石川奈青「悔しいけど…生きてるなって」 Sareeeに完敗するも闘魂宿る
14日、マリーゴールドが『MARIGOLD Winter Wonderful Fight2024』後楽園ホール大会を開催した。
時代に逆行してもシンプルな闘いを マリーゴールドが刻む昭和100年
<ファイナルマッチ/スペシャル・パッションマッチ>
〇Sareee
10分49秒、裏投げ→体固め
●石川奈青
高橋奈七永が欠場により、この日に行われるはずだった「Sareee vs.奈七永」ワールド戦が延期に(実施は12・13新宿FACE)。代替で名乗りを挙げた石川奈青がスペシャル・パッションマッチとしてSareeeに挑む。メインイベント後のファイナルマッチと銘打たれた。
序盤押されるも、徐々に躍動していった石川。自身の全体重を浴びせる場外弾、そしてSareeeのムーヴであるフットスタンプも繰り出す。ロープワークにも気迫が漲った。
卍固めの使い手でありボジラ戦での腕折り使用などから猪木オマージュ色の強さを指摘されるSareee。しかしながら、技の組み立てはオリジナル。かつ“視覚的納得度”が高い。他選手も多く用いるロープ際への低空ドロップキックもこのような切れ味。
(マイク)
勝利したSareeeは延期となったワールド戦の相手である高橋奈七永を挑発する。Sareee「裏投げ封印して勝ってやるよ」。これには奈七永がブチギレて「ナメんじゃねー。現実見せてやる」。12月13日のタイトルマッチに向けて火花が散った。
(バックステージ)
Sareee「試合できないやつがさ、あんなさ、突っかかってくんじゃねーよって思いますよ。だから試合やれよって思いましたね、しっかり。私は 12 月 13 日この真紅のベルトを、しっかりと高橋奈七永から防衛して次につなげたいと思います。私はもう次を見てるんで、1 月 3 日ビッグマッチ楽しみにしててください」
石川奈青「こんな2度とないチャンスを与えてくださって…でもやっぱり自分の力じゃぜんぜん、なんにもできないって思い知らされて、本当に悔しい、申し訳ない気持ちでいっぱいなんですけど、でも…全然ダメだって思われても、今日試合をして本当に本当にすごい!楽しくて!今までずっと勝てなくて…勝てないからとかじゃなくてももう…プロレス自分は向いてないのかな?とか、マイナスなことばっかり考えることもあったんですけど。でも今日試合をしてこんなにボコボコにされて、なんにもできなかったけど、すごいすごい楽しくて生きてるなって。プロレス楽しいなって感じられて…すごい楽しかったです。もっともっと強くなって、絶対に自分もベルトを巻いて、またこの後楽園ホールの“メイン”に立ちたいなって強く思いました。ありがとうございました」
思い出すのは、マリーゴールド旗揚げ戦を控えた5月12日の合宿。3チーム対抗の多種目8番勝負が行われる。8番目は相撲となり、ここで石川は林下詩美を破っている(その後の番外編トーナメントでは林下がリベンジ)。ロッシー小川代表へのアピールタイムでも独自Tシャツを見せつけMVPとなっていた。
「本領発揮したらどうなるんだ!?」素養も意気込みも感じられるからこそ、マリーゴールドファンの石川への視線は熱い。その一方で、旗揚げ後は白星に恵まれず。ようやくつかんだ2連勝の後に、このSareee戦が組まれた。
様々な感情が去来したのか、もう入場時から涙ぐんでいるように見えた石川。前のめりな気持ちと持ち前の地力で技を繰り出し、大イシカワコールが巻き起こった。奈七永のパッションを胸に闘い、Sareeeによる闘魂も注入された一戦。
石川は「本当に悔しい、申し訳ない気持ちでいっぱいなんですけど(中略)なんにもできなかったけど、すごいすごい楽しくて生きてるなって」と、何かをつかんだことを示唆した。この闘いを「点」にせず、未来につながる「線」にしていってほしいところだ。
