンジェルに魔性が宿る。バットを振り下ろすことはなかったが、張り手一閃。
撮れている写真内で表現しきれないのだが、モーションを読ませぬ緩急とフェイントを織り交ぜる。安納が明らかな喧嘩モードだ。
その安納をねじ伏せる圧巻のテキーラ→ピーチ→ピーチのサンライズ3連投。アルコール度数の高い酒をおかわりさせる威力で安納をフラフラにし、桃が仕留めた。
(リング上)桃「渡辺桃、3連勝、そして安納サオリ。3連敗。ハハハ。おい、笑ってやれよ、オマエら。なあ、3連敗して引き分けも2回やっちゃってるよね。もうオマエの優勝の可能性、ねえんじゃねえの? ハハハハ。もう5★STARで頑張る必要ないから、よかったな。私が楽にしてやったんだよ。このブラピさまが優勝するんだよ!」
(バックステージ)安納サオリ「今日でもう私の可能性はないですか?ゼロではない?ゼロじゃないなら。私誰やと思ってます?絶対不屈彼女ですよ!3連敗2引き分け勝ち点1点。心折れてるわけないやろ!この後楽園ホールに来るたびに私は思い出す。あの日どんな、思いを持ってこのスターダムのリングに上がったか!さらに輝くため、この時に自分の名前を刻むため。よしッ」
桃に逆転を許しはしたが、オラオラ安納にゾクリとさせられた。ユニット名の「COSMIC ANGELS」とは印象がまったく異なる闘い模様。星勘定は厳しくなったが「ゼロじゃないなら。私誰やと思ってます?絶対不屈彼女ですよ!」との声に大いに共感したくなる試合だった。
全9試合中、現在1勝3敗2分け、残り3試合。初出場・安納の絶対不屈ロードはまだ終わらない。
白川「目に狂いはなかった、悔しいよでも」マライアに敗れるも絆確認
<第5試合/BLUE STARS公式戦>
●白川未奈(Club Venus)
11分47秒 ツームストンパイルドライバー→エビ固め
〇マライア・メイ(Club Venus)
マライア流雪崩式フランケンを、知り尽くした側の白川がレッグブリーカーに切り返す。
さらに4の字に足を固定してのドラゴンスクリュー。技の持っていきかたを読ませない白川。
フィニッシュにもなり得る足4の字でマライアは悲鳴を上げる。
ところがエプロン攻防からの流れで放たれたマライアの場外パワーボムで白川が失速。カウント19ギリギリ生還。
ダイヤモンドカッターのような要領で白川にダメージを与えてからのツームストン。マライア勝利。
リスペクトする白川を破って歓喜のマライア。直後に白川に感謝した。
白川「やられたよ。やっぱ最高にイカしたパートナーだったってことだね。未奈の目に狂いはなかったってことだね、マライアを連れてきた。悔しいよでも。なんか未奈に勝つのが、未奈にシングルで勝つのが夢になったんだってさ。夢は簡単には叶えられないというのを教えようと思ったんだけど叶っちゃったね。またシングルときが来ると思います。そのときは必ずリベンジします。ダメだね、悔し涙しか最近流してない」
マライア「未奈!私はプロレスで強くなるために日本にやってきた。未奈と出会ってスターダムに入った。クラブビーナスの最大の部分は未奈なの。強さもリーダーシップもあって。未奈が今の私を作ってくれた。5★STARも重要だけど、未奈に勝つ事は彼女にどれだけ私が成長出来たか示すもの。I LOVE YOU」
マライアは控室に戻りかけていた白川を呼び込む
ファミリーとしての絆を確認。クラブヴィーナス、ヒィアー!!
