中野たむ&白川未奈の本音テイクオフ ドリームタッグフェスにDREAM☆H
10日、スターダムが『ドリーム・タッグ・フェスティバル 2023』横浜武道館大会を開催した。カクトウログでは、第1試合に出場した中野たむ&白川未奈を直撃した。
【第1試合まで 無料配信】9・10『ドリーム・タッグ・フェスティバル 2023』神奈川・横浜武道館 – YouTube
【スターダム】中野たむと白川未奈のDREAM☆H復活でまさかのコズエンダンス!クラブビーナスとの連合軍を提案も、コズエンに戻ると第4の女?!-9.10ドリームタッグフェス2023-【STARDOM】 – YouTube
全試合結果はこちらで。
【#stardom 横浜まとめ】祭典メイン締めはAZM&スターライト・キッド「今は“対角”だけど…」/ジュリア&鈴季すず抱擁もプロミネンス乱入/羽南とマライア・メイがコス入れ替えで観客悩殺/第1試合で中野たむ&白川未奈がタッグ王者組を破る
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「いくぞッテイクオフッ」袂を分かったはずなのにゴッデス王者組に勝利
コズエン結成(2020.11/14)の前月(10/11)、原型ともいうべきDREAM☆Hが発進した。
もうすぐ3年。今年に入り袂を分かった2人が一夜限りでタッグ。
ドリーム・タッグ・フェスティバル 2023
9月10日(日)17:00横浜武道館
中野たむ&白川未奈vs.なつぽい&安納サオリ#stardom #中野たむ #白川未奈 pic.twitter.com/9fnlv45Pjv— KAKUTOLOG📶プロレス/ボクシング/MMA/格闘技カクトウログ (@kakutolog) September 10, 2023
<第1試合/タッグマッチ>
〇中野たむ(COSMIC ANGELS)&白川未奈(Club Venus)
10分32秒 アンドロメダ→エビ固め
●なつぽい&安納サオリ(COSMIC ANGELS)
中野と白川、一夜限りのDREAM☆H復活。
息が合わずにぶつかりあい、言い合いに。さらにはmeltear(中野&なつぽい)連係が白川に決まってしまう。
中野と安納が“対角”で感慨深い対峙。技をぶつけ合った。
白川と中野が声を揃えて「いくぞッテイクオフッ」。宇宙旅行を決めた。
中野がなつぽいをアンドロメダで仕留める。
フィニッシュ直後に何かを語り合った2人。
リング上そしてバックステージ共同コメントは公式より。
たむ「未奈、今日は未奈が隣にいてくれたから、最強のタッグチャンピオンから勝つことができた。ありがとう。コズエンとクラブビーナス、連合軍組むのはどうかな? こっち見てよ…。ま、今日はさ、いろんな気持ちがあるとは思うけど、今日はドリームHが勝ったから一緒にコズエンダンス踊るのはどうかな?」
白川「おかしいだろ! 音楽がかかっちゃうと踊っちゃう性格なの! たむ、今日はドリームHが勝ったね。連係も覚えてたし、体も勝手に覚えてたよ。コズエンダンスも勝手に体が踊ってたよ。だけどさ、白川未奈はクラブビーナスのリーダーとして中野たむを倒すんだよ。アンタからこれ、剥がすんだよ。コズエンダンスも今夜一夜限り、たむ、ありがとね」
会見では“広島プロモーション中”の欠席・白川が画面越しにグータッチをするにとどまっていた。2人は晴れてリアルグータッチ。
バックステージコメント。
白川「コズエンダンスはおかしいでしょ」
中野「踊りたかったから…」
白川「連合軍とかなんとかかんとかたむは言うけどさ、たむは本当に私に戻ってきてほしいと思ってる?」
中野「…思ってるよ。でも、そうだね。まあ戻ってきたところで、4番目の女になっちゃうからね。戻ってこない方がいいんじゃない」
白川「違うな。戻ったらたむが2番目になっちゃうんじゃない。かわいそうだから戻らないであげるよ」
中野「優しいね」
白川「あの日のことを私、根に持つ女だからね。忘れてないから。私がいま狙ってるのは赤いベルトだから。あんたからはがさないといけないから、ちゃんと守って待ってて」
中野「待たないけど、守って守って未奈のずっと先に行っとくよ」
白川は舌をペロリから・・・。
白川「中野たむに地獄に落とされた切っても切れない縁かもしれないけど、今度は私がたむちゃん泣かしちゃおうかな。ありがとう」
白川が退席。
中野「ありがとう」
中野たむ「DREAM☆Hとして組んでいたときよりも息が合った」
DREAM☆Hとしてのコメントを申請していたが、複数メディア対応の都合もあって中野・白川それぞれに話を聞くことに。
まずは中野に聞く。
1.試合感想と連係の手ごたえは?
