観客席から聞こえた「ここ見てほしいな」／ドーム2連戦対戦カード更新

　23日、新日本プロレスがラスト後楽園ホール大会を開催した。イッテンヨンでIWGP世界ヘビー級戦を闘うザック・セイバーJr.と海野翔太がラスト前哨戦で交わった。

ザックと海野がラスト前哨戦。IWGP世界ヘビー級戦はブーイングと歓声の鬩ぎ合い

■新日本プロレス Road to TOKYO DOME
日時：12月23日（月）18:30
会場：東京・後楽園ホール 観衆1509人（札止め/主催者発表）

＜第7試合/スペシャルタッグマッチ＞
●大岩陵平
ザック・セイバーJr.
　26分31秒 デスライダー→片エビ固め
石井智宏
〇海野翔太

ザックと海野はフルネルソン合戦に始まり、シングルさながらのラリーとなる。

最も唸らせた組み合わせはザックと石井。間合いと気迫が織りなす攻防はぜひ動画で確認を。

両チームが交錯する中で、ザックが勢いに乗ったザックドライバーを成功させる。この試合の躍動が感じられたシーンのひとつ。

試合が終盤に差し掛かり、両チームが全力を出し切った。

“ホワイトクリスマス”状態の聖地。試合後にも海野はザックと視殺戦。

　コロナ禍でも新日本を支えたザックに「ファンが不安なときも新日本にいてくれて、強くいてくれてありがとう。心からリスペクトしてるし感謝しかない」とマイクだ。しかし「今すぐにでも結果を出してIWGP世界ヘビーのベルトを腰に巻きたい。2025年からは俺の番だ」とつづける。ザックは「ショータ君、がんばってね」と上から目線で返答して引き揚げた。海野はあらためて「最高に心からプロレスを楽しんでいただけましたでしょうか?」と観客に語りかけると、ラリーに大いに沸いた観客は拍手で呼応する。さらに海野は観客と「パラダイスシフト」合唱で締めた。
（ほか全試合ダイジェスト速報はこちら）

　記者は南側最後列で観戦していたが、その後ろ、立ち見の女性2人組なのではないかと思う（ふり返ってまでは確認していない）。試合序盤のこと。想像するに、1人に何か連絡が入ったかスマホをいじっていたかだったのだろう。リング上ではイッテンヨンのメインでぶつかるザックと海野が試合序盤で“開戦”。

　となったところでもう一人から「ここ見てほしいな」との声が聞こえた。ドームにつながっていく場面。発言主なりに観戦仲間に見逃してほしくなかった、あるいは共有したかったことになる。どこを切り取って観戦しても自由なわけではあるが、願いからの声がつい口に出たようだ。

　ザックと海野は両者ともドーム初メインを張る。新しい新日本の局面を感じずにはいられないし、まして海野には「（複数回発生してきた）ブーイングを跳ね返せるか」というテーマがのしかかる。このプロセスでファンとの間に絆を結んでいかなければならないわけだが、立ち見席の発言主には参加意識までも感じた。

　不安もあった。年によっては早々に完売するラスト後楽園。最終的に超満員にこそなったが、かなり日程が近づいても販売されていたのも事実だ。不安をかき消すようなメインのシーソーゲーム。この後楽園では海野へのブーイングはなかった。ブーイングと歓声の鬩ぎ合いとなるドームは、ファンもおおいに“当事者”となる。

　次につながっていくものを見届けていくのはプロレスの醍醐味なのだ。やはり会場にまで足を運ぶファンというのは楽しみ方を知っているなぁと思う。もちろん万事がうまくいくわけではないし、うまくいくことが保証されないこその面白さだ。メジャーであっても順風とは言えないプロレス界は、今日もまたファンとの共同作業で前に進んでいく。

（全対戦カード）新日本プロレス JR東海 推し旅Presents WRESTLE KINGDOM 19 in 東京ドーム 1月4日（土）東京ドーム

■新日本プロレス JR東海 推し旅Presents WRESTLE KINGDOM 19 in 東京ドーム
日時：1月4日（土）17:00
会場：東京・東京ドーム
［チケット情報(新日本プロレス公式)］

<第0試合/IWGP世界ヘビー級王座挑戦権争奪ニュージャパンランボー>
シングルマッチからスタートして1分毎に1選手が登場してくる時間差バトルロイヤル。
敗れた選手から退場していき、最後の1選手になった時点で決着とする。
なおトップロープを越えて場外に転落した選手も退場となる。
出場選手と順番はテーマ曲によって発表とする。
最後に残った選手がIWGP世界ヘビー級王座への挑戦権を獲得する。
参戦人数は未定。
※16時開始予定

＜第1試合/IWGPジュニアタッグ選手権4WAY東京テラーラダーマッチ(1/60)＞
[挑戦者]ドリラ・モロニー クラーク・コナーズ
vs.
[挑戦者]フランシスコ・アキラ TJP
vs.
[挑戦者/SUPER Jr.TAG LEAGUE 2024優勝チーム]藤田晃生 ロビー・イーグルス
vs.
[第76代王者]ケビン・ナイト KUSHIDA
※KUSHIDA&ケビンが2度目の防衛戦
※4チーム同時に試合を行い、天井から吊るされたベルトを取ったチームが勝利とする。なおノーDQルールで行う。

