映画『ファイティング・ファミリー』レビュー 家族物語も注目だが、世界一のプロレス団体WWEの描かれ方が最高に面白かった
公開初日の“翌日”でもあり、映画の日の“前日”でもあった。11月30日に鑑賞したのは中途半端!? いや、面白さは半端なかったから気にするものは何もない。渋谷の映画館を出たら、媒体から評価のヒアリングを受けた。「100点」としか答えようがないだろう。
映画『ファイティング・ファミリー』は、WWEの女子プロレスラー・ペイジと家族の物語である。もっと言うと、WWEをペイジ以上に目指していた兄のストーリー。兄が選外となり妹が選ばれたところから、兄妹ともに生き方で急展開を迫られる。監督はプロレスを知らなかったところからロック様の依頼で引き受けたそうだが、いやはや本能的にプロレスを知っているのではないか。
リングからとことん遠ざけられ、もういつリングアウトになってもいいところからの生還。プロレスでの攻撃に相当するような伏線が、フィニッシュに近づくにつれて回収されていく快感。プロレスを知らない人でも楽しめるのは間違いないのだが、言い換えると家族物語に仕立てられた良質のプロレスがここにはあった。
家族物語としてのクオリティの高さがあったことで、ジャンルとしてのプロレスの描かれ方が仮に雑だったとしても評価を下げるものにはならない。それがどうだ。トライアウトからデビューするまでのパフォーマンスセンターでの特訓。これが毎日のように地獄であって、しかも毎日がオーディションのよう。脱落を言い渡されるか、それとも自らギブアップするか。どこまでが脚色でどこまでがリアルかはわからない。ただ「これがオーバーな描写とは言い難い」くらいの、高みを奪い合うWWEの世界観がプンプン漂う。
試合での攻防の流れをやってみるシーン。モデルからの転身でスーパースターを目指すライバルが、要領を得ないのか下手くそなのかペイジにヒジを入れてしまう。インディープロレス出身のペイジはカチンとくるのだが、こうやってわからせるのよという打撃での仕返しを「レシート(領収書)を渡す」と表現した。これはヘッドコーチから注意を受け、チームとして取り組むことをペイジは諭される。
“虎の穴”チックでありながらも、ちょっと違う。とてつもなく狭き門であり、それでいて秩序崩しは許されない。こういう境遇で自分を確立して選ばれた人間がWWEを牽引できる。真剣勝負かどうかという定義は小さいことであって、プロレスは定義されて出来あがるんじゃない。心身ともに究極まで磨かれることでもって、スーパースターが誕生するんである。世界一のプロレス団体WWEの描かれ方が最高に面白かった。
棚橋弘至主演の『パパはわるものチャンピオン』しかり、柳澤健氏が氏の他著書と違う“新日本で許される範疇”で描いた『2011年の棚橋弘至と中邑真輔』しかり。日本流プロレス団体でありプロレスマスコミ範疇にとどまること。これはプロレスを守っているようでいて、かえってプロレスを小さくしていないかと気になった。
映画『ファイティング・ファミリー』。まわりの人間を「プロレス好きじゃなくても楽しめるらしいよ」って誘うのは大正解。それでいて、プロレスファンのあなたもプロレスの魅力に向き合える点でマスト鑑賞。「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」との言葉も「いやぁ、プロレスって本当にいいもんですね」との言葉も出てくる名作だ。
概要と上映館。
・ 映画『ファイティング・ファミリー』11月29日全国ロードショー
・ 映画『ファイティング・ファミリー』公式(@FIGHTING_FAMILY)さん Twitter
究極のエンターテイメント“プロレス”に、 生涯を賭けた強い絆で結ばれた家族の真実の物語
一風変わった家族のガッツ溢れるストーリー。それはイギリス映画特有のジャンルとも言える。名匠マイク・リーやケン・ローチが長年描いてきたワーキングクラスの英国ファミリーは決して裕福ではないが互いに本音でぶつかり合い、笑いと涙に満ちている。ブリティッシュ・フィルムはその生き様をユーモラスに、そしておおらかに謳いあげてきた。そこにはハリウッド映画にはなかなか出せない、身体をはった泥臭ささと虚飾を寄せつけない堅実さがみてとれる。今このジャンルに、新たな物語が刻まれた。その魅惑的なタイトルは『ファイティング・ファミリー』。実話に基づいたこの作品、レスリングに全てを捧げたある家族の物語である。