いやー、難しかったですね。仲間と闘って敵と組むみたいな、間違えちゃって途中、連係の相手を。(対戦相手の)なつぽいと連係を決めちゃったりとか、未奈とは久しぶりだったから息合わなかったりとか。
でも、未奈がすごい力をつけて強くなったことは感じた。本当にClub Venus(のリーダー)として独り立ちして、いろいろあったんだろうなと。いろいろ経験してツライ真っ只中なのかもしれないし、やっぱり白いベルトのチャンピオンにもなって、たむの元を離れて、その成長っていうのは隣に立って改めて感じましたね。
DREAM☆Hとして組んでいたときよりも息が合ったんじゃないかと、(試合序盤の失敗はあったが)最終的には。息も合ってたしタッグ技の威力も上がってたんじゃないかなぁと思うくらい、当時の連係よりも。
なんかやっぱり、DREAM☆Hを組んでたときにはしっくりきてなかったんですよね、自分的には。なんかこう、相性ってあるからすごく。これはどっちの問題とかじゃなくって、未奈とたむはあんまりそこまで合わないのかなって、レスラーのタイプ的に。
何が悪いとか、仲が悪いとかじゃないんですよ、ぜんぜん。それは未奈のことを考えてて、未奈にはもっとふさわしいタッグパートナーがいるだろうし、もっと輝き合える相手がいるのかもしれない。私と組んでいるとお互いを輝かせきれない感覚がしてた。
でも今日は違ったんですよね、バチバチっと来る、なんか『気持ちイイ』って…タッグの試合してると要所要所で『ああ気持ちよかった』『いまめっちゃタイミング合った』『めっちゃ息が合った』『考えてること同じだった』『キターッ』みたいなタイミングが(他の試合でも)ある・・・それを今日、感じたんですよ。
なんかそれはくぐり抜けた修羅場の数? 未奈の、それはすごかっただろうし、この1年間、半年間の。そういう面でお互いのプロレス力、プロレスのタイプ、離れていても通じ合えるものを見つけたのかなぁと。
(GODDESSES OF STARDOMタッグリーグ戦に2回出てますが、そのときよりも?)
ありました。
※秋開催の『GODDESSES OF STARDOMタッグリーグ戦』に、中野&白川のDREAM☆Hは2020年・2021年の2年連続出場。
2.COSMIC ANGELSで目指したこと、パートナー白川選手が果たした役割とは?
未奈とウナギ(ウナギ・サヤカ)がいたからコズエンがある、それは間違いないです。新しいものを打ち出したというより、自分が持っている感性を全面に打ち出した感覚もあります。うーん…ただただ唄って踊れる女の子たちの生き様を見せたかった。いわゆるアイドルと言われる人たち。本当はアイドルは唄って踊って生き様を見せる人たち。私たちは唄って踊って闘うことで生き様を見せる人たちなんですよね、コズエンは。
ただただそれを、未奈とウナギとやったっていう。うーん…新しかったですか?(とカクトウログに聞く)
(そうですね、当時のスターダムというところで強さとカワイイの両立を高らかに言っていいのかがちょっと曖昧なところがあった気がして)
あーあ、そうですね、確かにそうかも。なんか、やっぱりカワイイ(というアプローチ)っていうのはハンデでもあったわけですよね。カワイイってだけでなんか中途半端に見られちゃうというか、遊びでプロレスをやっているんだろみたいな。
(レスラー然と見られないような)
はい。“腰掛けプロレス”でしょ、みたいな。それはカワイイっていうのは武器じゃなかったわけですね、レスラーにとっては。ハンデで・・・コズエンもめっちゃ言われたし。『アイドル崩れがプロレスやってる』とか『芸能のためにやってる』とか。『チャラチャラして技もできてない』『弱い』『唄って踊るならアイドル戻れよ』すごいいろいろ言われたけど…それが、カワイイっていうことが武器になった初めてのユニットなのかな。どうなんでしょ?
