中野たむも白川未奈も“統一”は否定 赤白2冠戦に問われるものとは
11日、スターダムが5・27大田区総合体育館大会タイトルマッチの調印式が行われ、YouTubeで生配信された。コメント言い回しは公式サイトに合わせてあります。
巡り巡って“たむの隣”での調印式。「コズエンで歩んだ道を正解にする」闘いでもある
<ワールド・オブ・スターダム&ワンダー・オブ・スターダム ダブル選手権試合>
[第16代ワールド王者]
中野たむ(COSMIC ANGELS)
vs.
白川未奈(Club Venus)
[第17代ワンダー王者]
※中野はワールド初防衛戦、白川はワンダー2度目防衛戦
(2023年5月17日(水)24時まで受付)
※1端末から1回有効。やり直しは可。複数回投票の場合は最新回分の選択肢・コメントに上書きされます。
白川「アナタのハートにパワーボム、第17代ワンダー・オブ・スターダムチャンピオンの白川未奈です。白いベルト取ったら、たむと防衛戦をしたいなと思ってました。そしたらたむが赤いチャンピオンになった。もうこれは大きなチャンスでしかないの。大きいチャンスです。私は、史上初になるっていう夢があります。このね、チャンスを生かしてお互いの大切なものを懸けてリスクを背負って闘うのが最高の戦になるんじゃないかと思って2冠戦を提案しました。赤白のチャンピオン、これは史上2人目の2冠王ですね。いまはIWGP(女子)もありますね、だから私は赤白、そしてIWGPも巻いて、史上初の3冠王者に、シングル3冠王者になりたいと思います。これが私のいまの大きな夢です。3冠王者になって、そしてクラブビーナスでベルトを総取りします。そしてクラブビーナスがトップになる。白川未奈が時代を作ります」
中野「宇宙のみなさんこんにちは。第16代ワールド・オブ・スターダムチャンピオン中野たむです。気になってるのはこの赤いベルトと白いベルトを統一するってことじゃないでしょうか。私はこの試合に勝っても統一するつもりはありません。どちらもなくてはならないベルト。白いベルトは感情のベルト、赤いベルトは最高峰の強さを示すベルト。2冠王者になったらどちらのタイトルマッチも違った闘い、異なった闘い。わかってるのかな? 赤いベルトの闘い白いベルトの闘い、ふたつの闘いできるの中野たむしかいないでしょ。未奈はホントに強くなった。でも赤を背負うことはできない。最近の未奈の言動は目に余る。調子に乗りすぎ。2冠戦だけにとどまらず3冠チャンピオン? 勘違いも甚だしいなあ。未奈はコズエンではいつも第三の女だったから出ていくしかなかったんでしょう。月山ともどもこの春、いい大掃除ができました」
白川「第三の女。第三の女? そんなふうに思ってたんだ。コズエンに人生捧げて終わらなくてホントによかった。私に赤いベルトは背負えないって? あなたに何がわかるの。わかったような口きくのやめてよ。私だって統一する気ない。赤の闘いも白の闘いもIWGPの闘いもすべて見せていく。その覚悟で獲りにいく。だいたい大きな夢、プロレスラーとして大きな夢を語って何が悪いの? はあ…」
白川が立ち上がり、中野の前に立つ。
白川「ホントコズエンというボロアパートから引っ越しできてよかった」
中野も立ち上がる。
中野「コズエンが、ボロアパートだって? ふん。なら、クラブビーナスは、そうだなあ。そのへんの道端に転がってるボロボロの段ボール小屋なんじゃないの」
段ボールを見つけ、それをアタマに被せる。
白川「ハハハ。ハハハ。ハハハハ。私はさ、アンタの背中を追ってるんじゃないんだよ。アンタをぶっ倒すためにここにいるんだよ」
段ボールで頭を叩く。
中野「やれるもんならやってみな。未奈はコズエンを出て、やっとの思いでつかんだその夢、私の手で奪ってやるよ。未奈はすべてを失って、クラブビーナスも完全に終わり」
白川「新生コズエン? さようなら」
スターダム史上最大決戦となった4・23横浜アリーナ。中野が赤を、白川が白を初戴冠した。もっとも勢いに乗っているのがこの2人とも言っていい。
5・27大田区大会調印式取材の前に横アリ前の両者のコメントもおさらいしていたのだが、白川のポジショニングの言われ方が印象的だ。週刊プロレス誌No.2240で成川記者が「白川選手はよくここまで駆け上がりましたね。お世辞にもスターダムで期待されている選手ではなかった。まさか横浜アリーナで白いベルトに挑戦するまでになるとは」と問い、白川も「いろんなマスコミの方にも言われますよ」と状況を説明していた。