<Story>
イギリス北部ノーウィッチでレスリング・ジムを営むナイト一家はレスリングの固い絆で結ばれている。中1の時からリングに立っていた18才のサラヤ(フローレンス・ピュー)は特にレスリングを愛している。日々ジムに通う子供達にレスリングを教え、いつかはWWE(ワールド・レスリング・エンターテイメント)の試合に出て一家を盛り上げたいと願う健気な娘だ。兄のザック(ジャック・ロウデン)もプロレス命。だが彼は愛する彼女と結婚をし、普通の家庭も持ちたい。そんな兄妹に転機が訪れる。トレーナーのハッチ(ヴィンス・ヴォーン)に誘われ、WWE のトライアウトに参加する。そこで二人が尊敬してやまない、かのドウェイン・ジョンソンとの対面を果たすのだ。大喜びでトレーニングに勤しむ兄妹だったがサラヤだけが次のステージに進み、フロリダに行くことが決まる。兄と二人で渡米したいと言い張るサラヤを、ザックが説き伏せる。「家族みんなの為にお前一人でも行ってくれ。」渋々承知したサラヤはリング名を「ペイジ」に決め、大好きな家族と別れてアメリカに渡る——。■ファイティング・ファミリー
配給:パルコ ユニバーサル映画
2019年11月29日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー監督・脚本:スティーヴン・マーチャント
出演:フローレンス・ピュー、レナ・へディ、ニック・フロスト、ジャック・ロウデン、
ヴィンス・ヴォーン、ドウェイン・ジョンソン
原題:Fighting with My Family/2019年/アメリカ/英語/108分/シネスコープ/5.1ch🎬東京都 4館
TOHOシネマズ日比谷
渋谷シネクイント
キノシネマ立川
TOHOシネマズ南大沢🎬神奈川県 4館
キノシネマ横浜みなとみらい
TOHOシネマズららぽーと横浜
TOHOシネマズ川崎
TOHOシネマズ海老名🎬千葉県 2館
TOHOシネマズららぽーと船橋
TOHOシネマズ流山おおたかの森🎬埼玉県 2館
MOVIXさいたま
TOHOシネマズららぽーと富士🎬茨城県 1館
TOHOシネマズひたちなか
🎬栃木県 1館
TOHOシネマズ宇都宮
🎬京都府 1館
MOVIX京都
🎬大阪府 2館
大阪ステーションシティシネマ
TOHOシネマズなんば・本館🎬兵庫県 1館
神戸国際松竹
🎬愛知県 2館
伏見ミリオン座
TOHOシネマズ名古屋ベイシティ🎬静岡県 1館
静岡東宝会館
🎬岐阜県 1館
TOHOシネマズ岐阜
🎬北海道 1館
札幌シネマフロンティア
🎬宮城県 1館
TOHOシネマズ仙台
🎬福島県 1館
ポレポレシネマズいわき小名浜
🎬新潟県 1館
イオンシネマ新潟西
🎬長野県 1館
TOHOシネマズ上田
🎬富山県 1館
J-MAXシアターとやま
🎬石川県 1館
イオンシネマ金沢
🎬広島県 1館
イオンシネマ広島西風新都
🎬福岡県 1館
福岡中洲大洋
🎬熊本県 1館
TOHOシネマズはません
🎬大分県 1館
TOHOシネマズ大分わさだ
🎬鹿児島県 1館
TOHOシネマズ与次郎
🎬沖縄 1館
MIHAMA7PLEX
■映画『ファイティング・ファミリー』くりぃむしちゅー 有田哲平ナレーション予告編:11/29(金)公開!
関連。
・ 【インタビュー】監督が語る『ファイティング・ファミリー』に込めた思い――“自分の居場所を見つける物語”(cinemacafe.net) – Yahoo!ニュース
・ “ロック様”が挑んだプロレス映画「ファイティング・ファミリー」は必見の痛快作(ENCOUNT) – Yahoo!ニュース
・ ガチな気合いでプロレスに挑み、この後も話題作オンパレード。2020年「来る」スターは彼女に確定。(斉藤博昭) – 個人 – Yahoo!ニュース
プロレス界が大応援中!
■長州力
長州力です!「ファイティング・ファミリー」を観ました。この映画を観てる時に、自分の若い頃、
アメリカをサーキットして歩いた頃を思い出しましたね。プロレスファンでなくとも、とても面白くて
ファミリーの愛情っていうのが、すごく伝わってきました。観られる時はなるべく家族で観ると
けっこう面白いかもわかんないですよ。ぜひ観てください!
