【追っかけ現地レポート】イッテンゴが創った伝説は、2冠王者ではなく大ヒールだった!? ダブルドーム明けKENTA支持率急上昇
ダブルドーム(1・4&5)明けのイッテンロク、ここまで年始3連戦となる興行。6日の新日本プロレス大田区総合体育館大会はソールドアウトで開催された。
■ 新日本プロレス NEW YEAR DASH!!
日時:1月6日(月)18:30
会場:東京・大田区総合体育館 観衆4,078人(札止め=主催者発表)
<試合前>
獣神サンダー・ライガー引退セレモニー<第1試合>
アレックス・コグリン
クラーク・コナーズ
〇カール・フレドリックス
(10分40秒 高角度逆片エビ固め)
●上村 優也
辻 陽太
トーア・ヘナーレ<第2試合/4WAYタッグマッチ>
●SHO
YOH
(13分29秒 エル・エス・クレロ)
金丸 義信
〇エル・デスペラード
※もう2チームは「高橋ヒロム&BUSHI」「石森太二&エル・ファンタズモ」<第3試合>
〇飯伏 幸太
棚橋 弘至
デビッド・フィンレー
ジュース・ロビンソン
(11分39秒 カミゴェ→片エビ固め)
●チェーズ・オーエンズ
バッドラック・ファレ
タンガ・ロア
タマ・トンガ<第4試合>
〇鷹木 信悟
EVIL
(16分28秒 ラスト・オブ・ザ・ドラゴン→片エビ固め)
石井 智宏
●後藤 洋央紀<第5試合>
ロビー・イーグルス
ウィル・オスプレイ
YOSHI-HASHI
〇オカダ・カズチカ
(15分27秒 反則)
●タイチ
ランス・アーチャー
ザック・セイバーJr.
鈴木 みのる<第6試合>
●ジェイ・ホワイト
KENTA
(13分58秒 オコーナーブリッジ)
〇SANADA
内藤 哲也【メイン試合後のマイク】
KENTA「ジェイはな、ジェイはいま、『ここにいるヤツは全員アホだ』って言ってたよ、英語で。(※『KENTAは帰れ』コールと『レッツゴーKENTA』コールが交互に起き、そこから内藤の口調を真似て)大田区にお集まりのお客様(※場内笑&大歓声)、昨日の東京ドームは楽しんでいただけましたでしょうか!?(※と言いながら内藤を踏みつけ、大歓声とブーイングが入り乱れる) 俺はな、メチャクチャ楽しかったよ、ハハハ!(※大歓声&ブーイング) ……けっこう聞きいっちゃって、お前らいいコじゃねぇかよ(※場内笑&ブーイング)。なんかもっと言ってこいよ、オイ!? ホントは俺のこと好きなんじゃねぇのか、お前ら(※場内笑&ブーイングから『KENTAは帰れ』コールが起きると) いいねぇ。もっとちょうだい。もっともっと!(※とファンを煽る) …いや、帰んねぇから(※場内笑) お前らはホントに愚かで醜いわ。特にロス・インゴのファン。気持ちわりぃ!(※ブーイングから内藤を両脚で踏みつける) とりあえずな、俺が何が言いたいかっていうと、この2本のベルト、俺、頂いちゃうよってこと!(※と言ってマイクを捨て、内藤の顔面を蹴り飛ばす)」
ここでKENTAは2本のベルトを持ち、不敵な笑みを浮かべる。そして、それを投げ捨てると、内藤にストンピングを見舞った。
すると、阿部リングアナが「本日のメインイベントは13分58秒、SANADA・内藤組の勝利です」とコールし、場内にSANADAの入場曲が流れる。
そんな中、KENTA、ジェイ、外道はウルフサインを合わせるが、直後にKENTAがマイクを掴み、「オイ、ちょっと待て! オイ、このクソみてぇな曲、止めろ、オイ。こんなクソみてぇな曲流すより、俺の曲流せ、オラ! 俺の曲流せ!」とアピール。
これにより、今度はKENTAのテーマ曲が場内に鳴り響き、またもや大ブーイングが起きる。しかし、KENTAは満面の笑みを浮かべ、改めてジェイたちとウルフサインでキス。
【バックステージ】
外道「何か言うことがあるんじゃないのか?」