それが実際には「白いベルトに挑戦するまでになる」を超えた。白川は戴冠まで果たしたのだ。上谷沙弥戦で負傷しながらも芯の強さを見せつけ、周りの目を変えた。復帰への道のりでさらにメンタルが強くなった。
5・4福岡での初防衛戦(なつぽい戦)前には「たむの隣は奪えても、この白いベルトは奪えないから」と白川は口にした。コズエンとは決別し、このセリフでいうところの“たむの隣”からは離れた。
巡り巡って調印式では“たむの隣”に立っていた。この立ち方は2人の戴冠タイミングが一致しなければ得られない奇跡でもある。ある種、白川は違ったスケールで“たむの隣”を射止めてみせたのだ。
似た関係でいえば、ジュリア(ドンナデルモンド)と朱里(DDMから派生したゴッズアイ)がユニット変動と同期して闘いのスケールを広げた。ジュリア&朱里の存在感が大きくなり、同時に「DDMで歩んだ道は正解」ともファンに思わせた。この闘いには、物語に見合うまでの試合内容があった。
中野vs.白川。この試合は「赤白2冠戦」であること以上に「コズエンで歩んだ道を正解にする闘い」ではなかろうか。
会見で中野は「大掃除(長州力が新日本プロレスを出ていった際のアントニオ猪木のセリフ)」を口にし、白川はコズエンという過去を否定した。それでいて過去は未来とつながっているものであり、白川が4・23横アリで口にした「どんな過去でも、その過去が未来を輝かせてくれる」もまた真実だ。
白川は改めて「白いベルト取ったら、たむと防衛戦をしたいなと思ってました」という経緯を説明し、中野は「気になってるのはこの赤いベルトと白いベルトを統一するってことじゃないでしょうか」と補足してみせた。2冠戦決定となればテンプレートのようにSNS上に出てくる意見に回答したわけだが、しっかり見ているファンはそこが争点ではないことを知っている。
自身のアイデンティティからすれば、2人にとって「ベルトを落とす」ことよりも「コズエンで歩んだ道を正解にできない」方がずっとダメージがあるのだ。試合グレードを急ピッチで上げてきた白川と、名勝負製造機の顔も持つ中野。闘いの中身が問われる酷な闘い。中野も白川もそれを痛感して臨む一戦だとボクは推察している。
(全対戦カード)スターダム STARDOM Flashing champions 2023 5月27日(土)大田区総合体育館
■ スターダム STARDOM Flashing champions 2023
日時:5月27日(土)16:30
会場:東京・大田区総合体育館
<ワールド・オブ・スターダム&ワンダー・オブ・スターダム ダブル選手権試合>
[第16代ワールド王者]
中野たむ(COSMIC ANGELS)
vs.
白川未奈(Club Venus)
[第17代ワンダー王者]
※中野はワールド初防衛戦、白川はワンダー2度目防衛戦
<アーティスト・オブ・スターダム選手権試合>
[第29代王者組]
KAIRI&なつぽい&安納サオリ(REstart)
vs.
ジュリア&テクラ&桜井まい(バリバリボンバーズ)
[挑戦者組]
※KAIRI&なつぽい&安納は初防衛戦
ジュリア「(安納に)団体(アイスリボン)を抜けて、いろんなところを渡り歩いて、貢献して、輝くためにスターダムに来て、なにするかと思ったら中野たむを支える? アナタは女子プロレス一の便利屋ですか? 違いますよね。あの頃のギラギラした安納サオリ、そして私。この私たちで、またあの熱い思い、思い出しましょうよ。そしてKAIRI、日本でも世界でも、ものすごい実績を残してきた正真正銘のスーパースターだと思ってますが、日本に帰ってきてスターダムに上がってる彼女は、ゴールしちゃいました感が出すぎなんだよ。リスタート? 君たちユニット? よくわかんないけど、そのリスタートの初防衛戦、ベルトを落としてみじめな姿で、またスタート地点に戻ってもらいたいと思います。ふらっふらふらっふらしてるKAIRIは見たくねえよ。DDMちょうど空いてるよ」
KAIRI「は? ウチらさ、こうやってさ、対峙してる方がさ。まあいいや。赤いベルト、IWGP(女子)、お互い早々にベルト落とした同士。ま、だけど、ウチらなら、もうさあ、ベルトとかさ、関係ないくらい、すげえ試合できるんじゃない?」
安納「久しぶりジュリア。便利屋? そうねえ、そんなつもりでここに来たんじゃないってことをぶつけ合おうよ。アンタとずっと闘いたかった。忘れてるかもしれないけど、あの日の遊びの続きしようぜ」
<ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合>
[第27代王者組]
MIRAI&壮麗亜美(God’s Eye《THE NEW ERAS》)
vs.
