田村潔司「お客さんに見せれる試合ではない」 LIDET UWFが対抗戦惨敗
9日、GLEATのUWF(格闘技ルール)部門大会『LIDET UWF Ver.0』が新宿FACEにて開催された。
大会結果 LIDET UWF Ver.0 6月9日(水)新宿FACE
■ LIDET UWF Ver.0(LIDET UWFvs.ハードヒット全面対抗戦)
日時:6月9日(水)18:30
会場:東京・新宿FACE 観衆234人(札止め/主催者発表)
<第1試合/LIDET UWFルール【シングルバウト】15分1本勝負>
●カズ・ハヤシ
0分42秒 フロントチョーク
〇佐藤光留
<第2試合/LIDET UWFルール【ダブルバウト】20分1本勝負>
田中稔
●渡辺壮馬
9分19秒 ジャーマンスープレックス→TKO
〇関根”シュレック”秀樹
阿部諦道
<第3試合/LIDET UWFルール【シングルバウト】15分1本勝負>
●飯塚優
15分00秒
〇松本崇寿
※残りポイント飯塚2・松本3
<セミファイナル/LIDET UWFルール【シングルバウト】15分1本勝負>
△松井大二郎
15分00秒
△和田拓也
※残りポイント両者5
<メインイベント/LIDET UWFルール【シングルバウト】30分1本勝負>
〇伊藤貴則
14分51秒 右ハイキック→KO
●川村亮
選手にとことん問いかける赤いパンツの頑固者。赤いTAKAYAMANIA支援Tシャツを着て語ったこと
そもそも難しいものへの挑戦なのだ。かつて新生UWFという格闘スタイルのプロレスがブーム化したが、選手・ファンの潮流はプロレス・格闘技それぞれへと帰着していった。それでもまた「格闘スタイルのプロレス」にスポットを当てようという小さなムーブメントがここにある。
「2020年10月15日(木) GLEAT Ver.0 後楽園ホール」大会における一部試合がUWFルールで行われたが、シミュレーション止まりに終わった感もあった。それが“勝敗重視の対抗戦”というシチュエーションで変貌する。LIDET UWF勢の発展途上ぶり、試合展開の膠着。これらはポジティブにもネガティブにも捉えられること。
カラダをつくってきたカズ・ハヤシが佐藤光留に秒殺される。様々な物語が展開しそうなムードにもなるが、このあとの第2試合以降は膠着が目立った。
メインで伊藤が苦戦の末に、右ハイキックでKO勝利。これは劇的だった。
現時点のLIDET UWFのリアルに納得したファン、最後のKO結着にスッキリしたファン。受け止め方は様々だったのではないかと思う。
(田村潔司の総括)
もう少し『伝えられる』試合ができれば…いいかなと。そういう意味で、第1試合がすごくよかったなと。まだまだね、UWFの格闘スタイルというのは、まだみんなキャリア的には浅いんで、これからだと思うんですけど。え~~~と、そうだなぁ、表現のね、仕方が難しいんですけど。とりあえず選手を育てるのは時間かかるし、回数を重ねていかなければいけないです。グレイトの選手に関しては、まだまだぜんぜん技量もないですし、お客さんに見せれる試合ではない・・・って言ったら変ですけど、ボクがイチお客さんだったとしたらたぶんつまんないと言うでしょう。ハードヒット側にはハードヒット側のスタイルがあると思うんで、そこは何とも言わないんですけど、グレイト側の選手にすごく気づくことがいっぱいあって、スマホでちょっとメモってるんですけど、ボク自身が伝えて・・・カラダで教えないといけない。暴力じゃなくて練習で。すぐ答えを言うと成長が止まってしまうんですよ。昔の話を出して申し訳ないんですけど、ボクの世代っていうのは考えさせられて育ったんで。彼らにはもっと考えろと言いたい。だからグレイトの選手がどう考えるか。今日の試合でお客さんに伝わったのかどうかが全ての答えだと思うんで、ボクが直接、言葉だけじゃなく練習で教えていけたらなと。そんな感じの印象の試合でした。
