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アントニオ猪木

柴田勝頼が追悼の卍固め 決着は「1、2、3、ダー」代わりの12分30秒

アントニオ猪木

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 28日、『INOKI BOM-BA-YE × 巌流島 in 両国』両国国技館大会が開催された。アントニオ猪木を創始者とする新日本プロレスからメインが提供され、柴田勝頼vs.トム・ローラーが行われた。

(大会結果)INOKI BOM-BA-YE × 巌流島 in 両国 12月28日(水)両国国技館

■ INOKI BOM-BA-YE × 巌流島 in 両国
日時:12月28日(水)15:00
会場:両国国技館

<オープニングファイト 巌流島ルール 3分3R 75kg契約>
●奥田啓介(レスリング/日本)
一本 2R1分3秒
○中谷優我(柔道/日本)

▼令和猪木軍vs世界格闘技軍 9対9マッチ>
<第1試合/先鋒戦 巌流島ルール 3分3R 58kg契約>
○龍聖(キックボクシング/日本)
 KO 1R31秒 
●ダウサコン・BANG BANG GYM(ムエタイ/タイ)

<第2試合/次鋒戦 巌流島ルール 3分3R 無差別級>
〇貴賢神(大相撲/日本)
 一本 1R ※押し出し(3度の転落)
●ミスターX(ジミー・アンブリッツ)

<第3試合/三鋒戦 巌流島特別ルール 5分3R 84kg契約>
○マーカス・レロ・アウレリオ(カポエイラ/ブラジル)
 一本 1R ※投げによる場外への転落→ドクターストップ
●江畑秀範(テコンドー/日本)

<第4試合/四鋒戦 巌流島特別ルール 3分3R 無差別級>
○関根“シュレック”秀樹(柔術/日本)
一本 3R1分4秒 ※3度の転落
●ヤン・ソウクップ(空手/チェコ)

<第5試合/中堅戦 巌流島ルール 3分3R 無差別>
●シビサイ頌真(武術/日本)
TKO 1R 2分20秒 ※パウンド連打
○ジョシュ・バーネット(キャッチレスリング/アメリカ)

<第6試合/六鋒戦 キックボクシングルール 3分3R 72.5kg契約>
○宇佐美秀メイソン(空手/日本)
判定3-0
●アルバート・クラウス(キックボクシング/オランダ)

<第7試合/七鋒戦 MMAルール 5分3R 88.5kg契約>
●岩崎大河(空道/日本)
一本 1R2分10秒 ※アームロッ
○ラファエル・ロバト・ジュニア(柔術/アメリカ)

<第8試合/副将戦 MIXルール(1R: キックボクシングルール3分/2R: MMAルール5分) 71kg契約>
○木村“フィリップ”ミノル(キックボクシング/ブラジル)
KO 1R1分6秒 ※左フック
●矢地祐介(MMA/日本)

<第9試合/大将戦 MMAルール 5分3R 92kg契約>
○イゴール・タナベ(柔術/ブラジル)
一本 1R
●メルビン・マヌーフ(キックボクシング/オランダ)

<第10試合/新日本プロレス提供試合 30分一本勝負 UWFルール(頭部への一切の攻撃は禁止) 無差別級>
○柴田勝頼(プロレス/日本)
ギブアップ 12分30秒 ※グラウンド卍固め
●トム・ローラー(プロレス/アメリカ)

エンディングセレモニーには新日本プロレス飯伏幸太も参加。

グダグダぎみの進行からマイクを奪い取った藤原喜明が、、、

音頭を取って「1、2、3、ダー」締め。

DREAMなどで活躍したメルヴィン・マヌーフ(46歳)は9月に引退したが、「日本でも引退試合がしたい」とこの大会に出場した。セレモニーも行われ、功績が称えられた。

柴田「約6年前、ほぼほぼ死にかけて、同じ両国のメインに、戻ってくることができました!」

トム・ローラーがいかなる闘いをするかも大きなポイントとなる試合。前日会見で「私は柴田と闘うために何年も準備してきました」「私がプロレスラーになった理由も、柴田勝頼が復帰した理由も、明日の試合を見ればわかります」などと語っていた。