刀羅ナツコ&渡辺桃(大江戸隊)
[挑戦者組]
※MIRAI&壮麗は2度目の防衛戦
桃「(大江戸隊はMIRAIが左足を引きずっていることを指摘)もし27日、チャンピオンチームが一人でもいなかったら、そのチャンピオンベルト、私たちのものってことでいい? それ約束してくれるんだったら、このタイトルマッチやってやってもいいよ」
MIRAI「自分はいままでなにがあっても欠場はしてこなかった。だから27日、絶対に2人で闘い抜く。だから、その条件飲んでやるよ」
<ハイスピード選手権試合 3WAYバトル>
[第22代王者] AZM(Queen’s Quest)
vs.
鹿島沙希(大江戸隊)
[挑戦者]
vs.
フキゲンです★(大江戸隊)
[挑戦者]
※AZMは13度目の防衛戦
AZM「(鹿島のパートナーのフキゲンを入れた試合で)正々堂々とかなくない? 3WAYですよね。ですよね? わかってるか?」
鹿島「わかってるよお。こっちも言わせてもらうけど、走ったりするのなしね」
<タッグマッチ>
飯田沙耶&向後桃(STARS)
vs. レディ・C&天咲光由(Queen’s Quest)
<タッグマッチ>
朱里(God’s Eye)&さくらあや(新人)
vs. ラム会長&尾﨑妹加(Rebel&Enemy)
<6人タッグマッチ>
林下詩美&上谷沙弥&妃南(Queen’s Quest)
vs. スターライト・キッド&琉悪夏&吏南(大江戸隊)
<8人タッグマッチ>
岩谷麻優&葉月&コグマ&羽南(STARS)
vs. マライア・メイ&ジェシー&ジーナ&月山和香(Club Venus)
<6人タッグマッチ>
舞華(Donna del Mondo)&鈴季すず(フリー)&星来芽依(フリー)
vs. 高橋奈七永(フリー)&水森由菜(フリー)&HANAKO(新人)
直前大会情報 5・12(金)品川、5・14後楽園(日)
■ スターダム FIBREPLEX presents NEW BLOOD 8
日時:5月12日(金)18:30
会場:東京・品川インターシティホール
※JR品川駅港南口よりスカイウェイ経由直結徒歩約5分
◆NEW BLOODタッグ選手権試合
《王者》スターライト・キッド(大江戸隊)&KARMA(ー)
vs. レディ・C(Queen’s Quest)&HANAKO(新人)
◆フューチャー・オブ・スターダム選手権試合
《王者》壮麗亜美(God‘s Eye)
vs.《挑戦者》吏南(大江戸隊)
◆超新星五番勝負〜第四戦〜
天咲光由(Queen’s Quest)vs. 渡辺桃(大江戸隊)
◆パッション注入マッチ
高橋奈七永(7Upp)vs. 琉悪夏(大江戸隊)
◆タッグマッチ
桜井まい(Donna del Mondo)&ちゃんよた(P.P.P)
vs. 鈴季すず(ー)&星来芽依(ー)
◆タッグマッチ
羽南(STARS)&妃南(Queen’s Quest)
vs. 稲葉ともか(God’s Eye/JUST TAP OUT)&稲葉あずさ(JUST TAP OUT)
◆シングルマッチ
月山和香(Club Venus)vs. さくらあや(新人)
◆シングルマッチ
中野たむ(COSMIC ANGELS)vs. 中野たむ(COSMIC ANGELS?)
■ スターダム Last Jumbo Princess ~ひめか引退セレモニー~
日時:5月14日(日)11:30
会場:東京・後楽園ホール
※残席(当日券)は指定A席9,000円のみ、枚数には限りあり。
◆ひめか引退セレモニー
◆6人タッグマッチ
中野たむ&なつぽい&安納サオリ(COSMIC ANGELS)
vs. ジュリア&桜井まい&テクラ(Donna del Mondo)
◆12人タッグマッチ
林下詩美&上谷沙弥&AZM&レディ・C&天咲光由&妃南(Queen’s Quest)
vs. 刀羅ナツコ&渡辺桃&スターライト・キッド&鹿島沙希&吏南&フキゲンです★(大江戸隊)
◆10人タッグマッチ
岩谷麻優&葉月&コグマ&羽南&飯田沙耶(STARS)
vs. 白川未奈&月山和香&マライア・メイ&ジェシー&ジーナ(Club Venus)
◆6人タッグマッチ
朱里&MIRAI&壮麗亜美(God‘s Eye)
vs. 高橋奈七永&水森由菜(7Upp)&HANAKO(新人)
◆3WAYバトル
舞華(Donna del Mondo)vs. 鈴季すず(フリー)vs. 琉悪夏(大江戸隊)
◆シングルマッチ
星来芽依(フリー)vs. さくらあや(新人)