3. DREAM☆Hの「H」は振り返ってなんだったと思いますか?
それは・・・みなさんの心の中にあると思いますッ。
(ありがとうございました、終了です)
ありがとうございました!!
※このとき“KAIRI選手がバックステージに来るかも”という可能性もあった(実際は登場後に解説席へ)ため、中野選手は少し巻いたのかもしれません。気遣いの人です。
DREAM☆HのHは、、、
答え合わせは、またいつか。 pic.twitter.com/NwnmpHeSyJ
— 中野たむ Tam Nakano (@tmtmtmx) September 10, 2023
DREAM☆Hの「H」は? 白川未奈「ハングリーかもしれない」
「(いま会場内に登場している)KAIRIさんの取材の方は大丈夫ですか?」と声をかけてくださる白川も気遣いの人。
カク「(インタビューは大会の)あとの方がいいですか?」白川「どっちでもいいです」カク「あ、こんなとっておきの場所が」白川「ハハッ」バックステージの隣りの通路(ちょうど座れる椅子もあり)に移動してそのままスタート。
1.試合感想と連係の手ごたえは?
いや…(DREAM☆Hとして)組んでた時より威力もタイミングもバッチリだった。
(まったく中野たむ選手も同じことを)
うそ~~~。気持ち悪いですね。
(どういう点が違ったんですか、前のときと)
前に組んでた時は私は本当に何もできなかった。それがいろいろ…チャンピオンになったり、リーダーになったりしたことによって、うーん、責任感と・・・あとはたむの元を離れたからにはやらなきゃいけないという決意が技の重みになった気がする。要は、中野たむの技との重みの差(を埋めていった分)が技に出たのかもしれないですね。
(自身が追いついた感もありますか)
そうですね、たむの後ろでバタバタやってたのが、たむとメインで(2023年5月28日・大田区、ワールドとワンダーの)2冠戦をやるところまでいったので、あとは中野たむを倒すしかないんですよ。この先にあるものは。
2.COSMIC ANGELSで目指したこと、パートナー中野選手が果たした役割とは?
リングと外でのギャップの振れ幅がホントにすごいじゃないですか、コズエンっていうのは。それにみんな違うことを経験してきているので、人生の経験っていうのがとっても、発するマイクだったり試合の組み立てとかに出てきてるなと。
(ユニットが分かれつつも“続き”という認識はあるんですか)
コズエンの続きという認識はないですね。コズエンにないものとして海外のメンバーも連れてきたし、コズエンが人気ユニットで日本一(週刊プロレス誌のプロレスグランプリ)になったじゃないですか。Club Venusは本気で世界一を目指したいので。
(スターダム版のUNITED EMPIREという例えもありましたが)
ありましたね。Club Venusで旅にでも出れたらいいんですけどね。他のユニットとは違うものが欲しいんですよ。違うことがやりたいので。UWFルールはGod’s Eyeという格闘集団がやっているとしたら、そういう色合いがない私がやることも冒険で。
UWFルールは、朱里のフィールド。
強くなりたくて打撃の練習はコツコツやってきたけど、朱里との格闘技の経験値の差なんて、自分が一番よーーーーーーーくわかってる。
だけど難しい事に挑むから、意味があるのさ!
