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マリーゴールド

大復活と大覚醒の交差点　マリーゴールド初リーグ戦いくつもの物語を紡ぐ

マリーゴールド

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　マリーゴールドの初リーグ戦『DREAM✴︎STAR GP2024』は9月28日、名古屋国際会議場にて閉幕した。シリーズを総括する。

目次
  1. 高橋奈七永パッション、青野未来反骨心、ボジラ大暴れ、Sareee説得力…ルーツ異なる選手の総当たりがハマる
  2. ともに誕生日が9月14日、ロッシー小川代表を慕う林下詩美と桜井麻衣が優勝決定戦
  3. （大会結果）マリーゴールド DREAM✴︎STAR GP2024 9月28日（土）名古屋国際会議場

高橋奈七永パッション、青野未来反骨心、ボジラ大暴れ、Sareee説得力…ルーツ異なる選手の総当たりがハマる

＜第7試合/STARリーグ公式戦＞
△青野未来＝7戦3勝1敗3引き分け・勝ち点9
（15分時間切れ引き分け）
△高橋奈七永＝4勝1敗2引き分け・勝ち点10

　両者がリミッターを外しての一戦に息を飲んだ。女子プロレス界のど真ん中を生きてきた高橋奈七永の闘いざまは、特にシングル戦において染みる。攻撃をするのも、相手の技を受けるのも全力。パッション劇場として観る者の胸を打つ。一方で、ど真ん中ではないかもしれないバックボーンを持つアクトレス勢の物語はマリーゴールドに欠かせない。青野未来が先頭に立ち、奈七永ともSareeeとも渡り合う。反骨心とは青野のためにある言葉なんじゃないだろうか。

＜第8試合/STARリーグ公式戦＞
〇ボジラ＝7戦5勝2敗・勝ち点10
（9分30秒、パワーボム→エビ固め）
●Sareee ＝7戦4勝1敗2引き分け・勝ち点10

　とんでもない選手をマリーゴールドは引っ張ってきたものだ。大怪獣ボジラはパワーや体格だけじゃない。試合のクリエイトにも意欲的で、奈七永戦では場外戦で椅子着席張り手タイマンを仕掛けていた。そんな難敵ボジラを陥落寸前にするSareeeの攻めの説得力よ。場外エプロンから、コーナーから、対角線疾走から…何度全体重を両足にかけたことだろうか。さらには闘魂が宿るグラウンドで料理せんとするのだ。Sareeeからは「私について来れるの!?」というプライドをビンビンに感じる。

　高橋奈七永パッション、青野未来反骨心、ボジラ大暴れ、Sareee説得力…ルーツ異なる選手の総当たりが面白くならないわけがない。「闘ったらどうなるんだ!?」という期待を煽り、「いやはやめっちゃ面白いやん」と満足を満たす。記者も知り合いを会場に誘ったりもしたが、奈七永やボジラにカルチャーショックを受けていた。複数大会を観戦したファンとも会話したが、このリーグ戦の好評価は一致していた。

　ジュリアが予定より早く渡米した感触があるが、ちょっとした神采配ではなかったか。シングルのリーグ戦となると、大会の試合数も増える。新団体にもかかわらず「第0試合」から始まる。それだけのクオリティを終始感じさせられる?　大丈夫?　そんな不安は皆無で毎大会がドッカンドッカンと盛り上がった。離脱はチャンスとプロレス団体では言われるが、個々人の選手たちが開花する絶好の火蓋が切られ、それを地で行くリーグ戦となる。

　“そういう感覚”で見ているファンも多いんじゃないかと思う。コロナ前にジュリアが参入してきた、木村花が迎え撃った、ブシロード体制になった…まわりを巻き込んで、あの頃のスターダムが上がっていった。ワッショイワッショイしながら一緒に大きくなっていく。日常のビッグマッチが後楽園ホールというのも懐かしかったりもする。マリーゴールドは“再旗揚げ”したかのようだった。

ともに誕生日が9月14日、ロッシー小川代表を慕う林下詩美と桜井麻衣が優勝決定戦

＜第9試合/DREAM✴︎STAR GP2024優勝決定戦＞
DREAMリーグ代表　〇林下詩美
（16分38秒、トーチャーラック・ボム→エビ固め）
STARリーグ代表 ●桜井麻衣

　桜井麻衣は試合翌日、こうツイートする。

「今思い出しましたが
林下詩美と
初めてシングルしたのが
私のチャレンジマッチ10番勝負の
初戦で、しかもあの時も9月で場所は
この名古屋国際会議場だった。
そしてアナタは赤いベルトを持っていた。
その場所で3年越しに
決勝で会うなんてあの時はまさか考えられなかった事。
林下詩美の大復活祈ってます。
私も負けずにまだまだ大覚醒します。
ありがとうございました。」

　ともに誕生日が9月14日、ロッシー小川代表を慕う林下詩美と桜井麻衣が優勝決定戦。これはひいきとかじゃなく、「やってみろ」に答え続けた結果としての通過点なのだ。

　場外戦を絡めながら、技の組み立てでもクライマックスをつくる。桜井の闘いざまはジュリアそのものでもあった。だけれども、それを模倣とは誰も言わないだろう。技に対する考え方には独自のものがしっかりとある。そんな桜井を受け止めて、いつの間にかひっくり返していく。スランプとされながらも林下は林下として桜井に呼応した。ワールド王座連続防衛の記憶を呼び起こす技の運び。

