中野たむを貫き通した2人 世にも不思議な対決を金曜夜1.3万人同時視聴
12日、スターダムが『FIBREPLEX presents NEW BLOOD 8』品川インターシティホール大会を開催した。コメント言い回しは公式サイトに合わせてあります。
ピンクデビルがフューチャー掴む 吏南「もっと盛り上げる、輝かせる」
<第7試合/フューチャー・オブ・スターダム選手権試合 15分1本勝負>
●[第9代王者]壮麗亜美
12分29秒 ハイドレンジア(グラウンド卍固め)
〇[挑戦者]吏南
※壮麗が4度目の防衛に失敗。吏南が第10代王者となる
ずっとフューチャーにこだわってきた吏南が1年2か月ぶりの挑戦となる。
迎え撃つ壮麗は4度目の防衛戦。
リング外で吏南の攻撃が冴える。花道助走つきのフロントキック、ダイビングニードロップ。
壮麗は体重を乗せてのラリアットを放つなどパワフルだ。大江戸隊がレフェリーのブラインドを突いて吏南をアシスト。
痛めた右腕に木村花譲りのハイドレンジア(グラウンド卍固め)で追撃。ついに壮麗がギブアップ。
レディ「吏南、新フューチャー・オブ・スターダムチャンピオン、おめでとうございます! アナタがずっとずっとほしかったベルト、本当にその取り方でいいの? 私は、アナタとシングルマッチで正当に3カウントを取りました。そのベルトに挑戦する資格は、あると思います。私の最後の挑戦、受けてくれますよね?」
吏南「うざっ! うるせえんだよ。その身長があってフューチャーがまだ取れてねえオマエに言われる筋合いはねえよ、バーカ! (NEW BLOOD)タッグのベルトも取れてなかったじゃねえかよ。うるせえなあマジで。まあいいよ、受けてやるよ! ずっと取りたかったベルト、オマエに早々に渡すわけねえんだよ、バーカ! やってやるよ」
吏南「第10代フューチャー・オブ・スターダム、チャンピオンのピンクデビル、吏南です。ああ、獲れてよかったというか、辞めないでよかった、長かったけど、長いしずっと言ってきたから、そのぶん負けてばっかりだったけど、やっと。やっぱり言い続けるって大切だし、これからは吏南が、若い世代をもっともっと盛り上げていくんで楽しみにしていてください。で、次、レディ・C。挑戦表明されたけど、リングで言ったことが全てなんで。とりあえず、どんどん吏南がこのフューチャーのベルトもっと輝かせていきます」
メインは中野たむ対決だったが、吏南が強引にマイクを奪って大会締め。
リング内外での渾身の攻めがフューチャーへの熱意のあらわれだった。大江戸隊の介入にアレコレ言うファンもいるだろうが、レフェリーブラインドを突いているのだから執念のひとつだろう。木村花譲りのハイドレンジアまで投入して、ついにピンクデビルが戴冠だ。
ヒールらしくないかもしれないが、吏南は戴冠による感情を、スターライト・キッドとの抱擁、ロッシー小川エグゼクティブプロデューサーからのベルト授与、最後の大会集合ショットで爆発させてみせた。「若い世代をもっともっと盛り上げていく」「このフューチャーのベルトもっと輝かせていきます」とした防衛ロードに注目したい。
吏南選手がフューチャーのベルトを戴冠する姿を見守る羽南選手と妃南選手の目もうるうる😭していて素敵だった#羽南#妃南#吏南#STARDOM pic.twitter.com/c9HW63XRrd
— KNIGHT🔯(ナイト☆) (@knight_winter69) May 13, 2023
中野「次は中野たむ姉妹として一緒に闘ってあげてもいいよ」たむ「お姉ちゃんを見習って、もっともっと強い中野たむに」
<第8試合/シングルマッチ 15分1本勝負>
〇中野たむ
14分32秒 タイガースプレックスホールド
●中野たむ(石川奈青)
※以下、公式にしたがって中野たむを「中野」、ニセ中野を「たむ」表記。
中野をmeltearでのパートナーなつぽいが迎え入れる・・・ん!? 2人いる。1人は水森由菜ばりの巨体。
←中野 赤ベルト姿 たむ→
「なかの、た~む〜」とたむを選手コール。
「なかの、た~む〜」と中野を選手コール。
世にも不思議な対決を1.3万人がYouTube生中継で同時視聴。
←中野 ヒジつきアイドルポーズ たむ→
中野が背面キック。たむがカカト落とし。
←中野 宇宙旅行ダイブ たむ→
ここ一番で繰り出すグラウンド状態の蹴りをお互いに放つ。
中野がタイガースープレックスでたむを仕留めた。
中野とたむをWなつぽいが介抱する。
中野「おい、中野たむ。中野たむの痛みを知ったか? 私がホンモノの中野たむだ。ねえ、ニセモノさん。アナタはそんなにたむのことが好きなんだ」
たむ「中野たむは勝って、そして中野たむが負けた」
中野「そんなに中野たむだって言い張りたいのか? だったら、もっと強くなってから来てもらわないと困るな! そんなに中野たむだって言うんだったら、次は中野たむ姉妹として一緒に闘ってあげてもいいよ」
中野「まあ、なっちゃんも2人いるくらいだからいいでしょう」
なつぽい「ぽい。ぽい。(もう一人のなつぽいは)パイナップルの妖精」
中野「(パイナップルの妖精は)なんかデカくない? まあいいや。みなさんリングに上がってください」
(バックステージ)