猪木記事の見出しがプリントされた幕に身をくるめ、柴田が入場。HOLY SHIT(ホーリーシット)POP UP STOREなどで使用されているものと思われる(右写真は11月のもの)。

オカダ・カズチカ戦以来、5年9か月ぶり両国国技館メインに柴田が帰還。

頭部以外の打撃は許される。キックも飛び出すが、しばらくはグラウンドの攻防多め。観客は固唾を飲んで見守る。

昭和プロレスを彩ったサソリ固めに柴田が挑戦。しかしローラーが下から崩し、グラウンドで切り返す。格闘技・プロレス共通のファンが見守る令和の“進化した”闘いでは通用しないということなのか。

柴田がアリキックのアクション。これにはローラーも寝ころびつきあいにいくが、今度は柴田が立ち上がり、フットスタンプ狙い。攻防がノンストップ。

コーナー上に仁王立ちしたかと思いきや、柴田は猪木流ダイビングニードロップ。これはローラーがかわすが、柴田も自爆にならず着地。柴田の身のこなし!

総合格闘技とも違うグラウンド攻防。ローラーが攻勢で進め、ロストポイントを柴田が一方的に重ねてしまう。頭部へのエルボーにいこうとしたローラーが「(頭部打撃禁止ルールにつき)そうかダメか」とばかりに柴田の肩に見舞う場面も。

柴田はルールクソくらえとばかりに、反則となる猪木彷彿のナックルパート。串刺しドロップキックは“プロレス流”とは違い、対角線滑走距離短め。イエローカード。

攻防の中で・・・柴田はPK流の胸板キック。

格闘技大会、UWFルール試合で決まるか、アントニオ猪木必殺の卍固め、、、

崩れてしまうが、、、

、、、グラウンド卍固めに移行。耐えたローラーがついにタップ。

猪木流の雄叫び「ダー!」。本来の「1、2、3」をつけないものにこだわりか。

それでいて決着は「1、2、3、ダー」代わりの12分30秒。
https://twitter.com/K_Shibata2022/status/1608094347702194179

昭和プロレスと格闘技の間にある現代のストロングスタイルとでもいうべきものを、2人は描き切った。相手がトム・ローラーで本当によかった。

猪木の実弟である猪木啓介さんがセレモニーに登場。

盟友・棚橋弘至が解説席で見届けた。谷川貞治プロデューサーも満足そうだ。

マイクを取った柴田。「ありがとー!! 今日はアントニオ猪木に呼ばれて、ここに来ました。俺、6年前、約6年前、この両国でほぼほぼ死にかけて。でも、こうやって同じ両国のメインに、戻ってくることができました。元気があれば何でもできる、そのとおりだと思います。今日はありがとうございました。そして、会長、おつかれさまでございましたー!! あとは小川(直也)総監督が締めると思いますので、よろしくお願いします。以上!!」

5年9か月前の試合とは異なり“自身の足で力強く最後まで進む”花道。

 一寸先はハプニング。猪木プロレスを表すワーディングだが、柴田にもそういう思考は自然と備わっている。約1年前の1月4日(成田蓮戦)では試合前にキャッチレスリングルール予定を反故にし、プロレスルールへと変更。この日は頭部打撃なしUWFルールをほぼほぼ遵守しながら独自の現代プロレスを全開させる。

 どんな物語と闘いをチョイスするかは、そのときそのときの柴田の思考だ。猪木もそうやってきたし、猪木ファンも共鳴から暴動まで幅広い反応によって本気で向き合ってきた。個人的にはイッテンヨンには疑問符が付いたが、今回はまさに柴田にしかできない闘い、柴田ワールドに酔いしれさせてもらった。