　栄冠を手にしようとする2人の顔には「絶対に生き続ける」「絶対に咲き続ける」と書いてあった。デビュー3年目で女子プロレス大賞を獲った林下は、以降は匹敵した活躍に戻れずスランプとも書かれる。芸能界を経ての30歳を前にしてデビューした桜井は、今でこそブレイクしたが、リーダー格の選手と対比され叩かれた期間もあった。

　林下が目指す、ここからの大復活。桜井が志向するここからの大覚醒。プロレスでいくつもの物語を紡いだマリーゴールド初のリーグ戦は、大復活と大覚醒の交差点で締められている。

（大会結果）マリーゴールド DREAM✴︎STAR GP2024 9月28日（土）名古屋国際会議場

■マリーゴールド DREAM✴︎STAR GP2024
日時：9月28日（土）13:00
会場：名古屋国際会議場　観衆685人（主催者発表）

＜第0試合　12：45PM開始/3WAYマッチ＞
〇マイラ・グレース（5分42秒、変形回転エビ固め）●石川奈青
※もう一人は南小桃

＜第1試合/DREAMリーグ公式戦＞
〇翔月なつみ＝7戦3勝3敗1引き分け・勝ち点7
（7分46秒、ダイビング・ダブルニードロップ→片エビ固め）
●後藤智香＝7戦1勝6敗・勝ち点2

＜第2試合/DREAMリーグ公式戦＞
〇ビクトリア弓月＝7戦2勝4敗1引き分け・勝ち点5
（5分56秒、ローリング・アロー）
●NØRI ＝7戦3勝2敗2引き分け・勝ち点8

＜第3試合/DREAMリーグ公式戦＞
△MIRAI＝7戦3勝2敗2引き分け・勝ち点8
（12分10秒、両者リングアウト）
△野崎渚＝7戦3勝2敗2引き分け・勝ち点8

＜第4試合/DREAMリーグ公式戦＞
〇林下詩美＝7戦5勝2敗・勝ち点10
（9分3秒、ジャーマン・スープレックス・ホールド）
●天麗皇希＝7戦4勝3敗勝ち点8

＜第5試合/STARリーグ公式戦＞
〇田中きずな＝7戦1勝6敗・勝ち点2
（7分13秒、Re：Dream）
●CHIAKI＝7戦1勝6敗・勝ち点2

＜第6試合/STARリーグ公式戦＞
〇桜井麻衣＝7戦5勝1敗1引き分け・勝ち点11
（6分22秒、STF）
●松井珠紗＝7戦1勝6敗・勝ち点2

＜第7試合/STARリーグ公式戦＞
△青野未来＝7戦3勝1敗3引き分け・勝ち点9
（15分時間切れ引き分け）
△高橋奈七永＝4勝1敗2引き分け・勝ち点10

＜第8試合/STARリーグ公式戦＞
〇ボジラ＝7戦5勝2敗・勝ち点10
（9分30秒、パワーボム→エビ固め）
●Sareee ＝7戦4勝1敗2引き分け・勝ち点10

＜第9試合/DREAM✴︎STAR GP2024優勝決定戦＞
DREAMリーグ代表　〇林下詩美
（16分38秒、トーチャーラック・ボム→エビ固め）
STARリーグ代表 ●桜井麻衣

（マイク）

林下「DREAM✴STAR GP2024優勝したぞーッ（ウタミコール）。ありがとう。決勝で当たった桜井。覚醒した姿を見させてもらって、桜井は今後のマリーゴールド、林下詩美にとってもすごく大事な、大きな存在になるって思えた。ありがとう。林下詩美、優勝して完全復活と言いたいところだけど、私には狙わなきゃいけないものがあるよね。Sareeeの持つベルトに私は挑戦します。Sareeeからベルトを獲って、そこで林下詩美の完全復活、叫ばせてください。皆さんに林下詩美の大復活を絶対お見せするので楽しみにしていてください。じゃあ今日は私が優勝したということで、この場にいる皆さんと一緒に締めたいのでご起立ください」シャインフォーエバー締め。

（バックステージ）

林下「嬉しく思ってる。これから先、私たちがマリーゴールドを盛り上げていきます。今日優勝して今年、自分がここで大復活したとはまだ思ってません。Sareeeの持つそのベルト、私が挑戦します。そのベルト獲ってそこで初めて林下詩美が大復活。必ずこの林下詩美がSareeeからベルト獲ってやるからな」

桜井「初のDREAM✴STAR GP。すいません、決勝負けてしまいました。すっごい悔しいんですけど、なんかでもすっきりして、なんか全力を出し切ったので、今の実力、まあでも実力以上のものが今回このリーグ戦で出せたと自分は思ってるので、悔いはないです。でも林下詩美、優勝したからには、絶対にSareeeに勝って赤いベルト獲ってこいよ。応援するから。そして私に挑戦させてください。ありがとうございました」

＜各賞発表＞
優勝決定戦終了後に、大会各賞の発表が行われた。
優勝 林下詩美
準優勝 桜井麻衣
DREAMリーグ・ベストマッチ MIRAIvs.天麗皇希
STARリーグ・ベストマッチ Sareeevs.高橋奈七永
敢闘賞 青野未来
技能賞 ビクトリア弓月
殊勲賞 ボジラ

T.SAKAI

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