「闘い」があってこそ2冠戦 潮崎vs.拳王60分フルでノア強烈メッセージ
10日、プロレスリング・ノアが横浜文化体育館大会を開催した。同会場は9月に閉館予定で、ノアでのラスト横浜文体ともなった。
賛否を呼んだノア版ダブルタイトル戦は60分時間切れ引き分け
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📺2020.8.10『NOAH the CHRONICLE vol.3 』https://t.co/VagZ8HsMsv
►GHCヘビー級&ナショナル二冠戦!潮崎豪 vs 拳王!
►武藤敬司 vs 清宮海斗!
►IPWJr.原田大輔 vs HAYATA
►潮崎と拳王が証明した、これぞGHCの闘い!#noah_ghc pic.twitter.com/Dp80OEC0id— プロレスリング・ノア (@noah_ghc) August 10, 2020
■プロレスリング・ノア NOAH the CHRONICLE vol.3
日時:8月10日(月祝) 16:00
会場:神奈川・横浜文化体育館 観衆=未発表<タッグマッチ>
タダスケ&●YO-HEY
(8分13秒 ジャックナイフ式エビ固め )
〇覇王&仁王<6人タッグマッチ>
●鈴木鼓太郎&小川良成&岡田欣也
(11分01秒 飛びつき十字固め)
小峠篤司&大原はじめ&〇吉岡世起<6人タッグマッチ>
〇丸藤正道&望月成晃&宮本裕向
(15分40秒 真・虎王→片エビ固め )
中嶋勝彦&谷口周平&●モハメドヨネ<IPWジュニア・ヘビー級選手権試合>
●(第3代選手権者)原田大輔
(15分06秒 ヘデック→片エビ固め)
〇(挑戦者)HAYATA
※第3代選手権者が初防衛に失敗。HAYATAが第4代選手権者となる<6人タッグマッチ>
杉浦貴&〇桜庭和志&ケンドー・カシン
(15分18秒 ローリングアームロック)
マサ北宮&●征矢学&稲村愛輝<スペシャルシングルマッチ>
〇武藤敬司
(27分07秒 足4の字固め )
●清宮海斗<GHCヘビー級&GHCナショナル ダブル選手権試合>
△(第33代GHCヘビー級選手権者)潮崎豪
(60分00秒 時間切れ引き分け)
△(第3代GHCナショナル選手権者)拳王
※第33代GHCヘビー級選手権者・潮崎豪が4度目の防衛に成功
※第3代GHCナショナル選手権者・拳王が初防衛に成功
セミでは対戦要求してきた清宮海斗を武藤敬司が返り討ち。賛否を呼んだメイン、ノア版ダブルタイトル戦は60分時間切れ引き分けとなった。
ソーシャルディスタンスもあって観衆は未発表となったが、全体的に入った会場は壮観でもあった。コロナ不安の中でのこれだけの動員は大きい。
平日後楽園は苦戦したが、みんなこの週末ビッグマッチは外すことなく駆けつけた!!
会場の四隅コーナー席こそクローズだが、用意した席はかなりが埋まった!!#noah_ghc #ノア文体帰港 pic.twitter.com/cdI4DD56sc
— カクトウログ📶プロレス/格闘技 (@kakutolog) August 10, 2020
アッという間だったメイン 両者の秘策と究極技でも決着しない
前週の4日には中嶋勝彦との蹴撃戦を制した拳王。5日には丸藤正道とのチョップ担い手対決を制した潮崎豪。おのずとメインのダブルタイトル戦はキックとチョップで胸板を腫らしあう一戦となる。それでいて潮崎には“続き”あり。キックを放つ拳王の右足に場内外でチョップを放つ。ニークラッシャーまで放たれる潮崎怒涛の右足攻めに拳王は悶絶した。
一方の拳王も、日本武道館での「三沢光晴vs.小橋建太」を彷彿させる特設花道からのスープレックスを狙う。潮崎が踏ん張ったため未遂となったが、拳王は代わりに断崖式ブレーンバスターで投げ切る。さらに鉄柱近くの場外マットに潮崎を寝かせると、拳王はコーナートップ超えで場外へとP.F.S敢行の衝撃シーンが飛び出した。
潮崎がムーンサルトプレスを決めたところで60分フルタイムのゴング。両者の秘策と究極技でも決着しない試合はアッという間だった。これにより2本のベルト価値はまたそれぞれで磨かれることになる。
比べるもんじゃないけど、昔俺がやった60分引き分けより素晴らしかったんじゃないかな。
彼らを含め最近の若い選手達のポテンシャルは素晴らしい。
俺も含め決して大きいわけじゃない。
でもそんな事言っても何も始まらないし意味がない。
素晴らしいものは素晴らしい。
それで良いじゃないか。
— 丸藤 正道 (@noah_marufuji_) August 10, 2020
早くもファンから年間ベストバウト決定的との声が聞かれる。獲得となれば、6年連続ベストバウト獲得中のオカダ・カズチカの受賞がついにストップとなるが果たして!?
