中野たむ赤ベルト初挑戦でみせた情念 朱里「嫌いじゃない。いや好き」
<第8試合/ワールド・オブ・スターダム選手権試合/30分1本勝負>
〇《王者》朱里(God’s Eye)
22分18秒 朱世界→片エビ固め
●《挑戦者》中野たむ(COSMIC ANGELS)
※朱里が7度目の防衛に成功
※朱里「中野たむの情念めちゃくちゃ好きだわ!」
意外にも中野は赤ベルト初挑戦。地元“愛知県”開催となったことで名乗りを挙げての挑戦となった。
序盤から中野が場外戦でラッシュ。エプロンを走ってのバイオレットシューティングから、コーナーに朱里を固定してのスリーパー。
手段を択ばない中野は入場ゲートの上からもボディアタックだ。
大会会見で蹴り合いとなったが、その“再開”となる。エプロンで寝そべっての蹴り合い。
されど朱里のやり返しが凄まじい。エプロンそしてリング内で中野がボコボコに。このあたりは朱世界の牙城か。
蹴撃戦は「狙いを定めて顔面を蹴り合う」段階へとエスカレートした。
中野の情念を感じさせる技。逆エビ固めとヘッドシザースの複合技で朱里を追い込む。中野がラッシュからトワイライトドリームを放つが朱里の足がロープへ。
まだまだ蹴り足りない。ハイキックが同士討ち。
立ち上がり続ける中野に朱里はバズソーキックからの朱世界。中野は3カウントで沈んだ。
朱里「中野たむ、いまメッチャ首がやばいわ、首が…。まさかここまでやってくるとは思わなかった。中野たむのギラギラした情念、嫌いじゃない。いや、嫌いというより、メチャクチャ好きだわ! 5★STAR、当たるね。楽しみにしてるよ」
中野「首がイテーのはこっちだよ!(朱里の赤いベルトをさわりながら)赤いベルト、近いようで遠いなぁ…。まぁ、そうきてもらわなきゃとね。中野たむは執念深い女だから、朱里、ここからが朱世界の終わりのはじまりだ。覚悟しとけ」
朱里「7度目の防衛に成功しました! 次の防衛戦、8月21日、ここより大きな会場、愛知県体育館、5★STAR中なのでまだ誰になるか、わからないのですが、私はやりたい選手がいます。まだどうなるかわからないので、近々、ハッキリさせたいと思います。スターダム、名古屋大会、2日間ありがとうございました。こうやってたくさんの人が会場に来てくれて、そしてこのリングに立ててること、すごくすごく幸せだなといまも感じています。来週、5★STARがはじまります。私たちは止まってられない。今年もこの夏、みなさん一緒に熱く盛り上げていきましょう! それではみなさん、またお会いしましょう。みんなサラマポ、ありがとうございました!」
中野たむ(バックステージ)「朱世界・・・美しかった。これがナンバーワンの景色。その奇麗で壮絶なナンバーワンの景色・・・もっともっと手に入れたくなった!! たむは執念深い女だから。朱里、たむの情念に火をつけたこと、覚悟しとけよ。朱世界を終わらせるのはこの中野たむ、朱世界の終わりの始まりだ、覚悟しとけ」
エンドレス蹴撃戦は会見の続きでもあったが、中野の白ベルト戦、朱里の赤ベルト戦での歴戦の蹴りがオーバーラップした。目の前の現実と記憶が脳内でクロスする。さらには中野たむの全部乗せ。それを引き出し飲み込んでいった朱里。絶対的な強さとともに、朱里もまた王者のまま『5★STAR GP 2022』に突き進む。
初の赤ベルト挑戦となった中野は、白を「情念」「呪い」といった言葉であらわしていた。闘いを終えて赤を「奇麗で壮絶なナンバーワンの景色」と定義する。“違う色”を再度狙うためにどういった軌道を描きなおしてくるのか。そのプロセスで我々をまた楽しませてくれるに違いない。