メンバーの強さを味わうことの嬉しさと苦しさ。同門対決はマライアが制し、白川に両方を感じさせた。「目に狂いはなかった、悔しいよでも」は偽らざる気持ちだろう。それでいて同門であっても容赦しない白川の着実な試合運び。
少しはパフォーマンス寄りのやりとりもあってもよかったわけだが、2人はすべてをぶつけあった。これもまたクラブヴィーナスそのものなのだ。
系譜巡る物語の続きに8・15後楽園は超満員。中野「岩谷麻優にどうしても勝てない!」
<第7試合/RED STARS公式戦>
△中野たむ(COSMIC ANGELS)
15分00秒 時間切れ引き分け
△岩谷麻優(STARS)
岩谷は相手と“目線を合わせない”あるいは“目線を合わせる”ことで自らの心情を表現できる。この日はガン見といったところだろうか。左は不敵な笑みにも感じる。
序盤の腕の取り合いも、やりとりの引き出しを持っている両者から緊張感がダダ漏れ。
中野が得意の“ブリッジでかわす”ムーヴ。ここからいつもなら“相手をひっくり返す”のだが、これを踏ん張る岩谷の意地。
ならばこれを食らえ!! 中野が特大の宇宙旅行ダイブ。
これは8・10岡山大会でのなつぽい戦でも見せた岩谷の「ドラゴンスリーパー→スープレックス」。中野の顔に「えっ、どこから腕が伸びてくるの!?」という恐怖感。
中野と岩谷。系譜を意識させるスープレックス合戦。
合わせ鏡のようなキック攻防。
中野がトワイライトドリームを決めたところでタイムアップとなった。
何か声をかけようとしたのだろうか。写真を後で確認すると、グータッチならぬベルトタッチをしていたようだ。
中野「岩谷麻優にどうしても勝てない!岩谷、この決着絶対つけなきゃならないでしょ!そうだよね?それまでそのベルト絶対守ってろよ!」
岩谷「今日は試合前からタイトルマッチのような気分で。中野たむに負けたらこのベルト落としてしまうんじゃないかっていうくらい、試合前怖かった。中野たむは強くなったよ。(両者とも2日前にそれぞれ王座戦を闘った過酷な状況であることも説明し)今の中野たむとならこのベルトをかけて闘ったり、赤いベルトに挑戦したり、いろんな可能性が広がった。そんな試合でした。負けてられないとか、壁にならなきゃとか、そういうのじゃない。15分、いっぱいいっぱいだった。この続きやろうね。待ってるとは言わないけどそっちにいくかもしれないよ」
岩谷が率いるSTARSから枝分かれすることで、中野がリーダーのCOSMIC ANGELSは生まれている。2020年12月の独立後、実に3度に渡って時間切れ引き分け。
2021年1月24日 エディオンアリーナ大阪第2(15分1本勝負)
2021年10月9日 大阪城ホール(30分1本勝負)※ワンダー戦
2023年8月15日 後楽園ホール(15分1本勝負)
中野目線・コズエン目線で見ているファンからすれば、引き分けた瞬間に中野と同じ「どうしても勝てない」との思いを強くしたことだろう。「私のプロレスは今でも岩谷麻優」「岩谷麻優がいなかったら、私は絶対、プロレスやめてた」と独立後もメディアで吐露している中野にとって、真の独立は岩谷へのシングル勝利をもって果たされるという意識もあるのではないか。この12月に独立3周年を迎えるにあたり、早くたぐり寄せたいのが本音だ。
それでいて2人の闘いはやはりプレミア。気迫、攻防、試合後アクション、コメントすべてが系譜を意識させるものだった。両者が2日夜前にそれぞれのベルトを防衛したばかりという状況も重い。赤ベルト王者にむけて「中野たむは強くなったよ」と言い放つ岩谷には上から目線を感じるかもしれないが、コメント前後を読んでいただければわかるように、心から認めているがゆえの言い回しでもある。
そして心から知っている間柄だからこそ、お互いに「怖い」とも発せられる関係でもある。次に両者のシングルが実現するときには、より一層の覚悟で見る側も向き合うことになるに違いない。
(大会結果)スターダム STAR☆VERSE Presents 5★STAR GP 2023 in KORAKUEN Supported by SoftBank 8月15日(火)後楽園ホール
観衆1519人(超満員)。#stardom 後楽園 pic.twitter.com/dyEJplBeub
— KAKUTOLOG📶プロレス/ボクシング/MMA/格闘技カクトウログ (@kakutolog) August 15, 2023
■スターダム STAR☆VERSE Presents 5★STAR GP 2023 in KORAKUEN Supported by SoftBank
日時:8月15日(火)
会場:東京・後楽園ホール 観衆1519人(超満員/主催者発表)
<第1試合>
コグマ&羽南&〇飯田沙耶(STARS)
7分23秒 達者でな→片エビ固め
レディ・C&天咲光由&●妃南(Queen’s Quest)
1 #stardom 後楽園
コグマ&羽南&〇飯田沙耶(STARS)
vs. レディ・C&天咲光由&●妃南(Queen's Quest)両チームとも連係が駆使されたが、飯田のラッシュがとだえることなく7:23勝利。
すごい入り、ほぼ満員。 pic.twitter.com/UX4UcEb4SD