新型コロナウイルス自粛期間にも積極的な無観客配信マッチで「強くなった」ノア。2大王者でノアNo.1を決めるには、60分では足りなかった。それでいて横浜文体32年前の藤波vs.猪木フルタイム彷彿、かつての四天王プロレス想起となる死闘は業界No.1回帰への踏み出しを感じさせるに十分だった。
タイムラインでも散見されたが、有観客再開後の新日本プロレスでの2冠戦がことごとく反則・介入絡みとなっていることへのカウンターともなった。頂点を争う2冠戦は「闘い」があってこそ・・・潮崎vs.拳王60分フルタイムはノアからの強烈メッセージともなったのだ。言い換えると、「ファンを裏切らない団体」という意味ではこっちは業界No.1だぞと、そんな意地さえ垣間見せた。
清宮海斗は天才か!? 動けないはずの武藤敬司が27分間の大熱闘
セミファイナルもまた見ごたえある一戦。ここまでの武藤敬司とのタッグ対決ではレスラーとしての差を実感させられてきた清宮海斗。その清宮がこの日は、徹底したドラゴンスクリュー潰しで武藤に突破口を与えず実に頼もしい。武藤に対して立ちはだかって見せたのだから、後半の武藤の逆転していくプロセスもまたじっくりと楽しむことができた。
振り返れば両者ともに強さが光る。コンディションを上げてきてもいるのだろうが、ここ10年ほどの武藤には“動けない”イメージがある。27分の闘いは清宮がクリエイトしたところもあっただろう。天才とは武藤の代名詞だが、清宮もまた天才であると確信した。こんな闘いが見れることもまた、長くプロレスファンをしている醍醐味そのものなのだ。
この大会がボクにとってもラスト横浜文体となりそう。いやはや、横浜文体よ、これまでありがとうと言いたい。
発表事項 リーグ戦『N-1』に桜庭ら参戦 ワグナー&デュプリ組は王座返上
大会での発表事項。リーグ戦『N-1』に桜庭和志らが参戦となり、各大会での対戦カードも明らかとなった。第53代GHCタッグ選手権組であるイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.&レネ・デュプリ組は両選手揃っての来日が困難ということで王座返上となる。
【NOAH】桜庭24年ぶりシングルリーグ、稲村・征矢も初出場 『N-1 VICTORY 2020』出場選手&公式戦日程発表https://t.co/9IVlXVWw6o#noah_ghc pic.twitter.com/Jp0li876HK
— プロレス/格闘技DX編集部 (@PKDX) August 10, 2020
第53代GHCタッグ選手権者となったイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.&レネ・デュプリ組は両選手揃っての来日が困難であるため、王座返上の申し出がありました。
協議の結果、申し出を受諾することを決定しました。
ご理解とご了承のほどお願い申し上げます。
詳細➡️https://t.co/0qSWEGUSTi#noah_ghc pic.twitter.com/rFtBHNYYTr— プロレスリング・ノア (@noah_ghc) August 10, 2020