木谷氏「IWGP女子」提唱は3年前から 小川EP「既存ベルトとは別の意味」
29日のスターダム戦略発表会で創設が明かされた「IWGP女子王座」に賛否が集まり、波紋を呼んでいる。発表会後にはスポーツトレンドにまで「IWGP女子王座」が表示された。騒動の行方は?
木谷オーナー「新日本とスターダムがグローバルスタンダードとして世界市場に打って出るタイトル」
その発表は、11月20日・有明アリーナ大会、新日本プロレスとの合同興行について言及する中で行われた。
(新たにIWGP女子王座 売上高5倍を巡業バスで選手に還元 スターダム)
木谷高明オーナー「IWGPの女子の王座を新設しようかなと考えています。決定戦を11月20日にやろうと。どんなタイトルかっていうと、書いてあるように、新日本プロレスとスターダムがグローバルスタンダードとして世界市場に打って出るタイトルとして創設すると。国内においては新日本やスターダムのビッグマッチの中でやるのと、個人的には場合によっては他団体に対してまで幅広く存在していくタイトルにしようかと思っております」
(29日、スターダム戦略発表会)
(Kidani)
I am thinking of establishing a new IWGP women’s title. We are going to have a deciding match on November 20. What kind of title is it? As it says, it will be established as a title that NJPW and Stardom will launch in the world market as a global standard. In Japan, it will be a title that will be used in big matches of NJPW and Stardom, and personally, I would like to make it a title that will exist widely to other organizations in some cases.
アントニオ猪木が創設し、新日本プロレスの歴史の中で育まれた「IWGP」の歴史。その新たな1ページともなる構想に新たな可能性を感じたファンからは歓迎ムード。一方で、団体をまたがって「IWGP」ブランドが使用されることへの嫌悪感・違和感、あるいはスターダム既存ベルトとの序列懸念などから反対の声も相次いだ。
この混乱から、発表会5時間後に木谷オーナーは「もう少し丁寧な説明をするべきだったと反省しています。必要性や趣旨、運用方法など近日中に発表させて頂きます。ご不快な思いをさせた皆様に心より申し訳ないと思います。本当にすみませんでした」とツイート。
もう少し丁寧な説明をするべきだったと反省しています。必要性や趣旨、運用方法など近日中に発表させて頂きます。ご不快な思いをさせた皆様に心より申し訳ないと思います。
本当にすみませんでした。#njpw #スターダム https://t.co/max86ctJG8— 木谷高明 (@kidanit) July 29, 2022
ロッシー小川EP「既存のスターダムのベルトにも歴史がありますので、それも継続」
一夜明け記事で東スポがロッシー小川エグゼクティブプロデューサーのコメントを出している。
一体、新設ベルトはいかなるものなのか。スターダムのロッシー小川エグゼクティブプロデューサー(EP)を直撃すると「このベルトはスターダムが運営、管理をするのですが、スターダムのベルトとは別の意味があります。世界に対しての発信や、男女平等の世の中でつくられたベルトだと思っています」と説明。「既存のスターダムのベルトにも歴史がありますので、それも継続してやっていきますし、どのベルトが上かというのは見ていただく人に決めてもらえれば」と語った。
新日本プロレスとの合同興行(11月20日、有明ガーデン)が新王座創設の一つのきっかけになったと言い「ブシロード体制になった時に、IWGPのベルトがあればいいなと。体制が3年目になって、ここのところの実績を認められてきたというのもあるのではないかと思います」とも明かしている。
(2022年07月30日 【スターダム】話題騒然「IWGP女子王座」新設の真意とは? ロッシー小川EPを直撃! | 東スポのスターダムに関するニュースを掲載)
(Ogawa)
This belt is operated and managed by Stardom, but it has a different meaning than the Stardom belt. We believe that this belt was created to send out information to the world and in a world where men and women are equal. The existing Stardom belts also have a history, so we will continue to manage them as well, and it is up to the people who watch to decide which belt is the best. When Bushiroad became the parent company, there was a proposal to establish the IWGP title. Now that we are in the third year of the system, I think it is possible that our recent achievements have been recognized.
小川EPが改めて「スターダムのベルトとは別の意味があります。世界に対しての発信や、男女平等の世の中でつくられたベルトだと思っています」と補足する。加えて「ブシロード体制になった時に、IWGPのベルトがあればいいな」との言い回しで、かねてからの構想であったことに触れた。
スターダムがブシロード入りした3年前 木谷オーナー「交流が生まれなくても、IWGPのブランド自体を借りるというのはありじゃないですか」
「IWGP女子王座」については有明大会からするとちょうど3年前、当時スターダム新オーナーとなったばかりの木谷氏が提唱している。
同一傘下団体となったことで浮かび上がるのが「IWGP女子王座」の設立だ。新日プロの管理王座として約32年の歴史を誇るIWGPの名前は、世界中で高い認知度を誇る。
「できたらいいですよね。それは向こう(新日プロ)の現場との話ですけどね。(スターダムにも)ベルトはあるので、その時は整理しなきゃいけないでしょうけど。交流が生まれなくても、IWGPのブランド自体を借りるというのはありじゃないですか」
ブシロードは2012年に新日プロを子会社化し、売り上げを約5倍に伸ばすことに成功した。木谷氏は年間約2億円のスターダムの売り上げを、3年で3倍の6億円にすることを目標に掲げる。人気低迷が続いた女子プロに再び黄金期をもたらすことができるのか、その手腕に注目が集まる。
(2019年11月11日 【スターダム】木谷新オーナーが改革プラン カイリ&イオをWWEから呼び戻す | 東スポのスターダムに関するニュースを掲載)
(Kidani , 3 years ago)
IWGP Women’s Title? It would be nice if it could be done. That would have to be decided after discussions with NJPW. Even if there is no interaction with NJPW, I can think of a way to borrow the IWGP brand itself.
当時記事の「3年で3倍の6億円にすることを目標」が実際には「3年で5倍の10億円」という実績になっているのだから、スターダムの勢いがわかるというもの。あれから両団体の関係は大きく進み、スターダム提供試合が何度も新日本のビッグマッチに提供されている。さらには11月の合同興行開催である。
当時のコメントでは「(スターダムにも)ベルトはあるので、その時は整理しなきゃいけない」とされていた。このことから、今回になって改めて「スターダムのベルトとは別の意味」と整理されたことになる。
新日本団体内においても“ベルトの枠組みが変わる”際には大騒ぎになるのが常であり、2021年の年始ドーム明けに飯伏幸太が「この二つのベルトを一つにしたら、もっと凄いことが生まれるんじゃないかなと。絶対おもしろいことになる」とベルト統一を提案したときも大騒動となった。
今回は団体がまたがったことでなおさらであるが、それは使いようでは“世界市場進出の際の武器”になることも意味している。11月20日・有明アリーナ大会の概要とともに、王座の意図詳細、決定戦出場選手などの発表が待たれる。