メイウェザー・ジュニアに挑む神童 那須川天心「危険な3つのポイント」
いよいよ大晦日のRIZIN.14で元ボクシング世界王者のメイウェザー・ジュニアに挑む神童 那須川天心。
メイウェザーと言えば50戦50勝、5階級制覇と言うボクシングの歴史上類をみないレジェンドボクサー。
そして戦ってきた選手がまたすごい。
現在、ボクシング界の全階級あわせてもエースと言えるミドル級のカネロ・アルバレス(54戦1敗)に唯一の黒星をつけたのもメイウェザー。さらにマニー・パッキャオ、オスカー・デラホーヤと言った名ボクサーたちも撃破してきました。
メイウェザーは、マイク・タイソンのような派手なKOを量産するボクサーではなく、とにかく打たせないボクシングスタイル。
普段ボクシングをあまり観ない人からは「この試合はおもしろい?」となる人もいますが、ボクシングファンからすると、神業のようなディフェンス、フェイント、カウンターは芸術の領域です。
また、発言する言葉も謙虚と言う言葉には程遠く、対戦相手を煽り、自身は天才で世界一稼げるボクサーと平然と言う。メイウェザーはヒールなのに世界で一番客を呼べるボクサーと言えるのではないでしょうか。
危険な試合となる3つのポイント
今回の試合、3分3Rのエキシビジョンとなりましたが、非常に危険な試合になる気がします。
POINT.1
天心とメイウェザーの4階級違う体重差
通常ボクシングと言う競技は約2kgきざみで階級の設定がされています。
これは体重の違いによりパンチの重さが違うためです。しかし、今回の試合で天心(フェザー級)はメイウェザー(ウェルター級)より4階級も下の選手です。スピードで有利と言う声もありますが私はそう思いません。
カネロ・アルバレスvsアミール・カーン戦(2016年5月)
2階級下のカーン(S・ライト級)がカネロ(当時S・ウェルター級)に挑戦した試合。
スピードスターと言われるカーンなら、2階級上の選手(カネロ)にも善戦できるのではと注目された試合でした。しかし、結果はカネロのたった一発のパンチでカーンは失神KOされます。
POINT.2
グローブの大きさ
今回の試合、メイウェザーは本来の階級の10オンスのグローブではなく、天心にあわせた8オンスのグローブで戦います。グローブは数字が小さい程軽くなり、軽くなるほどハンドスピードがあがり危険が増します。
だから、通常は体重差のある選手とスパーリングする際にはグローブハンディをつけることも多いのですが、
今回、ルール権限をすべて握るメイウェザーはグローブハンディも許しません。これは非常に危険なのです。
POINT.3
完全なボクシングルール
天心はキックボクサーの選手なのに、今回の試合は完全なボクシングルール。だから、この試合は異種格闘技戦ではなくボクシングの試合です。
メイウェザーを攻略できる要素(ローキックなど)も奪われ、2つの拳だけ戦う試合ではテクニカルには大きさ差があります。また、メイウェザーは現役時代のピークは過ぎているとは言え、身体は現役時代とほぼ変わりません。あの身体はトレーニングを続けていなければ維持できませんから、年齢的な低下を期待することもできません。
まとめ
応援しているのは天心ですが、試合じたいが危険なため、とにかく天心はメイウェザーを本気にさせない、怒らせないこと。今後の天心の将来を考えれば、無事に試合が終わる方法はこれしかないような気がします。
今回の試合、天心がメイウェザーにパンチが当てれるかにばかり焦点をあてられていますが、メイウェザーのパンチこそが危険なのです。
彼がS・フェザー級(58.9kg)までに対戦した27試合のKO数は20試合でKO率は74%です。その後ライト級(61.2kg)~S・ウェルター級(69.8kg)に転向してからの23試合のKO数は7試合でKO率30%まで下がります。つまり、体重の軽い相手になれば十分KOできるボクサーなのです。