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<第2試合>
〇MIRAI&鹿島沙希(God’s Eye)
4分51秒 サソリ固め
なつぽい(COSMIC ANGELS)&●水森由菜(ー)
2 #stardom 後楽園
〇MIRAI&鹿島沙希(God’s Eye)
vs. なつぽい(COSMIC ANGELS)&●水森由菜(ー)なつぽい、なんとベルトを手に持ったまま選手コール空中回転・・・すごい運動神経ではないか。5:51サソリ固め。なつぽいはMIRAIのベルトを指した。 pic.twitter.com/shuTLRLYxu
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<第3試合>
高橋奈七永(7Upp)&鈴季すず&星来芽依&〇メーガン・ベーン(ー)
9分36秒 F5→片エビ固め
刀羅ナツコ&スターライト・キッド&●琉悪夏&フキゲンです★(大江戸隊)
3 #stardom 後楽園
高橋奈七永(7Upp)&鈴季すず&星来芽依&〇メーガン・ベーン(ー)
vs. 刀羅ナツコ&スターライト・キッド&●琉悪夏&フキゲンです★(大江戸隊)星来がレフェリー踏み台ドロップキック。メーガンが大人気、パワー発揮で9:36勝利。奈七永とキッドが番外編を繰り広げた。 pic.twitter.com/xfBGOpm6PG
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<第4試合/BLUE STARS公式戦>
●安納サオリ(COSMIC ANGELS)
9分20秒 ピーチサンライズ
〇渡辺桃(大江戸隊)
4 #stardom 後楽園 BLUE STARS公式
●安納サオリ(COSMIC ANGELS)vs. 〇渡辺桃(大江戸隊)
桃が安納の入場時を襲撃してバットでも追撃。安納もフェイントキックで喧嘩モード。ノンストップでバチバチのとてつもない試合に。最後は3連投で9:22桃勝利。桃「ブラピ様が優勝するんだよ」 pic.twitter.com/2bPH8SbW77
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<第5試合/BLUE STARS公式戦>
●白川未奈(Club Venus)
11分47秒 ツームストンパイルドライバー→エビ固め
〇マライア・メイ(Club Venus)
5 #stardom 後楽園 BLUE STARS公式
●白川未奈(Club Venus)vs. 〇マライア・メイ(Club Venus)
白川は非情な足攻めバリエーション。マライアは反撃、場外でパワーボム。リング内でバックドロップ合戦、11:47マライアが白川を突き刺して勝利となった。バックステージで絆を確認。 pic.twitter.com/rthMWkyODD
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<第6試合/RED STARS公式戦>
〇朱里(God’s Eye)
11分39秒 白虎
●葉月(STARS)
6 #stardom 後楽園 RED STARS公式
〇朱里(God’s Eye)vs. ●葉月(STARS)
葉月が追い込みを見せるも、経験による引き出しを見せた朱里が11:39勝利。 pic.twitter.com/lvNcpm13q5
— KAKUTOLOG📶プロレス/ボクシング/MMA/格闘技カクトウログ (@kakutolog) August 15, 2023
<第7試合/RED STARS公式戦>
△中野たむ(COSMIC ANGELS)
15分00秒 時間切れ引き分け
△岩谷麻優(STARS)
7 #stardom 後楽園 RED STARS公式
△中野たむ(COSMIC ANGELS)vs. △岩谷麻優(STARS)
知り尽くした者同士、先の読み合いに。中野がジャーマン4連発、スピンキック、タイガー。岩谷もジャーマンや場外弾でやり返す。中野がトワイライトドリームで投げたところで15:00フルタイム。 pic.twitter.com/WBrswMWkYn
— KAKUTOLOG📶プロレス/ボクシング/MMA/格闘技カクトウログ (@kakutolog) August 15, 2023
<第8試合/BLUE STARS公式戦>
●林下詩美(Queen’s Quest)
10分10秒 あずみ寿司
〇AZM(Queen’s Quest)
8 #stardom 後楽園 BLUE STARS公式
●林下詩美(Queen's Quest)vs. 〇AZM(Queen's Quest)
林下を突き刺しておいてからの10:12あずみ寿司。「もうすぐ10年になる。ちょうどいいですよね。最年少優勝して祝いたいと思います」。バックステージでは某選手の動画で名前を出されたことに言及。 pic.twitter.com/xMUTIdxQpV
— KAKUTOLOG📶プロレス/ボクシング/MMA/格闘技カクトウログ (@kakutolog) August 15, 2023