旗揚げ2か月の地に最高峰イヨ・スカイ 全ての動きに無駄がないプロレス
13日、マリーゴールドが『 MARIGOLD Summer Destiny 2024』両国国技館大会を開催した。
(大会ベストバウト投票は7月17日(水)24時まで受付)
「林下詩美vs.イヨ・スカイ」Queen of Queen 熱闘GRAPH
■マリーゴールド MARIGOLD Summer Destiny2024
日時:7月13日(土)14:30 ※第1試合は14:10
会場:東京・両国国技館 観衆3058人(主催者発表)
<第7試合/Queen of Queen~誰を信じるかは自分で決めろ!~>
●林下詩美
23分1秒、ムーンサルト・プレス→エビ固め
〇イヨ・スカイ
ガウン脱ぎだけで風格を漂わせたイヨ。
グラウンドで林下の身動きを奪い、舌をペロリで余裕を見せる。
高さも屈伸もあるスワンダイブ。
場外にムーンサルトアタック。
一方的な試合はもちろん回避したい林下。得意ムーヴで巻き返しを図る。
このハイジャックでの叩きつけを見よ。イヨはカウント2でキックアウトだ。
天下の宝刀としてのムーンサルトプレスが抜かれ、イヨが勝利。
それでも「ここは違うものを見せないと」2週間後のWWE日本公演との差別化を語る
(リング上でのマイク)
イヨ「6年前、私は『リングの上はどんなに距離が離れていても、世界中どこでもつながっている』その言葉を残して日本を旅立ちました。間違いなく、この試合は奇跡のマッチアップでした。実現してくれたマリーゴールド、WWE、そして、対戦相手の林下詩美選手、素直にありがとうございます。詩美、『誰を信じるかは、自分で決めろ』その言葉の答え、教えてあげようか? 誰を信じるか、それは、おのれ自身。自分自身の夢を信じて、そして自分の突き進む道を信じて。そして、自分のこと、あなたのことを信じてくれるみなさんのことを信じて…これからも歩み続けてください。その先に、大輪の花を咲かせてください。私も、まだまだ海の向こうで、世界の、その先の伸びしろを追い求めて走っていきます。これからもお互い頑張って高め合っていきましょう。みなさん、今日はこの奇跡の1戦を見届けてくださってどうもありがとうございました!!」
林下「イオさん、私は絶対にこんなんで終わらないから。私が絶対に、あなたを超える存在になるんで、また私の対角(線)に立ってください」
(バックステージ)
イヨ・スカイ「ありがとうございました。無事、えー、日本、 6年ぶりの日本凱旋試合で、まさかのマリーゴールドのリングという形ですけど終えることができました。イヨ・スカイです。改めまして、どうも。
(海外で闘う際のスタイルの違いは)全く違いました。意識するところも全く違ったし、また私自身が見せようと思っていることも、見せようと思ってるものも、全く変えてこの試合に臨みました。
(日本時代のことを意識?)しましたね、完全に。今月末にWWEの日本公演がありますので、WWEスタイルのイヨ・スカイはそこで観に来てくれるなっていうことが確信として持ってたので。じゃあここは違うものを見せないと、今日のチケット買ってるお客さんの意味がないじゃないかと。私のことを見に来てくれたお客さんのことを考えて試合をしました。
(お客さんの歓声は)いやー本当に勇気をもらえましたね。『おかえり』 っていう言葉もそうですし、歓声が起こる間(ま)の一つひとつがアメリカとは全く違ったので。そこがもう『ああ日本だ、帰ってきたんだ』。すごく愛おしく思いました。
(林下詩美選手)改めて試合前も『私にはないものを持ってるな』って思いましたけど、あのー、実際リング上で、対角(線)で目を合わせたときに『あっ、面白い子だな』『私とはなんかちょっと違うな』と。もしかしたら、野心とか『その先この業界を背負っていこう』とか、そういった意気込みっていうのは私と近いものがあるかもしれない。でも『持ってる性質とかは違うな』って、なんか面白みを感じました。これは自分で言うのもなんなんですけど、まぁ彼女が私に憧れてスターダムの門を、道場の門を叩いたっていうことを聞いて、わりと入って、入門してすぐのころに『イオさんに会わせたい子がいるんですよ』って。『挨拶したいって言ってるんですよ、詩美選手が』って…そのころは選手じゃないですけど練習生が挨拶したいと。私は『いや、やめときましょう』と(言った)。一選手となって、リング上で、対角(線)で、赤コーナー青コーナーで顔を合わせて、そこで初めて目を合わせたい。そういうふうに私は選手として思ったので。せっかく私に憧れたんだったら、会うときはリング上で。そう思ってそのときは断ったんです(カクトウログ註:実際にはその後に同じショットに収まったときはあり)。6年以上経って、今日その日がやってきたことを本当に私も嬉しく思います。
(イヨ創設のスターダムのユニット、Queen’s Quest(クイーンズクエスト)を詩美選手が背負ってきたこと)
