【追っかけ現地レポート】ノアに出し惜しみなし! 強さの象徴・藤田がGHC挑戦決定
1月29日にサイバーエージェント傘下での出発が発表されたノア。一夜明けた30日、新体制初大会となる後楽園ホール大会が開催となった。
■ プロレスリング・ノア GLOBAL Jr. LEAGUE 2020
日時:1月30日(木)18:30
会場:後楽園ホール 観衆988人(=主催者発表)
大会結果(公式サイト)<第1試合>
●岡田欣也
(6分00秒 ワグナードライバー→体固め)
〇イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.<第2試合>
タダスケ
〇YO-HEY
HAYATA
(10分31秒 HAYATAのトラースキック→エビ固め)
クリス・リッジウェイ
●小峠篤司
鈴木鼓太郎<第3試合>
●井上雅央
齋藤彰俊
(11分35秒 ファンキーバスターボム→片エビ固め)
〇クワイエット・ストーム
モハメド ヨネ<第4試合「GLOBAL Jr LEAGUE 2020」準決勝>
●[Cブロック1位]大原はじめ
(15分45秒 片山ジャーマンスープレックスホールド)
〇[Dブロック1位]原田大輔
※原田大輔が優勝決定戦に進出<第5試合「GLOBAL Jr LEAGUE 2020」準決勝>
●[Aブロック1位]小川良成
(8分31秒 クロスフェースロック)
〇[Bブロック1位]ディック東郷
※ディック東郷が優勝決定戦に進出<第6試合>
●宮脇純太
熊野準
田中稔
清宮海斗
丸藤正道
(19分14秒 P.F.S→片エビ固め)
仁王
覇王
稲村愛輝
マサ北宮
〇拳王<第7試合>
鈴木秀樹
〇藤田和之
杉浦貴
(18分55秒 スリーパーホールド)
●谷口周平
中嶋勝彦
潮崎豪<第8試合「GLOBAL Jr LEAGUE 2020」優勝決定戦>
●ディック東郷
(19分43秒 片山ジャーマンスープレックスホールド)
〇原田大輔
※原田大輔がGLOBAL Jr. LEAGUE 2020優勝
1月4日にGHCヘビー級王座を奪取した潮崎豪がセミファイナルに登場。藤田和之と先発同士で対峙した。潮崎は王者として迎えられる流れにあるはずだが、今回の後楽園ホール大会では「潮崎、がんばれ!」との声が何度も飛ぶ。それほどまでに藤田は、ホールにしっかりと音が届いた張り手が強烈。
これまでに印象づけられた藤田の強さもあった。複数大会に渡ってフジタコールが発生するようになり、12・27後楽園ではメインにも登場した。“機運”は藤田も感じていたのだろう。場外乱闘ではGHCヘビー級ベルトで潮崎を殴打して挑発だ。
やられっぱなしの潮崎ではない。逆水平チョップが火を吹くと、藤田の表情が苦痛でゆがむ。
「オレがチャンピオンである限り、NOAHの過去が感じられる試合に自然となっていく」
「(戴冠前の前哨戦段階での清宮海斗には)軽さというものを感じてしまった。説得力、重さがまだ足りない」
「本質的な闘いの部分は新日本と同じようなことをやっていても伝わらない。オレは全く違うと思っています」
(潮崎豪インタビュー『週刊プロレス』No.2051より)
参戦当初はメイン戦線とは“別枠”扱いにみえたノアでの藤田。ついに、2020年の首都圏マッチとなる3・18横浜文体での潮崎vs.藤田GHCヘビー級戦が決定した。
本日の大会を見て皆様が心配する様な事は何もなくいつものNOAHだったはずです。高木社長もリング上は丸投げしますと言ってるので丸投げされましょう。NOAHのよさ、DDTのよさを見せ合い切磋琢磨していきましょう。しかしながらいつものNOAHでなくこれまで以上のNOAHにならなくてはいけません。#noah_ghc
— 武田有弘 / Narihiro Takeda (@Ntakeda1113) 2020年1月30日
【NOAH】3・8横浜文体でGHC戦「潮崎vs藤田」、2・24名古屋でナショナル戦「杉浦vs清宮」 2月各大会全カード発表https://t.co/xVfPTcbdOO#noah_ghc pic.twitter.com/ldGH3iBhpD
— プロレス/格闘技DX編集部 (@PKDX) 2020年1月30日
1.30後楽園ホール大会
分厚い手で
やってくれたね。
藤田和之
NOAHは沈まない
沈ませない舞台は3.8横浜文化体育館
NOAHは俺が守る#noah_ghc#AXIZ@PKDX pic.twitter.com/2RAsHqOyuc
— 潮崎豪 (@goshiozaki54039) 2020年1月31日
ノアに出し惜しみなし! 強さの象徴・藤田がGHC挑戦決定。新世代に足りない「説得力、重さ」をまとった伝統的ノアの騎手・潮崎が迎え撃つ。
今後のアウトラインを明確化させるカード決定が相次ぎ、メインのジュニアリーグ決勝も熱闘となった後楽園。SNSでの評判も上々だったが、チケットは売れず!? サイバー体制ノア初大会という話題上の華々しさの反面、観衆は988人と苦戦した。実数発表と思われるが、1月4日の超満員1539人に対して6割の入りである。少なくとも後方5列はほぼ空席だった。
ひとひとで言うと「コンテンツの弱さ」。2019年11月24日に、武田有弘ノア前社長が「チケットが売れない」と題しながら、課題を発信している。
・ チケットが売れない part.3|Narihiro Takeda|note
1.興行ビジネスかコンテンツビジネスか
相撲から派生したビジネスですからやはり興行ビジネスであり営業が根幹でありチケットが売れないと営業を叱責します。(チケットが売れないのは営業のせいじゃありませんよ、まだまだ人気がないからですと言ってしまうとそもそも営業マンが必要なくなるんです) だからまずは営業会議にあげます。