見せ方がある? 彼らにはまだ難題だと思うので、期間でいうとUWFで2年とか3年とかのレベル(註:「かつてのUWFで2~3年練習したレベル」ということか?)。これがUかと言われたら違うでしょうし、これがUかと言われたらそうでしょうし。ただ、仮にボクの諸先輩方に今回の試合を見てもらったとしたら、たぶんもうボコボコでしょうね。ボクもボコボコにされるでしょうし。ボクの課題ですし、監督のボクの責任であるんで。ただまあこういう表現ばっかりじゃダメだと思う。今日の第1試合、佐藤光留とカズ・ハヤシの試合はすごくよかった。
ハードヒットの情念? それどうかなあ、ひとことではちょっと片づけられないですけど。カタチは違えど目標は同じだと思うんで。いい意味でライバル団体だと思うんで、そこはまた何年後かにグレイトUチームも成長して、1年か3年か(後に)対抗戦やって、お互いがお互いを引き出せるような試合ができたらなと。ちょっとね、もう答えを言っちゃう感じになるんですけど、お互いの技量をお互いが殺し合ってる、潰し合ってる、そこがちよっともったいないなと。
たぶん僕が思うUと彼(佐藤光留)が思うUは違うと思う。彼が彼のUを貫き通して、ボクはボクのUを貫き通して、そこがまた何年後かにお客さんに喜んでもらえる試合が、ガチンコでもエンターテイメントでも・・・お客さんに伝わればいいかなと。対抗戦は個人的には間を空けた方がいいかなと。グレイトの選手がまだ出来上がってないんで。もう少し時間がかかると思う。個人的には。オーナーの鶴の一声があればやりますけれど。
LIDET UWFにどのような可能性? 可能性はあります。ありますけど、キャリアがまだまだ。何も考えてないんで。考えろと。目指すべき場所というか、ボクはもう目指すべき場所を決めてるんで、そこですね。ガチンコでもエンターテイメントでもお客さんに伝えないといけないんで、ボクのイメージしてるスタイルは新生UWFです。あの新生UWFのスタイルをお客さんに植え付けたいなと。いいですか?
バックステージでプロデューサーである田村が総括を出したわけだが、いやこれ、リング上でやってもいいんじゃないの!?というくらいに、試合とセットでファンが確認したくなる内容ではなかったか。
現時点で言えることはコメントに集約されているのではないかと思う。お互いの技量を引き出すには至っておらず、目指すところは新生UWF。とはいえ、当時の一定レベルのキャリアやオーラを持つ選手たちによる闘いとは異なるし、ファンの目も肥えている。田村の意向も反映されるだろうが、やはり選手がそれぞれに“何を見せるか”を考え抜くことが問われる。
アレコレ想像することがファンの楽しみなんであるが、ファンに強い読後感を持たせることを田村は目指しているんじゃないかとボクは思っている。
理由は明かされていないが、田村はブログでかつてのカクトウログでのファン立場の対談記事を引用している。
[第65戦目(リングス10戦目) 田村潔司vs前田日明 1997年3月28日 東京ベイNKホール | 田村潔司.com(ブログ)]
リングスでの前田日明vs.田村潔司を語ったもの。勘違いしているファンの見解を晒そうとしているのかもしれないし、こういうふうにいろいろ物語を感じさせることがやりたいことだと言っているようでもある。
いわゆる通常プロレスとは違う技術により、まずはお互いの技量を引き出す。レベルの高い(かつお客さんに見せられる)試合を前提として、物語を伝えていく試合をする。
実現に何年もかかるであろう赤いパンツの頑固者の見解。だけれども、高山善廣支援Tシャツ着用で現れたことで「ボクはあきらめませんけど」と言われたような気もしたんである。
7・1東京ドームシティホールで旗揚げ戦 GLEAT日程
ACCESS 2 TDCH “FACE-OFF”
2021年6月14日(月)19:00
ベースメントモンスター王子
GLEAT Ver.1(プロレス+UWFルール)※GLEAT旗上げ戦
2021年7月1日(木)18:30
TOKYO DOME CITY HALL
G PROWRESTLING Ver.1(プロレスルール)
2021年7月25日 (日)17:00
大阪・アゼリア大正ホール
G PROWRESTLING Ver.2(プロレスルール)
2021年8月4日 (水)18:30
東京・新宿FACE