ニュージャパンの名を冠したアメリカ法人が誕生へ! 期待しかない一方で会見に不足していた新日本プロレスらしさ
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21日、新日本プロレスが米国法人『New Japan Pro-Wrestling of America Inc.』の設立を発表した。
・ 新日本プロレスがアメリカ法人を設立!柴田勝頼「我々LA道場選手一同ますます頑張って行きます!以上!」(バトル・ニュース) – Yahoo!ニュース
21日、新日本プロレス事務所にて米国法人『New Japan Pro-Wrestling of America Inc.』の設立に関する会見が行われた。
まずは映像にて柴田勝頼より「柴田です。新日本プロレスはついにアメリカ法人を設立します!我々LA道場選手一同ますます頑張ってまいりますので、今後もご期待ください。以上!」と法人設立の報告。
続いて菅林会長より、アメリカ法人は新日本プロレスの100%子会社として2019年11月の設立を予定していることが発表された。今後に関しては、アメリカ法人CEOに就任する新日本プロレス経営企画部の大張高己執行役員より「海外で巨大資本の参入があり、アメリカの市場が拡大している。海外で新日本のストロングスタイルへの愛着やレスラーのレベルの高さが認知され、ファンはニュージャパンに強い思い入れを抱いてくださっている。プロレスを見始めてつきつめると新日本プロレスにたどり着くというファンも多い事がわかった。
我々はあくまで新日本プロレスをそのままアメリカにお届けしようという考えから社名もニュージャパンは変わらず、最後にアメリカという地域名をつけさせていただいた。アメリカを5つのエリアに分け、西海岸は6つの都市4つの州、中部を7つの都市6つの州などにわけ、概ねこのエリアをカバーして興行を行っていく。今後はLA道場にオフィスを構え、選手の育成やトライアウトも行い、目新しい対戦カードや新しい選手の参戦が実現する」と報告があった。
続いて行われた質疑応答では、まだ現段階では日本ツアーと海外ツアーが同時に行われる予定はなく、なるべく海外ツアーはNJPW WORLDにて配信していく予定。ただ、放送がないLA道場マッチも可能性はあるという。
この発表にともない、『Twitterアカウント:@NJPWofAmerica』が運用をスタートし、海外の情報に関してはこちらで発表が行われていくとのことだ。
会見詳細はリンク先で確認を。
・ 新日本プロレスがアメリカに新会社『NEW JAPAN Pro-Wrestling of America Inc.』を設立!【10.21会見】 | 新日本プロレスリング
先ほど菅林のほうから名前の発表がございましたけれど。じつはここも紆余曲折というか、議論がいくつかありました。本当に“ニュージャパン”なのかと。“ジャパン”と付けていることが、ちょっとローカル色が強いんじゃないかという話も、内外から聞こえてくることがありました。でも、我々はあくまでも、ファンのみなさんが第一に思ってくださってる新日本プロレスを、そのままアメリカにお届けしようと、そういう考えから“ニュージャパンプロレスリング”という言葉はそのままに、最後に“アメリカ”という地域名をつけさせていただくこととしました。
ビザ問題、興行開始時間遅れ問題と、今年に入って立て続けのトラブルに見舞われた新日本プロレスの米国興行。それでもビジネスとしての目途がついたとのことでアメリカ法人設立発表にこぎつけられたのは喜ばしい! クリアして当たり前の基盤面を、最低でも満たしてほしいところだったのだから。
法人設立がミニマムで意味するところは、異動なり採用なりで資本と人員が割かれて、本格的に活動していくこと。提携団体との利益折半というスキームも解消となっていく。
ところが、いきなり会見のリアルタイム配信での音声が出なかったというハプニング。不安がよぎるばかりであり、何かお祓いでもした方がいいんじゃないかと思うが、ここは会社として攻め続けるしかない。
当サイトの見解としては、かねてから変わらない。海外興行の強化路線には期待しかない。まして、会見冒頭に柴田勝頼のメッセージを持ってきたことには意味がある。いくつかの論評で、新日本プロレスが海外でも受け入れられている理由として、試合としてのグレードの高さ、格闘技的に見ても味わえるクオリティが挙げられてきた。
ロサンゼルス道場を牽引する柴田は、アメリカ法人を起点に展開される新日本プロレス米国バージョンの象徴そのものとなっていく。練習に裏打ちされてこその新日本だ。
だからこそ会見には違和感と不足を感じてしまう。柴田も急にコメント取りを振られたのだろうか。まるで読み上げただけのコメントは、ちょっとないだろう。
会見全体として、社内での企画書のリプレイを見せられているような内容は本意だったのか。アントニオ猪木の名前を出してほしいとまでは言わないが、「新日本プロレスを、そのままアメリカにお届けしよう」と本気で思っているのかどうかを問いたい。アンケート結果がどうだったか等は社内決裁に必要な話かもしれない。
「野毛とLAで競い合いながら育成をしているところ」との言葉はあったが、その行間こそ語られるべきだ。本丸は“道場で鍛え抜かれたレスラーが中心になって繰り広げる新日本こそ最強だ。我こそはという選手はアメリカ興行で名乗ってほしい”ということに他ならないだろう。
知ってますよ、挑戦受け入れはいろんなリスクをはらむ。現代では非常識だろうってことも。でも、猪木のときだって非常識だった。初代タイガーマスクが挑戦者を募集したこともあった。道場で前田日明らが返り討ちにしてきたわけであり、新日本プロレスの“最強”はいくつもの局面で守られてきた。同じことをやってほしい、言ってほしいとは必ずしも思わない。
例えばオカダの「レベルが違うんだよ」には、現代としての新日本のスピリットを感じている。同じように、会見で「試合としてのグレードの高さ、格闘技的に見ても味わえるクオリティ」を軸に会見で狼煙を上げてほしい。どう発信すればいいかをもっと考えてほしいと思う。新日本プロレスがなぜにアメリカ本格進出なのか、新日本としての姿勢で言葉にしなければならない。
両国大会でのライガーvs.鈴木みのるの死闘を新日本幹部は見たのだろうか? WWEやAEWというアメリカ拠点団体がある中で、新日本の闘いをまだまだ見せつけられていないことは我慢ならないはずだ。そういった魂の叫びが会見から感じられなかった。
言葉は穏やかでもいいのだが、新日本幹部から“柴田選手からも新日本スピリットについてじっくり説明を受けた。ビジネスとしての成功うんぬん以前に、アメリカ全土に新日本の強さを届けたい”くらいの姿勢こそを聞きたい。
柴田にも、新日本にも、世界に喧嘩を売ってもらいたかった。
ファン間では海外強化路線で国内軽視うんぬんとかとの意見も出ていると聞く。一方で大きな期待の声もある。そういう応酬もいいんだけれども、何よりボクらが声を出さなければいけないのは“新日本プロレス軽視”ではなかろうか。
会見のアウトラインは木谷オーナーや菅林会長にあらかじめ了承を得ているんだろうか。「対戦カード発表や会見も含むものがプロレスである」ということは基本中の基本である。それが感じさせられない会見になりそうならば、幹部は延期を指示しなければならないのではないかなぁ。
今後の柴田の言動は問われていくし、オカダ・カズチカには新日本ならではの姿勢を出してほしいし、内藤哲也にも新日本批判するなら今回のようなところを噛みついてほしい。だってボクらは、新日本プロレスが大好きなのだから。