＜第2試合/IWGP女子選手権試合＞
[挑戦者]AZM
(1/60)
[第3代王者]岩谷麻優
※岩谷が9度目の防衛戦

＜第3試合/NJPW WORLD認定TV選手権3WAYマッチ(1/15)＞
[挑戦者]大岩陵平
vs.
[挑戦者]ジェフ・コブ
vs.
[第6代王者]成田蓮
※成田が初防衛戦

＜第4試合/棚橋弘至ファイナルロード・ランバージャックデスマッチ＞
EVIL
(1/30)
棚橋弘至
※選手が場外に転落した場合、またはエスケープした場合、セコンドがリング内に戻し即座に試合を続行する。なお場外カウントはなしとする

＜第5試合/NEVER無差別級選手権試合＞
[挑戦者]KONOSUKE TAKESHITA
(1/60)
[第46代王者]鷹木信悟
※鷹木が2度目の防衛戦
※1月4日時点でTAKESHITA選手がAEWインターナショナル王者の場合はNEVER無差別級&AEWインターナショナルダブル選手権試合となる

＜第6試合/IWGPジュニアヘビー級選手権試合＞
[挑戦者]エル・デスペラード
(1/60)
[第97代王者]DOUKI
※DOUKIが5度目の防衛戦

＜第7試合/IWGP GLOBALヘビー級選手権試合＞
[挑戦者]辻陽太
(1/60)
[第3代王者]デビッド・フィンレー
※フィンレーが5度目の防衛戦

＜第8試合/スペシャルシングルマッチ＞
高橋ヒロム
(1/30)
内藤哲也

＜第9試合/IWGP世界ヘビー級選手権試合＞
[挑戦者]海野翔太
(1/60)
[第11代王者]ザック・セイバーJr.
※ザックが3度目の防衛戦

（試合順は1月4日の結果を受けて決定）新日本プロレス JR東海 推し旅　Presents WRESTLE DYNASTY 1月5日（日）東京ドーム

■新日本プロレス JR東海 推し旅　Presents WRESTLE DYNASTY
日時：1月5日（日）13:00
会場：東京・東京ドーム
［チケット情報(新日本プロレス公式)］
※1月5日の試合順は1月4日の結果を受けて決定とする。

<第0-1試合『International Women's Cup』4WAYマッチ(1/無)＞ [AEW代表]ウィロー・ナイチンゲール vs. [ROH代表]アティーナ vs. [CMLL代表]ペルセフォネ vs. [スターダム代表]渡辺桃 ※4選手同時に試合を行い、いずれかの1選手が勝利した時点で決着とする。 ※12:00試合開始

<第0-2試合/ROH世界タッグ選手権試合>
[王者組]サミー・ゲバラ ダスティン・ローデス
(1/60)
[挑戦者組]金丸義信 SHO

＜STRONG女子＆RPW統一ブリティッシュ女子ダブル選手権試合＞
[RPW統一ブリティッシュ女子王者]白川未奈
(1/30)
[STRONG女子第4代王者]メルセデス・モネ

<ルチャ・ガントレットマッチ(1/無)>
新日本プロレスから4選手参戦、CMLLから4選手参戦予定。シングルマッチから試合がスタート。そのあと1分ごとに1選手が入場。いずれかの1選手が勝利した時点で決着とする。なお、オーバーザトップロープでの決着はなし。登場順は入場曲により発表とする。

＜第106代IWGPタッグ王者チーム決定戦＞
ニコラス・ジャクソン
マシュー・ジャクソン
(1/60)
グレート-O-カーン指名選手
グレート-O-カーン

＜NEVER無差別級選手権試合＞
[挑戦者]石井智宏
(1/60)
[王者]1・4「鷹木信悟vs.KONOSUKE TAKESHITA」の勝者
※1月4日時点でTAKESHITA選手がAEWインターナショナル王者の場合はNEVER無差別級&AEWインターナショナルダブル選手権試合となる

＜スペシャルシングルマッチ＞
ゲイブ・キッド
vs.
ケニー・オメガ

＜スペシャルシングルマッチ＞
ジャック・ペリー
vs.
辻陽太
※1月4日(土)東京ドーム大会のフィンレーvs.辻で辻勝利ならばIWGP GLOBALヘビー級選手権試合となる

＜スペシャルシングルマッチ＞
ブロディ・キング
vs.
デビッド・フィンレー
※1月4日(土)東京ドーム大会のフィンレーvs.辻でフィンレー勝利ならばIWGP GLOBALヘビー級選手権試合となる

＜スペシャルシングルマッチ＞
クラウディオ・カスタニョーリ
vs.
海野翔太
※1月4日(土)東京ドーム大会のザックvs.海野で海野勝利ならばIWGP世界ヘビー級選手権試合となる

＜スペシャルシングルマッチ＞
リコシェ
vs.
ザック・セイバーJr.
※1月4日(土)東京ドーム大会のザックvs.海野でザック勝利ならばIWGP世界ヘビー級選手権試合となる