ジェイ「そうだなぁ。俺の思いでも伝えるか。何て言ったらいいのか分かんないけど。いろいろと疑問、質問を投げかけられるが、オマエらは知っておく必要がある。それは、オマエらが何を求めているか、何を欲しているかなんてどうでもいいってことだ。俺は俺のやりたいことをやる。BULLET CLUBはBULLET CLUBのやりたいことをやる。もう、一人称は“俺”じゃない。“俺たち”BULLET CLUBのつながりはより強固なものになっている。そして前にも言ったかもしれないが、俺たちには必ず新しいプランがあるんだ。今だってそうだ。常にプランはある。分かったか!」KENTA「(※報道陣を見て)いっぱいいるなぁ、今日。ちょっと座れよ。(※と、報道陣を座らせ、自分も床にあぐらをかく)久しぶりだから座れよ。哲也ぁ! バカチンが、哲也ぁ! もっと気合い入れてこんかい、哲也ぁ! 情けない……情けない姿だなぁ、オイ! (※カメラに)昨日いた? 会場に。(※カメラうなずく) ムチャクチャ気持ちよかった、アレ! ブーブー言って大合唱してたよ! アホどもが! したいって言うからさせてやったよ、大合唱! 今日もさせてやったけど、やったらやったで小っちぇぇ声で中途半端に! はぁ!?
(※体の向きを変えて)あとなぁ、言いたいことがあるんだけどな、今日。ちょっと長くなるぞ、今日。終電大丈夫? (※カメラうなずく)あのな、SNSの使い方! オマエら、今の時代、SNSで直接選手に文句言えるなんて、オマエらいい時代に生まれたなぁオマエらなあ! でもなぁ、見たらオッサン多い! どうなってんだ世の中! オッサン心当たりあんだろ? オマエだよオマエ! あのなぁ、ホントに情けないことになぁ、子持ちもいたぞ! 俺、調べたんだ。プロフィール見たら子持ちもいたぞ! 自分の親がそんなんだったら恥ずかしいわオイ! なぁ。二度と俺に送ってくんなよ、くだらねぇ! 二度と俺に送ってくんなよ! 送ってくんなよ! 分かったな? 『送ってくんな』っていうことは? ……まぁいいや。とりあえずよぉ。哲也ぁ! 気合い入れんかい、もっと!
(※立ち上がりかけて、座り直す)あとな、もう一個言いたいことあんだよ。長くなるぞ今日! もう終わった話だけどな、ちょっとゴトヒロ問題だけハッキリさせてくれ! アイツの昨日のコメント見た? 俺が『命をかけて』新日本に上がってるって、アイツ毎回言ってたろ! 決めゼリフのように! 俺、言ってねぇから。『命をかけて』とは絶対に言ってない、はず! 俺、命なんて言葉を軽々しく使わない。『プロレス人生をかけて』とは言ったよ。『命をかけて』とは言ってない! 何かアイツのキラー文句みたいな感じでいっぱい使ってたから途中では言わなかったけど、俺、言ってないから。ゴトヒロ! ちゃんと記憶しろよ! (※立ち上がりながら)結局、俺が何を言いたいかっていうと……毎回毎回、そんな言いたいことなんてないってこと!」内藤「(※足を引きずりながらインタビュースペースに現れ、一度床に寝そべると体を起こして座った状態で)東京ドーム大会のエンディング、あの注目される舞台で行動を起こす、こうして話題になっている。レスラー目線で言うとさぁ、これは素晴らしいことだと思いますよ。やっぱ、言葉や行動で示すことこそ、お客様に自分の意志を伝える一番の方法だと思いますよ。さすが、世界を経験した男。さすが、昨日東京ドームで後藤に敗れ、NEVERを落とした男。やっぱやることがちがうよねぇ~。彼は俺と遊びたいんだろ? 東京ドームのメインイベントで勝利した人間しか味わうことができない空間を、邪魔されたんだ。遊んでやるよ。だーけーどー、だけどさぁ、(※ため息)これでいいの? 一昨日・昨日、オカダ、飯伏、ジェイ、内藤、この4人で争ったんだよ。『伝説を創る』って、モニターでも流れてたよ。それだけのことをやってきたんだよ。それが、昨日後藤に負けてNEVERを落とした…いや確かに、メインイベント後に入ってくる、それは素晴らしい行動だよ。勇気のいる行動だと思うよ。でもそれをやっただけで、こんな何でもかんでも認められてしまうほど、この伝説っていうのは、ヤワな伝説だったの? もう一度言うよ。