新日本選手の10年連続MVPならず!? 2020年プロレス大賞に歴史的展開か
2019年でいうと12月10日にマスコミによる選考会が行われた『東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞』。2020年についてもいよいよ“その時期”が近づいてきた。
“史上初の2冠”内藤哲也に“年間防衛王手”潮崎豪が立ちはだかる!?
観客動員数で他団体を圧倒する新日本プロレス。2020年に誰が最も活躍したかを問われると、史上初の2冠を達成した内藤哲也を多くのファンが指名することになる。一方で、22日のノア横浜武道館大会成功、潮崎豪王座防衛を受けて「今年のMVPは潮崎に違いない」という声がSNS上で目立つようになった。
そういう動きがあるとボリューム感を確認したくなるのがブロガー魂でもある。あくまで配信番組の話題ネタのひとつとしてではあるが、カンタンなアンケートを取ってみた。
次回(11/24火曜夜9時)の #ドキドキカクトウライブ で語り合おう~https://t.co/wDO6po8XdT
無料アプリダウンロード→9桁番号「802088168」で配信者検索→フォローにてご準備ください。あなたが2020年プロレス界MVPを選ぶなら!?(その他意見はレスで)
— カクトウログ📶プロレス/格闘技 (@kakutolog) November 23, 2020
157人にご参加いただき感謝。その他選手はレスで回答を呼びかけたが「EVIL」記載が1名あったのみ。
内藤哲也 31.2%
飯伏幸太 20.4%
鷹木信悟 7.6%
潮崎豪 40.8%
ひとつ補足すると、コロナ休業明けの「IWGPヘビー戦」含む有観客ビッグマッチは全4大会。うち3大会で“鷹木出場のNEVER王座戦”がベストバウトを獲得している(当サイト実施のベストバウトアンケート)。試合内容という尺度でMVPを選考するファンもいると見込んで鷹木を選択肢に入れさせていただいた。結果から一定割合の鷹木支持が見受けられたが、2冠王者・G1覇者には及ばず。
その2冠王者・G1覇者をしっかり上回ったのが潮崎である。狭い範囲内での偏った投票に過ぎないかもしれないし、ランダムに切り取った声ゆえに全体でも同じことが再現されるかもしれない。
ドーム初メインという少年時代の夢、史上初の2冠奪取という近年の夢を実現した内藤。言うまでもなく人気者がレスラー人生のひとつのクライマックス迎えたわけであるが、それを上回る勢いの“MVP候補”が盟主・新日本以外から出ているのだ。プロレスという大河ドラマは、これだから面白い。
2020年は五輪中止・コロナ感染イヤー どの団体がプロレスを担ったのか
さきほど鷹木を選択肢に入れた理由を記したが、もう少し掘り下げて書いておきたい。
新日本プロレスはIWGPヘビー級戦線から2冠戦線に最高峰をスライドさせたわけだが、評判は芳しくなかった。コロナ休業明けの「IWGPヘビー戦」含む有観客ビッグマッチ全4大会には、必ずEVILが2冠戦に出場している。EVILの試合では金的攻撃に代表される反則、セコンド介入が定番となった。
えてして批判的な声が目立つものではあるが、それにしてもコロナ休業明けに「こんなの闘いじゃない」「タイトルマッチではやめて」という声が相次ぐ。コロナでモヤモヤしていたものを真っ向勝負で吹っ飛ばしたかったファンは、EVILの試合運びに余計にモヤモヤした。反則・介入事態への反発もあったし、反則・介入そのものではなく「ワンパターンぶり」を指摘する声も多かった。
この怒りが“本物”であるならば、「相手選びを含めても真っ向勝負路線を担った鷹木」というのもアリではないか。そう考えたが、プロレスファンの感覚としては“団体の最高峰を担ってこそ”というMVP観を覆すものではなかった。鷹木を2冠王者・G1覇者が上回る。
そして繰り返しになるが、その2冠王者・G1覇者を潮崎が上回る。ノアの最高峰であるGHCヘビーを年始に奪取し、20周年イヤーの年間防衛に王手をかけた状態である(12・6代々木第二にて杉浦貴の挑戦を受ける)。
▼GHCヘビー級選手権試合(潮崎豪の対戦相手)
01・04清宮海斗 27分42秒 王座奪取
03・29藤田和之 57分54秒 初防衛
06・14斎藤彰俊 29分22秒 2度目の防衛
08・05丸藤正道 30分56秒 3度目の防衛
08・10拳王 60分時間切れ 4度目の防衛
11・22中嶋勝彦 42分35秒 5度目の防衛
12・06杉浦貴
団体の最高峰を担い、真っ向勝負を貫き、記憶に残る試合を連発したノア潮崎。個人的には藤田和之戦、拳王戦には特に唸らされた。