■蝶野正洋
プロレスラーの蝶野正洋です!俺はリングで戦っていて本当によかったと思えた映画をみつけました!
それが映画「ファイティング・ファミリー」!1人の女子プロのペイジが苦労の果てにタイトルを掴み取る、
プロレスとは何かを感じれる映画です!「ガッテム!!アイ・アム チョーノ!!
ファイティング・ファミリーだけ観てればいいんだ!!カモーン!!!!」
■中邑真輔
日本の皆さん、WWEの中邑真輔です!惜しくも2018年に引退したペイジの実話を元にした映画
「ファイティング・ファミリー」が日本でも公開します。夢に向かって家族で立ち向かう、何か胸の内側から
熱くなれるイチオシ映画!ぜひ劇場で体感してくれ!!「ファイティング・ファミリー!イヤァオ!!!」
■戸澤陽
どーも!戸澤陽です。このたび、WWEスーパースター・ペイジの実話を基にした映画が日本でも公開されます。
『ファイティング・ファミリー』、本当にに素晴らしい映画です!未来に希望を持ってがんばろう、明日も1日
頑張ろうと思えるような本当に素晴らしい映画なので、みなさん劇場で体感してください。
■Sareee
・ 「ディアナ」Sareee ペイジの映画鑑賞しWWE挑戦魂に点火!(東スポWeb) – Yahoo!ニュース
映画を見終えたSareeeは「アメリカンドリーム映画ですね。素晴らしい映画でした」。自らも挑戦を視野に入れているWWEを目指す家族の物語とあって「ペイジさんと私の今の気持ちに共通する部分がありました」と今後に向け闘志に火がつけられた様子だ。
さらに「実は父が熱狂的な(アントニオ)猪木さん信者でした。幼少期から休みはプロレス会場へ連れて行かれ、おもちゃはプロレスグッズしか買ってもらえませんでした。そういえば朝は炎のファイターで起こされたこともあります。ある意味、私の家族もファイテングファミリーですね」と懐かしそうに振り返った。
■ザ・ロックことドウェイン・ジョンソン
・ ロック様、本人役で出演の映画をPR「夢を諦める必要なんかない」(オリコン) – Yahoo!ニュース
この映画を見てくれるレスリングファンの人たち、WWEの人たちはすごく心に響くものを感じてくれると思う。同時に、レスリングを見たことがない、ファンじゃない、という人たちもとても楽しめる作品だ、なぜならこの作品には普遍的なテーマが詰まっているからね。愛はもちろん、家族、サポート、努力、そういった要素を全部味わうことができる。あと、世間の枠にはまらないからと言って夢を諦める必要なんかないと感じ取ってほしい!
■著名人コメント
・ 『キン肉マン』ゆでたまご、金メダリスト松本薫らが絶賛 『ファイティング・ファミリー』著名人コメント(リアルサウンド) – Yahoo!ニュース
・『キン肉マン』原作者・ゆでたまご(嶋田)
ジャンプは「友情・勝利・努力」で作られているがファイティング・ファミリーにもその全てが詰まっている。学生時代ロッキーを観た時の興奮を思い出しまたロック様の好演も見どころ。プロレスに興味がなくても興奮、感動を味わえる最高のエンターテインメントだ!
・ロンドン五輪柔道金メダリスト・松本薫
覚悟を決めたもの、現実を受け止め前に進むものは、最強だ。何かを成し遂げるには決して一人では出来ない。一人であって一人でない。家族、仲間、みんなの思いと自分の思いが一つになるとき、夢が叶い新しい自分に出会える。プロレスがわからなくても最後まで目が離せず、見終わる頃には自然と元気が湧いてくる映画でとても楽しかった。
・映画コメンテーター・LiLiCo
これはプロレスという楽しいものを軸にして、素敵に生きるパワーを注入してくれる一本。笑いと興奮と感動のバランスが最高! わたしはこれからも自分らしく生きよう…そんなことを教えてくれます。
・元女子プロレスラー・ブル中野
最後まで本物のレスラーだと思い、違和感を感じる暇もないほどリアルな試合がすごい。WWEという舞台で、全員がプロレスラーとしてデビューできるわけじゃないし、誰しもスターになれるわけじゃない。努力して、挑戦して、ダメだったとしても人生は続く。それでも生きていく人のことを、この映画はちゃんと描いてくれている。
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