俺はKENTAと遊んでやるよ。シングルマッチ? やってやるよ。ただしこれがタイトルマッチなのかどうか、まぁそのへんはさぁ、近々発表があるんでしょ? 次のシリーズとかの発表あるんでしょ? 新日本がどういう判断を下すのかどうか、俺は楽しみに待ってるよ。この判断次第ではさぁ、やっぱり不信感が湧いてきてしまうよね。伝説を創ったこの男に、まだ嫌がらせをするのか、そして昨日、東京ドームに、大合唱を楽しみにお集まりくださったお客様を、どこまでバカにするのかねぇ。まぁさぁ、新日本プロレスの発表を、楽しみにしてるぜ。カブロン!」
ダブルドーム2日目のメイン終了後、内藤が「デハポン大合唱」にさしかかった絶妙のタイミングで乱入したインパクトは絶大だった。試合の勝敗を左右する乱入ではなかったものの、大きな、大きな、大きな公約の阻止。さんざん待ったロスインゴファンも、夢は(2冠奪取の方の)半分が叶ったからまあいいかという心境ではなかろうか。ここでやらなくてもという声、NEVERベルトを落としたばっかりなのになぜとの声も多数。それでいて、次のストーリーをつくるための絶妙なところを突いた。
Twitterでは「KENTA」がリアルタイムツイートランキング1位になったんだという。当たり前のようにKENTAは6日、ダブルドームで2冠を争ったジェイ・ホワイトよりも“後”に入場してくる。
ドームでも見られた指揮棒振り回ししぐさによるブーイングへの呼応。『KENTAは帰れ』『レッツゴーKENTA』交互チャントに合わせてのダンス、イス攻撃で内藤をKOしてからの“内藤風”マイク、退場口でのひざまずいての投げキッス。ブーイングが大発生する一方で・・・みんな笑ってる、しっかり受けてる。ついつい見てしまうだろ!!
イッテンゴが創った伝説は、2冠王者ではなく大ヒールだった!? もっと見たくなる存在に大化け。パフォーマンスの精度を上げて劇場化したKENTAの支持率が急上昇だ。もちろんコダワリを持って見ているほど「ついていけない」というくらいが当然。そういうファンも多数いる。どっちに傾き、どう転がるか。ボクは「この特異過ぎるジャンルは、時にはファンを鷲掴みにし、時にはファンを突き放す。離れられなくなったファン、離れてしまうファン、両方を生んだであろうダブルドーム」と総括したが、展開というのはナマモノである。
大きなムーブメントは必ず異物感から生まれる。オカダ・カズチカによる棚橋イジリ、内藤のトランキーロムーブ。「こんなの絶対に認めない」というくらいのものが、トップへのカウンターとして支持を集め始める。何より、大きくなっていく過程を追うことは楽しい。プロレスとは常にマンネリからの脱却でもある。
KENTAにベットした新日本には恐れ入りましたとしか言いようがないし、試合内容中心に追随しようとするノアや全日本を別アプローチで突き放すかのようだ。バックステージも文字を追っているだけで楽しいKENTA劇場。観客やTwitterのいじりかたがギリギリ過ぎるところもまた、振り切っている。
KENTAは次の2冠戦へのワンポイントリリーフなのか、それとも中長期的な動きになっていく!? ジェイの「俺たちには必ず新しいプランがある」という言葉も不気味である。
なお、内藤が目の病気を6日発売分の東スポで明かしている。
「もうプロレス、できなくなるかも」との症状を明かし、昨年内に回復を遂げたものの、ファンを心配させていた内藤哲也の元旦公開インタビュー。東スポにて「右目上斜筋麻痺」だったと伝えられた。ロープが何重にも見えるほどだったが、11月29日に手術した。2冠王者として奮起の年!#njwk14 #njdash pic.twitter.com/iVyoWr6CDU
— カクトウログ_プロレス/格闘技 (@kakutolog) 2020年1月6日
「ここ半年の不調(リング上でのめまいがすることも)、見えなさ具合と比べたら全然見える。不安はなくなりました」ということなので、いったん安心してよさそうだ。