いつもと違う一面を、
みんなに見てもらうチャンスでしょ?… pic.twitter.com/rv1IWe7y3a— 白川未奈 Mina Shirakawa (@MinaShirakawa) September 9, 2023
世界に行きたいという方向性をどうやって実現するかは悩んでいます。いろんなところに行きたい。いろんな国籍の人にジョインしてほしい。スターダムの“対世界”の動きについてはぜんぶ自分にまかせてほしい。海外向けのスターダムをプロデュースするってことを含めて、意欲的なレスラーたちが所属する“クラブ”がClub Venusだという思いがあるんです。
3. DREAM☆Hの「H」は振り返ってなんだったと思いますか?
(即答で)ああ!! ハングリー(HUNGRY)とハート(HEART)。なんか当時ハッピー(HAPPY)って言ってたんですけど違ったなと。DREAM☆Hのとき(結成時)もたむは白いベルトを獲ってない。そっからお互い、本当に、白いベルトの呪いじゃないけど、『ハッピーです』みたいなチームではなくなったんじゃないかと。ずっと共通して続いているのはハングリーかもしれない。
中野たむはハングリーですよ。あとは私たち、ハートが、心がのめりこんでこそと思っていて…似てるかもしれないですね、なんか。私なんかすごい、元気、明るいって言われるけど、根っこは中野たむと一緒ですね。けっこう考え込んだりしちゃう…あまり出さないだけで。一緒だから同じことで悩んだりとか、それが一緒にいて心地よかったのかもしれないですね。
共同コメントでは、白川が「ちゃんと(ベルトを)守って待ってて」とすれば、中野は「守って守って未奈のずっと先に行っとくよ」とした。お互いを挑発し、敵対ユニットでのリーダー同士としてのやりとりとなった。そのアウトラインが、インタビューになると一転する。聞いているこちらが圧倒された。
お互いが目の前で言わないところが意地であり、照れなのだろう。2人ともがユニットリーダーになってからの復活DREAM☆Hには、プロレスとしての手ごたえが本人たちからもあったのだ。ゴッデス王者組突破の裏付けまでも得た思いだった。
中野が自らの主張を押し出し、DREAM☆H、コズエンを結成したのが2020年の秋。人気先行とも言われたが、魅了するだけの生き様がなければここまでは成し遂げられないだろう。2021年、2022年と週刊プロレス誌のベストユニットを2年連続で獲得した。
【🏆#プロレス大賞 3アワード総括🏆】
コズエン2年連続ベストユニット、オカダここでも2冠 週プロプロレスGP#コズエン #中野たむ #stardom #オカダ・カズチカ #njpw
⇒https://t.co/ZARu04wB2H#東スポプロレス大賞 #npwa2021 に続いて #プロレスグランプリ2022 も出揃う pic.twitter.com/DqLDydfzrf
— KAKUTOLOG📶プロレス/ボクシング/MMA/格闘技カクトウログ (@kakutolog) January 24, 2023
一時は“中野の荷物”とも言われていた白川・ウナギが、現在はコズエンを離れている。白川がClub Venusを率い、ウナギはギャン期に突入して新会社をつくった。それほどまでに、ここまでにたどり着くプロセスが熱すぎた。白川の追い上げも劇的だったのは多くのファンが認める通り。
インタビューは試合後に端的に行うのがひとつの理想。あらかじめ絞りに絞って用意した3つの質問。なのにどういうことだ、中野と白川が考えに考えて答えてくれる。まるでもう1試合が目の前で始まったようでもあった。あの試合の後にこのインタビュー内容である。
ふり返ると、当サイトの「コズエン通信」はコズエン結成翌日の2020.11/15にスタートしている。宇宙一詳しく取り上げてきたし、タイミングが合えば「ヴィーナス通信」も回数を重ねたいところだ。一方で、カクトウログが取り上げなくても、2人を他メディアがどんどん追いかけるようになった。
ちょっと油断していたのか。取材を通じてのツープラトンを食らう。カクトウログ管理人はプロレスラーではないし、中野や白川と何かを競える立場ではまったくない。それでいてスターダムの選手と接していると「自分も負けずに生きていかなければ」という気持ちにさせられるものがある。いや「させられるものがある」というのも変かもしれない。
プロレスとは本来、そういうものである。引き続き、中野たむそして白川未奈に向き合っていきたい。