もう素直に嬉しいですよ。やっぱりプロレスって、リングに立ち続けることって、私もよーくわかってるけど、(みなさんが)思ってる何倍も何十倍も何百倍も苦しいんですよ。つらいし大変だし華やかなことだけじゃないっていうのは、私が心からわかっている中で、彼女がそのイバラの道を乗り越えて今日この日までこぎつけたっていうのが、その彼女の目標の先に私がいたのかなって思うと、すごく嬉しいです。
(WWE日本公演以外で日本マットに上がる可能性は)
どうなんですかね(笑)。私はもう、日本人として、日本の誇りを持って。WWEの一員として、日本だけじゃなく世界各地で試合をしているので、またね、こんな素敵な日が来たら、私も心の底から嬉しく思いますし、もう大歓迎ですので。まあそこはプロレスの神のみぞ知るっていうところだと思います。でも私は大歓迎です。
(日本の女子プロレスをやってみての楽しさ)
あー、楽しかったです、本当に(笑)。技とか実は、使える技とか限られてるんですよね。最後、林下詩美選手を仕留めるために出さざるを得なかったパイルドライバー。
あれはWWEのリングでは見れませんから。そういったところは彼女に引き出されたんじゃないかなというふうに思います。日本スタイルそして世界スタイルを全部、今日全力出し切って、彼女と闘うことができました。ありがとうございました」
『リングの上はどんなに距離が離れていても、世界中どこでもつながっている』…確かに6年前にそう言った。イヨの言葉に“イオの言葉”を思い出す。プロレスで運命の一戦と呼ばれる試合は数多くあれど、渡航する“イオ”がWWE所属のまま日本の有力選手と、ましてや日本団体のリングで試合をするとは思いもよらなかった。
林下も間違いなく試合巧者だが、その林下をイヨが子ども扱いしているようにも見えた。体格を生かした強烈技がイヨに決まっても、いつの間にかイヨがペースを握り返す。冷静な動きで切り返し、そして美しくも強烈な技につなぐ。停滞やもたつきや無駄がなく、すべてが次の攻撃につながって感じられた。多くのレスラーにとっても、イヨの動きは一つのお手本になるようにも思える。
それでも「歓声が起こる間(ま)の一つひとつがアメリカとは全く違ったので。そこがもう『ああ日本だ、帰ってきたんだ』。すごく愛おしく思いました」との冷静沈着ぶり。「ここ(マリーゴールド)は違うものを見せないと」と、2週間後のWWE日本公演との差別化まで語ってみせた。
わずか旗揚げ2か月でありながら、新団体マリーゴールドに最高峰選手が立つ。ファンにはとてつもないプレゼントとなったわけだが、これをマリーゴールドは受け取りっぱなしにはできないだろう。両国大会は、敗れた林下そしてマリーゴールド勢の奮起ロードの始まりともなった。
(全試合結果)マリーゴールド MARIGOLD Summer Destiny2024 7月13日(土)両国国技館
■マリーゴールド MARIGOLD Summer Destiny2024
日時:7月13日(土)14:30 ※第1試合は14:10
会場:東京・両国国技館 観衆3058人(主催者発表)
<第0試合/シングルマッチ> ※14:10開始
●南小桃
8分23秒、ドロップキック→強引な押さえ込み→体固め
〇瀬戸レア
<第1試合/タッグマッチ>
△天麗皇希&後藤智香
10分時間切れ引き分け
ビクトリア弓月&△田中きずな
<大向美智子の長女「大向心希」がマリーゴールドに入団>
<第2試合/タッグマッチ>
〇CHIAKI&野崎渚
8分40秒、アルゼンチン・バスター→片エビ固め
マイラ・グレース&●ゼイダ・スティール
<第3試合/初代スーパーフライ選手権王座決定戦>
〇翔月なつみ
14分51秒、丸め込みの応酬→エビ固め
●松井珠紗
※松月が初代スーパーフライ選手権王者になる
<第4試合/マリーゴールドvs.LLPW-X>
高橋奈七永&桜井麻衣&●石川奈青
15分33秒、ローリング・キック→片エビ固め
神取忍&井上貴子&〇NORI
<第5試合/初代ユナイテッド・ナショナル選手権王座決定戦決勝進出マッチ>
●MIRAI
24分14秒、スタイルズ・クラッシュ→エビ固め
〇青野未来
※青野が王座決定戦に進出
<第6試合/初代ユナイテッド・ナショナル選手権王座決定戦>
●ボジラ
10分13秒、回転エビ固め
〇青野未来
※青野が初代ユナイテッド・ナショナル選手権王者になる
<第7試合/Queen of Queen~誰を信じるかは自分で決めろ!~>
●林下詩美
23分1秒、ムーンサルト・プレス→エビ固め
〇イヨ・スカイ
<第8試合/The DESTINY~マリーゴールド・ワールド選手権初代王座決定戦>
●ジュリア
25分48秒、フィンガー・ブリーカー→レフェリーストップ
〇Sareee
※Sareeeがマリーゴールド・ワールド選手権初代王者になる