中野「なんかここまで、まあ見た格好とか技マネしてきたことはホントすごいと思う。ホント感服する。でも、誰かに憧れて、その背中を追ってるうちはいつまでたってもホンモノにはなれないよ。まあ、宇宙で二番目か三番目にしかなれないってこと。いいもの持ってるんだからさあ、たむのマネばっかしてないで、誰かにマネされるくらい、自分を極めたらいいんじゃない。それでもたむのマネを極めるっていうんだったら、まあちょっとね、たむも多忙になってきたから影武者でも頼んでもいいかな。そうしよう」
たむ「(涙)悔しいです…。中野たむをこんなにたくさんのお客さんが見に来てくださって…。……。メチャクチャ、楽しかったです。……。私は中野たむなのになにもできなくてホントに、悔しいですけど、まあ、向こうの中野たむが姉妹になりたいって言うなら、なってあげようかなと。もうちょっと、お姉ちゃんを見習って、もっともっと強い中野たむになりたいなと…。でもホントに楽しかったです。ありがとうございました」
世にも不思議な対決を会場とYouTube視聴者が見守る。2人の中野たむはコメディ感をもってスタートしたが、合わせ鏡のような技の繰り出しに驚かされる。さすがに地力に勝る中野が攻勢となるも、持てる力を振り絞るたむに歓声(声かけは常に区別できない「たむ」にならざるを得なかったが)。気がつくと試合は、笑いだけに終始することのない、張り詰めた空気となっていた。
苦悩のレスラー人生を送ってきた石川奈青扮するたむを受け止める中野。ワールド王者としての厳しさと懐の深さの両方をもって対応していた。ニューブラッドとしての息吹を感じたのは中野も観客も同じだったのではないか。ここみには“中野たむ”を貫き通した2人がいた。中野は「次は中野たむ姉妹として一緒に闘ってあげてもいいよ」とし、たむも「お姉ちゃんを見習って、もっともっと強い中野たむに」と呼応。つづきはあるのか?
(大会結果)スターダム FIBREPLEX presents NEW BLOOD 8 5月12日(金)品川インターシティホール
■ スターダム FIBREPLEX presents NEW BLOOD 8
日時:5月12日(金)18:30
会場:品川インターシティホール 観衆407人(満員/主催者発表)
<第1試合/シングルマッチ 15分1本勝負>
〇月山和香
6分12秒 極楽ドン→エビ固め
●さくらあや
月山が極楽ドンで勝利。さくら「デビューして、こうして対角に立たせてもらえるようになったので、月山さんみたいに練習生たちにお手本になれるように練習これからも頑張りたいし、月山さんと次シングルせてもらうことがあったら絶対勝ちたいです」
マライアと白川が月山のセコンドについた。月山「頭に蹴りを食らいすぎて…いや、あんなやつの蹴りなんてことないです。でも私は新人のデビューしたてのことを思い出して、先輩に噛みつくとかできなかったことが心の中に残ってて、さくらあやは先輩に面と向かって言えて立派だと思います。SNSで匿名でアンチしている人たちはさくらあやのポートレートでも買って拝めばいいと思います。あいつは立派だから!! 今日試合して、あんなに堂々と闘うさくらあやを、ほんのちょっとだけ好きになりました。機会があったら組みたいと思ってます」
そしてフューチャー戴冠宣言。
<第2試合/タッグマッチ 15分1本勝負>
妃南 △羽南
15分00秒 時間切れ引き分け
稲葉あずさ △稲葉ともか
<第3試合/タッグマッチ 15分1本勝負>
○鈴季すず 星来芽依
9分0秒 テキーラショット→片エビ固め
ちゃんよた ●桜井まい
桜井「(退場する鈴季&星来へ)お待ちなさい! アナタたち田舎者は、この品川で試合ができたことを誇りに思いなさい! 帰ってよろしくてよ(鈴季&星来が退場)。そして今日、品川大会にお越しの庶民のみなさま、ごきげんよう。品川は、わたくしが中学高校時代に育った街でございますわ。今夜はちゃんさまとグランドプリンスホテル高輪でおディナーをいただきながら、やけ酒ですわ! アナタたち庶民は、品川駅港南口エスカレーターを下りてすぐ目の前にある富士そばでかけそばでも食べなさい! ちなみに、天かすは無料よ。それじゃ、ごめんあそばっせ!」
<第4試合/超新星五番勝負?第四戦? 15分1本勝負>
〇渡辺桃
11分4秒 ひとでなしドライバー→エビ固め
●天咲光由
<第5試合/パッション注入マッチ 15分1本勝負>
〇高橋奈七永
12分5秒 ラリアット→片エビ固め
●琉悪夏
<第6試合/NEW BLOODタッグ選手権試合 20分1本勝負>
[初代王者組]
○スターライト・キッド KARMA
16分29秒 モモ☆ラッチ
●HANAKO レディ・C
※キッド&KARMAが初防衛に成功
キッド「なんでNEW BLOODの象徴であるこのベルトがメインじゃねぇんだよ」。記者として個人的に編成できたとすれば「NEW BLOODタッグ」もしくは「フューチャー」がメイン。ただ、集客を引っ張ったのは中野たむ対決であり、その現実を突きつけた試合順というのもプロレスらしくもある。
<第7試合/フューチャー・オブ・スターダム選手権試合 15分1本勝負>
●[第9代王者]壮麗亜美
12分29秒 ハイドレンジア(グラウンド卍固め)
〇[挑戦者]吏南
※壮麗が4度目の防衛に失敗。吏南が第10代王者となる
<第8試合/シングルマッチ 15分1本勝負>
〇中野たむ
14分32秒 タイガースプレックスホールド
●中野たむ(石川奈青)