持ち味の“獲物を逃さない”シンプルな技を重ねて石川を料理したSareee。ロッシー小川代表が節目節目で昭和の良さを現代プロレスにブレンドしていくことを宣言しているが、時代に逆行してもシンプルに闘うSareeeはマリーゴールドの方向性そのものにも感じた。旗揚げに集まった選手たちの色合いがそうなったことも多分にあるが、パフォーマンス色控えめでマリーゴールドの大会は進むのだ。すると、その頂点王者がSareeeだというのは合点がいく。
1・3大田区総合体育館から始まるマリーゴールドの2025年。ちょうど昭和100年となる中で、マリーゴールドは闘いを刻み続ける。
ルーキー山岡デビュー、青野vs.桜井UN戦、天麗vs.後藤GHC戦 1・3大田区
山岡聖怜(練習生3人の左)が「私がスーパールーキーだ!!」と叫んだ。ネットニュースでほぼ毎日のようにSNS映えがニュースになる逸材。いよいよ1・3大田区でデビューへ。
ツインスター選手権はフルタイム引き分けに終わり、天麗皇希はタッグ戴冠はならず。11日のノア新宿大会にてGHC女子王座を奪取したばかりだが、皇希が指名、後藤智香が呼応となった(リーグ戦では後藤勝利)。1・3大田区で実現へ。
桜井麻衣が「未亡人×貴婦人」Tシャツで宣戦布告。桜井「未来さんは私のデビュー戦を務めてくれた大切な人。リーグ戦では引き分けだった。あなたとシングルで闘いたい」。この日に翔月なつみを退けV3となったUN王者・青野未来は1・3大田区で桜井を迎え撃つ。
全貌が見えてきた年明け大会だが、頂点王座であるワールドのベルトには林下詩美が挑む。12・13新宿での「Sareee vs.高橋奈七永」の勝者が大田区に王者として歩を進めることになる。
■マリーゴールド MARIGOLD First Dream 2025〜初夢〜
1/3.2025(金)大田区総合体育館
開場13:00PM/開始14:30PM
<ワールド選手権試合>
[王者]「Sareee vs.高橋奈七永」勝者 vs[挑戦者].林下詩美
<ユナイテッド・ナショナル選手権試合>
[初代王者]青野未来 vs.[挑戦者]桜井麻衣
※青野が4度目の防衛戦
<GHC女子選手権試合>
[初代王者]天麗皇希 vs.[挑戦者]後藤智香
<デビュー戦>
山岡聖怜がデビュー戦
(大会結果)マリーゴールド MARIGOLD Winter Wonderful Fight2024 11月14日(木)後楽園ホール
■マリーゴールド MARIGOLD Winter Wonderful Fight2024
日時:11月14日(木)18:30
会場:東京・後楽園ホール 観衆715人(主催者発表)
<冒頭>
欠場中の後藤智香、高橋奈七永が告知、挨拶。
首のギブスが取れた奈七永「万全に出場できるようパッションをためにためる!!」
練習生3人とともにカウントダウンでスタート。
<第1試合/シングルマッチ>
〇ハミングバード
8分16秒、マッド・スプラッシュ→片エビ固め
●山田奈保
<第2試合/シングルマッチ>
●瀬戸レア
5分12秒、フロント・フェースロック
〇勇気みなみ
[元ツイート]
<第3試合/タッグマッチ>
●松井珠紗&●南小桃
9分22秒、リバース・スプラッシュ→片エビ固め
〇ボジラ&マイラ・グレース
<第4試合/タッグマッチ>
ビクトリア弓月&●田中きずな
11分35秒、ノアールランサーハイ→体固め
〇野崎渚&CHIAKI
<第5試合/ツインスター選手権試合>
[初代王者組]MIRAI&△桜井麻衣
30分時間切れ引き分け
[挑戦者組]林下詩美&△天麗皇希
※ミライサクが4度目の防衛戦
<メインイベント/ユナイテッド・ナショナル選手権試合>
〇[初代王者]青野未来
13分12秒、テキサス・クローバー・ホールド
●[挑戦者]翔月なつみ
※青野が3度目の防衛に成功
<ファイナルマッチ/スペシャル・パッションマッチ>
〇Sareee
10分49秒、裏投げ→体固め
●石川奈青