コロナ休業下で積極的に無観客試合を仕掛けることでプロレスの灯を消さなかったノア。有観客に突入して以降も、メイン戦線での真っ向勝負は一貫していた。ノアなりのプロレスの背負い方がここにあり、多くのファンの共鳴を生んでいる。こういった団体の姿勢もまた、MVP選手選びに影響することも確かだろう。
プロレスは賞レースのためにしているものではないが、ファンの支持を拡大するためにしているものではあるだろう。考え方によっては、今年の新日本に失策があり、今年のノアにファインプレーがあったとも言えるのだ。
ノアのフロントを担う武田有弘氏の1年前のツイート。
(続き)
MVPには絶対的な世間的認知度が必要であり、ベストバウトには「大会スケール/集客力/メディア環境」がまだまだ全然足りてなかったです。— 武田有弘 / Narihiro Takeda (@Ntakeda1113) December 11, 2019
世間的認知度というと難しいが、ノアなりに大会スケール/集客力/メディア環境に全力投球した2020年。そこには無観客試合やABEMA配信を含めていい。選考結果は神のみぞ知るわけだが、“足りた”と言える結果にはたして辿り着くだろうか。
マスコミ選考とファン選考のプロレス大賞 アワード別に結果が割れる可能性も
東スポプロレス大賞でのMVP、ベストバウトはどう推移しているのか。
▼東スポプロレス大賞推移
MVP | ベストバウト | |
2008年 | 武藤敬司 | 丸藤正道vs.近藤修司 |
2009年 | 棚橋弘至 | 葛西純vs.伊東竜二 |
2010年 | 杉浦貴 | 田口隆祐&プリンス・デヴィットvs.飯伏幸太&ケニー・オメガ |
2011年 | 棚橋弘至 | 小橋建太&武藤敬司vs.矢野通&飯塚高史 |
2012年 | オカダ・カズチカ | 棚橋弘至vs.オカダ・カズチカ |
2013年 | オカダ・カズチカ | 中邑真輔vs.飯伏幸太 |
2014年 | 棚橋弘至 | オカダ・カズチカvs.中邑真輔 |
2015年 | オカダ・カズチカ | 天龍源一郎vs.オカダ・カズチカ |
2016年 | 内藤哲也 | オカダ・カズチカvs.丸藤正道 |
2017年 | 内藤哲也 | オカダ・カズチカvs.ケニー・オメガ |
2018年 | 棚橋弘至 | オカダ・カズチカvs.ケニー・オメガ |
2019年 | オカダ・カズチカ | オカダ・カズチカvs.SANADA |
2020年 | ? | ? |
新日本選手以外のMVPというと、実に2010年の杉浦貴まで遡る。新日本実施以外のベストバウトというと、2015年の天龍源一郎vs.オカダ・カズチカとなる。“新日本選手出場以外のベストバウト”となると2009年の葛西純vs.伊東竜二にまで時間を巻き戻さなければならない。
2019年までを新日本目線で表現すると、“新日本選手MVP”が9年連続、“新日本選手出場試合のベストバウト”が10年連続だ。
複数のアワードでのMVPはどう推移しているのか。
▼アワードMVP推移
東スポ/プロレス大賞(マスコミ主催でマスコミ選考) | 週プロ/プロレスグランプリ(マスコミ主催でファン選考) | ネットプロレス大賞(ファン主催でファン選考) | |
2010年 | 杉浦貴 | 杉浦貴 | 関本大介 |
2011年 | 棚橋弘至 | 棚橋弘至 | 棚橋弘至 |
2012年 | オカダ・カズチカ | オカダ・カズチカ | オカダ・カズチカ |
2013年 | オカダ・カズチカ | オカダ・カズチカ | 中邑真輔 |
2014年 | 棚橋弘至 | 棚橋弘至 | 棚橋弘至 |
2015年 | オカダ・カズチカ | 鈴木みのる | 鈴木みのる |
2016年 | 内藤哲也 | 内藤哲也 | 内藤哲也 |
2017年 | 内藤哲也 | 内藤哲也 | 内藤哲也 |
2018年 | 棚橋弘至 | 棚橋弘至 | 棚橋弘至 |
2019年 | オカダ・カズチカ | オカダ・カズチカ | ウィル・オスプレイ |
2020年 | ? | ? | ? |
多くの年でマスコミ選考もファン選考も一致している。とはいえ一致しない年もある。これが2020年の選考でどう落ち着くかも見ものだ。選考が割れる可能性も十分にある。
言いたい放題SNS時代を生きるファン、団体・ファンと向き合うマスコミ・・・決着のゴングがもうすぐ鳴る。新日本選手以外のMVP、新日本選手不在のベストバウトなら歴史的展開であるわけだが、どう転がっても騒がしくなりそうだ。
なお・・・MVPはじめとするファン版のプロレス大賞についてはいろんな集計が可能だが、ここまでの歴史があるファン主催『ネットプロレス大賞』の存在を当サイトとしては重んじています。当サイトによる選択肢増・期間増でのアワード決定等は行わず、『ネットプロレス大賞』の告知を追ってさせていただきます。投票開始の際には、ぜひともご参加ください。