 ギリギリだった。5ロストポイントで負けになるところを4ロストにリーチし、イエローカードまで食らう。されど苦しみの中から立ち上がれ。闘魂をコブシに宿らせ、柴田が卍固め。これこそが我々が見たかった「弔い」だ。

 実際に繰り広げられた闘いは写真まじえたレポートの通り。昭和プロレスの単純明快さとも、総合格闘技のリアルファイト領域とも異なる。いくらでも言いようはあるだろうが、こういうルールで技術ある選手同士が闘えばこうなる、という納得づくめのものを見ることができたカタルシス。

 加えて言うなら、制限があるところでのリアル。頭部攻撃も回避はしたいし、総合のリングも今は離れている。猪木ボンバイエ側と今回の試合ルールを決めていく際に、柴田から「自分できることは限られてきます。そのなかでやれることをどうぞ決めてください」とのアプローチがあったのだという。なんと客観的かつ冷静で、自信に満ちた申し出だろうか。この状況下での苦しみと葛藤から逃げず、目をそらさず、そのうえで勝つ。

 「できること」が集約した柴田の現時点の闘魂と、猪木永眠イヤー締めくくりがクロス。この一回性は至極そのもの、感動巨編すぎたと記したい。

柴田バックステージコメント

柴田は大会ロゴの前で両手を突き上げた。

 バックステージコメントを新日本プロレス公式から。

――試合を終えて率直な感想をお願いします。

柴田 今日、アントニオ猪木に呼ばれた人間だけが来てると思うので……。俺には来ないっていう理由がまったく見当たらなかったので、今日ここで試合ができたことは自分にとってとても大きな意味があります。そして、さっきも言ったんだけど、自分は同じ両国でケガをして、だけどこうしてまた再びリングのど真ん中に戻ってくることができるって、それを一つ証明できたと思います。

――対戦相手のトム・ローラー選手の印象は?

柴田 最高でしたね。トム・ローラーでホントに良かったです。トム・ローラーとこのタイミング、この日、もう二度と来ないですよ、この日というのは。会長が亡くなられた後の第1回目の『INOKI BOM-BA-YE』、追悼大会っていうのはもう二度とないので、そこに自分がリングに上がってトム・ローラーと試合ができた。これがいま自分にできる“闘魂”だと思います。

――アントニオ猪木さんへメッセージをお願いします。

柴田 本当にお疲れ様でございました。あとは柴田がやります(キッパリ)。みんな役割があると思ってて、自分にできることは自分がやる。ほかの人間がやれることはほかの人間がやっていけばいいと思います。プロレス界、格闘技界、カポエラ界?どこの世界でもアントニオ猪木ってそんな小さいモノじゃなくて、もっとデカいモノですよ。

――今回の両国のメインイベントでは何を伝えようと想いリングに上がりましたか?

柴田 文字通り闘魂ですよ。ホントに俺ができることって最初に話しいただいて、自分が話した時に「自分できることは限られてきます」と伝えて、「そのなかでやれることをどうぞ決めてください」ってことで今回のルール、形式になりました。会場に来てからホントに不思議な時間を過ごしましたね。「俺、なんでここにいるんだろう?」っていう素の自分もいたりして、でも「しっかり弔おう」っていう自分もいて……。今日できることは精一杯やったつもりです。たぶん試合を観たら「あっ、しょっぺぇな」って自分でも反省するところがたくさん出てくると思うんですよ。

――闘魂の言葉通り、やられても立ち上がって最後は執念のグランド卍固めで勝利を奪いました。

柴田 今日このルールで、このタイミングでできる試合をするってなって、全力を出したらああいう形になりました。ホント自分で観ても「もっとこうしたら良かった」ってたくさん出てくると思うし、つねに反省で……。まあでも、今日プロレスラーが一人この大会に上がるっていうことに一番意味があったと思います。なんだかんだ言って会見でも言いましたけど、ほかの格闘技の大会に自分が出れる場所もないです。だけど、今日の大会はアントニオ猪木追悼大会『INOKI BOM-BA-YE』なんで、だから自分はやりました。ありがとうございました。以上!


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