私の考え方は入社当時からあまり変わってないのですが、チケット販売だけではビジネスは広がらないですしコンテンツビジネスを極めれば逆にチケット販売が増えるので、昔はよくドーム規模の大会を当時はクローズドサーキット今で言うライブビューイングやPPVなどやっていました。日本全国でやると地域のプロモーターがいるわけで、それは興行になるから営業部管轄だと怒られていました。最近でもYouTube無料生ライブなんかやると担当営業からチケットが売れなくなりますからやめてほしいと言われます。
立場が違うと見え方が変わりますからこれはこれで仕方ない。本当の売れない原因は何か、私が目指す景色は何かを共有できていなかったのです。
2.ものには順序がある
もし無料で映像でライブで見れたら会場に人が来なくなるならば、それはもう広い意味での営業努力も足りないですし、抜群にコンテンツが弱いです。昔は毎週地上波で生でやり会場にも人が溢れてました。もし本当にそんな理由でチケットが売れなくなるならば、本当にそうだとしたら無料生配信をやめるのではなく、もっともっとハードルの低い方法で生配信を増やしてよりたくさんの方に見てもらいコンテンツを強くするしかないです。とにもかくにもまずは NOAHを見たことがあるというだけでもよいので NOAHを知ってもらう興味をもってくれる方を増やす、そしてファンになって頂く。その先が収益化です。ファン不在のままコンテンツを広めて深める前にまずはチケットを売れとなると、ならば優秀な営業マンを異業種から採用するしかなくなりますが、もし世界中の優秀な営業マンを集めても恐らくいきなりチケット持って飛び出したりはしないはず、まずは分析・資料作りからです、「コンテンツ強くしなさい」「マーケティングしましょう」「ターゲットを見極めましょう」と言われるはずです。
3.その先にはSVODを
昔でいう巡業スタイルに変わるものが実は現代社会ではVODなんじゃないかと思っています。
NOAHに興味を持ってくれるファンの方をたくさんたくさん増やしていき営業のみんなが自信を持って明るくいきいきとチケットを販売できるようなコンテンツにして、その先には新たなデジタルビジネスをもっともっと増やしていきたいです。成功するコンテンツは全ての売り上げが比例して絡み合い増大していき同じ出口に向かいます。そして業界一位を目指すには、海外にも進出する必要もありますし、より大会規模をスケールアップしていく必要があるでしょう。
これを記した時期と重なる11月下旬に、武田氏とサイバーエージェント側の交渉が始まったとされる。「SVOD」との見出しもあるが、Subscription Video on Demand(定額制動画配信)を指し、簡便な視聴環境への不足が課題ともなっていた。サイバーのAbemaTVだけだと無料であり回数も限られる。新しいノアでは無料・有料での配信環境をどう整えるかも問われていく。
視聴環境の良化によりコンテンツを強くしたいが、なかなかアメリカにおけるWWEのようになにはうまくいかない。このジレンマは新日本プロレスにもあろう。
・ 地上波強すぎ 日本だけが「グローバル超大作」で盛り上がれない理由 稲田豊史の「コンテンツビジネス疑問氷解」|ビジネス+IT
「アメリカはもともとケーブルTV文化。各家庭が個別にチャンネル契約して有料視聴する習慣が根付いているんです。無料の地上波放送視聴が基本の日本とは違う。
ですからネットの定額制動画配信サービス――日本では「サブスク」という奇妙な略語がつかわれることが多いですが――への視聴環境移行がスムーズにいった。TVモニタにケーブルをつなぐのかネット回線をつなぐのかの違いですし、有料視聴にも慣れている。
しかしアンテナを立てて電波を受ける無料の地上波放送や衛星放送に慣れてきた日本では、視聴環境をがらっと変えなければいけない。また、そもそもの権利元がコンテンンツを塩漬けにしたりしてきた。レイティンングフリーの作品の出しどころがなかったんです」(宇野氏)
新日本プロレスワールドの会員数は2018年1月時点で10万人(国内6万、海外4万)にとどまっている。サイバー入り当初のDDT放映も定着しなかった。ノアの動画配信は、ひと工夫もふた工夫も必要となっていく。そして、ブラッシュアップも必要であるが、何より継続は力なりだ。
リデットエンターテインメントによる新体制はわずか1年だったが、オカダ・カズチカなどは凱旋帰国以降だけでも実に8年を国内中心で闘っている。コンテンツの浸透には時間がかかるし、しっかりやらなければ育たない。
面白いというか奇妙なことに、マニア側が「もっとプロレスファン向けの展開を」「もっと世間に向けた仕掛けを」という両方をノアに主張している。ボクなんかは、ここのところは藤田がノア主軸にどう絡んでいくかに注目していた。そういう意味で十分マニア向けに展開しているし、「おいおい、こんなにあっさりGHCに挑戦しちゃっていいの!?」ってくらいに戸惑っている。マニア・ビギナー両方をノアは見据えられていると思うし、とはいえ不足感も感じてもいる。いずれのファン層をも引っ張っていくのは本当に大変なこと。
あれだけリデット体制のノアに注目が集まり、SNSでの発信方法などが話題となっても、経営は好転しないし、後楽園満員の常態化がない(実際に足を運ぶまでの熱にはない)。プロレスの経営というものは本当に大変だよなぁ・・・と考えつつ課題整理していたらこのようなエントリーになってしまった。
楽観視は全くできないのだ! 春に向けてのノア戦線の充実、配信方法の確立に期待してやまない。